史上最強の能力を持って、ヒロアカ世界を蹂躙する話が始まる!!
なお、予告と本編は内容が全く違う場合があります。
あらかじめご了承ください。
2021/2/11
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この話のどこにオリ主要素があるのか全くわかりませんが、報告した方は多分読んでないのでしょうなぁ。
「・・・なんだこれは」
彼が思わずそう呟くのも無理はない。
ドクター、と呼ばれる男は目の前の顔面工業地帯なガスマスクの人型生物の呟きを聞いてそう思う。
しかし同時に意外でもあった。
なにせ彼ときたら。
『巨悪of巨悪』、『吐き気を催す邪悪』、『最of the高のEvil』、『真っ黒なクレバス』。
そんな形容をされる男・・・いや、男であるかも怪しいものだが、ともかく男は『オールフォーワン』と呼ばれる存在である。そんな男が感嘆の余り言葉を吐くとは。
自他の特殊能力、個性を移動させるという破格の個性を持つオールフォーワンであるが、その個性はどこまで行っても『他人依存』のものだ。
自分以外に個性を持つ者がいなければオールフォーワンもまた無個性でしかないのだし、自分以外の個性が貧弱極まるものであれば彼本人もまた貧弱極まるの域を出ないのだから。まあ、後者は数とか相性にも寄るだろうが。
ともかく、そんな他人に主導権を渡していると言ってもいい個性を強力なものにするべく、彼は個性集めに奔走した。
結果の方は、先述の形容を思い出せば大体察せられるだろう。
さて、そんな個性集めの一環としてオールフォーワンが行っているものの一つに『孤児院経営』がある。
個性を移動させられるのはオールフォーワン以外にとって負担が大きい。
特殊能力と言っても身体能力であることに変わりはない。
敢えて想像するなら、『強引に腕を引き千切って、別の人間に縫合する』ようなものだろうか。
その負担に耐え切れずに死んでも孤児であれば文句を言う人間もおらず、『里親が見つかった』と言えば孤児院の子供たちも納得する。非常に都合の良い話であった。
そして今まさにオールフォーワンの手元に渡った資料こそ、『有望な個性を持った孤児』の資料なのであり、オールフォーワンが呟いたのは彼の個性についてであった。
個性の名は、無い。
否、つけようがない、と言った方が正しいだろう。
何せその数は、実に『5つ』。
個性。
一人一人に宿った全く違う超能力。
それは基本的に、『1つ』なのだ。
身体能力の一環であるため、遺伝性がある。
品種改良を繰り返せば、個性同士の相性によっては『2つ』の個性を併せ持った人間が生まれることはある。
かなり効率的、かつ計画的に交配すれば『3つ』もあり得ない事ではないかもしれない。
だが、5つ。
しかもオールフォーワンが手を加えて移動させたのではなく、先天的に5つ持っていたのだ。
異常だの天文学的だのと言った言葉が陳腐に思えてしまうほど。虚数の彼方で横たわる量子よりも小さな確率。それを100回連続で引き当てる様な代物だ。
それも一つ一つの個性が破格の力を持っている。
順番に列挙すると。
現実改変。
時間遡行。
確率操作。
エネルギー操作。
物質操作。
それぞれの説明は、しない。
せずともわかるだろう。字面だけで『こりゃひでえ』と思えてくるはずだ。
しかも秘密裏に計測したところ、それぞれがオールフォーワンの人生でも見たことがない程強力、かつ精密であった。
メタ視点で表現するなら『メアリー・スーここに極まれり』といったところか。
欲しい。
現実改変で傷を消し、時間遡行で仇敵を未熟なうちに葬り、確率操作で雲隠れし、エネルギー操作と物質操作で戦う。
宝くじに当たったらどうする、なんてレベルの話だが、その宝くじ当選が今まさに、完全な形で手の中にある。
オールフォーワンは即座にドクターへ要請した。
『その子供をここに連れて来い』、と。
◆◇◆◇
個性の徴収は思ったよりも簡単に終わった。
正直上記の個性のどれかを使われれば少々危ういと思っていたのだが、特に抵抗もなく死んでしまった。
しかしこれは僥倖というものだろう。
オールフォーワンは信じてもいない神に感謝した。幸運の女神が居たら跪いて手の甲にキスしたいぐらいだ。
が、しかしここで問題が起こる。
どうも個性が発動できない。
確かに奪ったし、確かに取り込んだ。
実感も手ごたえも充分ある。自分の個性だ、今更奪い損ねた、なんてしくじりはない。
しかし発動できない。
とはいえ、とオールフォーワンは思い直す。
むしろこれぐらいで当然ではないか、と。
大体個性のどれもが最強クラス。
それを簡単に制御できるわけもないのだ。特に現実改変と時間遡行など聞いたこともないのだから。
流石にそこまでうまい話はないか。そう自分に言い聞かせて。
それになんの障害もないなんてそれこそ興ざめだ。
なに、時間はたっぷりある。
数多の個性を平伏させてきた経験もだ。
今回の個性もじっくりと調教していこうではないか。
◆◇◆◇
それからしばらくたったが、オールフォーワンは個性を発動できない。
自身の権力で大量に的を集め、片っ端から行使していく。
そしてある時、ついに個性が発動した。
周囲の現実が歪められ、自身の周囲を覆って完全に保護した。
それの分子配列が物質操作で平面上に整列され、確率操作で電子配置が操作され、分子間の結合力が著しく低下する。
エネルギー操作によって極めて均一で双方向な応力が発生し、前述の分子整列と合わせて、それは理想的な平面に近似できる粗さの断面を生じながら脆性破断した。
オールフォーワンは平山昇から奪った個性を発動できた。
その結果。
オールフォーワンは。
非常にきれいに割り箸を割ることが出来た。
オールフォーワンは理解した。
この個性は『割り箸を割ることでしか発動しない』のだと。
そして、『その時とても綺麗に割り箸を割れる』のだと。
個性の名は、さしずめ『割り箸割り』。
「ふぁっきゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
それが誰の絶叫か、ここでは多くを語らないこととしよう。
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2973-jp
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