末法の炎に包まれた幻想郷。
全てが絶えたかに思えたが、人類と妖怪は死滅していなかった!
『北斗の拳』ネタです。

頭をからっぽにして気楽に読んでください。
シモはちょくちょくありますが、エロはありません。

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 頭からっぽにして読んでください。



神か悪魔か!? 地獄に現れた最強の仏

 

 一九九X年、幻想郷は末法の炎に包まれた!

 

 湖は枯れ 山は崩れ……

 

 あらゆる生命が息絶えたかにみえた……

 

 だが……人類と妖怪は死滅していなかった!

 

 

 

 荒野の丘の上に潜み睥睨する、筋肉質かつ凶相の集団。

 剃り上げた頭に“D”と刻まれた者らの手には、斧や棍棒。

 血と油にまみれたそれは、幾度も殺しを経た証だ!

 

 じりじりと炎天の下、奴らは肉食獣の如く獲物を待ち構える。

 

 ついにその下を通る荷車!

 一心に車を引く老人は、頭上の脅威に気づいていない!

 

 リーダー格が、手をかざす!

 

「イヤッホーッ!」

「ホホホーッ!」

 

 集団が丘を飛び降り、襲撃!

 奇声に反応した瞬間、老人は頭上から放たれたレーザーと弾幕に貫かれ即死!

 

「ヒャッハッハッハ! 水だーーーっ!」

 

 老人が必死で汲み運んでいただろう水を、下劣なる者たちが浴びる!

 

「大根もたっぷり運んでやがったぜ!」

 

 ぎらついた犬歯で、大根を一気に二本かじる!

 調理などしない! ナマだ!

 老人の里では、これ一本でどれほどの命が救われようか!

 

「こぉ~んなモンまで持ってやがった。今じゃケツを拭く紙にもなりゃしねぇってのによぉ!」

 

 おお、老人の懐から取り出し嘲笑するその紙は……。

 OFUDA!

 かつて幻想郷で絶大な地位を築いていた守屋神社のオフダである!

 しかも博麗神社のオフダも混じっていた!

 今や奴らはオフダなど恐れない!

 もはや幻想郷は暴力が支配する時代!

 これは変わり果てた幻想郷において、至極ありふれた光景なのだ!

 

 なんたる末法!

 

 だが……世界は変わり続ける!

 今また、この暴虐なる略奪者どもにも一つの変化が!

 

 また一人、この一団の仲間が現れる!

 その顔には明らかな焦り!

 急ぐあまり太い脚で走るのでなく、空を飛んできている!

 そう、空だ!

 奴らは空を飛ぶ!

  

 先の襲撃では見えなかった羽根が、筋骨隆々たる背に……!

 

「大妖精様ーっ!」

 

「なんだ」

 

 おお、なんたること!

 彼ら――いや彼女らは変わり果てた妖精たちであった!

 返答する大妖精の風貌たるや、山賊の頭目以外何者と見えよう?

 

「て、偵察隊の奴らが何者かに……!」

 

「なにィ!」

 

 コワイ!

 

 

 

 獲物を探すべく放たれた偵察隊。

 その元へと駆け付けた大妖精たちは、驚くべき光景を目にする!

 

 煙をあげながら周囲に倒れ伏すは、大妖精配下の妖精たち!

 だがその姿は……!

 

 美少女だ!!

 いや、その外見年齢は幼女と呼ぶべきか。

 画風そのものが違う……別世界、否、別出版社の如き姿!

 

 荒れ果てた大地、尽きた自然に合わせて凶悪な風貌と化した妖精()たちのかつての姿!

 この過酷な末法の中、妖精や妖怪たちが拒み捨てた“弱き姿”!

 そんな姿に、偵察隊の妖精()たちは戻っていた!

 もはや彼女らは今の略奪者としての暴力を振るいなどできまい!

 

「だ、だれだ! 誰がこんなことを……!」

 

 大妖精の顔が怒りに染まり、筋肉が膨れ上がる!

 かつての彼女が見れば失禁しかねぬ形相!

 

「2面中ボスと知ってのことか~~っ!!」

 

 おお、痛ましき過去の誇り!

 その言葉が彼女のかつての姿を忍ばせ、なお歪んだおぞましさを際立たせた!

 

「大妖精! こいつまだ姿が……!」

 

 倒れた中に一人だけまだ、末法の姿を保つ妖精()!

 大妖精はその肩を掴み、揺さぶり問いかける!

