月の少年のSecret book   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
海未ちゃん、誕生日おめでとう。

この度、新しい作品を連載する事にしました。
タグにもありますが、本作は誕生日回に毎回更新します。

また時系列は各作品と繋がってるようにしております。

それではどうぞ。



記憶1 園田海未

とある日の音ノ木坂学院(おとのきざかがくいん)の理事長室にて。

 

「……おつかいですか?」

「ええ。お願いしてもいいかしら?」

 

開口一番がそれだった。

遠目から見たら、少女にも見えなくもない中性的な少年、水無月悠里(みなづきゆうり)がそう言った。

 

「今度の週末、海未(うみ)ちゃんの両親の記念日なの」

 

買い物を頼んだ女性……というか悠里から見たら美女、(みなみ)理事長が悠里に説明する。

どうやら内容は、娘の幼馴染みである園田海未(そのだうみ)の両親についてだった。

 

ちなみに悠里も彼女達の幼馴染みである。

 

「……記念日って何のですか?」

「簡単に説明すると、2人が恋人になった日ね」

「それはまた」

 

なんとなく分かった。

しかし、理事長が悩んでる理由が悠里には見当がつかない。

 

「でも、なんで南先生がそんなに悩んでるんです?」

「……2人に渡すプレゼントを先週の休みに買いに行ったの。知人が経営してる少し遠めのデパートまで」

「なるほど」

「渡したいプレゼントを見つけたのはいいけど予約制だったの。まぁ……人気のあるお店だから仕方ないけど」

「……その気持ちは僕もなんとなく分かります」

「それで予約したプレゼントの受け取りに行く日が()()()()なの……」

「…まさかその書類のせいで、受け取りに行けなくなったんですか?」

「……(コクリ)」

 

悠里が机に置かれてる書類に視線を向けながら呟くと、溜息を吐きながら頷いた理事長。

 

なんでこんな時に書類を回すんだと言わんばかりの表情だった。

 

「そういうわけでお願いしてもいいかしら?」

「承りました」

 

というわけで、理事長のお願いを引き受ける悠里だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「すみません悠里君、待たせちゃいましたか?」

「…いや、僕も今着いたばかりだから気にしないで」

 

その日の放課後。

海未と悠里は一度家に戻った後、海未の家の前で待ち合わせという事になった。

 

ちなみに悠里が来るまでの間、着ていく私服を選ぶのに時間がかかってしまった事を悠里は知らない。

 

「…じゃあ行こっか。はいこれ」

「? ヘルメット……ですか?」

 

何故かヘルメットを悠里から渡された海未。

 

「頼まれたおつかいの場所が少し遠いから、コレで移動するよ」

「これって……バイクですか?」

 

目の前には何故か藍色のバイクが佇んでいた。

 

「うん。あ、ヘルメットの付け方とか分かる? 付けてあげよっか?」

「お、お願いします……」

 

ヘルメットを悠里に付けてもらう海未。

付けてもらった後、膝に付けるプロテクターを渡され、自分で付ける。

 

「…えっと……みーちゃんの荷物は積んだっと。それじゃあここに乗って?」

「は、はい……」

 

海未が乗ったのを確認した悠里は、自身もバイクに乗り、エンジンをかける。

 

「ちゃんと掴まっててね?」

「は、はい……(え…えぇ!? ゆ、悠里君と合法的に密着してる!?)」

 

内心では絶賛ドキドキしてる海未なのであった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……」

「……」

 

目的地までバイクで移動してる最中は静かだった。

 

「……(悠里君の事を聞かされてから、まだ数日しか経っていないんですね……)」

 

ふと思った海未。

ほんの少し前に、悠里の中学時代を親友から聞かされた自分達。

 

今でも罪悪感がある。何せ、自分達は悠里の事を()()()()()のだから……

 

「……別に僕は気にしてないから」

「え……」

 

そんな事を考えていると、悠里が海未にそう言った……気がした。

 

「…いや別に。なんでもないよ。目的地が見えてきたよー」

「……」

 

なんかうまい具合に話を逸らされた気がすると海未は思った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ありがとうございましたー♪ 南ちゃん達によろしくねー♪」

「「ど、どうも……」」

 

お店を出る際に、店員が悠里と海未に笑顔でそう言った。

目的地であるショッピングモールに着き、理事長に頼まれた品を受け取りに来たのだが……

 

