白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせ致しました、次話です。

リクエストのメッセージ、アンケートへの投票ご協力等、誠にありがとうございます。 m(_ _)m

いつもお読み頂き誠にありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです。


第191話 Confession

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

「一護、この週末に予定は立ててあるか?」

 

「んあ? ……別に?」

 

 とある日の学園の屋上、突然脈の無い話題が振られたことで一護は食べていた焼きそばパンを口に含んだままチエの質問に答えていた。

 

「そうか。」

 

「「…………………………………………………………モグモグモグ。」」

 

「「「「「(続きは?!)」」」」」

 

 二人はそれっきり何も言わずにただ食事を再開したことに周りで耳を立てていた者たちが同時にそう思う。

 

「(って、皆は多分考えているよねぇ~。 隣の五人以外。)」

 

 近くにいた三月は滅却師五人衆をチラッと横目で見る。

 

 「“週末”だとさ。」

 「聞いた。」

 「おい、オレは今度こそ抜けるぞ? 週末は立て込んでいるんだ。」

 「“抜く”だけにねぇ~。」

 「そうか。 ならキャンディは別行動か。 残念だ、ここまで来て同胞を手にかけることになるとはな。」

 「オイちょっと待て。 なんでそうなる?!」

「流れを察しろ、バカが。 脳みそまで緩くなったのかよ?」

「だよね~! この中でそっち方面の女子力、一番低いのキャンディちゃんだもん!」

「ジジ、お前そもそも────」

 

 ドッ!

 

 何かを言いかけたキャンディスのお腹をミニーニャとリルトットの二人がグーで殴る。

 

「────ゴハァ?!」

 

「危なかったわ~。」

「朝から血生臭い惨事を見る趣味はねぇからな。」

「え? ボクは?」

 

「「本人はノーカン。」」

 

「え? どういうこと?」

 

「あ。 あー、バンビちゃんは気にしなくていいよ!♪」

 

「な、何よ?! リーダーである私に隠し事?!」

 

 五人の中で?マークを出すバンビエッタにジゼルが苦笑いを浮かべる。

 

「(う~ん。 あの五人ってなんだかんだ言って、“長く生きた人間”じゃなくて“見た目の年相応の期間を生きたことがない”感じね……なんか私みたい。)」

 

「はい上姉様、あ~ん♡」

 

「あの……アネット?」

 

 三月は自分を抱き寄せていたアネットの顔を見上げる。

 

「なんでしょう上姉様?」

 

「なんで毎回私を股に乗せて抱き寄せながら『ア~ン』をするの? 今までは楽に食べれたから敢えてスルーしていたけど────」

「────やめて欲しいのですか? 以前、“何でもしていい”と言ったのにですか?」

 

「……………………確かに言ったけれど、こう毎日するとね? 気になるというか、周りの目が────」

「────上姉様特有のかぐわしき頭の匂いと愛らしくものをモキュモキュと食べる光景というダブルの至高の楽しみを私から取り上げる気ですか?

 

「Oh……」

 

 アネットの全く譲る気のない様子と声と鉄のように固い掴みに三月はぐったりとして早くも断念し、黙々と食事をする。

 

「(でも珍しいわね、チエちゃんが予定を聞くなんて。 いつもなら“この週末、顔を貸せ”とか言うのに…………これじゃあ、まるでデート────)」

 

 そう思ったところで三月はハッとしては固まる。

 

「(────そ、そ、そうなの?! でもでもでも?! 私に相談とか何もなくてそんなことありえるの?!)」

 

「どうしたのですか上姉様? もしや窒息?! では仕方ありませんね、人工呼吸を────!」

「────だぁぁぁぁぁ! 違う! 考え事してたの!」

 

 三月は今にでもマウス・ツー・マウスを試みようとするアネットの顔を押し戻し、周りはその様子を見て和んでいた。 

 

 親鳥とピーピーと鳴く雛の光景を連想して。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「「あ。」」

 

 早くも週末が訪れ、出かける用意をしていた一護は玄関で靴を履いていて夏梨と出くわす。

 

「い、一兄!? あわわわ────!」

 

 そこで()()()夏梨はワタワタと慌てる。

 

 ()()()()()()()夏梨が。

 

「────こ、これは違うからな! ちょっと出かけるだけだからな?! 別に何も変じゃないだろう?!

