神話と現代が混ざった世界で、普通な俺ですが頑張って生き残ってやる!!   作:鳩は平和

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女の子って、コワイ

「わかった、僕からも学園長に報告しておくよ。君も次からは夜遅くまでバイトしないように」

 

「はい、わかりました」

 

職員室で宮崎先生に全てを話した………普通なら信じないが、その事件が起き、女性になってしまった俺を見ればいやでも信じるだろう、ハッハッハ自分で言って悲しくなってくるぞ。

 

「そういえば、宮崎先生……留学生がくるって本当なんですか?」

 

「うん?……まだ、そのことは僕たち先生しか知らないのに良くわかったね」

 

言えない………その留学生が、俺の家で寝てたわわなおっぱいを揉んでしまったことは………墓地の中に入るまでのことにしておこう。

 

「あ、いや、その………そう、そんな噂があったので」

 

「あ〜なるほどね……そうなんだよ……とりあえず仲良くしてくれると僕としても嬉しいから」

 

なるほど…………しかし気になることがある。それは今最も大事なことである。

 

「あの、先生………俺……制服ってどうすればいいんですかね?」

 

「ああ、そういえば………今日は授業と身体検査あるから明日には多分君の夜に届くと思うよ」

 

よかった……のか……とりあえず、スカート関係はやめて……TS主人公は普通にスカート履けてすごいな。俺には無理だ。

 

「了解です〜それじゃあ、俺戻ります」

 

俺はそのまま子組へと戻るのであった……早く、この姿に慣れたいいなとどこか楽観な俺がいた。

 

ー○●○ー

 

ざわざわと内緒話が聞こえるのと、視線が俺の方に集まっているのかは気のせいだろうか………気のせいだな。そうだな………うん、そんな俺が女の子になったくらいでクラスのみんなが…………いや、普通驚くは!!

 

「おお、本当に女の子になっているな」

 

「おっすっ!ゴリさん、俺は見せ物じゃないんだ……ここから先は有料」

 

「いや待てよ………お前が女の子になったということは……これはもはや、ハーレムでは?」

 

「ハッハッハ、お前それ以上話すとやばいぞ」

 

「でも、実際に他の神様を見習って一夫多妻制度もあるから、別に問題ないよな?」

 

「そういう問題じゃないと思うけどな………」

 

ゴリさんが珍しいものを見たような顔つきになる、変な事を考える……たしかに前世と違い、一夫多妻制度があるが……そういうのは二次元だから許されるんだよ……実際にあると、俺なんて絶対にストレスで胃に穴が開く自信がある。なんでこんなことになったんだろう………それにあの化け物はどこにいるんだ?未だにニュースにならないとか………気になるな。

 

「はい、みんな席に座って」

 

宮崎先生が教室の中に入りクラスのみんなは自分の席へと座った。ようやく息苦しさが少しだけマシになった。

 

「それと、この子組に転校生が来てくれたよ……それじゃあ入ってくれる?」

 

扉が開き入ってきたのはアインさんだった…………このクラスの数少ない男どもはアインさんに釘付けだった。

 

「……アイオンハイスクールから来たアインさん。みんな、同じ志を持つものとして仲良くしようね」

 

「……アインです、よろしくお願いします」

 

「それじゃあ…………神無月くんの隣の席に座ってくれるかな?」

 

「……はい」

 

おお、しかも俺の隣にこんなにも可愛い美少女が座るなんて………ついているぞ、俺!!

 

「それじゃあ、今日は一時間目歴史から二時間目と三時間目は身体検査、昼の後半三限全ては実習だからね、みんな怪我しないようにちゃんと指定された服を着るんだよ」

 

「あの、先生俺は…?」

 

「そうだった、君は申し訳ないけど後半も身体検査なんだ」

 

宮崎先生に苦笑されながら言われた。ああ、なるほど………そうだよな。俺どの神さまとも契約出来なかったんだよな………それならばしょうがないか……とりあえず、こんな姿になったけど変に誰かに目をつけられたくないな。

 

「僕は機材の準備をするから、君たちも教科書の準備をするんだよ」

 

「「「はーい」」」

 

俺はカバンの中にある教科書を用意するのであった………しかし、中学の歴史の教科書よりも分厚くて大きいぞ。

 

「ああ、そうだ……神無月くん。アインさんの教科書が未だ用意出来ていないんだ。すまないが見せてあげて欲しい」

 

「わかりました」

 

「……ありがとうございます」

 

俺は彼女の方に机を寄せて…………うん?心なしか彼女からいい匂いが…………って何やっているんだ、俺は!!もう、これだとただの犯罪予備軍じゃないか!!

