どちゃクソラッキースケベなハーレム生活を望んだ結果、最終的に幼馴染を好きになった転生者の話   作:送検

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漫画版のサヤちゃんは大人っぽくて好きです。
アニメのサヤさんは少女?って感じがして好きですねぇ!


炭の魔女の『廻想』

 

 

 

 

 

 

ぼくには魔女である師匠の他に、慕う……同志……?まあ、そんな感じの先輩がいます。

真っ黒なローブを身にまとい、颯爽と依頼を解決に導いては空き時間と余暇で百合に興奮するえげつない人なのですが、こんな人でもぼくの先輩であり、尊敬する魔導士さんです。

魔法統括協会のエージェントとしての立ち居振る舞い、魔法の使い方、そして心の在り方。

その全てと言ったら過言になっちゃうんですが、その魔導士さんがいなければ、ぼくはこうして炭の魔女としてイレイナさんの目の前に立つことは叶わな……いや叶いますね、ぼくのイレイナさんに対する愛を舐めてもらっちゃ困ります。

 

まあ、少なくとも先輩の存在が魔女見習い時代のぼくに良い影響を与えてくれたというのは間違いなく、なんなら先輩のおかげでモニカさんというズッ友を得ることもできたくーるできゅーとなぼくが語るのは、ぼくが炭の魔女として正直者の国に滞在していたイレイナさんに出逢う前の話なわけなのですが。

 

「Chu!これからサヤちゃんの百合でいっぱい栄養補給させてな!」

「サヤ。これがあたしの一番弟子だ。言っていることはやべーが、これでもこの支部の中じゃピカイチのエージェントだから、分からないことはコイツにも色々聞け」

 

初めての出逢いから遡ったらオリバーさんの色んなやべーやつっぷりが露見してしまうので、とりあえず日常生活でのオリバーさんを──

 

「モニカちゃん少食だねぇ、いっぱい食べないと大きくなれないよ──あ、身長の話ね!身長!!」

「別に訂正しないでいい。というかおかわり持ってこようとするのやめて」

「新境地、開拓……!?」

 

あ、これもやべーのでやっぱ依頼帰りでの一幕を──

 

「いやぁ、お噂はかねがね聞いておられます!貴方のような魔導士様が来て下さるのでしたら安心でございます!黒衣の死神様……」

「報酬は?」

「……へ?」

「幼馴染のお母さんに言われてるんです。報酬はキッチリ貰うこと。約束を破るなら様々な観点から追加料金をふんだくるって。で、報酬は?」

「さ、先に依頼の内容を聞いていただけると……」

「モニカちゃん、報酬は?」

「私に聞かないでください」

「ほう、金貨10枚か……」

「まだ何も決まってません。顎に手を当ててないで正気に戻ってください。

というかサヤにこれ以上恥を晒さないでください」

 

………………。

 

「うがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「うおっ!?サヤ、お前急に叫んで驚かすんじゃねえ!」

「サヤちゃんの咆哮なんて初めて聞くな。……どしたん、話聞こか?」

「姉さんに近付かないで」

 

もう考えるのも面倒なので、とりあえず1年くらい前の話でも引っ張り出しておこうと思います。

あ、違うんです。てきとーじゃないんです。

ちゃんと先輩がエージェントさんやってるお話ですから──あれ、ししょー。どうしてそんなぶちぎれてんですか?

 

 

 

 

 

 

これはぼくがイレイナさんと出逢った後の話です。

懸命な勉強と訓練の甲斐あって魔女見習いとなったぼくは、魔法使いの国に滞在する前に交わしたししょーとの約束を守り、ししょーのいる国にまで向かうことになりました。

 

約束の内容は、魔女見習いになった暁にはししょーの下で鍛錬を積むこと。その約束に対して首を横に振ったら有無を言わさずししょーとエンカウントして、ししょーのいる国に強制送還です。

ぼくの妹であるミナが正にそうで、合格した後も魔法使いの国に滞在し続けた結果、手紙で最終通告を受けるというやべー事態になりかけたのですが、その後無事に国に辿り着いており。

じゃあぼくもびゅーんとひとっ飛びしよっかなー、いやでも限界まで粘ってししょーを困らせよっかなーどうしよっかなーなんて馬鹿げたことを考えつつ、ほうきを飛ばしてししょーの待つ国へ向かったのでした。

 

「おー、現物サヤちゃん発見」

「は?あなた誰ですか。初対面で現物とか失礼にも程があると思うのですが」

「あはは、やっべぇ第一印象最悪やん。

まあいいや。俺の名前はオリバー、シーラさんの弟子やってる。よろしくな、サヤちゃん」

 

