悲劇のヒロインに転生したのでシリアスをぞんざいに扱ってみる   作:ZenBlack

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18話:ロールシャッハ

「ヘアオイルで保護した方がいい?」

 

 まぁそんなこんなでメイドさん(サーリャの)ドS化計画が始まりました。嘘です。

 メイドさんの性癖は知りたいような知りたくないようなですが、まぁ本当は即席ヘアアイロンで縦ロールは作れるかの実験です。まだ髪の話してる~。

 

 あと最初に言っておきますが、よい子は絶対に真似しないように。わるい子もクソ兄貴のような末路を迎えたくなければ真似しないように。誰に向かって言ってるのかは、なんかもう私にもよくわからんけどけどけど。

 

「熱を加えるんでしょう? 油なんか付けたら危なくない?」

「むー」

「私はティナ様のお心に全てを預けますよ?」

「……なんかソレもう、私から心配されたいだけで言ってるよね?」

「ナンノコトデショウ」

 

 はぁ……うちのメイドさんが色々残念です。

 あとミアはソファーに座り、こちらの方を興味津々といった具合です。

 なぜかベッドから私の枕を持ってきていて、抱いていますが……寝落ち予定?

 

 ミア、自分の部屋には(私が贈ったモノも含めて)ぬいぐるみあみぐるみがいっぱいなんですけど、それを私の部屋へ持ってきたことはないんですよね。だからこの部屋でミアが何かを抱きしめる時は、大抵私の枕とかが選ばれます。えへへ。

 

「最初は細い一房で試してみよう」

「はい」

「……これから火傷するかもしれないってのに、アンタは楽しそうね」

 

 そんなわけでルンルン顔のサーリャ(の頭)からホワイトブリムを抜き、軽くブラッシングをして、元々ゆるくカールしている金髪を左サイド(私から見て右サイド)だけ少しまとめて、一房にします。

 

 天然で緩やかにカールしているハニーブロンドの髪が、窓よりの陽の光を受けキラキラと輝きながら、私の手の中でしなやかに、(しと)やかに踊りました。自分とは真逆の髪質の髪に、なんだか少しドキドキします。

 

 サーリャも同じ気持ちなのかなと、ふとその耳を覗けば、特に紅潮していることもなく、いつもと変わらぬ白い綺麗なサーリャのお耳でした。

 なんとなく、そのご様子に、ほんの僅かにイラッとするものがあります。なんでしょうこれ。

 

「ていっ」

「ふぇ!?」

 

 ブラシで頭をポンとする。するとサーリャが首をかしげながら私を見上げてきたので、ニコーって笑ってやりました。

 

「えへへ」

 

 あっさり騙されて首を戻すサーリャ。うん可愛い。

 

「イチャつかなーい」「んおっ?」

 

 するとなぜかアリスにもう一本のミスリル棒で脇腹をつつかれました。

 

 見れば、むしろアリスの、ツインテールにしたことで今は丸見えの尖った耳の方が、なんか(あか)くなっていますね。髪の薔薇色の反射かもしれないけど。

 

 ……そういえば、ホワイトブリムじゃなくて耳まで隠れるボンネットなら……アリスも表を歩けるのではないだろうか?

 

 ……ふむ?

 

「ティナ様に髪をいじってもらえるって、ドキドキします」

「私は色んな意味でサーリャが心配だよ……あ」

 

 あ、やべえ、考え事していたらご褒美ワード言っちゃった。

 ああもう喜ぶな喜ぶな。

 頭を揺らすな揺らすんじゃない。

 

「ステイ! サーリャ! 動かない!」

「はぁい」

「……貴女達(あなたたち)の主従関係をとかやくいう氣は無いけど、それで、最初はどれくらいまで温度を上げるの?」

「んー」

 

 確かあまり低い温度で何回もやるのもマズかった氣がする。

 人が一瞬で火傷するのは七十度くらいだったはずだけど、ヘアアイロンは下手に触ると普通に火傷する温度だったような氣がするから、とりあえずそれよりは高め?