 

「それじゃあ、授業を始めるよ」

 

こうして、俺の二度目の授業が始まった。

 

ー○●○ー

 

スクリーンに映像が映し出されたのは地球だった。地球は本当に青かったんだ。

 

「この地球の創生は一つ一つの神話の創生が折り重なった状態………身近にいうならば一つの本である物語がこの地球」

 

ギリシャであるなら、混沌(カオス)のみが存在し、そこから神々が生まれたが、神々の誕生の系譜がそのまま天地の由来。

 

バビロニアなら神マルドゥクが原初の女神ティアマトを引き裂き、天と地を作り出した。

 

日本ならば、イザナギとイザナミが結婚し、神々と島々を創り出した。

 

インドならば、山に竜王を結び続け、千年間攪拌しつづけ様々な物を創り出した。

 

南米は五回の滅びと創生が起きた。エジプトは原初の海ヌンより生まれた男神アトゥムによる………あれによって世界を創り出された。

 

「世界で様々なもの方法を用いて世界を創り出され、聖書記も北欧神話、ケルト神話もまた世界を創り出しました」

 

スクリーンの大陸の一つずつに光の柱が立った……中国、インド、西ヨーロッパ、アイルランド、北欧、バチカン、エジプト、南米、中東、日本と出てきた。

 

「今や、先の大戦により、ほとんど神話が消えてしまい……代表は今出た主神方、そして各校長が今後どうするべきか話し合う事となっています」

 

「あ、あの!!」

 

ひとりの女子生徒が手を挙げた、今更だが校長が主神ってすごいよな……ロリだけど、ロリなんだけど!!

 

「何か質問ですか?」

 

「は、はい………どうして、ヨーロッパに各神話の陣営が集中しているのですか?」

 

「いい質問だね………そう、ヨーロッパは戦争遊戯(オリュンピア)の激戦区。だからこそ、常に相手を出し抜くために日々苦しい稽古があると僕は聞いたことがあるね。それに、各学園には僕たち人だけではなく、様々な種族がいる」

 

たしかに………小さいから、本物の妖怪を見てびっくりしたな………各学園はどんな種族の生徒がいるんだろう……興味あるな。

 

あーたしかに……テレビとかでもやるときの選手の目は血眼だったな。怖かったけど…………中々素晴らしい光景だった。

 

「それで戦争遊戯(オリュンピア)というのは、各神話の学園代表同士が戦い合う………君たちも代表に選ばれるように頑張るんだよ」

 

又は写真が変わった…それは大きな都市。東京ではなく……たしかあそこは中学でも習った。

 

「国の首都のように、神々が住まう場所を神都と呼びます。日本ならば出雲がその神都の入り口になっています。その首都と神都の間にある島を開拓したここ竹生市に神口学園」

 

いかん、すでに追いつけないぞ。頭のメモリーが許容オーバーだ………なんでみんな普通についていけるんだ!?

 

その時だった……俺の左腕にむにゅっと柔らかいものに包み込まれた、ま、まさかっ!!俺は錆びたブリキの人形のように左の方を見ると……こちらに体を寄せ、そのたわわなおっぱいが俺の腕に乗っかってい………フォォォォォォ!!

