心を閉ざした少年と少女 ANOTHER STORY   作:お風呂場の蓋

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第2話 貴方は何処から来て、どんな人間?

さとり・こいし・燐・空「いただきます」

 

私達はご飯を食べる準備が整うと、いつも通り手を合わせてからご飯を食べ始めた。

 

そういえば、どうやってお兄ちゃんは地霊殿に来たんだろう?

私はそんなことがふと気になってお兄ちゃんの方を見てみると、何故かお兄ちゃんは目の前に置いてあるご飯をじっと見てた。

 

さとり「黒夜さん、冷めてしまいますよ?」

 

そしたら、お姉ちゃんもお兄ちゃんがご飯を見ていることに気付いたみたいで、お姉ちゃんが声を掛けるとお兄ちゃんはお姉ちゃんにこんなことを訊いた。

 

夜見「なぁ、さとりさん もしかして今日のメニューってこれだけ?」

 

さとり「はい、そうですが…」

 

夜見「えっと、おかわりとかは?」

 

さとり「ありませんよ、そんなもの」

 

夜見「この量じゃあ、お腹膨れないだろ」

 

さとり「えぇ、そうですよ」

 

お兄ちゃんは何でそんなこと訊いたんだろう?

どこの家のご飯もこのくらいの量が当たり前の筈でしょ?って最初は思ったんだけど、もしかしてお兄ちゃんはお金持ちでご飯がいっぱい食べられるような生活をしてたのかも。

 

こいし「お兄ちゃん、ご飯いらないの?」

 

夜見「い、いや、食べるよ いただきます」

 

だったら、お兄ちゃんはもうお腹いっぱいなのかもしれない。

私はそう思うとお兄ちゃんにご飯がいらないのか訊いてみたんだけど、お兄ちゃんは普通にご飯を食べ始めたから予想は違うみたい。

じゃあ、何でお兄ちゃんはそんなことを訊いたんだろう?と不思議に思いながらご飯を食べていると、いつの間にか目の前には空のお皿とお茶碗が残っていた。

 

さとり・こいし・燐・空「ごちそうさまでした」

 

夜見「...ごちそうさま」

 

さてと、ご飯食べ終わったしベットでゴロゴロしようかな?なんて思いながら私は自分の部屋に戻ると、ベットの上に寝っ転がってお兄ちゃんがどんな人間なのか考えてたのを思い出した。

 

えっと、お兄ちゃんは少し暗い雰囲気で無表情のまんまだけど…私を初めて見つけられた人間!ってことはわかってる。

でも、今はそれ以上のことは全くわからないなぁ…

 

…そうだ、お兄ちゃんに直接聞けばいいじゃん!

それに、いただきますした後にどうやって地霊殿に来たのか訊こうとしてたんだった。

よ〜し、それじゃあ早速お兄ちゃんに訊いてこよう♪と、そう思い立った私は急いでお兄ちゃんが居そうな食堂に向かった。

 

食堂の扉を開けるとそこにはお姉ちゃんとお兄ちゃんが居たんだけど、何故か2人の間には重たい空気が漂ってた。

でも、私はそんなことは気にしないでお兄ちゃんの元へ駆け寄った。

 

こいし「ねぇ、お兄ちゃん!そういえば、ご飯の時に聞こうと思ってたんだけど…お兄ちゃんって一体どこから来たの?」

 

さとり「そういえば、聞いていませんでしたね 黒夜さんがどこから来たか」

 

私がお兄ちゃんにどこから来たのか訊いてみると、お姉ちゃんもそういえばそうだといった感じに私の質問に便乗してきた。

すると、お兄ちゃんは困った表情を見せながらこう言った。

 

夜見「いや、実はわからないんだ 自分の家のベッドで寝たはずなんだが…いつの間にか空から落ちていたんだ」

 

え、空から落ちていたってどういうこと?