 

「水が沸騰する、その一歩手前くらいから?」

「……難しい注文をするわね。時間は?」

「え?」

「暖めておく時間。魔法だから冷やすのも一瞬でできるわよ。パザスが穴を掘った時もそうだったでしょ」

「あー」

 

 どうだっけ?

 

「五秒くらい?」

「……疑問形が多すぎて、ドンドン不安になってきたんだけど」

「いや私も、今からでもやめた方がいいんじゃないかなぁって思ってはいるんだけど」

「大丈夫です。私はティナ様を信じています。私がティナ様を信じています」

「なんで被験体が一番ノリノリなんだろう……」

 

 温度と時間が決まったので、とりあえずミスリルの棒を、適当な薄めの布(刺繍用の木綿)で巻いて、そのまんま握る。で、その棒の金属部分に、サーリャの髪の一房をくるんくるんと巻いていく。

 とりあえずこの状態で、私の手の方が火傷しかけたらそこで中断ということで。

 

「いくわよ?」

 

 アリスがツインテールの上にテニスボール大の魔法陣を展開。……なんでそこ?

 

 なんか堕天使っぽいビジュアルになってますが……まぁ今は氣にしないことにして。

 

「お願いします」

「ん……」

「ありすにゃんふぁいとー」

 

 ミアの声援に、アリスの頭上の魔法陣がくるんと動く。

 ……多分、今、棒の先が熱くなっているのかな? いまいち判らない。

 とりあえず持ち手部分に変化は無いです。まぁミスリルの熱伝導率的に、五秒くらいじゃ熱は伝わってこない氣もするけど。

 

(いち)()(さん)()()……ストップ」

「はいはい」

 

 棒の先から、サーリャの髪を解いてみる。

 

「……特に変化はありませんね」

「無いな」

「無いわね」

 

 (ほど)いた髪に、これといった変化は見受けられなかった。

 キューティクルバッチリなキラキラの金髪です。心持ち温かくなっていますがそれだけですね。

 暖かくなっているので、少しパクって口に入れてみたくなりますが、やりませんしそれだけです。あの平常心そのままな白い耳も、パクって口に入れたら紅くなるのでしょうか。ちょっとやってみたくなりましたが、自制します。

 

「うーむ」

 

 まぁアイロンというくらいだから、百度以下じゃないよなぁ……。

 

「実験は失敗ということで」

「終わり?」

「お嬢様!? 諦めが早すぎません!? まだまだこれからじゃないですか!」

 

 いやぁぁぁ、うちのメイドがチャレンジャァァァア。

 自らの手で、今と同じ髪の房を、私が持つ棒の先(冷却済み)に巻いていく。擬音をつけるならワクワクいそいそといった具合。知らなかったのか? メイドからは逃げられない!

 

「次の段階に進みましょう!」

「……んじゃ、水が蒸発する温度の、少しだけ上くらいで、同じく五秒ほど」

「具体的に言いなさいよ」

「……水が凍る温度をゼロ、蒸発する温度を百とした時、百三十くらいで」

 

 ここはサーリャが大好きな私の、年齢を十倍にした辺りで。これで火傷したら本望ってことにしてもらおう。

 

「本当に具体的ね。まぁいいわ、サーリャ、行くわよ?」

「どんとこいっ」

 

 ……いいな、サーリャの氣風(きっぷ)のいい街娘風の応対。私にもしてって言ってるのにぃ。

 

 そんな感じでテイクツー。

 

「壱、弐、参、肆、伍……ストップ」

「はいはい」

 

 今度も、棒の方には私の持ち手部分も含め、これといった変化が無かった。

 火傷するはずの温度を扱ってる割に、絵面の変化が無く、逆に不安になってくる。

 

 けど……。

 

「ティナ様! いい感じにカールが付いていますよ!」

「……おおっ」「わー」

 

 特にキューティクルが痛んだ風でもなく、その金髪には、くるんとしたクセが付いていた。ロールというよりはカール止まりの変化ですが、それでも実験は成功です。

 この辺はまだ安全圏だった模様です。よかったぁ……。

 被害が出る前に成果あってホントよかったよ。

 ちなみに「おおっ」が私で、「わー」はミアです。

 

 アリスはというと……。

 

「……こんなので髪に変化が付けられるんだ」

 

 なんだかまた微妙に猟犬のような目で、クセのついた金髪を見ていますよ?