 

なんだこれは!?なんだこれは!?………今までの勉強が全て塗り替えられていく……顔が熱くなってくる……心臓が早くなってくる!!天国と地獄を一気に体験できる。

 

「……綾鷹、大丈夫?」

 

顔を近づけてくるアインさん………近い近い近い近い!!ああ、なんかいい匂いもするし

 

「だっ!、大丈夫っ!!」

 

声が裏返りながら答えた、やばいやばい!!助けてゴリさん

 

(むしろ、ごちそうさまだぜ。元気でやれよっ!!」

 

俺の視線に気づいたゴリさんは親指を立てて笑顔になる……ああ、今となってはその親指をへし折りたい。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「今日はここまでだね、明日からは通常授業もあるから

 

終わりの合図を知らせるチャイムがなると、アインさんが離れた………なんだろう、この嬉しいような悲しいような………うん、これでよかったんだ。

 

「おーい、綾鷹、着替えに行こうぜ」

 

「おー、それじゃあ、アインさんまた今度ね」

 

俺はゴリさんと共に()()()()()に向かうのであった。

 

ー○●○ー

 

俺は男子更衣室に立ち止まった。俺は……どっちの更衣室を使えばいいんだ?肉体的に考えるなら俺は女子更衣室、精神的に考えるなら男子更衣室。けど、このままいけば犯罪だ。

 

……難しくてよくわからないから女子更衣室で行けばいいや、だって、今の体は女の子なんだし

 

「ちょっと待って、綾鷹」

 

後ろを向けばそこにいたのは美香だった。なんだろう………まさか、覗きがバレたのか…いや、まだ覗いていないし。

 

「な、なんだよ!?まだ何も悪いことはしていないし、これは不可抗力、そう、これしか方法がないんだよ、俺が着替えるためには」

 

「まあ、それは仕方ないよね……それはそれでいいけど」

 

美香が俺の肩に手を置き、俺をじーっと見る。

 

「もし、他人に迷惑をかけるような事件を起こしたら………その時は覚悟しなさいよ」

 

美香の発した言葉に重みと血の気が引いていく感覚がある………あの光を灯していない美香の瞳はマジだと認識し、コクコクと頷く俺だった。

 

ー○●○ー

 

「よお……うわっ!!なんだよ、その希薄のない顔は」

 

ゴリさんが俺の方へと近づき、驚いていた………多分、俺はエジプト並みのミイラみたいに痩せ細いだろう

 

「いや、同じクラスの女子たちにさ………興味深々で俺の身体触ったりするんだよ」

 

「なんだよ、役得じゃねえかよ」

 

やれやれと肩をすくめて、ため息を吐いた………ああ、女の子とあれこれ出来たり、間近で女の子の胸を見れて嬉しいけど、その度に美香のあの言葉を思い出してそれどころじゃないし………女の子って、普通に俺の胸を揉むんだな。  

 

「なんか、どこかの忍者が着そうなタイツだよな………」

 

「あっ、わかる!!」

 

ここの体操服は機動性重視なのか、肌に張り付く体操服。白と黒を強調したがズボンが少しぶかぶかである。肘と膝には装甲をつけた……なんか胸が締め付けられて気持ち悪いんだよな……それに、この装甲今いるか?

 

「なあ、ひとつ聞くけど………お前、自分のおっぱいを揉んだか?」

 

「自分の揉んでも気持ち良くないし、単純に虚しいだけだ」

 

真顔で言った俺に若干引き気味であるゴリさん…………オイコラ、お前から聞いてきたんだろう

 

「それじゃあ、俺あっちだから……じゃあな!!」

 

「おう、これ終わったら食堂で飯食おうぜ」

 

俺とゴリさんは他愛も無い話をして、俺は美香とアインさんの方へ向かった。

 

ー○●○ー

 

身体検査は前世でも特に変わらず終わった。でも妖怪専用の体重計とかあるのは面白かったな〜そしてみんなは今頃実習なのか………羨ましいな。

 

「それじゃあ、次は……神無月」

 

保健室の中から女性の声が聞こえて、俺は保健室の中にはいる。保健室は非常に整ってはいるが、役僧?とにかく漢方薬の匂いで部屋が充満していた。机には白衣を着ており、白いセーターに白いスカート……とにかく白づくしであるが、目に止まったのは頭に白いうさ耳が生えていた。

 

「ああ、宮崎から聞いた通り、本当に女になっているんだな。これは実に興味深い」

 

机に置いてある紙にさらさらと何かを書いていく……男らしい口調だが知性を溶かすほどの妖艶な声がマッチしている。アインさんの胸も大きかったがそれと同等もしくは上かもしれない? 仕事をしているその人は、実に様になっていた。

