とある男が人質を取って建物に立て籠った。
男が出した要求とは、そして警察は無事に人質を助けられるのか───
なんて真面目な作品じゃないです、警察が無理矢理建物に入ろうとしてくるので、男がそれを止めるだけの作品です。

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こんちゃ、作者の『のろとり』です。

パッと思い付いて書いたけどオチが決まらなかったので、適当に付けました。


警察ふざけ、男は突っ込む。そして事件は平行線

 世界から比べると「平和」だと言われる日本にも、当然の如く事件は存在する。

 詐欺、殺人、薬物、あとは……ほら、あれだよあれ。えっーと……いや、もう出てこないからいいや。まぁ色んな犯罪があるんだよ、そして今日もとある事件が起きてたんだよ。

 

「てめぇらそこから一歩も此方に来るんじゃねぇぞ!」

 

 男が人質の首に刃物を突き刺しながら、辺りを囲んでいる警察を近付けさせまいと、脅しをかける。

 ある建物の一室の窓から警察の動きを監視するように、人質を押さえながら外を見る。

 逃げられない。そう思うのも不思議でないほどの人数である、男は一瞬だけ自首しようとも考えたが、ここまで来てしまったのだ。捕まれば大きな罪となり、どんな処罰が下されるか分からない。

 

「要求はなんだ!」

 

 警官の一人がメガホンを持ち、建物にいる男に対して足を前に踏み出して声をかける。

 

「だから一歩も動くんじゃねぇと言っただろ!」

 

「はっ、何を言ってるんだ。これは…………」

 

 男は警官を止めようにして、人質を窓の縁に押し付けて警察に向かって刃物を突き刺す。

 当然だが刃物が届くことはない。しかしその行為だけでも恐怖で動きを止めるだろう。だが警官は男の言葉を「そんなの分かってる」とでも言いたげに鼻で笑い、こう返した。

 

「半歩だ」

 

「いや変わらねぇよ、半歩も一歩も同じだろ」

 

「なっ! なら四分の一歩も八分の一歩も駄目なのか!」

 

「当たり前だろ」

 

 警官は男の言葉に呆然とし、ゆっくりと膝が崩れ両手をペタッと音を立てて地面に付ける。

 

「な、なぁ……」

 

 男はさすがに可哀想に思い、何か声を掛けようとしたがあることに気がついた。

 動いてるのだ。注目しなければ分からないほどのナメクジ程度の速さではあるが、ズルズルと脚と手を動かして建物に近付いてきているのだ。

 

「いや動くなや!」

 

「ば、バレただと!」

 

「いやバレるだろ、つーかお前ら動くなって言っただろ? 人質助ける気あるのかよ!」

 

 男は警官がちゃんと話を聞いているのか、そして人質が見えていないのか不安になり聞いてみることにした。

 

「え? 別に人質死んでも権力で消せば良いだろ」

 

「怖い、オレこいつ怖い!」

 

 さらっと「死んでも良い」と言う警官に本当に警察かと心配になり、冷や汗をかいて一歩下がる。

 

「と、兎に角動くな。いいなッ!」

 

 恐怖を紛らわすように刃物をブンブンと振って警察に動かないように再度警告をする。

 するとどうだろうか、警察は突如として全員動かなくなり、警告を聞いたと言う安心感と同時に、何か仕掛けてくるのではないかと不安に駆られる。

 その時、先ほど男に話しかけてきた警官が倒れた。

 

「なんだ!?」

 

 男は何かあったのでは無いかと、窓から飛び出すように上半身を出して声をかける。

 

「心臓が止まってる……くそっ! 今すぐに救急車を呼ばなければいけないのに……動けないから何も出来ない!!」

 

「…………動け」

 

 倒れた警官の近くにいた警察が心臓を触り、鼓動が止まっていると判断する。そのような状況なら今すぐにでも病院に運ばなければいけない、しかし自分達は動けない。どうすれば良いのかと葛藤していると、男が声を出す。