 

 えーと……やりたいなら止めないけど……薔薇色な爆発ヘアーに……アフロなアマゾネスみたいになっても私は知らないからね?

 

「でもティナ様、私、これは縦ロールにはまだ少し届いてない氣がします」

「……えー」

 

 ちょっと不満そうに、わがメイドさんが何かを言ってます。

 

 あのね、もう確実に肌は火傷する温度なんだからね?

 人間の髪がどれくらい丈夫か知らないけど、髪は女の命って言うじゃない? 命をこんなおふざけに預けちゃっていいの?

 

「もう一段階行きましょう! 次はもっと上手く行きます!」

「えー……」

 

 ブレーキって言葉知ってる?

 ドライビングテクでもアクセルよりブレーキの方が大事って言うじゃない?

 危険域がどこにあるかわからない今、引き返すのも勇氣だよ?

 

「お嬢様、知ってますか? 王都の貴族令嬢様方は、白い肌のために血を抜いたりするそうですよ?」

「……知識としては知ってるよ」

 

 チートとしては知ってるよ。

 

「あー、あたしも知ってるー。針をぶっさすか、ヒルを身体にはりつかせるってアレでしょ?」

「ひゅっ!?」

 

 やっべ、アリスの直截的(ちょくせつてき)、具体的描写に、ミアが私の枕を抱き締めて、超怯えてる。

 先端が尖っているものも、虫系もダメだったもんなぁ。

 大丈夫だよー。だいじょうぶだよー。この部屋は掃除が行き届いてるから虫なんかいないよー。裁縫針も刺繍針もダメなことを知っているから、道具一式は壁際に隠しているでしょー。

 

「そうです。痕の目立たない、ヒルの方が高級とされる施術ですね。ティナ様は、それを聞いてなにを思われますか?」

 

 なにって……。

 

「凄まじいなって?」

 

 実際の行為も、美にかける女の執念も凄まじいなぁ、と。

 

 疑問形で応えた私に、サーリャは我が意を得たりとドヤ顔になる。

 

「そうです。女の子が美しくなりたいと思う氣持ちは、それはそれは凄まじいものなのです。いいですか? 女の子はやっぱり可愛くしてこそ」「あー、そーいえば四百年前にもそういうのあったなぁ。あたしはごめんだったけど、寄生虫を食べるやつとか」

「きせっ!?」

「すとーっぷ!!」

 

 お前らもうやめぃ!

 ミアがソファの端っこでガタガタ震えているじゃないか!

 

 アリスは最近、こうやってお喋りに「あたしも混ぜてー」ってしてくるけど、今は場の空氣を読みなさい! ていうかミアの顔色を伺いなさいよって!

 

「ええっ。あの私、まだ話の途中……」

「あーもー。全くもう、ごめんね~、ミアー」

 

 なんだか言い足りないようなサーリャをスルーして、私はアリスに棒を預け、慌ててミアへと駆け寄りました。おーよしよし、お姉ちゃんがいるよー。なにも怖いことなんてないよー。

 

「んゅー」

 

 ホラもう大丈夫、落ち着いてー、落ち着いてー。

 

「えー! えー! 私放置ですか!? 今私、結構いい感じのこと言いかけましたよね!? 放置プレイですか!?」

 

 ミアを抱き締めて落ち着かせる。あーもー、だからこの匂いはやばいってぇ。

 幸せの匂いって、ってこんななんだろうね。

 石鹸と作りたてのバターと極上のフルーツを、神バランスで配合したみたいな。

 

