リリィたちの何気ないぶっ飛んだ日常。
今日も彼女たちは元気です。

※「BOUQUET」と「Last Bullet」の知識のみで書きましたのでご了承願います。

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相澤一葉:リーダー&うっかり担当

佐々木藍:幼女&暴力担当

飯島恋花:ギャル&ツッコミ担当

初鹿野瑤:クール&ボケ担当

芹沢千香瑠:お姉さん&病んでる担当


ヘルヴォルな乙女たち

「では皆さんの忌憚のないご意見をお聞かせください!」

 

 

 ここはヘルヴォル控室、集まったのはいつもの面々、そして用意された千香瑠特製の紅茶とクッキー。

 

 今日は我らがリーダー相澤一葉主催『エレンスゲ改革会議』の開催日。

 ヒュージ掃討で戦果を上げる他にも自分達で学園を良くするためにできる事を考えよう、ってマジメな一葉らしい発案。

 一応あたしも考えてきたにはきたけど……。

 ぶっちゃけ頭の固い学園側が採用するとは思えないけどなー。

 

「はーい、らんはお昼寝がしたい」

 

 ちょ、初っ端から全然関係なくない!?

 幼稚園児のお昼寝の時間かってーの!

 これには流石に藍に甘々な一葉や他のみんなも呆れて――

 

「なるほど、午睡か。確かに学習や訓練の効率アップに繋がるかも」

 

「流石だわ、藍ちゃん♪」

 

「藍はかしこい、かわいい」

 

「えへへー」

 

 滅茶苦茶感心してるんですけど!

 …………まあ昼寝、っていうかシエスタは美容に良いって話もあるからあたし的にもオッケーだけど。

 

 

「では一つ目は『お昼寝大作戦』で決まりですね」

 

「わーい」

 

 おい、ネーミングセンス!

 瑤もそうだけどあたし以外残念過ぎない!?

 これだと逆にあたしだけ浮いてるって気も……いや、あたしの方が普通だから!

 

 

 

 

「では次の発表は――」

 

「私でいいかしら?」

 

「はい、千香瑠様」

 

 次は千香瑠かー。

 まあ藍とは違ってまともな意見が――

 

「既存戦力の底上げの為に百合ヶ丘女学院のシュッツエンゲル制度の導入を提案するわ」

 

 ほらまともな――

 

「一葉ちゃん、私がイカ、導いてあげるわ」

 

「千香瑠様……私で良いんですか?」

 

「うん、一葉ちゃんだから……んっ」

 

「ふふっ、相変わらず千香瑠様の唇はクッキーよりも甘いですね」

 

「もうっ♪」

 

 いきなり濃厚なラブシーン始めちゃって何なの!?

 提案内容もこうなると完全に自分の欲望じゃない!

 

 本来は上級生が下級生と疑似姉妹の契約を結んでリリィとして人間として成長できるように導く、って制度なのに。

 

 どこに導く気よ!

 百合ヶ丘の人に怒られるよ!?

 

 

「クッキー美味しい」

 

「うん」

 

 二人を無視してクッキーを食べ続ける瑤と藍。

 ……あたしも気を遣ってそっとしておくのが正解なの!?

 

 

 

 

「ふぅ、ではこの提案も学園側に伝えましょう。さあ続けていきましょうか」

 

 伝えちゃうんだ……。

 まあ表向きはリリィの戦闘力・生存力向上って言えば校風的に通りそうな気もするけど。

 あたしが言えた義理じゃないけど確実に風紀が乱れるだろうねー。

 

 ……あたしも瑤とシュッツエンゲルの契りしたかったけど同級生じゃ無理か。

 藍は――

 

「瑤……眠い」

 

「おいで」

 

 会議中なのに寝心地抜群の瑤の膝で夢の世界に導かれてるし!

 あーもー悔しいけどお似合いの疑似姉妹になりそう。

 

 

「では、僭越ながら私相澤一葉は地域住民と触れ合える奉仕活動を提案します」

 

「一葉ちゃん、素敵!」

 

 お、一葉にしてはまともな案が。

 

「具体的には……っと、このチラシのようなお店での奉仕ですね」

 

 へーどれどれ。

 

『疲れたみんなにご奉仕するにゃん♪ 新規スタッフ募集中だわん♪』

 

 どう見ても風俗じゃない!

 うっかりーだーってレベルじゃないし!

 

「駄目よ、一葉ちゃん。勤務時間が深夜にかけてよ」

 

「あっ、見落としていました。申し訳ないですが再考します」

 

「はい♪」

 

 流石千香瑠、上手く誘導した感じ。

 もしこんな提案を学園側に提案したらアホの子認定されて序列1位剥奪されてたかも。

 千香瑠グッジョブ。

 

「……一葉ちゃんにご奉仕されていいのは私だけ」

 

 ……不穏な言葉が聞こえたけど聞かなかったことにしよ。

 ギャルの処世術的にもね。

 

 

 

 

「一葉の提案に似てるけど、いい?」

 

「はい、瑤様。お願いします」

 

 どうか瑤が変な事を言いませんように! ようだけに!