 

「お、おおおおおおう?!」

 

 無理やり一護の胸倉を掴んでは悪鬼迫るような迫力でズイッとグルグル目をした早口になった夏梨の顔が一護の視界を遮る。

 

「それに一兄もどこか出かけるみたいだし何も変じゃねぇだろ?! と! いうわけで! また!

 

 それを最後に夏梨はそそくさとその場を後にする。

 

「………………………………どういうこった?」

 

 混乱する一護を置きざりにして。

 

「ハァ~……お兄ちゃん、知らなかったの? 夏梨ちゃん、デートなんだよ?

 

 「なにんうぅぅぅぅぅ?!」

 

 遊子の言った内容に一護は驚愕のあまりに変な声を出す。

 

「お兄ちゃん、妙なところで鈍感だね? お父さんに似たのかな……」

 

「親父に似ている……だと?」

 

 一護が思い浮かべるのはオフタイムでちゃらんぽらんした一心の横にイコールサインが隣にいた自分へと伸びる図面。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 「俺が親父に似ている……俺が……」

 

 一護は遊子に言われたことにかなりのショックを受けたまま、前の日に携帯電話のテキストに指定されていた場所まで移動し、棒立ちしていた。

 

 指定された場所は復興され、息を吹き返していた空座商店街。

 

 実質的に『国外』そのものが無くなったことで貿易が弱まってしまい、大手のお店などが仕入先を未だに確保中の最中、シャッタータウンとなりかけだった商店街は地元や国内のやり取りでやってこれた強みが幸いな方向へと動いていた。

 

 一護はボーっと一昔前の活気に戻った商店街を見ていると、横からのざわめきが静かになったことに目を移すと一人の女性が視界に入る。

 

「(うを?!)」

 

 スラリとした手足に透き通るような肌が白いサンドレスから姿を現し、ゆるふわウェーブのかかった股まで届く長い、絹の様にサラサラとした黒髪ははかなげな表情を浮かべていた少女の後を流れるように、宙をふわりと舞っていた。

 

 既にこれだけで『美少女』と断言できるほどの美貌の持ち主であるのは疑いようもなかったが、極めつけは右肩から左腰に掛けていたポーチとかけていた()()のストラップの所為だった。

 

「(でっか……)」

 

 否。

 より詳しく説明すると『ストラップの所為でより露になった胸のサイズ』である。

 

 その少女は明らかに周りの視線を浴びていたのにもかかわらず、無視するかのように歩みを止めないまま一護の前で止まる。

 

「待たせたな。」

 

 「ってチエかよ?!」

 

「??? 何を当たり前のことを口にするのだ?」

 

 「別人レベルだよ────?!」

 

 「────え? 何あのオレンジ頭?」

 「あの美女の彼氏?」

 「ありえねぇ、どんだけミスマッチだよ?」

 「しかも第一歓声がガサツでしかも“別人”って────」

 

 ガッ!

 

「────ぬ?」

 

 一護は周りからヒソヒソと聞こえてくる声から逃げるようにチエの手を掴んではズカズカと大股人が居る場から横道に入っては置かれたドラム缶たちを素通りしてその場を彼女と後にする。

 

『……………………………………………………………………行ったか?』

『らしいね~?』

『よし、出るぞ────』

 

 ────ガゴ~ン!

 

 多く置いてあったドラム缶二つの中からスーツ姿の日番谷、着物姿と青いハチマキをした京楽が姿を現す。

 

「行くぞ────」

 ────ガゴ~ン!