私はお兄ちゃんの言っていることの訳がわからなくて首を傾げていると、お姉ちゃんが少し考え込んだ様子を見せながらこんなことを言い出した。

 

さとり「空から落ちてきた…もしかして、黒夜さんは外の世界から来たんじゃ」

 

こいし「外の世界?」

 

夜見「…どういうことだ?」

 

更にお姉ちゃんの訳がわからないことを聞いた私は何が何だかわかんなくて話を呑み込めずにいたんだけど、お兄ちゃんは冷静にお姉ちゃんにどういうことか訊いてた。

 

さとり「まず黒夜さん、ここは幻想郷と呼ばれる世界で、黒夜さんのいた世界が外の世界なのです そして、外の世界が表の世界であり、幻想郷は裏の世界となっています おそらく黒夜さんは外の世界で寝ている間に何かしらの出来事に巻き込まれて、幻想郷へ飛ばされたのだと思います」

 

こいし「お兄ちゃん、わかった?」

 

そうすると、お姉ちゃんは更に詳しく説明をしてくれたみたいなんだけど、正直何を言っているのか良くわからなかった。

そこで私はお兄ちゃんにお姉ちゃんの説明が理解できたのか訊いてみると、お兄ちゃんはお姉ちゃんの説明を噛み砕いてくれた。

 

夜見「簡単にまとめると表から裏に行ける穴が空いて、そこに俺が入ったってことか?」

 

あぁ、なるほど!外の世界と幻想郷を隔てる壁に穴が空いて、そこにお兄ちゃんが入っちゃったってことか!

私はお兄ちゃんのお陰でお姉ちゃんの説明を理解できると、お姉ちゃんはお兄ちゃんの噛み砕いた説明を聞いてしょんぼりしてた。

 

さとり「そうです…すいません、説明がわかりにくくて」

 

こいし「なんだろ、お兄ちゃんの説明の方がわかりやすかったなぁ」

 

全く、お兄ちゃんの説明の方がわかりやすかったよ。

私はそう思うと同時に似たようなことを口に出していると、お兄ちゃんが肩をポンポンと叩いてきた。

 

夜見「こいしさん、俺の説明はさとりの説明があったからできたんだよ それに、さとりさんもできるだけわかるように頑張って説明してくれたんだから、あまりそんなことは言っちゃ駄目だよ」

 

そうか、お姉ちゃんは私達が理解できるように頑張って説明をしてくれてたんだ。

それなのにお姉ちゃんにひどい事を言っちゃったんだって事に気付いて、私はお姉ちゃんに向かって頭を下げて謝った。

 

こいし「…そっか、お姉ちゃん ごめんね、ひどい事言って」

 

さとり「うん、大丈夫よ」

 

でも、お姉ちゃんは私の頭を撫でながら、私がひどい事を言っちゃった事を許してくれた。

良かった、ちゃんとお姉ちゃんに謝れたんだって思っていると、お姉ちゃんはあることに気付いて頭を撫でている手を止めた。

 

さとり「ん?誰か玄関まで来ていますね でも困りましたね、食器を洗わないと…」

 

夜見「なんで誰か来たかなんてわかるんだ?」

 

さとり「玄関の方から誰かの心が読めたからですよ」

 

どうやら、お姉ちゃんは自分の[心を読む]能力で誰かが訪問して来たことに気付いたみたいなんだけど、お兄ちゃんはお姉ちゃんが覚妖怪だとわかってる筈なのに不思議に思っていた。

 

夜見「さとりさん、心はどの位の範囲まで読めるんだ?」

 

さとり「そうですね、大体地霊殿の中心にいれば地霊殿内の心は読めますよ」

 

あ、お兄ちゃんはお姉ちゃんの能力がどの位の範囲まで届くのかがわからなかったんだ。

それじゃあ、不思議に思っちゃうのも無理もないかなんて思ってると、お兄ちゃんはお姉ちゃんにこんなことを言った。

 

夜見「来てる奴、俺が出ようか?」

 

さとり「え?いや、いいですよ 私が出ます」

 

夜見「いや、ここに住ませてもらってる分には何かをしないとな」

 