 

「動けと、言ったんだ。そしてさっさと救急車を呼べ」

 

「よし今だ突撃ー!」

 

「いやさせるかぁ!!」

 

 倒れた警官は突如として起き上がり、男が立てこもっている建物を指差し、その指示を聞いて辺りの警察が我先にと建物に飛び込むように入ろうとするが、男は大声を出してそれを止める。

 

「いやだって……動いて良いって言われたし」

 

「拡大解釈しすぎだろが!! オレはお前を助ける場合のみに動いて良いと言ったんだ、つーかなんで普通に喋れるの?」

 

「演技だ」

 

「殴るぞ」

 

 心配して損したと改めて人質を掴んで警察の動きを監視する。また変な言い訳で動かれたり、自力で心臓を止めると言った奇行に走られると面倒だからである。

 

「はぁ……改めて要求を言う。そこから一歩も動くな、良いな?」

 

「分かった」

 

「え? いや……なにそれ」

 

 警官がやけに素直に従うことに疑問を持つが、それはある行動によって消え失せた。

 何かを懐から取り出したのだ。それはLの形をしたものであった。吸い込まれるように真っ黒なボディに片手で持てるほどの大きさで、不思議とそれに目がいってしまうものであった。

 男はそれを見たことは無いが何か知っている。いや、男でなくとも感想を言っただろう。何故なら、それは本来見ることの無いものである……

 

「拳銃」

 

 そう、拳銃だからである。

 

「いやちょ待っ───」

 

 拳銃を下ろさせようと、声を出した瞬間頬を何か固い物が通り後ろから金属音のようなものが聞こえた。

 頬に熱みを感じて触ると赤い液体が手に付いた。匂いを嗅いでみると鉄臭く感じた、男はこれは紛れもなく自分の「血」なのだと理解した。

 

「おい人質に当たっても良いのか!?」

 

「知らん」

 

弾   弾   弾   弾

 

「うおおおおお!?」

 

 警官は拳銃を連射し、男は慌てて人質を掴んだまま壁に寄りかかって拳銃から体を守る。

 数秒か、数分か、幾ら時間が立ったのだろうか。男は時間の感覚が掴めないが、銃声が聞こえなくなったので外をゆっくりと見た。

 

「すまん、弾が無くなったからちょっとそこで待っててくれるか?」

 

「嫌だわ! また拳銃ぶっぱなそうとしてるだろ、お前やっぱ人質助ける気ねーだろ!」

 

 警官は友人に対して「お金貸して」とでも言うかのように軽く頼んだが、男は全力で拒否した。あんな怖い思いはもうしたく無いのだ。

 

「弾が無いなら豆でも良いか……」

 

「もういい、もうこの場に居る奴はそこから動くな。そして喋るな。良いなッ!」

 

 男は恐怖とストレスと怒りが頂点に達して刃物をより人質に近付ける。

 さすがにこれは不味いと警察もようやく気がついたようで、取り出した豆をボリボリと音をたてながら食い始め、食べ終わった頃……この場には動く者も、喋る者も居なくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナレーターまで黙るなぁ!」

 

 え……喋って良いんですか!?

 

「お前まで黙ったら小説じゃなくなるだろ」

 

 まったく、それなら早く言ってくださいよ~

 だけどもう終わるんですけどねこの小説。

 

「え? いやちょっと待てやオレと警察の決着がまだ───

 

 かくして彼らのふざけと突っ込みはまだまだ続く。

 これからどんな風にふざけ、男はどんな突っ込みをするのか。それを話すには時間が足りないようですね、それでは皆さん。また何処かで会いましょう。




【オチ】
最初よりはマシになりましたよ。
最初のは人質が実は作者で、警察に男ごと集中砲火されて病院送りになるっていうオチですし。
ちなみにそっちのボツはMirritivで読む予定です。

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