 

「て、アンタが指揮取るな! 知れするのならリーダーである私の筈でしょ?!」

「うるさいぞチワワ。」

「見失っちゃうわよ~。」

「いででででで?! 腕を引っ張るなミニー! もげるもげるもげる!」

「あ、もげたらボクが治すけど?」

 

 次にドラム缶の中から出てきたのは白いスーツを着た滅却師五人衆。

 

「ミニーちゃんの言う通りよ! ほら行こうよみんな!」

 

 次に頭を出したのは日番谷と同じくスーツ姿の織姫だった。

 

「ンフフフ~、噂を聞いて面白そうだから隊舎を抜け出し────()()に出てよかったよぉ……チエちゃん、化けたねぇ~?」

 

「あったりめぇだ! アタシら全員が朝、クソ早くから全力を出したからな!」

 

「まぁまぁまぁ、落ち着いてよキャンディちゃん。 ほら、ここに人参スティックが────」

 「────いらねぇよ!」

 

「ジジ、オレのお菓子を勝手に交渉材料に取るなよ。」

 

「ねぇ京楽さん?」

 

「ん? なんだい織姫ちゃん?」

 

「そのハチマキは、なに?」

 

「ん~……リカちゃん曰く、『隠密作戦に欠かせない装備』だとか。」

 

「(んで花柄の着物は着けたままかよ。) どうでもいいが先に行くぞ。」

 

 自然と引率の役になった日番谷が歩き出したことで、ほかの者たちがぞろぞろと後をついていく。

 

 派手な見た目をした享楽を除けば、はたから見ればペンギンの行列のような景色が出来上がっていた。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「お前、なに考えてんだよ?!」

 

 一護は商店街から少し離れた公園にまで来ていた。

 

「………………………………???」

 

「いやいやいや、『言っている意味が分からんのだが?』みたいな顔は無しだ! その服装とかだよ! なんで急に女の子らしくなるんだよ?!」

 

「性別的に私は女だが?」

 

 「そっちの意味じゃねぇ。」

 

「意味が分からん。」

 

「全く……」

 

 一護は堂々巡りなやり取りに半笑いを浮かべる。

 

「久しぶりに見たな、その笑みを。」

 

「ああ。 この頃ドタバタし過ぎて気が張っていた分、もう皮肉に笑うしかねぇよ。」

 

「……………………………………やはり私にこのような姿は似合わないか。」

 

「(お、落ち込んだ。) いや、そんなことはねぇぞ? スゲェ似合っている。」

 

「そうか?」

 

「(お、今度は元気が出た。)」

 

 チエはいつもの表情を浮かべていたが、一語の脳内では『以前文化祭で見た耳としっぽがあるのなら、フサフサと揺れているだろうなぁ~』と考えていた。

 

「おお、見違えたぜ!」

 

「それはどういう意味でだ?」

 

「そりゃあ……そのぅ……“()()に綺麗だなぁ~”。」

 

「そう、か。」

 

「(あれ? 今度は何の感情だ?)」

 

 一護は今まで感じたことのない空気に困惑した。

 

 もっとも、彼はチエの雰囲気に注目していたおかげで彼女の耳の先端がわずかに紅潮していたのを見逃してしまっていたが。

 

「「……………………………………………………」」

 

 どちらかが何かを言ったわけでもないのに、ほぼ同時に公園にあるベンチに腰を掛け、一護はチラチラと容姿が整った知恵を横目で見る。

 

「(……………………いや、マジで別人レベルの違いだ。 女って本当に化けるんだな?)」

 

 一護が思い出すのは過去に何回か慎重のことで三月をからかう際に、彼女は決まって

 

『今の内だけよ! 女の子って化けれるんだからね! 目指せ、お義母さん(アイリスフィール)!』

 

 と啖呵を切っては毎回、一護はマイのボディをした三月を想像していた。

 

 今となってマイが実は三月の母どころか『同じ人』とわかってからさらに想像しにくくなったが。

 

「(話し方がもうちょっと違っていたら思わず“どちら様?”と聞いているぞ……井上レベルだぞ────?)」

「────一護。」

 

「(ふぉ?!) な、何だ?」

 

 急に声がかかって自分の目と視線が合った一護はキョドりながらも返事をする。

 

「私のことをどう思う?」

 

「どう……だと?」

 

 一護は己の心臓の脈が力強くなるのを感じながらも、どうにか平常心を表面的にだけでも保とうとする。

 

「(どういう意味だ?! “どう”ってどういう意味だ? あれか?! ドッキリか?!)」

 

 そう思いながら一護がキョロキョロと周りを全身全霊で見渡す。

 

「(ん?)」

 