お兄ちゃんは地霊殿に住む以上何か役に立ちたいみたいで、訪問者の対応をするって言い出した。

お姉ちゃんは1度は遠慮したんだけど、お兄ちゃんの言い分に納得したみたいで対応を任せることにしたみたい。

 

さとり「じゃあ、頼みました あ、あとこれを持っていって下さい」

 

夜見「…これは?」

 

さとり「幻想郷でのお金ですよ、おそらく来たのは夕飯の材料を持ってきてくれたのでしょう」

 

夜見「そうか、わかった じゃあ、行ってくる」

 

お兄ちゃんは袋を受け取ると食堂を出ようとしたんだけど私はなんとな~く付いて行きたくなって、お兄ちゃんに一緒に行っていいか訊いた。

 

こいし「ねぇ、お兄ちゃん 私も付いてっていい?」

 

夜見「ん?いいぞ」

 

こいし「えへへ、やったぁ」

 

夜見「じゃあ、行くか」

 

私はお兄ちゃんと食堂を出て真っ直ぐ玄関に向おうとしたんだけど、何故かお兄ちゃんは一旦自分の部屋に入ると仮面を被って出てきた。

 

こいし「お兄ちゃん どうして、仮面なんか被るの?」

 

夜見「顔が知られるのは色々と面倒になる気がしてな」

 

こいし「ふ~ん、そうなんだ」

 

お兄ちゃんが仮面を被るのを不思議に思った私は、どうして仮面を被るのか訊きながら歩いていると丁度玄関の前に着いた。

お兄ちゃんが玄関を開けると金髪で額から赤い角が生えている鬼の星熊(ほしぐま)勇儀(ゆうぎ)さんが立ってた。

 

勇儀「夕飯の材料届けに来たぞって、あんたはさっきの」

 

夜見「…お前か、ほら」

 

お兄ちゃんは勇儀さんを見た瞬間に私達の前で見せていた明るめの雰囲気を無くして、素っ気無い態度で勇儀さんと持っている袋をお互いに交換をした。

 

勇儀「ちょうどだね、て言うか何であんたが出てくるんだよ」

 

勇儀さんは袋の中身を確認するとお兄ちゃんにどうして地霊殿から出てきたのか訊いたんだけど、何故かお兄ちゃんは黙ったままで何も答えなかった。

だから、黙ったままのお兄ちゃんの代わりに私が勇儀さんの質問に答えてあげた。

 

こいし「それはね、お兄ちゃんがここに住むことになったからだよ」

 

夜見「お、おい こいしさん」

 

勇儀「へぇ、そうなのかい よくここに住もうだなんて決めたね」

 

夜見「はぁ…あぁ、そうだよ」

 

すると、お兄ちゃんは何故か諦めたみたいにため息をついて、顔を隠す為に被っていた仮面を外した。

そしたら、勇儀さんはお兄ちゃんの顔に少し近付いてじーっと色々な方向から見始めた。

 

勇儀「おぉ、なかなかいい顔じゃないか」

 

こいし「そうだよね、お兄ちゃんかなり格好いいよね」

 

どうやら、勇儀さんから見てお兄ちゃんは格好いいみたいで、それについては私も同意見で格好いいなって思ってた。

その事をお兄ちゃんは特に顔色を変えないで聞いてて、そんな様子を見た勇儀さんはお兄ちゃんに軽い挑発をした。

 

勇儀「なんだい、少しは照れる様子でも見せたらどうだい?」

 

夜見「…別に なんとも?」

 

だけど、お兄ちゃんは本当になんとも思っていないのか、挑発されても全く動揺したりしないで平然としてた。

 

勇儀「ふ~ん?そういやもう1度聞くけどあんた、名前は?」

 

夜見「…黒夜夜見」

 

勇儀「そうか、改めてよろしくね黒夜」

 

夜見「あぁ、よろしく」

 

お兄ちゃんと勇儀さんの一連の流れをすぐ側で見ててわかったんだけど、どうやらお兄ちゃんは地霊殿に来る前に勇儀さんに会ってるみたいだった。

 

こいし「ねぇ、お兄ちゃん 早くお姉ちゃんの所に戻ろう?」

 

…なんだろう?

