プレイヤーがひっそりと転移していて
ひっそりと生きて、ひっそりと死んで
ひっそりと世界級アイテムを遺していら。

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オーバーロード、Fateの両方を読者が知っている前提で書きました。
キャラクターの描写、見た目を省いたので短いです。それと粗がめだつでしょうが、齟齬が生じるでしょうが、それでも短編物として少しでも楽しんで貰えると幸いです。







英霊召喚

「これを善なる心を持つ君たち、一族に託そうと思う」

 

「それは俺に万が一のことがあった時の保険だ。誰かに殺されたり、寿命で死んだ時のな」

 

「そんな悲しそうな顔するな。基本的に負ける気はない。殺されてやる気も、な。それに寿命によるお別れはしかたないだろ」

 

「そうだ。それでいい。今すぐの別れじゃないんだから。―――――――けど使い方は教えておく」

 

「深く考えないで聞いてくれ。世界級(ワールド)アイテム、二十と呼ばれる特に強力なほうに部類されたコラボアイテムだ。使うには手をそのアイテムの上にかざして願い籠めればいい。"この世界を救ってください"とかな。そうすれば起動して別の世界から七騎の絶大な力をもった英雄が、…………この世界かは分からないが、世界を仲介して祝福ないし加護を受けてから召喚される。命令の優先度順位は世界、召喚主の順番だ。実力は…………恐らく伝わないだろうが生前と殆んど、何一つほぼ変わらない状態で呼ばれて、ワールドエネミーと単騎で勝負できる程とされてる」

 

「まあ、使う日が来る事ないように、と俺は願ってる。…………もちろん。このアイテムに対してじゃないぞ」

 

 

 

 

 王国の南にある貴族領。

 かつては綺麗な街並みがあった場所は見る影もない程に荒廃していた。

 

 一面に広がる血と肉の残骸。瓦礫の山から辺り一帯へと黒煙が立ち込める。

 破壊と殺戮が続く光景の中、中心街から遠く離れた場所にある長い堀に囲まれた三階建て四角い建物の中庭で青年は託されていた、厳重に保管されていた世界級(ワールド)アイテムを急いで起動しようとする。

 

「急げ、急げっ」

 

 青年の目には上空高くまで立ち上る煙の柱がいくつも映っていた。

 最後の封を解いた青年は手をかざす。

 

「あの時は歳もいかない子供だったけど今なら分かる。どうしてあのお方がこのアイテムを託したのか。遺していったのかを。あのお方はこうなる時が来るかもしれないと予期していたのだ」

 

『どうか、私たちを、…………いえ、私よりこの世界を守ってください!!』

 

 中庭を中心に、五十、六十メートルにもなろうかという巨大なドーム状の立体魔方陣が展開された。そしてひときわ大きく発光したのちに砕け散った。虚空へと霧散する世界級(ワールド)アイテム。

 眩い発行はおさまり中庭には七人の人影。

 

「英霊カルナ」

「英霊ラーマ」

「英霊アストライア」

「英霊オデュッセイア」

「英霊山の翁、ハサン・サッバーハ」

「英霊ジークフリート」

「英霊魔人・沖田総司」

 

『我ら召喚の招きに従い参上した。我らの運命はこの世界と共にあり、我ら剣はこの世界の剣である』

 

 名乗り上げ、要件を言い終えた七騎の内の誰かが青年に声を掛けようとするも中断になってしまった。

 この世界に生まれた英雄では出来ない跳躍をして、屋根に飛び乗ったカルナが皆に聞こえるように話す。

 

「敵だ。恐らくは双子のエルフ。何匹もの獣をつれ、一直線にこちらへ向かって来ている。オレは撃退に出る」

 

 そう言って、カルナは屋根の向こうへと消えた。

 

 

 

 謎の発光を遠目ながらにして市内から見た姉弟の闇妖精(ダークエルフ)のアウラ、マーレは七十一レベルの虹の暴王(イーリス・テュランノス・バシリウス)、七十八レベルの神狩狼(フェンリル)、七十七レベルの精霊狩猟団の猟犬(ハウンド・オブ・ワイルドハント)、七十六レベルの麒麟(キリン)、同七十六レベルの双頭蛇(アンフィスバエナ)、七十四レベルの石王翼蜥蜴(バシリックス)、五十八レベルの貪欲蛙(ガガルップル)、八十レベルを超えるハンゾウたち、配下を連れて目的地を目指していたが、行軍が止まるに事になった。

 

「―――――――ナザリックに属する者たちとお見受けする」

 

 声は頭上から。地面に降り立つ音。見た目はただの人間の男性。ナザリックに所属するモノたちは通常、相手が人間の男性だと分かった瞬間に眼中にはない存在、劣等種族、下等生物とかす。

 ―――――――しかし、相手は人間の男性・常人ではなかった。ただの戦士、なりたての英雄でもなかった。

 叩きつけられる戦意、そして覇気。それはアウラ、マーレ。彼女、彼が引き連れている魔獣たちがモンスターたちが至高と崇めるナザリック地下大墳墓の主、アインズ・ウール・ゴウンの重圧と同格。あるいは""それ以上""のモノだった。

 それはナザリック地下大墳墓に所属する者として、主に仕える者として絶対に、断じて認められない事だったが、紛れもない事実でもあった。

 一瞬で膨れ上がった桁違いの魔力に一同、瞠目するが、その魔力は霧散した。

 

「カルナ~! 先走りし過ぎだ。もしかしたら違うかもしれないだろ」

 

 後から来た三人の男性、うち一人がカルナを窘めるような発言をするが、アウラやマーレがいる方向を向くなり態度を一変させる。

 

「もしかしたら違うだろうと思っていたが、こうして直に見て分かった。余の故郷、アヨーディヤーを荒廃させたラーヴァナと同類だということが」

 

「たしかに、血も涙もない殺戮を良しとする感じ、雰囲気があるな」

 

「邪悪は許せない。幼子相手でも」

 

 いずれも人間。ナザリック地下大墳墓に所属するモノたちが、見縊り見下してきた存在。そして三人からもアウラ、マーレたちが至高と崇めるナザリック地下大墳墓の主と同格、重圧を。殺意を放っていた。

 人間如きが、出していい圧力ではない、と癇癪を起こしそうになる。しかし、いつの間にか三人の傍いた二人、女性ではないほうの男性に目が留まる。留まってしまった。

 そのオーラは、その黒いオーラはいと高き場所に座られた方、最高の支配者と同質でありながら、死の支配者(オーバーロード)以上の上質なオーラだった。それを認識してナザリック勢の全員が怒りを爆発させた。そのオーラを纏っていいのはこの世界に唯一人のみだと。下等生物がおこがましいと、噴出させた。

 

 ―――――――六騎の英霊も敵側の変化を感じたの各々の武器を現界させる。

 

 高まる緊迫感。ナザリック勢が攻撃を開始しようとした時、冷水を浴びせる存在が降り立つ。

 

「色々とありまして、遅くなりました」

 

 女神はその溢れ出る圧倒的な光輝を隠す事なく、振り返り、剣の切っ先をナザリック勢へと向ける。

 

「――――天秤が傾き、あなた方の罪深さを私に見せました。裁かれる覚悟はありまして?」

 


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