 そして案の定、彼は公園のギリギリ外側に不似合いなドラム缶や段ボール箱たちを視界の端で見つけた。

 

「…………(ただの野次馬じゃねぇな。 たつき……は恋沙汰に興味なさそうだから、井上たちか? いや、アイツなら堂々と“偶然”を装って同席するはずだ。 ということは……)」

 

 彼が次に思い浮かべたのはキャンキャン吠チワワや頬を食べモノいっぱいにするハムスターやおっとりとした牛たち。

 

「(まぁ、アイツらだろうな。 数が多そうけど。) “どう”って、昔からスゲェ頼りになる奴だとは思っているぞ?」

 

「それだけか?」

 

「え?」

 

 一護が横へと視線を戻すとチエがジッと自分の顔を見ていることに気付き、茶化すことを辞めた。

 

「……ええっと……じゃあ言うぞ?」

 

「ああ。」

 

「………………………………ぶっきらぼうで、言葉が足りない。 けれど頼りになるし、()()()()()姉だよ。」

 

「……優しい? 私がか?」

 

「ああ。 『チエは極端』と皆思いがちだけど、それは違う。 お前はただ、普通の人より即決しているだけだ。」

 

 一護がニカッと笑うと、今度はチエがそっぽを向く。

 

「そう、か。」

 

 どこか歯切れの悪いチエに、一護は違和感を持ったがどこか迷っている様子の彼女の次の行動を待つことにした。

 

「……………………………………………………私は……私は……」

 

 どこか言いよどむような、彼女らしくない行動が次に出たことに一護はただ待つことを続行した。

 

「私は、今まで他人の……他人の『ここに居た』という証明だけになるのが嫌だ。」

 

「……『ここに居た証明』?」

 

「周りが散っていく中……私だけが残り、他人から思い残しや後悔や記憶などを託される。 それも長い、長い時を。」

 

「……」

 

 ここでチエは視線を一護から外し、遠い場所を見つめるような眼をする。

 

人間(ヒト)も、森も、巨大な山も、神でさえも何時かは散っていく……それでも()()()()()()。 いや、()()()()()が残されていく。

 何かを斬れば斬るほど、『私』が磨り減らされていく……一護、頼みがある。」

 

「おう?」

 

 チエがベンチから立ち上がったと思えば、今度は竹刀を背中から取っては地面に置き、一護の前に(ひざまず)いて左手を胸の前に置き、右手を彼の方向へと差し出す。

 

 横から見ればプロポーズの様にも見えた。

 

「少しの間だけでいい。 私と……私の……『導きの星』にはなってはくれないか?」

 

 一護は『導きの星』という単語は初めて聞いた。

 

 だが、彼女のしている行為に関しては昔に身聞き覚えがあった。

 

 まだ中学生になりたてだった頃、チエとの組手をしていた一護はある日悪ふざけで同じように(ひざまず)いたことがあり、髪を無理やり引っ張られては立たされ、本気で怒っている様子のチエと対面した。

 

『二度と意味も分からず軽率なことはするな。 今お前のしたことは“相手に全てを委ねる”という意味合いを持つ。 少なくとも、“私”にとっては……』

 

 懐かしき記憶が一語の脳裏を過ぎ、それを思い出した一護はチエと目線を合わせるかのように跪いて両手でチエの手を取ってそれらしく振舞う。

 

「汝の覚悟、『導きの星』として見届けよう。」

 

「………………………………………………………………」

 

 チエは何も言わなかったが、雰囲気が何となくパァっと明るくなった……ような気が一護にはした。

 

「なぁ? ちなみになんで俺なんだ?」

 

「それは………………………………………………(お前の声が聞きたい。)」

 

「それは?」

 

「私は、どうやら……(そばに居たい。)」

 

「?」

 

「す…………(お前の笑顔に胸が高鳴る。)」

 

「(“す”?)」

 

「す……………………………………………………(これが……『恋の病』か……)」

 

「(なんかチエらしくないな?)」

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………すき焼きが今食べたい気分なのだが一護はどうだろうか近くの店にでも行くか?」

 

「お! 良いな、すき焼き! (なんだ! 腹が減っていたのか!)」

 

 ズコォォォ!