お兄ちゃんと勇儀さんが少し親しげに話しているのを見ていると、よくわからないけどギュッと胸に何かを感じた。

すると、私は無意識にお兄ちゃんの袖を引っ張って戻りたがってて、お兄ちゃんはそんな私に対して袋を差し出してきた。

 

夜見「こいしさん、先にこれを持って戻ってくれないか?」

 

こいし「なんで?」

 

夜見「ちょっと勇儀さんに訊きたいことがあってな」

 

勇儀「私にかい?」

 

こいし「…そう、なんだ うん、わかった」

 

でも、どうやらお兄ちゃんは勇儀さんに訊きたいことがあるみたいで、私の戻りたいという気持ちには応えてくれなかった。

だから、私は素直にお兄ちゃんから袋を受け取ってお姉ちゃんが居るであろうキッチンへ向かった。

 

さとり「黒夜さ…じゃなくて、こいし?どうしたの?」

 

キッチンの扉を開けるとお姉ちゃんは食器を洗ってて、振り返って私の姿を見ると不思議に思ってるみたいだった。

 

こいし「勇儀さんに訊きたいことがあるから先に戻ってって、お兄ちゃんに言われたの」

 

さとり「あら、そうだったのね」

 

こいし「それとお姉ちゃん、これ…勇儀さんが届けてくれた食べ物」

 

さとり「あぁ、それは冷蔵庫に入れておいてちょうだい 私、今は手を離せないから」

 

こいし「うん、わかった」

 

私は返事をして言われた通りに袋の中の食べ物を冷蔵庫の中に入れていると、お姉ちゃんがこんなことを訊いてきた。

 

さとり「ねぇ、こいし?黒夜さんは地底と地上、暮らすならどっちの方がいいって言うと思う?」

 

こいし「え?急にどうしたの、お姉ちゃん?」

 

さとり「別に、どうだろうって少し思っただけよ それで、こいしはどっちだと思う?」

 

こいし「う〜ん、普通なら地上の方がいいって言うんじゃない?」

 

さとり「…やっぱり、そうよね」

 

こいし「お姉ちゃん?」

 

お姉ちゃんの質問に私は素直に思った方を答えると、何故かお姉ちゃんは寂しそうな様子を見せた。

どうしたんだろう?と不思議に思った私は手を止めてお姉ちゃんに声を掛けてみたけど、お姉ちゃんは寂しそうな様子のまま食器を洗い続けてた。

 

こいし「ねぇ、お姉ちゃん?」

 

さとり「…」

 

こいし「ねぇ、聞いてる?お姉ちゃん…お姉ちゃんってば!」

 

さとり「えっ!?あ、えっと…どうしたのこいし?」

 

お姉ちゃんは大きな声で呼んだ所でやっと返事をしてくれたんだけど、お姉ちゃんはずっと呼ばれてたことに気付いてなかったみたいで更に不思議に思った。

 

こいし「もう、それはこっちの台詞だよ!どうしたのお姉ちゃん?変なこと訊いたかと思ったら急に黙り始めて…」

 

さとり「あ、いや…だ、大丈夫よ どんな仕事が残ってたか考えてただけだから」

 

こいし「…お姉ちゃん、本当に大丈夫?」

 

さとり「えぇ、本当に大丈夫よ 心配かけさせてごめんね、こいし」

 

そこで私はどうしたのか訊いてみると、お姉ちゃんは大丈夫って言って笑顔を見せてくれた。

でも、その笑顔は無理矢理作ったもので、私を心配させたくないって考えてるのがバレバレだった。

 

さとり「よしっと…こいし、私は仕事部屋に行ってくるわ 何か用があったら仕事部屋に来てちょうだい」

 