 

「なんだ! なにがあった!!」

 

 正体のわからぬ事件は、大妖精にも不安を抱かせた!

 その正体を聞き出さねばならない!

 倒れていた妖精()が、荒い呼吸と共に口を動かす!

 

「ほ、ほとけ……」

 

 末法にありえぬ言葉!

 

「ほとけ?」

 

 思わぬ言葉に、きょとんとしてしまう大妖精!

 その表情には……ああ! かつての彼女の面影が確かにある!

 だがそれ以上に恐るべき事態が起きていた!

 

「ひっ!」

 

 他の妖精()が怯えた声を漏らす!

 大妖精が視線を、掴んだ妖精()に戻せば……なんたること!

 

 ぐにゃりと頭蓋骨を無視した形に、妖精()の顔が歪む!

 歪み破裂するように煙を発し!

 ああ、大妖精の手の中には……美幼女と化した妖精!

 

 妖精()が、妖精に!!

 

 鬼とも見える巨漢と化した妖精()らと並び見れば、そのサイズ比はすさまじい!

 確かに肩を掴んでいた妖精()が、今や片手で胴を握れるほどだ!

 妖精や妖怪には質量保存の法則も通用しないのか!

 だがそれ以上に恐怖が、末法の略奪者たちを蝕んでいた!

 

(い、いったいなにが……そして、ほとけ、とは……)

 

 頭目たる大妖精すらも、その恐怖から逃れられない!

 

 

 

 一人の女が荒野を歩いていた。

 水も食料もなく歩んできたのか……その足取りはふらつき、ようやく見えた廃墟群の前で彼女は倒れてしまう。

 そのバストは豊満であった。

 

 

 

 牢獄の中……女は目を覚ます。

 

「へっ、またバカがドジを踏んだな」

 

 同じ牢獄に一人の少年……いや少女。

 

「う……ここは……」

「アンタが盗みに入った村の牢さ。私は霧雨魔理沙、まあ似たような盗人だな」

「私は聖白蓮……けれど、盗みなんて」

 

 ニヤリと笑い、魔理沙が明り取りの小さな窓の外を指さす。

 

「見ろよアレを。この里には水がある! 地下水があってな。おかげで大根だって作れるわけだ」

 

 おお、指さす外は青々としたオーガニックな大根畑! 

 

「こ、こんな里がまだ残っていたのですか……」

 

 白蓮が驚愕と共に呟いた。

 この枯れ果てた幻想郷において、それはあまりに貴重で稀有な光景であったがゆえに。

 

「ククク、これから生きのびるにゃ水と食料だ! 力のある奴が奪って生きるのさ! ……暴力が支配するってわけだな」

「…………」

 

 痛ましげに、白蓮は目を伏せた。

 それは暴力の時代への哀しみか。

 あるいは……目の前の少女への哀しみか。

 

「里の連中も妖怪から身を守ろうと自警団を組織してるが……所詮、素人の集団。一面ボスが来たってイチコロだぜ」

 

 魔理沙の口調は他人事でも、目は違った。

 

「だからな、私と組まねえか? お前の巨乳なら、たいていの妖怪は囲ってくれるぜ。こう見えても私は、妖怪のコネだけは多いんだ」

 

 そんな魔理沙の言葉を遮るように、白蓮は床に横たわり。

 ごろりと涅槃仏(横たわるブッダ)の如き姿で彼女に背を向けた。

 

「……ケッ」

 

 魔理沙は吐き捨てるように座り込んだ。

 

 そこに里の男たちが牢獄に入って来る!

 意識を取り戻した白蓮を尋問すべく現れたのだ!

 彼らは乱暴に、彼女を無理やりに立たせた!

 彼らは一瞬、魔理沙も睨みつけたが。

 魔理沙はただふてぶてしく笑い、諦観した様子で座り込んだままだった。

 

 

 

「どこから来た? どこへ向かっている」

 

 武器を構えた男どもが牢の檻ごしに囲む中、里の易者が白蓮に問う。

 

「もはや居るべき場所は失われ、行くべきあてもありません」 

 

 白蓮は静かに言葉を紡ぐ。

 

「易者様……この女が、もし妖怪だったら……」

 

 力ある妖怪は、この末法の時代でも一部のみであれ女の姿を保っているのだ!

 

「調べろ。妖怪ならば顔以外は筋肉に覆われているはずだ! あるいはその筋肉を幻術で隠している!」

 

 おお、なんたる末法!

 ブッダよ寝ているのですか!

 白蓮の衣服が、男らの前で引きはがされる!