 

「近くにある孤児院にヘルヴォルのみんなで慰問に行きたい」

 

「なるほど、流石は瑤様ですね!」

 

 思ってたより普通の提案であたしも一安心。

 でも今のご時世孤児院って、大体はリリィの力不足で親を……。

 

「……私達を受け入れてもらえるでしょうか?」

 

「大丈夫、熊の着ぐるみを着ていくから」

 

「なるほど! それは盲点でした!」

 

「なるほどじゃない! 何で熊の着ぐるみ!?」

 

 今日はツッコミ封印のつもりがつい口に出ちゃった。

 あーもー無理ゲー!

 

「恋花は熊嫌い?」

 

「いや嫌いじゃないけど……。そもそも着ぐるみなんて着たことないしどこで調達するの!?」

 

「安心してください、恋花様。その為のエレンスゲ女学園です!」

 

「意味わかんないから!」

 

「……恋花さん、一葉ちゃんのことを信じよう?」

 

「あ、はい」

 

 千香瑠の圧に屈するあたし。

 ギガント級ヒュージよりやべーやつ。

 握られた手が四散するかと思った。

 

 

 

 

「さて、最後は恋花様ですが」

 

「あー、みんなの案に比べると地味かもしれないけど『踊ってみた動画』を配信してイメージアップってやつを」

 

 自分で提案しておいてなんだけど……正直微妙かも。

 他の案に比べると普通過ぎるというかツッコミにくいというか。

 いや大喜利ってわけじゃないんだけど。

 

「五人の熊さんダンス……控え目に言っても最高」

 

「え、着ぐるみ前提!?」

 

「なるほど、身のこなしも鍛えられて一石二鳥というわけですね!」

 

「ちょ、訓練要素も加えるの!?」

 

「CHARMを持てば生まれ変わったヘルヴォルのアピールにピッタリだわ♪」

 

「……千香瑠もそっち側の住人かー。うん、知ってた」

 

「…………………………」

 

「寝てる藍も可愛いなー」

 

 盛り上がっている三人をよそにツッコミ疲れたあたしはクッキーと紅茶を堪能する。

 美味しいんだけどこの空気、どこか上滑りする感じ。

 

 あー、濃厚こってりなラーメンが食べたいな!

 

 

 

 

 

 

「うーん、なんだかんだ言ってシエスタのお陰で最近調子は良いかも」

 

「そうだね」

 

「藍と一葉には感謝しないとね」

 

「うん」

 

「まあ、周りから変な目で見られながらこれだけ練習したんだから絶対に――」

 

「恋花」

 

「ん?」

 

「大丈夫だから」

 

 私の右手を優しく包む瑤。

 それだけでこれから待ち受ける試練に耐えられそう。

 ……ズルいんだから。

 

「熊さんな恋花も可愛いから大丈夫」

 

「えっ、そこ!?」

 

 瑤の発言に思いっきりずっこけそうになった。

 まあでも、着ぐるみで表情は分からないけど、その下は私の好きな瑤の笑顔なんだろうね。

 

 いっちょ頑張りますか!

 

 

 

 

 

 

「皆さん、エレンスゲ女学園のヘルヴォルの方が遊びに来てくれましたよ」

 

「…………」「…………」「…………熊?」

 

 孤児院の院長さんから紹介を受けたものの、熊の着ぐるみを着た五人組に呆然とする子供達。

 赤色、青色、黄色、桃色、緑色……いやカラフル過ぎるでしょ!?

 あー、うん、なんかゴメン。

 

 お、サッカーボール持ってる女の子がいるじゃん。

 ここはあたしが♪

 

「恋花グマとフットサルで勝負だクマー。あたしに勝ったら動物クッキーをあげるクマー」

 

「えっ、クッキー!? やるやる!」

 

 グラウンドに駆けだす女の子達を追ってあたしも駆けだす。

 ふふっ、着ぐるみを着たままムカデ競争やダンスをこなせるほど成長したあたしは手強いよ?