 

 どこか遠いかつ近くの場所で大人数の人が一斉にこけるような音がする……気がした。

 

 「そこでヘタレるな────!」

 

 ────ドムッ!

 

 次にどこか遠いところから女性のこれがお腹に響くような重い音に遮られる……気がした。

 

「??? 一護、今のを聞こえたか?」

 

「……………………気の所為じゃね?」

 

「今、ひよ理さんの声が殴られたような音に────」 ←未だにさん付けをするチエ

「────だから気の所為じゃね?」

 

「そうか────ん?」

 

「どした?」

 

 チエが目をぱちくりとしながら空を見上げ、一護がそれにつられて上を見ると灰色の雲が集まっていく様子が見えた。

 

「……………………これは降るな。」

 

「え?」

 

 パタ、パタパタ。

 

 まるでチエの宣言が引き金だったように、空からゲリラ豪雨が降り始め、一護は腕を顔の前に掲げて目の中に雨が入るのを防ぐ。

 

「うわ?! ……………………あそこだ!」

 

 彼は今時では珍しい型の大きい上り台がちょうどいい雨除けなのを見て、その中へとチエと一緒に駆け込む。

 

「ぐわぁ、ビショビショだ。 大丈夫かチ────えええええぇぇぇぇ?!

 

 一護は自分の肌に張り付いたシャツからチエのいる方向を見ると、顔と頭から水が滴る彼女のサンドレスが水に濡れては張り付いて+透け、くっきりと浮かび上がる白い()()()()()()の様子を見てすぐに他の場所へと視線を移す。

 

 「スススススススマン!」

 

「どうした一護? 風邪を引いたか? 首が赤い────」

 「────大丈夫じゃない! いや、大丈夫だ! 風邪は引いちゃいねぇ!」

 

「どっちなのだ? 変な奴だ……しかしこう濡れてはいずれ引くな────」

 

 ────シュル、シュルシュル。

 

 衣類が擦れる音が一語の耳に届き、彼はとある想像をしてしまい更に赤くなる。

 

 「ちょっと待て! お前、何をしている?!」

 

「濡れた服を脱いでいる。 というかお前も脱げ。

 

「え?! ちょ?! 待っ?! うわぁぁぁぁぁぁぁ?!

 

 一護の叫びはゲリラ豪雨によってかき消された。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「シクシクシクシクシクシクシク。」

 

 半裸の一護は両手で顔を覆い、泣き声(?)を出し、彼の後ろにいた下着姿のチエは濡れていた衣類から水分を絞っていた。

 

「おい。 何故泣く一護? 服が伸びるのを気にしているのか?」

 

「違う……なんかこう……色々と……シクシクシク。」

 

「久しぶりに見たぞ、“泣き虫一護”。」

 

 「って誰だよそう言っ────ぐぁ?!」

 

 “泣き虫一護”と聞いた彼は思わずツッコミを入れるために顔をチエの方向へと振り向くと彼女の姿を直視してしまい、体がのけ反る。

 

「どうした? 何かあったのか? 靴の印(ナイキ)みたいだぞ?」

 

「お、お、俺のセリフゥゥゥゥゥ……」

 

「鼻をどこかで打ったのか? 血が出ているぞ。 私に見せろ────」

 「────ああああああああああ! 悪化するぅぅぅぅぅぅぅ?!?!?!」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 場と時はは移ろい、ゲリラ豪雨が小雨になっていた。

 

「えっと……………………これってどういう状況?」

 

 そういう三月はチャイムの鳴った玄関を開けるとサンドレスを着たチエが気を失ってげっそりと干乾びたミイラの様な一護を背負っていた光景が待っていた。

 

「一護が気を失った。」

 

「だからなんで? 貴方、何をしたの?」

 

「何もしていないぞ。 濡れた服を脱いで絞っただけだ。」

 

 「アンタ何やってんのよぉぉぉぉぉ?!」

 

「大丈夫、問題はない。 雨除けに使っていた登り台の中だったからな、外からは見えないような場所だ。」

 

「……………………………………………………」

 

「ああ。 あと強いて言うのなら自分の服を絞った後に一護もずぶ濡れだったので脱がした。」

 