 美しき裸体が晒された!

 その身に末法妖怪の兆しはない!

 完璧な女体である!

 

「きょ、巨乳!」

「う、美しい……!」

「おおおおおほおおお!」

「うううっ……ふぅ」

 

 大地も空も心すら枯れた時代の男たちは、白蓮の裸体を見ただけで射精した!

 汚い喘ぎ声と異臭!

 残念ながら、画面は彼女を背後から映している!

 

「な……これは!」

 

 しかし末法前から実は半ば妖怪化していた易者は違う!

 美しい裸体に何も感じぬではなかったが、冷静に白蓮の首に下げられた品を注目!

 幾つもの珠に糸を通した独特の品!

 

「JUZU……!」

 

 易者が驚愕に震えた……!

 

「易者様、どうしたんですか!」

 

 賢者モードの男たちの一部も、易者の下半身をチラリと見てから別の意図だと気づき、問う。

 

「ジュズ……仏に仕える者の証……! 葬式を司る者……!」

 

 うわごとのように呟く易者の脳裏にかつて聞いた予言じみた言葉が蘇る!

 

“仏現れるところ乱あり!”

 

「不吉な……!」

 

 その瞬間、轟音が響いた!

 外から里の者たちの悲鳴!

 

「易者様、たいへんです! 大妖精が……! 大妖精の一味が……!」

「く、行くぞ! 戦うんだ!」

「お前たちはおとなしくしておけ!」

 

 白蓮と魔理沙を残したまま、再び牢は閉ざされ。

 易者と里の男たちは、外へと急いだ。

 

 

 

「……へ、いいタイミングで襲ってきたもんだな。あのままじゃ、里の男どもにマワされてたぜ」

「それで彼らが救われるならばそれもいいでしょう」

 

 淡々と言って衣服をなおす白蓮に、魔理沙は肩をすくめつつ。

 急いで針金を取り出し、牢の鍵をいじる。

 

「とにかく外に出ようぜ。今ならドサクサにまぎれて逃げられるだろうよ。相手はあの大妖精だ。この里の奴は皆殺しにされちまう」

「皆殺し!?」

「ああ、DIE妖精って言えば、ここらじゃ最悪の――チッ、クソなかなか開かねぇ」

 

 魔理沙が手間取る中。

 白蓮が無言でがしりと、牢獄の鉄格子を掴んだ。

 その白い細腕に力がこもる。

 

「お、おい、白蓮あんた何を……!」

 

 魔理沙は目を剥いた!

 白い手の中、鉄格子がみしみしと悲鳴をあげている!

 そして……おお、ブッダ!

 鉄格子が熱されたキャンディーアートの如くねじ曲がり、押し広げられ……白蓮の通るに十分な穴となる!

 

「…………」

 

 無言で白蓮は牢を出て歩み始める。

 奥まった裏口ではない、里の男たちが向かった方向だ!

 

「お、おいどこへ行く! 里の奴らなんかDIE妖精にかかったら一分ももちゃしねぇ! 逃げねぇのか!」

「……あなただって逃げるつもりはないのでしょう」

 

 舌打ちが返答!

 

 そして牢獄の外に出れば……!

 

 

 

 おお、既に幾人もの犠牲者!

 死屍累々!

 つい先ほど、白蓮の観音様を拝み射精した男らも死んでいるではないか!

 返り血を浴びた妖精()たちに犠牲者はない!

 圧倒的戦力差!

 大妖精は血まみれの刃を舐め、獰猛な笑みで生き残った人々を脅している!

 周りには武装した凶悪無比の妖精()が多数!

 

 しかし白蓮の歩みは止まらない!

 

「おい、白蓮!」

 

 しかし白蓮の歩みは止まらない!

 

「あ、あんた牢を抜け出して……!」

 

 しかし白蓮の歩みは止まらない!

 

「なんだぁてめぇは!」

「おーっ!」

「こらぁっ!」

 

 モブ妖精()たちが気づき囲む!

 

「下がりなさい」

 

 モブ妖精()たちが、凶悪な顔にきょとんとした表情を浮かべ……。

 

「いい度胸してるじゃねぇか!」

「ブチ殺してやらぁ!」

 

「南無三!」

 

 周囲の者には……そして当人らにも、ただ強風が吹き荒れたようにしか思えなかった。

 

「ああん?」「なんだぁ?」

 

 妖精()らが首をかしげた瞬間。

 その体が歪みねじれた!!

 

 一瞬で縮み、妖精()らがかつての美幼女の姿を取り戻す!