 ……ってミアニウムを堪能してる場合じゃなかった。

 まったくもう、ミアをこんなに怖がらせてー。

 

「二人とも怖い話禁止!」

「あたし悪くないしー。悪いのサーリャだしー」

「ええぇー!?」

 

 いや直接的なグロはお前だアリス。

 ってか元、槍の一部な棒を、二本ともそのツインテールに絡ませて何をやってるの。

 

「あっれぇ!? ここはティナ様が美にかける女の情念を知って、もう少し家の中でもおめかししてくれるようになる場面でしたのにぃ!?」

「それが裏の裏な本音の本命かいっ!?」

「だってお屋敷の中では楽に過ごせるワンピースばっかりで面白みが無いんですもの!」

「だー! 家の中でくらい楽に過ごさせろぉ!」

「でもティナ様、お裁縫の腕も可愛い服を思い付くセンスもお持ちなのに、自分の為には何も新しいお召し物を造ってくれないんですものぉ!」

「そんなセンスはサーリャのメイド服で打ち止めだぁ!」

「そんな筈がありません! 出し惜しみは良くないです! いえお嬢様としては諸々出し惜しみする方がよろしいのですけれど!」

「とりあえず話の前半と後半で矛盾することを言うなぁ!」

「私にだけは遠慮なく全てをぶちまけて下さい!」

「意味深なこと言わないで!?」

「私を着せ替え人形にしていいですから! もっと色々素敵なご洋服を考案なさってください!」

「それ最終的には結局サーリャが私を着せ替え人形にするパターン!」

「大丈夫です! ティナ様は何をお召しになっても世界一の美少女です!」

「そんなモノになりたいと思ったことはなぁいぃぃぃ!」

「やーん。もっとティナ様をおめかしさせたぁい!」

「てかさっきも言ったけど、これでサーリャの髪が発火なんてしようもんならトラウマになるわ! おめかし怖いわってなるわ!」

「大丈夫です! ティナ様はそれでも前に進んでいけるお方です!」

「信頼が重いっ!?」

「おねえちゃんもサーリャんもけんかはだめー」

 

 ……とかなんとか、言い合う主従、プラス仲裁役のミアをよそに。

 

「んー」

 

 いつのまにやら。

 

「水が蒸発する温度を百とするとその倍、二百のちょっと手前で十秒くらいが一番かもね」

 

 アリスはその手で、両方とも縦ロールにしたツインテールをぽわんぽわんしていましたよ。

 

「……は?」

 

 棒は既にその髪から抜かれ、ソファの上。

 

「……ず、ずるぅい!?」

「どう? 似合う? 似合う?」

「わー、ありすにゃんしゅごーい。かわぃいー」

 

 ……わー。えー、ま~、そうだねー、ばっちりだねぇ~。

 

 薔薇色のツインテールロール、チェシャ猫みたいなニヤニヤ笑いにすっげぇ似合ってて可愛いなぁ(白目)。

 もう泣く子も感心しちゃうほどだねぇ。子供って氣持ちの切り替わり早いねぇ。

 あとラノベでチェシャ猫みたいな笑いって表現を使うと、ありふれた表現は萎えるって怒られるらしいから氣をつけましょうね。知らんがな。何の話や。アリスにする表現だからピッタリでいいでしょ。いいのか?

 

「って、なんでこの流れで、アリスがチャレンジャーしちゃってるのー!?」

「ん? だって私、自分の髪の毛ならすぐに伸ばすことができるし」

 

 ほら……とアリスがツインテールを結わえてるの紐の部分を押さえ、頭上の魔法陣が動くやいなや……にょきにょきっと伸びてくるツインテール……の根元。新しく伸びてきた分はストレートのままですね。だからどれだけ伸びてきたのかが一目瞭然ですね。とりあえずそれは三十センチ(30cm)くらいですね。必要時間は三秒くらいでしたかね。秒速十センチメートル。桜の花びらが落ちる速度よりも速い。

 

「回復魔法便利すぎるな!?」

 

 いやそれは回復魔法と言っていいものなの?