 

「あ、あの先生………」

 

「ああ、すまんな………私は因幡の白兎だ。保健を担当している……原意不明の女体化は実に面白くてな」

 

フフフと微笑む因幡先生………まあ、外から見ればそりゃおもしろいと思う。

 

「だが、安心するといい……神が加護(ファブール)を与えない要因も一緒に調べてみせる。大船に乗ったつもりでいるといい」

 

因幡先生は立ち上がり、俺の方へ近づき、因幡先生は俺の顔に手を添えた。宝石のルビーよりも赤いその瞳に吸い込まれそうだった。

 

「実に興味深い、君の全てが………気になる」

 

保健室のベットに押し倒された俺、待って待って待って!!何この急展開!?エロ漫画でももう少し情緒があるよ!!

 

「大丈夫だ、君に忘れない体験を……教えてあげよう」

 

うわーん、こういうのはできたら女の子の体じゃなくて男の体が良かっ………たわけでもない!!

 

因幡先生は制服の胸元のボタンを外すと、俺は胸元が露出した……違う、こんなの俺が知っている診断ではない!!

 

「先生、これって診断ですよね!?」

 

「ああ、診断だとも……今から君の器となる神の………うん?」

 

因幡先生が突然固まり、首を傾げた。

 

「……いや、ありえない………だが、私が考えていることことなら、この過程は擁立させる……だが」

 

ぶつぶつと何かをいい、俺の体から離れ、机に座り、パソコンに何かを打ち込む。俺はゆっくりと立ち上がり、保健室の扉まで辿り着きゆっくりと、扉を開ける

 

「お、お邪魔しました〜」

 

俺は小声で因幡先生に挨拶し、廊下を走る………あのままいると俺は食わ

 

れていたかもしれない。とりあえず、みんながいる実習室へと向かおう!!

 

 

実習室に着くと…………アインさんと美香が戦っている。

 

「おいおい、何が起きているんだよ!?」

 

なんか、2人からとてつもない殺気が出ているのだけはわかる。

 

ー○●○ー

 

私たちは実習室と呼ばれる場所に集まった。綾鷹は保健室で診断と聞いたけど大丈夫なのか心配。宮崎先生も動きやすい格好をしていた。赤と黒のジャージの上に心臓を守るための胸当てをつけていた。

 

「それじゃあ、実習を始めるよ……みんなは神々から加護(ファブール)を授かった………そして、これからも共に戦う……言わば相棒に近いもの……そして、これが僕と共に過ごす神………来てくれ、摩利支天様」

 

宮崎先生がそういうと、空気が揺らめき黒髪の緑の武者鎧の……小さな、そうまるでマスコットみたいな少女が顕現した。

 

「みんなも呼び出してみなさい」

 

宮崎先生にそう言われ、私は祈りを捧げ建御雷神(タケミカヅチ)さまを呼ぶ。小さな電気が発生すると、そこにいたのは二頭身の建御雷神(タケミカヅチ)様が現れたのを見て私は驚いた。

 

「そう、これが化神(アヴァターラ)……契約した神の加護(ファブール)をサポートさ」

 

「あ、あの!!それじゃあ神さまたちは!?」

 

同じクラスの女性が手を挙げて宮崎先生に質問した。

 

「神さまによっては様々な側面や神権(レガリア)があるからね、1柱で複数にと契約している………そうならないために創られたが化神(アヴァターラ)さ」

 

『これからよろしく』

 

二頭身の建御雷神(タケミカヅチ)様に戸惑いを感じながらも握手をした、手がお餅のように柔らかい。

 

『名刀雷切を出した』

 

刀が出てきた……私はそれを手に取る。すごい………持っただけでもわかる……私が振ってきた刀が全部オモチャみたい。

 

「そうそれが君の魂が具現化したもの………今回はそれを使い組手を行ってもらう」

 

「先生、それは……危ないと思います」

 

私が宮崎先生に言った………わかるのはこれが本物刀……怪我ではすまない。下手をすれば命を落とす生徒もいる。

 

「ああ、それなら安心して……ステージやこの学園で死に至る怪我などが起きた場合は強制的に医療の神権(レガリア)を持つ病院に転移されるようになっているからよっぽどではない限り、ゲームで死人が出ることはないよ」

 

宮崎先生がそう言い………安心した。たしかに今までのゲームで死人が出るような事故は起きてこない。

 

「それに、その体操服にも……身を守るための術式が施されている………大体はその術式が破壊されたら負けのルールが多い……それじゃ、アインさん」

 

宮崎先生に名前を言われた……アインさん……その手には大きな鎌を持っていた。

 

「出来れば君の実力を見たい…………誰か、相手してくれる人はいるかな?」

 

生徒全員が顔を下に向けた………それなら!!