こいし「うん、わかったよ お姉ちゃん」

 

だから、私はお姉ちゃんにこれ以上は何も訊かないでキッチンから出ていくお姉ちゃんを見送った。

だって、私を心配させたくないって考えてるなら、同時にどうしたのか知られたくないって思ってるはずだから。

 

それからしばらくして冷蔵庫に食べ物を入れ終えると、私はすぐにお兄ちゃんが居そうだと思ったお兄ちゃんの部屋に向かった。

 

扉の前に立って軽くノックをしたけど返事は無くて、部屋の中を見てみたけどお兄ちゃんは居なかった。

だったら、玄関かお姉ちゃんの所かもしれないと思って両方とも向かってみたけど、どっちにもお兄ちゃんは居なかった。

 

あれ、じゃあお兄ちゃんは一体どこにいるんだろう?

お兄ちゃんが見当たらない事を不思議に思いつつ地霊殿の隅から隅まで見て回ってみたけど、お兄ちゃんを見つけることができなかった。

 

もしかして、どこかですれ違っちゃったのかな?

私はその可能性を見出して再度地霊殿を隅々まで見て回ったけど、やっぱりお兄ちゃんを見つけることはできなかった。

 

だったら、考えられる場所は1つしかない。

そう思って私は早速外に出ようとエントランスに行ったんだけど、その瞬間に玄関の扉が開いてお兄ちゃんが姿を現した。

だけど、姿を現したお兄ちゃんの左腕は何故か血塗れで腕から血が滴っていた。

 

こいし「あ、お兄ちゃんって…きゃあ!お兄ちゃん、なにその怪我!?」

 

夜見「こ、こいしさん すまないが治療道具を持って来てくれ」

 

こいし「う、うん わかった!」

 

私はお兄ちゃんの腕が血塗れになってるのを見てパニックになっちゃったんだけど、お兄ちゃんは至って冷静で取り敢えず私はお兄ちゃんの言う通りに救急箱を取ってきた。

 

こいし「お兄ちゃん、早く手を出して!」

 

夜見「あぁ、頼む」

 

私はお兄ちゃんの手を取って袖を素早く(まく)ってみると、お兄ちゃんの腕には深い穴が曲線を描くように並んでた。

出血が酷いから最初は止血をする為に救急箱から包帯を取り出して、きつく巻き付けてから消毒液をゆっくりと掛けていった。

 

燐「あれ、どうしたの2人とも?」

 

こいし「お燐、急いでお姉ちゃんを呼んで来て!急いで!」

 

燐「え?わ、わかったよこいし様」

 

すると、そこでお燐が丁度通り掛かってきたからお姉ちゃんを呼んでくるように頼むと、お燐は戸惑いながらもお姉ちゃんを呼びに行ってくれた。

 

こいし「はい、出来たよお兄ちゃん」

 

夜見「あ、あぁ…すまない ありがとうな」

 

そんな事をしながら私はお兄ちゃんの怪我の手当てを終わらせると、お兄ちゃんは怪我を痛がりながらもお礼を言ってくれた。

 

こいし「ふへへ♪」

 

そして次の瞬間、私はいつの間にか被っていた帽子を手に持っていて、お兄ちゃんに頭を撫でられていた。

多分、私はお礼を言われた後に無意識にお兄ちゃんに頭を撫でるように頼んだんだと思う。

 

さとり「どうしたのって黒夜さん!?何ですか、その腕の包帯は!?」

 

しばらく頭を撫でられていると後ろからお姉ちゃんが声が聞こえてきて、振り返ってみるとお姉ちゃんとお燐が急いで私達の元に駆け寄ってきた。

 

夜見「こいしさんが治療してくれたんだよ」

 

さとり「な、なんでこんなことになったんですか!?」

 

夜見「地上で少し狼みたいな奴と戦ってな」

 

さとり「な、なんでそんな無茶をしたんですか!」

 

夜見「あぁ…本当に、すまない」

 

