第一話 羽をもがれた蝶
(ここは……、どこでしょうか……)
鬼殺隊の柱の一人、【胡蝶 しのぶ】は、深い眠りからようやく意識を取り戻した。
(……見渡す限り真っ暗。どこかの地下室でしょうか)
素肌の両手足首には、金色の拘束具(アンクレット)。四肢にある見慣れぬ装具の感触に、しのぶは自身が置かれている状況を理解した。
「……そうでした。私、上弦の鬼と戦って……」
「そう、そして負けた♪」
遠くから近づいてくる足音に、しのぶは全身を震わせた。
「やぁ、おはよう♪」
上弦の鬼。【鬼舞辻 無惨】配下の精鋭、十二鬼月の中でも強者たる鬼上位六名を指す。
下弦を含めた他の鬼とは比較にならない戦闘能力および特異体質を有し、鬼殺隊と鬼の戦いの歴史においてこの百年余り顔ぶれが変わっておらず、鬼殺隊最高位の剣士である“柱”ですら単騎で太刀打ちするのが難しい程の凄まじい戦闘力を持っている。(一部引用)
「……人食い鬼であるあなたが、柱である私を殺さずに捕らえるなんて、一体どういうつもりですか?」
「やだなぁ、僕の趣向知ってるくせに。仲間内での情報共有はできているんだろ?」
(……上弦の弐、達磨。人間の中でも特に栄養価の高い【女性だけ】を食べることでNo.2に登りつめた、最悪な鬼……)
「だからさぁ、【これ】が君の質問の答えだよ」
しのぶが息を呑むと、達磨はその異常性を顕にした。
薄暗い部屋が明るくなった。周りには、しのぶと同様に両手足首に金色の拘束具(アンクレット)をした全裸の女性たちが、100人をゆうに越えていた。
「僕はねぇ、気に入った女性は【飼う】ことにしているんだ」
「……本当、最低ですね」
しのぶの顔が、みるみる青ざめていく。
(あれは……、今まで行方不明になっていた、私の隊の一人……! 最低最悪の状況ですが、生きていてよかった。必ず救い出します)
「ちなみに君は169人目のコレクション。さて、始めようか」
「……やっ、いやっ……」
達磨はしのぶの裸体を弄び始めた。しのぶの淡いピンク色の乳房を鷲掴みし、上下に揺らす。そして乳首の先端を舐め回した。
(この鬼っ、触れるか触れないかの感じで触ってくる! こんなの知らない!)
しのぶは、自慰では感じたことのない快楽を味わっていた。それもそのはずである。達磨はこれまでに、100人を越える女性をコレクションしてきたのだから。
「あふぅ……!!」
「ふふ、ここか? ここがいいのか?」
(駄目! それ以上されたら! あいつの口だけで! 私の乳首だけでイッチャう!)
しのぶの全身に、激しい快楽が駆け巡った。
「イックゥゥゥッ!?」
「はい、おしまい」
激しく痙攣したしのぶ。だがその体は、絶調には達していなかった。
「イケると思った? まだまだ調教は始まったばかりだよ♪」
「ハァッ……ハァッ……くっ……」
しのぶはガクリと肩を落とした。激しい快楽の余韻を残したまま、達磨はしのぶのヘソを舐め始める。
「……っ!!」
「どうだ、こしょばゆいだろ?」
達磨はフェザータッチの要領で、体の前面を上から下に舐め下ろす。
「待って、そこは!!」
「♪」
達磨の舌先が、しのぶの陰核に触れた。
「あぁぁんっっ!」
思わず飛び跳ねるしのぶ。達磨は執拗に陰核を攻める。
「どうした? またイキそうなのか?」
「そんなわけ……! あぁん!」
ビクリと跳ねるしのぶの姿に、達磨は気を高めていた。
「そろそろだな……」
達磨はしのぶの膣に指を挿れた。そして中から透明な液体がつくと、指を引き抜いた。
「しのぶ、コレが何かわかるか?」
「……っ!!」
顔を赤らめ、眼を反らすしのぶ。達磨はその液体を、しのぶの右頬につけ、続けた。
「愛液だよ。体が赤子をつくる準備をしているのさ」
(言われなくても分かってる!! でも……)
感じずにはいられない。しのぶは達磨をキッと睨んだ。
「このまま挿れれば妊娠は確実。だがそれでは面白くない。だから、ゲームをしよう」
「ゲームですって!?」
「ルールは簡単。僕は今から背部しか攻めない。Gスポットのない背部だけをだ。それでイカなかったら君の勝ち。拘束具を解いてやろう」
(…背中だけなら耐えれるかもしれない。……それに)
「拒否権はないのでしょう」
「その通りだ」
達磨はニィと笑うと、しのぶの背部に回り込んだ。
「ひゃうっ!!」
いきなり首裏を舐められて、しのぶはつま先を伸ばした。
「不意打ち成功。いい反応だね」
「黙って続けてください」
一瞬ひやりとしたものの、しのぶには勝利の算段があった。
(あとはせいぜい、背中の真ん中。そこさえ耐えれば……)
「ひゃうっ!?」
しのぶの膝裏を、くすぐったい感覚が襲った。するとしのぶの股関から、白い液体が垂れ落ちた。
「あはは、感じてんじゃん♪」
「イッてません。感じただけです」
「そうだね。続けようか」
しのぶは全神経を背部へと集中した。全集中の呼吸だ。
(大丈夫、あと攻められるのは、せいぜい……、はっ!)
さっきの攻撃でしのぶは気づいた。背部が上半身だけではないということに。
(来るとしたらお尻! 全集中!!)
「はい、残念。背中でした」
「あぁぁぁぁっ!!」
達磨はしのぶの背中を、下から上に舐め上げた。
しのぶの体は激しく痙攣し、ビクビクと愛液を零した。
「はい、僕の勝ち! じゃあお待ちかねの罰ゲーム♪」
「…………!!!」
しのぶの目の前で、隊員の腕が飛んだ。
アイアンカッターで切断されたのだ。
「…………」
しのぶは絶句した。何も言えなかった。上司として部下に掛けてやる言葉も思いつかなかった。
「あははは♪ 気持ちいい! 跳ね飛ばす瞬間! 血しぶき!」
「…………」
もはや快楽どころではない。そこにあるのは恐怖。絶望。
「じゃあそろそろ、クライマックスと行きますか」
達磨は、切断された隊員を元いた舎に帰し、別の女を連れてきた。
その女には、腕も足も存在しなかった。ただ生きているだけ。
「じゃ~ん! 感動のごたいめ〜ん」
「……あっ。……ああっ……」
その女は、しのぶがよく知る人物だった。
「胡蝶という名字でピンときたよ。これ、君の母親でしょ?」
「……し、のぶ……」
かすれた声を振り絞り、女はしのぶの名前を呼んだ。
五体不満足。文字通りの体女は、達磨(ダルマ)状態であった……。