『すみません、南先生の代わりに予約の品を受け取りに来た者なんですが……』

『はーい♪ お待ちしており……どぅえっ!!? 藍里(あいり)ちゃん!!?』

『……の息子です』

『あーなるほど……藍里ちゃんの息子さ……って、息子ォォォォッ!!?』

『あの、大丈夫ですか?』

『ごめんなさい。少し取り乱し……うぇえっ!!? 園田ちゃん!!? ちょっと何! 髪また伸ばしたの!!?』

『……の娘です』

『あ、あらそう……園田ちゃんの娘さ……って、娘ェェェェッ!!?』

 

という店員が悠里と海未を見て、驚愕の表情をしながら取り乱しては落ち着いては、また驚愕の表情をするという出来事があった。

……そんなに自分達は高校生時代の母親達に似てるのかと思った。

 

「…さて。南先生から頼まれた品も受け取った事だし……どこかでお茶でも飲む?」

「え……えぇ!?」

 

唐突な悠里の提案に、動揺する海未。

 

「せっかく来たんだからいいかなーって思って。あ、もしかして今日、日舞の稽古とかあった?」

「ないですないです! お母様には悠里君とお出かけと……あっ!」

 

必死な表情で悠里に詰め寄ると同時に、うっかり余計な事を言ってしまい、両手で口を塞ぐ海未。

 

「……まぁ、あながち間違ってないけどね。行こっか?」

「あ……はい♪」

 

苦笑いしながら、海未に手を差し伸べる悠里。彼の左手を海未は嬉しそうに握り、手を繋ぐ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ショッピングモールに内にある案内板を頼りに、2人は3階のカフェエリアに来ていた。

とりあえず一周し、悠里は海未が行きたそうな場所を選んでもらった。

 

「いらっしゃいませ~、2名様ですか?」

「はい、2名です」

「それではこちらになります」

 

店内に入ると、女性の店員に迎えられ、悠里と海未は席に案内される。

 

「こちらがメニューになります。ご注文が決まりましたら、そちらのベルでお呼びください」

 

そう言うと店員は、持ち場に去っていった。

 

「みーちゃん、みーちゃん! シフォンケーキと季節のフルーツケーキがあるよ!」

「ふふ、そうですね♪ それにしても、こんなに種類が多いと悩みますね……(はしゃいでる悠里君、なんだか可愛いです♪)」

 

真顔だが、瞳の奥がキラキラと輝いている悠里を見て、海未は可愛いなと思った。

その証拠に、悠里の口調が微妙にはしゃいでる感じがあったから。

 

「うーん……よし。僕はシフォンケーキと紅茶のセットにしようかな。みーちゃんは?」

「そうですね……私は、抹茶のショートケーキセットにします」

 

注文する品が決まったので、悠里はベルを鳴らす。

 

「えっと……シフォンケーキと紅茶のセットが1つと抹茶のショートケーキセットを1つ、お願いします」

「かしこまいりました。少々お待ちください」

 

店員に注文をし、注文の品を待つ。

 

「それにしても……」

「?」

「……電車で来れなくはないけど、絶対に1時間以上かかるよね、このショッピングモール」

「そうですね。そういえば悠里君」

 

悠里が自分達がいるショッピングモールについて呟くと同時に、海未は訊きたい事があった。

 

「その、バイクの免許……いつ取ったんですか?」

 

そう。悠里のバイクについてだった。

 

「ああ……あれ? 高校1年生の時に取ったんだ」

 

気まぐれでだけどね? ……と悠里は言う。

なんでも、高校1年生の時に授業でバイクの教習所モドキが行われて、気がつけば、免許を取れてしまったらしい。

 

それを聞かされた海未は、悠里が高校1年生の時に通っていた学校はどんな授業をしてるんだ……と思った。

 

「お待たせしました。シフォンケーキと紅茶のセットが1つと抹茶のショートケーキセットになります」

 

そう思ってると、ちょうど注文した品を店員が持って来た。

 

「ごゆっくりどうぞ!」

 

店員は笑顔でそう言うと、再び持ち場に去っていった。

 

「わーい♪ シフォンケーキ♪ シフォンケーキ♪」

「……ふふ♪」

 

本当は他にも訊きたい事があったけど、悠里の嬉しそうな表情を間近で見て、そんな考えは吹き飛ぶ。

 

「(またこれから……悠里君と思い出を作っていけば……きっと……)」

 

そう思った海未だった。




読んでいただきありがとうございます。
こんな感じで、悠里と関わりのあるキャラの誕生日に投稿しようと思ってます。
本日はありがとうございました。

※主人公の簡単なプロフィールです。


水無月悠里(みなづきゆうり)


容姿イメージ:『らき☆すた』の岩崎みなみ

誕生日:12月12日、いて座

血液型:A型

一人称:僕
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