 

 

「秘技、クマルセイユルーレット!」

 

「え、抜かれた!?」

 

「そんなんじゃクッキーはお預けクマー」

 

「負けないもん!」

 

「続いて玉乗りドリブル!」

 

「!!??」

 

 と、まあそんな感じで子供達と触れ合った。

 他の四人も――

 

 

 

「熊さんみたいなリリィになるにはどうしたらいいの?」

 

「そうですね……血反吐を吐くくらい頑張れば大丈夫です!」

 

「ちへど!?」

 

 

 

「…………………………」

 

「この熊さんずっと寝てる……」

 

「…………………………」

 

「わたしも寝よ」

 

 

 

「はい、できたよ」

 

「わ、アップリケかわいい! 熊さん上手!」

 

「裁縫なら任せて。小さい子が大好きだから」

 

「う、うん?」

 

 

 

「はい、後は焼くだけよ」

 

「もうできちゃったんだ! すごーい!」

 

「!? 急に抱き付いたら危険よ。可愛すぎて思わず食べちゃうかも♪」

 

「はーい、気をつけます」

 

 

 

 ……だ、大丈夫、流石に問題は起こさないよね?

 これ以上の悪評は勘弁してよ!?

 

 

 

 

 ウーウーウー!

 

 

 

 

「こんな時にヒュージ出現!?」

 

「大丈夫です、恋花様。こういう時の為にCHARMは常に持ち歩いていますから」

 

「まあそうだけど。じゃあ早速制服に着替えて」

 

「時間がありませんからこのままで行きます」

 

「え、ちょっと、着ぐるみなんですけど!」

 

「恋花、大丈夫」

 

「ええ、その為の訓練だったから」

 

「ふぁ……あれ、ヒュージ? らんも戦う!」

 

「準備は良さそうですね。ではリリィとしての誇りを胸に――ヘルヴォル出撃!」

 

「ちょっと待ってよーーー!?」

 

 

 

 

 その日の戦闘はリリィ史に刻まれることになったとか。

 前代未聞の熊の着ぐるみによるノインヴェルト戦術によるギガント級の撃破。

 

 いや、嬉しくないからね!?

 新聞に載ったのは熊さんだからね!

 

 

 

 

 

 

「はい、では前回の学園側に提案した皆さんの改革案の結果を伝えます」

 

 着ぐるみ事件(仮称)から数日後、第二回『エレンスゲ改革会議』が開催された。

 まあ既に試験運用されているのもあるから結果は大体分かるけど。

 

「まず『お昼寝大作戦』ですが、僅かですが数値の向上が見られたため試験運用は継続になります」

 

「やったー」

 

「……藍の居眠りは導入前後で変わらない気もするけど」

 

「寝る子は育つと言うけど困ったわね」

 

「藍は小さいままが良い」

 

 おい瑤、その発言はヤバい!

 

 

「続いて『オペレーション熊さん』は世間からの評判のみならず、ギガント級撃破の戦果も相まって継続になりました」

 

「瑤、やったじゃん♪」

 

「良かったですね、瑤さん」

 

「……嬉しい」

 

「またお昼寝できる」

 

 まあ、たまにはフットサルしに行っても良いけどさ。

 

 

「続いて『ダンシングリリィ』ですが、他のガーデンも続々と動画を上げてきているので対抗しろとのことです」

 

「マジかー、着ぐるみダンスを超えるのって中々無くない?」

 

「大丈夫、恋花ならできる」

 

「ええ、もっと素敵なダンスにしよう」

 

「らんも頑張る」

 

 責任重大じゃん!

 見た人全てを笑顔にするのは当たり前で、更に他のガーデンにも負けないってのは難しいけどやりがいはあるかな?

 

 

 

「最後に『シュッツエンゲル制度』の導入は既存の序列制度に反するため見送られました」

 

「そんな……」

 

 今にも泣きだしそうな千香瑠。

 ……まあ気持ちは分かるかも。

 

「ただ、序列が上の者が下の者を指導する制度であれば一考の余地はある、と」

 

「そ、それって!」

 

「はい……千香瑠様、私に千香瑠様を導かせていただけませんか?」

 

「……はい♪」

 

 涙を浮かべながらも満面の笑みで答える千香瑠、良かった。

 

 ……でもこの場でキス以上の行為は止めてね?

 

 

 

「恋花、わたしとシュッツエンゲルの契りを結んで守護天使になって」

 

「え、オッケーだけど……あたしでいいの!?」

 

「……恋花以外じゃ、やだ」

 

 

 唐突な瑤の発言に混乱するあたしの頭。

 

 意味を理解すると段々と顔が熱く。

 

 契りを結んだだけで何が変わるってわけじゃないけど……嬉しいね。

 

 

「らんはー?」

 

「藍は私のシルト、しっかり導いてあげる」

 

「やったー」

 

「これなら仲間外れはいない」

 

「あー、うん、そうだね。じゃあ早速瑤を指導しようっかな?」

 

 瑤のあっけらかんとした様子に頭を抱えるあたし。

 

 はぁ……先は長そうなことで。

 

 

 

 この先どんな運命が待ち受けているかは分からないけど、この愛しい四バカとなら乗り越えていける、かな?




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好評なら続けます。

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