お互いに独りぼっちになってしまったおっさんハンターとオトモがタッグを組んで、G級までに昇って行くお話し。戦闘シーンはありませんのでご容赦ください。

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失礼します。急に短編を一つ書いてみました。戦闘シーンはありませんので、ご容赦ください。ショートストーリーのスタートです。



ぽっちのおっさんハンターとオトモの狩物語。

 どうも、初めまして。私は”アレックス”と言います。こっちは私のオトモになった、

 

「ルミラと言いますニャ。」

 

 今、私達は何とかG級に上がる事が出来ました。龍識船にも乗れて、今じゃ私達を馬鹿にするハンターさん達は居ません。初めは見返すために……。という気持ちも少なからずあり、強くなりたいという気持ちもあり、私と同様にルミラも独りぼっちでした……。

でも、ある時の出会いがきっかけで、独りぼっちを解消したんです。そこからが私達の本当のスタートだったと、今では思います。

私とルミラが、どうG級までに至ったのか、自慢にもなりませんけど聞いてやって下さい……。

時は遡ります………。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 私は新人ハンターになったばかりの、しかも遅咲きデビューのおっさんでした。ダンディーでもなく……、ちょいワルおやじでもなく……。元々、運び屋家業をしていて小物から大きな物まで村や町や城下町へと、荷物を運ぶ仕事をしてたんです。ですが、なにぶん賃金が安く、時間もまちまちで妻や子供に不満がられてました。妻にはハンターになってクエストをクリアして、報償金を貰って暮らしていく方がよっぽどましだ……と言われ、子供からはカッコ悪いと馬鹿にされ、散々な日々を送る毎日……。ついには愛想をつかされ、子供共々出て行きました……。私も散々言われ続けて疲れ果てていて、それを止める気力もありませんでした。

 確かにハンターという職業は凄いと思ってました。命懸けで数倍も大きいモンスターと戦う……。そりゃ、見返りの報奨金は半端ないですよね。ですが、反対に怪我を負って帰って来たハンターも多い……。片腕無くしたとか、片足を……とか、最悪命を…………。その時の妻や子供の辛い顔を思うとなかなかハンターになってみようと思う気がしませんでした。ま、私の勝手な思い込みで結局こうなったんですけど。

 で、一人だし守る人も居なくなったし、最悪命に関わっても誰も悲しまない……。なら、この際だハンターやってみようと。

 早速ベルナ村で村長さんに許可をもらい、龍歴院の研究員さんに挨拶をし、集会所のギルドマスターにHR1の認定をもらった訳です。

 そこからがまた私の厳しい日常が待ってました。カリスタ教官から特訓は受けたものの、そう上手くは行きません。こんがり肉は何度も失敗するし、調合書は買ったものの、上手く調合されない。片手剣で盾を構えつつ攻撃を……と思っても盾で相手の攻撃を受け止めるのが精一杯で反撃すら出来ない……。ハンターの厳しさを思い知らされた気がしました……。

 私はいつぞやに受付嬢さんにこんな質問をしたことがありました。どうして他のハンターさん達はこの危険な職業を続けているのかって。

 それに対してこう答えてくれました。

 

「いろんな思いを持ってハンターという職業をそれぞれ続けているみたいだけど、生きる為……、というより達成感かも。」

 

「達成……感……。」

 

「そう、クエストをクリアして帰って来るハンターさん達を見ていたら、強敵なほど満足で嬉しそうに帰って来るの。その達成感がやめられないんだと思うわ。」

 

 なるほど……達成感ね……。確かに深層シメジとかの採取であってもクリアできた時は嬉しかった……。それが、モンスターとの戦いで勝利した時の感動は分かる気もする……。そういう事なんだなと……。

 それからは私なりにちょこっと考え方を変えてみました。こんがり肉が上手く焼けた時の感動、調合が上手くいったときの感動、マッカオを1頭倒した時の感動……。そこは、ちょびっと自信がついた時でもありましたが。