お姉ちゃんはお兄ちゃんに本気で叱りつけた後、私の方を向くと笑顔で私にお礼を言ってくれた。

 

さとり「こいし、ありがとうね」

 

こいし「ううん、いいよ お兄ちゃんのためだもん」

 

でも、お姉ちゃんの目はウルウルしてて声も今から泣き出しそうな感じだった。

すると、そこでお兄ちゃんはお姉ちゃんに向かって右手に持っていたある物を差し出した。

 

夜見「そうだ、さとりさん はい、これ」

 

それは何かが入っている袋でお姉ちゃんはそれを開けて中身を見ると、バッと顔を上げてお兄ちゃんのことを見つめた。

 

さとり「く、黒夜さん なんでお金を?」

 

夜見「地上で稼いで来たんだよ 正直、多いか少ないかはわからないけど」

 

さとり「まさか、地上に行った理由って」

 

夜見「お金を稼ぐ為だよ」

 

どうやら、袋の中にはお兄ちゃんが地上で稼いできてくれたお金が入ってたみたいで、お兄ちゃんが地上に行った理由を知ったお姉ちゃんは静かに涙を流した。

 

燐「さ、さとり様!?」

 

こいし「お姉ちゃん?どうして泣いてるの?」

 

夜見「お、おい、さとりさん!?どうしたんだ!?」

 

お姉ちゃんが急に泣き始めた事を不思議に思った私は、驚いているお兄ちゃん達と一緒に泣いている理由を訊いてみた。

すると、お姉ちゃんは流れ続ける涙を袖で何度も拭いながらゆっくりと理由を話し始めた。

 

さとり「い、いえ…妖怪である私達の為にお金を稼いでくれてくれたことが、嬉しくて…」

 

お姉ちゃんが泣き出した理由は、私達の為にお兄ちゃんがお金を稼いできてくれた事が嬉しかったからだったみたい。

でも、嬉しいのに泣くって一体どういう事なんだろう?と私は1人で首を傾げていた。

 

夜見「何言ってるんだよ、さとりさん 妖怪なんて関係ないだろ?」

 

さとり「あ、ありがとう 黒夜さん」

 

夜見「あぁ、どういたしまして」

 

そんな私に対して、お兄ちゃんはお姉ちゃんに向かって妖怪なんて関係ないって言った。

多分、お兄ちゃんの中では妖怪とか人間なんかはどうでも良くて、個々の関係を大切にしているんだと思う。

 

さとり「そうだ、黒夜さん、もうご飯出来てますよ 早くみんなで食べましょう」

 

しばらくして、お姉ちゃんは泣き止むとご飯が出来ている事をお兄ちゃんに伝えたんだけど、それに対して私は真っ先に反応した。

だって、さっきまで地霊殿の中をずっと歩き回っててお腹が減ってるんだもん。

 

こいし「ほんと!?ほらお兄ちゃん、早く食べよ!」

 

夜見「わ!お、おい!」

 

そして気付いた時には、私はお姉ちゃんとお燐をその場に残して、お兄ちゃんの手を引きながら食堂に向かって走りだしていた。




はーい皆さん、今回のお話はどうだったかな?
アナザーストーリーでは主役の古明地こいしだよ♪
…え?作者はどうしたのかって?
それが実は、アナザーストーリーの方は私視点だから後書きも私の方が良いって思ったみたい。
だから、今回から私が後書きを担当することになりました!すっごく無計画な作者だね!
あ、それと…中身は作者本人でしょってツッコミは無しだからね!
まぁ、結局内容は本編と同じで軽い近況報告なんだけどね。
それで近況報告なんだけど、最近は残業をする事があるみたいだから小説を書く時間が無くなるみたい。
だったらゲームをする時間とか削ればいいって話なんだけど、作者は結構やり込むタイプだから時間を削ってくれるのは期待しない方が良さそうだね!
という訳で、小説の投稿ペースはかなり遅くなるみたいだけど気長に待っててね♪
それじゃあ、今回はここまで!次回までバイバ〜イ。
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