そしてぼくは、これから先永遠に関わり続けることになる山吹色の髪の魔導士さんと出逢ったのです。

山吹色の髪に、透き通る海を彷彿とさせる碧眼。

纏っている漆黒のローブは、その外見と相まって明暗がくっきりと分かれているように見え。

その姿を見たぼくは多分、自分でもちょっと引くくらいその魔導士さんを睨みつけていたと思います。

初対面の軽はずみな言動と、チャラそうな外見で、ぼくの警戒心はメーターを振り切っていたからです。

そしてなにより、こんな人が。しかも男の人が。ししょーの弟子をやっているだなんて、にわかには信じられなかったのです。

 

「ん、取り敢えずここまでごくろーさん。シーラさんとこまで行って用事済ませたら今日はパーッと遊ぼうぜ」

「あ、結構です。ぼくこう見えて忙しいので」

「ありゃ、もしかしなくても俺が嫌なのか。じゃあパーッと遊ばせるのはシーラさんとモニカちゃんに任せるかなぁ」

「いやそういうわけではなく」

「あ、そうそう。魔法統括協会の学生食堂めちゃくちゃ美味いんだよ。後で昼飯食いに行こうぜ」

「話聞いてます?」

 

なのでぼくはこの瞬間から始まって数週間。

オリバーさんの話を一応信じつつも、心のどこかでは彼の一挙一動に内心で舌を出していました。

魔女見習いにまでなったぼくが、彼に聞かなきゃいけないような──そんな困り事なんてできるわけがねーって思ったんです。

 

「うぇーい!シーラさんただまー!」

「おー、連れてきたか……よし、じゃあひとつ聞かせろ」

「はい!」

「お前、モニカとミナに対してやらかしたこと、サヤにもやってないよな?」

「やらかしました!」

「お前な」

 

いや、つーかそもそも距離感バグってんすよこの先輩。なんで初対面の女の人にそんな気軽に接することができるんすか。いやそもそも初対面の人に対して堂々とちゃん付けすんのなんなんすかチャラ男っすか。

まあ、そんな第一印象なども相まって。

ぼくはオリバーさんという魔導士に対して、最初は嫌悪感にも近いなにかを抱きながら、日常を過ごし、魔法統括協会のエージェントになるための勉強と魔女になるための課題をこなしていました。

 

 

──の、ですが。

 

「ぐ、ぐぬぬ……!!」

 

やはり魔女になるための鍛錬も、魔法統括協会のエージェントになるための講義もひとつひとつが厳しいもので。

その2つの目標を並行して追いかけていたぼくは、もれなく頭がパンクして机に突っ伏してしまいます。

机に散らばった大量の紙は、これまでの過程で蓄積されてきたわけのわからねー問題の数々。

それらの問題から目を背けるように突っ伏した今のぼくは、なんともまあ情けない魔女見習いに見えるのでしょう。

他でもないぼくがそう思うのだから、きっとそう見えるはずです。

 

「……」

 

人はなにかをする時、必ずひとり。

それはあの日の夜、ぼくがイレイナさんに教えてもらった大切な言葉です。

この言葉と、共に過ごした僅かな日々。そして、ぼくの頭を包む魔女帽が、今のぼくの勇気となり活力になり得ます。

なので、ぼくはこうして頑張っているんです。素面じゃわからねーような問題集を躍起になって解いて、睡眠欲にはイレイナさんに貰ったもとい返してないだけのハンカチの香りを吸うことで打ち勝ち、魔女になるための訓練ではイレイナさんに教えてもらったことを活かして、ずっと、ずっと頑張ってきたんです。

 

それなのに。

 

「逢いたい……」

 

その時、ぼくはめげようとしていました。

せっかくここまで頑張ってきたのに。息を深く吸って、吐いて。机に突っ伏して。

苦手なものから目を背けて、何かから逃げようとするぼくはあの日のぼくとまるで変わらず。

じゃあ今までの努力はなんだったのでしょうかと自問自答していたぼくは、恐らくここ数年間で1番精神的にやられていたのかもしれません。

目の前の景色が、目標の先が、思いが。世界が真っ暗に見えて仕方なかったんです。

 

「あぁ疲れたぁ……」

「料理長さ、ちょっと頑張りすぎだぞ。十分頑張ってんだから少しは休めって」

「ダメダメ!まだまだ学生食堂のキッチンをルーキー君達には任せられないからね!エステルだって頑張ってるんだし、私も頑張らないと!」

「……ああ、そうだな」

 