 

「先生、私にやらせてください」

 

私は自分から手を挙げ、刀を構える。勝ちたい………今日の綾鷹を見て、彼女勝ちたいと思った。そして、鼻の下を伸ばしている綾鷹を殴りたいと思った

 

私とアインさんは自身の得物を構える。宮崎先生は私とアインさんの顔を交互に見て、手を挙げた。

 

「………初めっ!!」

 

手を振り下ろしたの同時に私はアインさんの懐に入るために走る。刀に置いて打ち合うのは禁じ手………刀は斬るためである……もし、アインさんの鎌と打ち合えば先に私の刀の刃先が欠けるのは必然。

 

けどリーチの長いその鎌なら懐では振りにくいはず…………私はら頑張った。才能だけで剣を振るって来たわけでもない、努力した。

 

私は大上段から刀を振り下ろした。

 

 

しかし、アインさんは鈎柄で私の刀を防御した………硬い……鉄……いえ、これが加護(ファブール)を具現化したものね。

 

「だったら!!」

 

その時、私の刀に稲妻が走る………建御雷神(タケミカヅチ)様は雷の神でもある。その加護を契約した私も使える。

 

しかし………アインさんの顔は無表情だった。雷よ………痛くないはずがない。

 

私が戸惑う中、アインさんは口を開く。

 

「初めてでそこまで……出来るのは……凄い……でも……くぐってきた、修羅場の数が違う………」

 

鎌の刃でわたしのお腹を横薙ぎに振るう、刀でガードするが、その細腕に見合わない重い一撃は私の体をガードごと壁際まで吹き飛ばされた。

 

「ガハッ!!」

 

痛い、腕が痺れるほどにいたい……その見えない壁と刀の防御していなかったら……私は意識を無くしていたと思う……私は刀を杖代わりにして立ち上がる。

 

「まだまだ!!」

 

私は動くたびに、斬撃をアインさんは真正面から迎え撃った。鎌の横薙ぎと私が放つ上段の打ち下ろし。縦と横の剣撃がぶつかり、火花が炸裂した。

 

雷を刀に貯める………勝ちたい……とにかく勝ちたい思いしかなかった。近づいてもダメなら!!私は刀を上げ、上段の構えをする。

 

「雷っ切り!!」

 

上段から振り下ろされた紫の雷撃はアインさんのの方まで放たれた。地面を抉るほどの一直線の雷撃が放たれた。

 

「来て………生を奪う神(タナトス)

 

アインさんの横に現れたのは古びたローブを来た二頭身の女の子だった。アインさんの鎌が変色する………光すら飲み込む……闇そのものと一体化となった鎌は私が放った雷を触れると……朽ちていき崩れ、消えた。

 

「………私と契約した神は……ギリシャ神話において死の神タナトス、その触れたものに死を与える」

 

雷にすら………死を与える加護(ファブール)……むちゃくちゃよ、

 

「はい、そこまで」

 

宮崎先生が私とアインさんの間に割ってはいる。

 

「美香さん、初めてなのに加護(ファブール)を使いこなすは凄いけど……もう少し周りを見よう」

 

「……はい」

 

私は下を向き、拳に力を入れた………アインさんに手も足も出なかった。悔しい………ただそれだけが私の心の中に溜まっていく。




因幡のの白兎
大国主の眷属であり、保険医担当している。神話の出来事により薬学を通じ、常に保健室で新しい薬を作っている。

化神(アヴァターラ)
契約した神の分身、加護(ファブール)の効率的な使い方をサポートする為の存在。二頭身までに縮んでいる。

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