 ですが、いつも上手くいくとは限りません。時には焦っていて上手くできなかったり、あちこちに傷を負って帰ってきたり、クエストクリアにならなかったり……。

 

 でね、他のハンターさんに手伝ってもらってクリアする方が良いのかもしれない……と思い、集会場へ。

 確かに、強豪モンスターや複数狩る時は凄く助かりますし頼もしい限りです。しかし、村でのクエストのモンスターとはスタミナやパワーが全然違います。認識不足……と言われても言い返せません。実際そうでしたし……。

 

 そう思いつつも3人のハンターさんが組まないかと誘ってくれました。当然嬉しかったし、即答でお願いしました。でも、一緒に戦っていくうちにクエストはクリアできるものの、私が失敗して迷惑を掛ける事が多く、初めの内はドンマイとか、初めの内はよくある事さ、と慰めてくれましたが段々とそれも無くなり、最後になったクエストクリアの後で一杯飲もうと誘われ、酒場に……。私も何となくですが、言われたくない事を言われそうな予感が……。

 

「今回であんたと組むのは辞めにしたい……。」

 

 やはり、思っていた通りでしたか……。こうなる予感は前々からはしていたんです。ただ、それが嫌だった、いや怖かった……。否定しようと思っても、相手も覚悟をしている顔……。言い返すことも出来ず、頷くしかありませんでした。私は彼の去り際に何故私と組む気になったのかを訪ねていました。すると、彼はこう言ってたんです。

 HRや装備は初めの頃の物だったが、年齢的に経験していて密かに手練れじゃないかと思ったんだそうです。

 そんなに立派に見えたんでしょうか。そう見えるのも困りものですが……。

 私はまた1人残ってカウンターでジョッキを飲み始めました。名残惜しさもあって、飲まずにはいられない気分でした。自分がもっと立ち回りが出来るくらいになっていれば……。そんな余裕すらありませんでした。助けられてばかりで助ける事が出来なかった……。惨めでしたし切なかった……。そんな気を紛らわそうとジョッキを煽ってたんです。

 しかし、そこで私が変わるきっかけとなった出来事が起きます。それは、他のテーブルで怒鳴り散らしている巨躯のハンターさんが居たことからでした……。

 

「こんの馬鹿猫がぁ!お前の所為で危うく大けがしてクエスト達成出来なかったんだぞ!!」

 

「ニャ、ニャァ、すみませんニャァ……。」

 

「今までもそうだが、お前と行くと危うくなりかけてばっかりだ!結局他の仲間やオトモに助けられてばかりだ!どこまで迷惑を掛ければ気が済む!!」

 

「は、はいニャァ……。申し訳ありませんニャァ……。」

 

「もういい!さっき猫嬢に話をつけてきた。今回限りでお前は解雇だ!面倒見切れん!」

 

「ニャ!そ、そんニャ……。お願いしますニャ、もう一度……。」

 

「ダメだ!とっとと猫嬢の所に帰れ。他のオトモを雇うことになっている。」

 

 あらら……。私と同じ境遇のハンターさんならぬオトモが居ましたか……。あの、ショックと絶望の顔は見たいと思う顔ではありませんね……。かと言って、今の私では口を挟めるほどのお偉いさんでもないし……。他のハンターさん達も可哀そうには見ていても口出ししようとは思ってないようで。現実こんなもんかと思いました。私もその内の1人なのだと。

 でもね、何か気になったんです。似たような境遇で、同じこの酒場で解雇され……。結局同じ1人ぽっちになってしまった……。同情!?そうだったかもしれません。今では意味があったんだと思ってますが……。

 そのオトモ猫ちゃんはうつ向いたままぼうっとしておぼつかない足取りで酒場を出て行ったんです。私は酒代を払ってすぐに追いかけました。ベルナ村には向かってますが、足取り重くうつ向いたままでトボトボと歩いてました。まあ、あれだけ言われたんですからショックは大きいですよね。私も追いついて声を掛けようとしたんですが、雫が1滴づつ地面に落ちて濡らしているのを見つけてしばらく声を掛ける事が出来ませんでした。

 で、転んでもいけないと思って一緒に横を並んで歩いていると、やっと気づいたらしくウルウル目線で私を見上げたんです。あら、可愛い……。いや、そんなに見つめられると抱きしめ……ご、ゴホン!