とはいえ、そんなの他の人からしたら全く関係ありません。

ぼくが勝手に落ち込んで、机に突っ伏したところでその光景を心配する人なんてまるでいないように、ぼくはこの世界の中ではその他大勢の、ちょっと魔法が使える美少女ってだけの話です。

わいわいと話し声が聞こえる中でひとつ、聞き慣れた声のする方を振り向くとそこにはめちゃくちゃに可愛い青髪の美少女さんと、あれからなにかと声を掛けてくるにっくき山吹やろうが談笑をしていました。

 

『はい、一汁五菜定食!サヤちゃん、顔色悪いけどちゃんと朝ごはん食べてる?』

『た、食べてますよ!……えっと、今朝はお茶を少々』

『……あはっ、困ったなぁ……飲料1杯でごはんって言えちゃうんだ……どうしよっかなぁ。サヤちゃんのそういう常識、1度切り刻んだ方がいいのかなぁ』

『ひぃ』

『……いやだったら自分でちゃんと朝ごはん作るか、無理そうならここに朝ごはんを食べに来ること!

未来でたくさんの人を助けるエージェントさんが、そんな顔してたらみんなを安心させられないでしょ?』

『は、はいぃ!!』

 

青髪の美少女さんは、この時のぼくとも何度か関わりがあり、なんなら現在も食事の面でめちゃお世話になっている恩人さんです。

艶のある青い髪を腰まで伸ばし、優しく微笑みながらケチャップライスを中心とした赤系統の料理を提供するその姿から名付けられたのは学生食堂の快楽調理師さん。

ネーミングセンスと本人の言動にそこはかとない恐怖感を感じますが、実際に彼女の人となりに触れるとふつーの年頃の女の子なので、ま……まあ、胃袋掴まれてるのでおっけーです!

 

「これからも……立ち止まらない限り道は続くってな……」

「ねえ、そんなことよりオリバーくんの後輩ちゃん。ごはんしっかり食べてる?」

「お?おー……ミナのことか?」

「ううん、むしろミナちゃんは可能な限りここでご飯食べに来てくれるし、なんなら昨日一緒にハンバーグこねこねしてたよ?」

「こねこねしたのか」

「うん。これくらいの大きなバットにね、合挽きしたお肉をざっと10キロ!卵と玉ねぎ、それからスパイス、パン粉をぶちこんで、親の仇かってくらい両手で……あはは……!」

「ど っ か 興 奮 す る 要 素 あ り ま し た ?」

 

まあ、そんな美少女調理師さんとオリバーさんが勤務時間外に2人で何してたって別にぼくには関係ないんですよ。

だって、ぼくたちはひとりの人間として独立していて。運命共同体なんてふざけたものでもないのですから、どこの誰といちゃつこうが遊び倒そうが人の勝手です。

ぼくだってそうです。イレイナさんにまた逢いたくて、魔女になって尊敬するイレイナさんを追いかけたくて。その上で、魔法統括協会のエージェントさんになって、立派な人になり、誇れる自分になった上で逢いたいという気持ちもあって。

だからこその現在に、誰かがケチを付けるんだったらぼくは相手が誰であろうとも『ぼくの勝手ですよね!ぷんぷん!!』ってキレ散らかします。

それと同じです。

もっと簡単に言うなら、自分がされて嫌なことを他人にするほど性根の腐った性格してないって話ですね、はい。

 

「それより、俺の後輩ちゃんって。もしかしてサヤちゃん?」

「そうそう、サヤちゃん。朝ごはん食べる間もなく勉強訓練勉強!こんなサイクル続けてたらいつか身体壊しちゃうよ?」

「そっかぁ……まあ、しかし。そこまで強制するようなことも言えねえからなぁ……それこそ、一介の魔導士にとやかく言われても反発したくなるだけだろうし、そういうお年頃だろうし」

「大丈夫だよ。キミはモニカちゃんと私に慕われている最高の魔法使いだよ、自信持って!」

「それはキミたちがちょっとおかしいだけ。フツーの人は俺みたいな魔導士歯牙にもかけません」

「あはは!現在進行形でおかしいオリバーくんがなんか言ってるよ!!」

「料理長結構良い性格してるよな。ケチャラーの癖に生意気だぞ」

「オリバーくんもケチャラー……始めちゃう?」

「こっち見んな。……あ、モニカちゃんだ!モニカちゃーん!!かわいいね、Chu!!」

「あははっ!モニカちゃーん!!ちゅー!!」

「……」

 

ぼくの親友に投げキッスするのやめてくれますー?

 

 

 

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