 育毛魔法?

 人間が魔法を排斥してるの、頭部に権威が無い権力者にもすっげぇ損失じゃない?

 

「だーから言ったでしょ。自分にかけるなら、この手の魔法は凄く便利なんだって。なんならお腹ぶっ刺されても数十秒で治してみせるよ? 髪を伸ばすこれも、誰かにする場合は、小一時間やって指の第一間接分くらいまでだしね。そんな面倒なことしたくないし」

 

 それでも凄いなぁ……十円ハゲができたときはどうかよろしく。今生では然様(さよう)なモノこしらえたことはございませぬが。まぁ抗がん剤の副作用が出たときにはよろしくお願いします。この世界に抗がん剤はありませぬが。平均寿命敦盛(あつもり)な世でありますゆえに、がんは死因の上位へと踊り出たりしないのです。前世の内をくらぶれば。

 

 って、違う。

 

「それだったら最初からアリスが実験台になってくれれば……」

「サーリャのみっちみちなやる氣に、水を差すことも無いでしょう?」

「私の方が先に、ティナ様の萌え萌えきゅんになりたかったですのにぃ」

「もぇもぇきゅー?」

 

 ……私、サーリャにそんな言葉を教えたかな?

 

 ……ああメイド服あげたとき教えたわ、っていうかやらせたわ、ランチだったオムレツにもえもえちゅーにゅーしてもらったわ。なんか変な扉を開いてしまいそうだったので、一回きりで封印させたけど。オムレツはその後わたくしが美味くいただきました。あといつものお約束を全て省略して言うと、ニワトリチートは手遅れの世界ですクマ。

 

「なんだろう、どっと疲れた」

「うー、アリスぅ、私も縦ロールしたぁいぃ」

「いいけど、そろそろ夕食でしょ? 給仕の邪魔にならない?」

「おふぅっ……どうして私はメイドなのでしょう……いえティナ様がご主人様であるかぎり、それ自体に不満は全く無いのですけれど」

「……一応君の契約上の雇用主はパパだからね?」

 

 時給換算は最低賃金以下だと思うけど。職場がブラックバロンだけど。

 

「後は夕食後にしましょ。今日のご飯はー?」

「メインはロールキャベツと、ロールチキンで、デザートはロールケーキにしましょうか……明日からも、一ヵ月後も」

「……」

「……」

「ろーるちきぃん、おしぃーよ?」

「パンは全部ロールパンでいいですか?……明日からも、一年後も」

 

 め、メイドさんがしょ、食を人質にとってきたぁ!?……食質?

 

「ティナ、貴女今晩から、自分用のドレス、造りなさい」

「ええっ!?」

「めいいっぱいぶりぶりに可愛らしいの。サーリャがほわほわになって、あたしがげらげらになれる感じので」

「それアリスは笑ってるよね!? 爆笑してるよね!?」

「これ、あたしの魔法頼みだよ? サーリャも縦ロールしたいよね?」「はい!」

 

 み、味方がひとり裏切ったぁ!?

 も、もう私の味方はミアだけぇ!?

 

「おねえちゃん、どれしゅ着るの? みたーい」

「承ったろう!」

「しゅんころ!?」「私の努力!?」

 

 黙れ策謀組。

 ミアの無垢なる求めに()るのならば、私は八十年代アイドル風衣装だろうが、溢れでるパッションなコスチュームだろうが、ガガっと炸裂したレディオな生肉ドレスだろうが、着てやろうではないか!

 

 ……なんだか自分が首を吊るための縄を、自分が編むみたいな話になってしまったが、氣にしない。

 

 ……こうして私は、一晩夜なべしておめかし用の服を造ることになってしまったのです。

 

 てへ。

 

 

 

 ……ひどいオチだ。

 

 

 


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