 「貴方は鬼なの? 鬼なのね?」

 

「鬼になって欲しいのか? この世界に『鬼』の概念は────」

────違うから真に受けないで。 ハァ~……ゲートを作れるようになったは良いけど、このまま開けていいの?」

 

「そもそも奴らと約束したではないか、『ほかの場所との貿易を可能にする』と。」

 

「過去の自分のバカ!」

 

 なお余談ではあるが一護たちの公園での様子を知った織姫は────

 

「う~ん、黒崎君って優しいから二対一でも受けるんじゃないかな?」

 

 ────だとか。

 

 ……………………………………あの。 お嬢さん? それで良いんですか?

 

「う~ん、『みんなが幸せならいいかなぁ~』って!」

 

 さ、左様ですか……器が大きいデスネ……

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

  さらに数日後、三月たちは浦原商店の地下にある訓練場にいた。

 

「ゼェ、ゼェ、ゼェ……や、やっぱり省エネモードのまま『ゲート』を展開するのはキッツイ……」

 

 息を切らし、大粒の汗を流す三月の前には宙にぽっかりと空いた黒い『穴』。

 

「ほウ。 以前に解析した黒腔(ガルガンタ)に似ているネ。 出力は桁違いの様子だガ。」

 

 そこには浦原とマユリたちも居て、二人はちょうど三月が届かない高さで飲み物の入ったボトルを持ち上げていた。

 

「理屈はどちらかというと穿界門(せんかいもん)に酷似していますが♪」

 

「れ、冷静に分析しながらスポドリで煽らないで……喉乾いた……」

 

「「ほいッ()────」」

 

 二人がボトルを投げ渡すとそのまま彼女を素通りする。

 

「「────では一番乗り()♪」」

 

「にゃあああああああああ?!」

 

 「ぎゃああああああ?! 待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

 三月の制止を聞かず、浦原(と抱き上げた猫型の夜一)、マユリ、ネムがそのまま穴の中へと入っていく。

 

「では一足先に行くぞ三月────」

「────え?!」

 

「わーい────!」

「────え?! イチネちゃん?!」

「────な、なんで俺も?」

「────井上さん?!」

 

 ズカズカと穴の中へと入っていくチエはなぜか一護でさえも引っ張り、彼らの後を追うように穴の中へイチネは織姫を引っ張り、織姫は茶渡と石田の手を引っ張りながら入っていく。

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………アンタたち何やってんのよぉぉぉぉぉ?!」

 


 

 とある白い空白の場所で、少年も同じく頭を抱えながら叫んでいた。

 

「父ちゃんたちの知り合いたち、フリーダム過ぎるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」




作者:ふら……フラグ回収できたどー! 区切りまで投稿できたどー!

イチネ:良かったね、おじいさん♪

作者:未完成のプロットをほぼ記入できたどー! ……漏れは少々ありますがお許しを…… (;・∀・)

イチネ:長かったね~?

作者:一応作品の一区切りになるまで実に一年と三か月……時が過ぎるのは早い! 先ずは最初にここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。 えー、如何でしたでしょうか?

イチネ:それでそれで? これからはどうなるの?

作者:前作品の『バカンス』と『天の刃』にクロスオーバーすると思います。

イチネ:ねぇ、これは?

作者:次の作品のネタと簡易プロットと設定まとめです。 リクエストメッセージ、誠にありがとうございます! m(_ _)m

イチネ:ありがとございましゅ~♪ m(_ _)m ←作者の真似

作者:えー、至らない文章や駄文などあるのが本当に申し訳ないと思っています。 もう一度ここに再度重ねますが、ここまで読んでくれた皆様には表現出来ないほどの感謝を感じ、ここに申し上げたいと思います。

本当に、誠にありがとうございました。

では次の作品や、その後エキストラなどでまたお会いしましょう。

今後ともよろしくお願い致します。 <(_"_)>ペコッ

読者として、次に見たい作品の物語はどれですか? (ちなみに上から下の選択順は全てまたもd20サイコロで決めていますので、作者の推しの順などはございません。 登録されていない方からも感想欄、または活動報告にて受け付けています! *注*あくまでも参考ですのでご了承をお願い致します。

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