 

「や、やあ、こんにちは。」

 

 と、挨拶したもののどう話せばいいのか分からない。困ったな、このままじゃ変態おじさんに認定されてしまう……。

 

「ニャ、ニャにか用ですかニャ!?」

 

「い、いやぁ、その……。ごめんよ、さっきの酒場で君が解雇されるのを見かけたもんだから。」

 

「そ、そうですニャか……。」

 

 とまたうつ向いてしまいました。私って気が利かないんですね、がくっ……。でも、私もそれだけを言いに来たんじゃありません。本当の目的を伝えなければ……。

 

「いやぁ、僕もね。君が解雇される前に他の組から外されたんだ。」

 

「ニャ!?」

 

 さすがに似た者はいないと思ってたのでしょう。驚いて私を見上げてます。

 

「まあ、ハンターになったのも遅かったのもあるし、弱くて助けられてばっかりで、直すところだらけだったんだけど、これから強くなりたいと思ってる。沢山経験したいとも。そのためには僕には相棒が居ない。信頼し合える相棒がね……。」

 

 と、その猫ちゃんの顔を見つめます。

 

「ニャ?あたしニャか!?」

 

 驚いて、問い返してきたので私も頷くと更にビックリしてて。

 

「あ、あたしニャンかお役に立てませんニャ、さっきもそう言われましたしニャ……。」

 

「それは違うよ。君にあのハンターさんが合わなかっただけだよ。僕は君と一緒に強くなりたいと思ってね。君を雇いたいんだけど、ダメかな?」

 

 逆にここで誘われると思ってなかったのでしょう。そう言われて照れてしまってます。私もそんな事が言えるんだと自分でビックリ。

 

「あ、足手まといかもしれませんニャ。」

 

「じゃあ、同じだよ。僕の方が引っ張るかもしれない、その時はごめんよ。」

 

 ニコッと微笑むとアイルーのオトモちゃんは微笑み返してくれました。OKのようです。

私はそのまま一緒にベルナ村へと向かい、猫嬢のところに。

 

「あら、ハンターさん。え、ルミラちゃんも一緒なの?」

 

そりゃ驚きますよね。他のハンターに雇われていた訳ですし、解雇されて一匹で戻って来るものと思ったでしょうから。

 

「実は急で申し訳ないが、この子を雇いたい。雇い金はいくら払えばいいかな?」

 

「ええっ!この子をですか?で、でも……。」

 

猫嬢もさすがに心配のようです。ですが、私には関係ありません。相棒になれれば良い訳ですから。

 

「あたしからもお願いしますニャ!やっとご主人に出会えた気がするニャ。」

 

「ル、ルミラをちゃん……。」

 

その発言にも驚いたようで、自分から進んでものを話すのが苦手と聞きました。それほどの変わりようだったようで。いったい何があったのかと不思議がるばかり……。

でもね、お互いに信頼出来うる相棒を見つけたんです。助け合える仲間が……。独りぼっちじゃなくなった、私達が快進撃をスタートしたのはここからでした。

 

まずは、やはり村のクエストで経験値を稼ごう、場数を増やそう、一緒にそう決めて活動開始。

時に武器の素材集めに……、時に防具の素材集めに……、時に薬の素材集めに……、時にお金稼ぎの為に……、時に村の人達の依頼の為に……、時に☆数を上げる為に……。

 

そりゃ、必死でしたよ。快進撃ったって、全部のクエストが1回でクリアなんて事は奇跡でもない限りあり得ない訳で……。何度も繰り返し挑戦したクエストは幾つもありました。でも諦めなかった……お互い信頼出来る相棒が居たので……。なのでクリア出来た時の感動と喜びは心に深く刻み込まれ……。