 

「な……何が起きたんだ!?」

 

「ほ、仏真拳(ほとけしんけん)!」

 

 唖然とする魔理沙に

 易者が記憶から蘇った名を叫んだ!

 

「きさまかぁ! 手下をあんな姿に変えたのは!」

 

 大妖精が他の妖精()と異なる太陽神ラーの如き翼を拡げ威嚇!

 里の者たちは易者と魔理沙を残し、泡を吹いて失神!

 だが、白蓮に揺らぎなし!

 明鏡止水!

 仲間の妖精()すら怯える中、白蓮の歩みは止まらない!

 

「南無――」

 

 前に立ちふさがる妖精()を美幼女に変えていく!

 

「その昔……大陸より伝わる凄まじい宗教があると聞く。その名を仏教。肉体と精神の強化を基本とするが、真に極めた者は他者の精神や魂すら変えてしまうという……そ、それが今ここに」

 

「な、なんだと! じゃあ白蓮の奴は妖精()どもの存在を根本から変えて……!」

 

 説明的な易者の言葉に、今は驚くしかない魔理沙。

 そうしている間にも、モブ妖精()は次々とかつての姿に変えられていく!

 気づけば残るは大妖精ただ一人!

 

「おのれぇ!! 妖精()の真の力、このDIEの剣によるアバンストラ――」

 

 大妖精が荒廃せる自然の力を集め剣に変え、強烈な一撃を撃ち込まんと構えた瞬間!

 

「南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無南無」

 

 白蓮の無数の突きが、大妖精の巨体……そして魂に打ち込まれる!

 

「ぐお……おお……」

 

 あまりの突きが巨体を浮かばせた!

 

「――南無三!」

 

 連撃が終わる時、大妖精の巨体が大地に崩れ落ちた!

 

「仏百八拳」

 

 白蓮は構えを解き、倒れた大妖精に手を合わせる。

 死者を弔うポーズだ!

 しかし!

 

「貴様の拳ごときで、この大妖精様の魂を変えられるものか! ぶっ殺してやる!」

 

 倒れた大妖精は美少女と化さず、巨漢のまま立ち上がった!

 凶悪な笑みを浮かべ、再びアバンスト――

 

「あなたはもう悟っています」

 

 そんな大妖精に、慈愛に満ちた笑みを浮かべる白蓮!

 

「なんだと――ぉ!!?」

 

 その言葉に反応した瞬間!

 大妖精の体は爆発四散!

 その身にまとった荒廃した自然の力がすべてはじけ飛び!

 残ったのは他の妖精に比べ成長した姿の美少女!

 

「なんと凄まじい……」

「あれが、仏の力……」

 

 力を失いかつての姿を取り戻した妖精たちが倒れる中、白蓮の般若心経だけが里に響くのだった。

 

 

 

 その翌日。

 いくらかの食料と水のみを受け取り、立ち去ろうとする白蓮。

 

「お、おい、本当に行っちまうのかよ! 白蓮ならこの里をずっと守れるだろ? 食料も水もあるんだぜ?」

 

 声をかける魔理沙に、易者が言った。

 

「仏現れるところ乱ありと言ってな……白蓮は我々のために、この村を去ろうとしているのだ」

「そんな……」

 

 無言のまま、少し悲しげな笑みを浮かべ白蓮が頷く。

 里の者たちに見送られながら、彼女は荒野へと歩み出す。

 

「あー! クソ、行き倒れるような奴を一人で送り出せるか! あいつの腕がありゃ食いっぱぐれたりしねぇんだ。コソ泥が里にいるよか、いいだろ!」

「魔理沙……すまんな、他の里を助けようとしていただけのお前を牢に入れて」

「うるせぇ、大妖精の奴もいなくなったんだ。後は里の連中でなんとかしろよ!」

 

 そして白蓮を追い、魔理沙もまた荒野に駆けだすのだった。

 

「おーい、白蓮待ってくれ~!」

 

 そして里には平和が訪れ……オナホ妖精村と呼ばれ栄えたという。

 




次回
ナズ「幻想郷中を探し回ってやっとこれだけの種モミを見つけたんだ……この種モミが実を結べばキミたちにも分けてあげよう。だからそれまで待ってくれないか」
ルーミア「ほー、なおさらその種モミを食いたくなったのかー」


ナズ「……え? これって私、次の話で出番終わりってことかい?」
ルーミア「ハート役かと思ってた」



つづきません!
リンを出すと長くなるので、魔理沙に集約しました。

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