愛ちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
とある休日の街中にて。
「やっぱ並んでるね~。もうちょっと、早く来ればよかった」
「そうだね~」
「そこまで混んでないみたいだし、お喋りしてたらあっという間かもね。言うの遅れたけど……愛ちゃんの私服、似合ってるね? 可愛いよ」
「あははっ、ありがと♪(ま、待って!? 急にそんな事言うなんて……昨日の誘い方といい、ゆうりんズルいよ……)」
悠里にそう返すが、実は内心では焦っている愛。
どうして愛がこんなに焦ってるかについては理由がある。それは昨日の放課後が原因だった……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スクールアイドル同好会に所属してる愛は部室で宿題をしていた。何故かというと、他のメンバーがまだ来てないので暇だったからである。
「よーし、今日の分はこれで終わりかな~」
シャーペンをテーブルに置き、背伸びをする愛。
「失礼しまーす……」
「あれ? ゆうりん?」
そこに珍しい来客がやって来た。藍音学院の制服を着た悠里である。
「どしたの? ゆうゆ達ならまだ来てないけど……」
「そうなの? それはそれで残念。今日は愛ちゃんに用事があったから立ち寄ったんだけど……」
てっきり他の2年生組に用があるのかと思った愛だが、まさかの自分だった。
「愛ちゃん、急なんだけどさ? 明日ってなんか予定とかあったりする?」
「んー、明日? 特に予定とか入ってないけど……」
それがどうかしたの?と愛が訊くと彼はこう言った。
「愛ちゃん、明日デートしよ?」
「オッケー♪ じゃあ明日は、ゆうりんとデートね。いやー、愛さん楽しみだな~♪ ゆうりんとデー……ト?」
ここで愛。悠里との会話の違和感に気づく。
「ゆ、ゆうりん……ちょ、ちょっと待っ……」
「僕この後バイトだから。また後ほどね?」
呼び止めようとした愛だが、悠里は詳しい事は夜にね~と言い残して部室から去ってしまった……
バタンと扉が閉まる。
「……あ、あんな誘い方……ズルいじゃん。ゆうりんのバカ……」
顔を赤くしながら呟く愛なのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という事があり今に至る。
家に帰ってからの夜、今日の為にどんな服を着ていくか迷っていた。友達と遊びに行く以上に迷った。
……まあ、悠里とデートという嬉しすぎる1日があるからだが。
「待ってる間にメニューでも見ようよ」
「賛成~。愛さん、昨日寝る前に考えたんだけど決まらなくってさ~……」
これは本当で、昨日の夜は悠里とのデートの際に着ていく服をずっと考えてたので、考える暇がなかったのである。
「ゆうりんは、もうどれにするとか決めてる?」
「愛ちゃん」
「ふえっ!?」
悠里の言葉を聞いて、思わず声が裏返ってしまう愛。
「ここのクレープ屋ね? 裏メニューがあるんだ。種類も何種類かあるんだって。まぁ……ごく一部の人しか知らないんだけどね……」
「そ、そうなんだ……(ど、どうしよう~!? ゆうりんの前で変な声出しちゃったから、恥ずかしいよぉ~……)」
不意打ちもいいところである。
「って言ってる間に、もう順番来た! わわっ、どれにするか決めないとー!」
「迷ってるなら、僕がいつも頼んでるアップルシナモンにする?」
「じゃあそれにしよっかな~……」
何を頼むか未だに迷ってる愛を見て、自分がいつも頼むアップルシナモンを彼女に提案する悠里。ちょうど迷ってたので、それにする事にした愛。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」
「……(じー)」
「? ゆうりん、どしたの?」
注文の順番が来たのにも関わらず、悠里は愛をじーっと見た。どうしたの?と愛が首を傾げながら訊くと……
「えっと……アップルシナモンが1つと
「~~~~っ!!?」
「かしこまいりました~♪」
いつもの澄まし顔で店員に注文。裏メニューと思われる品は愛を見ながらである。
「な、なななな……!?」
「それにしても裏メニューのネーミングも洒落てるよねー? アイシテル・スペシャル。なんか愛ちゃんみたいな名前だよねー?
「も、もう! 恥ずかしいから、人前でそういう事言わないで!」
「……愛ちゃんが照れてる。個人的に楽しみたいから、写真撮ってもいい?」
「と、撮らなくていいから!」
「愛ちゃんアイシテル」
「も、もう、そ、そういうの反則だよぉ~……」
ちなみに、クレープを作りながらその光景を見てた店員は、愛が悠里にからかわれているように視えたと同時に、愛の方も言われて満更でもない表情をしてるなと思ったそうな。
読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿日は、穂乃果ちゃんの誕生日になります。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。