もう、その頃になると初めは私達を上から目線で散々馬鹿にしてきたハンターさん達が居ましたが、誰も言って来なくなりました。逆に自分達も頑張らないと追い付かれるのも癪にさわる……だそうです。

私達はそこまで気にしている余裕はなかったですけどね。でも、ちょっとは認めてくれたんだと思ったら、ルミラと微笑んでました。

村下位☆6の緊急クエストでゴア・マガラの進化したシャガルマガラを何とかクリアすると、龍識船へ乗る事が出来ました。天彗龍バルファルクを求めて、龍識船の強化を手伝ったり、鎧竜グラビモスと対峙している時にバルファルクに乱入されたりと、大変だらけ。いくら武器や防具をどんどん良くしても、生傷が絶えません。それでも、ハンターを辞められなくなってました。達成感が忘れられなくて。確かに生き残りをかけた戦いです。お互い倒すか倒されるか双方必死です。そこで勝ち残った時、嬉しさが込み上げて来るんです。何度も挑戦していれば尚更です。より感慨深いものになります。そうして経験値を稼ぎ、それでバルファルクをクリアして、一旦ここでHR を上げようとルミラと話し合い、集会酒場へ。綺麗なママさんに強面なバーテンダーさんが居ました。

以前にハンターさん達と組んでいたときにHR を3まで何とか上げていました。殆ど彼等の業績と言えるでしょう。彼等には感謝しかありません。

今でこそ分かります、HR を上げる事の大変さが。なので、地味にですがひとつひとつのクエストをクリアしていき、緊急のモンスターと対峙して生き残り、HR を上げていきました。そして、HR 7の緊急モンスター、奈落の妖星オストガロアを竜の墓場にて、必死になって回復やアイテム等が底をついても食い下がり、討伐出来た時には、ルミラと一緒にその場にひっくり返ってました。唯一、達成感を味わいながら………。

無事に墓場から救出されて何日かは満身創痍で、動きが取れず、回復して動けるようになってもアイテムや薬等を準備するのに手間がかかり、やっとの思いで酒場のママさんに話し掛け、G級を認定してもらう為にママさんからの試験クエストをすることになりました。角竜ディアブロス……、旧砂漠での戦いです。倒さなければ、G級には上がれない。その上を目指す事が出来なくなる、ここまでやって来て辞めてしまえば後悔が残る……、そんな思いはしたくない………。それは、ルミラも同じ気持ちだったそうで。

 

「ご主人と一緒ならどんなクエストもクリア出来る気がするニャ!」

 

だそうです……。なんて泣ける事を………。相棒にして本当に良かったと思いました。

 

そして今、この旧砂漠のエリアでルミラと一緒に砂の地面に足を伸ばして座って空を眺めてました。その後ろには、傷つき横たわって動かなくなったディアブロスの姿がありましたが………。

 

「なぁ、ルミラ?」

 

「なんですかニャ?」

 

「僕達、よくここまで上がって来れたよな。」

 

「そうですニャァ。アタシもビックリですニャァ。」

 

「ありがとな~。そしてこれからもよろしく~~!」

 

「ニャ!それはこっちのセリフだニャ!こちらこそよろしくニャ!」

 

今は誰にも馬鹿にされません。ルミラを解雇した巨躯のハンターも、私の元妻子も後悔していたと後で話を聞いて知りました。と言って、寄りを戻すつもりもありません。今の方が充実しているので。

 

ルミラと一緒に果てしない快晴の空を見上げて、出会った時を懐かしく思いながら話をしつつ、これからのクエストに思いを馳せている私でした……最高の相棒と共に…………。

 

 




読了ありがとうございます。物足りないと思われたらごめんなさい。通じるものがあったならば幸いです。
モンスターハンターが大好きな者の一人として………。紅龍騎神でした……♪♪



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