ランジュちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
とある平日の放課後。
「ねえ、宿題終わりそう?」
「……あと少しだけ待ってて」
「ええ、分かったわ」
ちなみに悠里が何故、空き教室を借りて作業してるのかというと、虹ヶ咲学園の理事長……嵐珠の母親が自由に使っていいよと許可してくれたからである。
「……(ほんとに僕が終わるまで待つ気だな……)」
嵐珠の言葉を聞いて、退屈しないかな?と思いながらも作業を進める悠里。
何せ、空き教室を借りて作業を開始しようとしたら、嵐珠に捕まってしまい、悠里が終わるまで待つと彼女が言い始めたので、今に至る。
……とりあえず今は手を動かすかと、悠里は作業の続きをするのであった。
◇
「どう、そろそろ終わる?」
「うん、ちょうど9割近く……って感じかな。って、もうこんな時間?」
教室に備えてある壁時計に目をやる。どうやら、作業を始めてから1時間近くが経過していたようだ。
「ランジュ。もうちょっとだけ時間かかりそうだから、先に帰っててもいいよ?」
「嫌よ、今日は悠里と一緒に帰るって決めたんだから」
これ以上、彼女を待たせては悪いと思った悠里が嵐珠に提案するが、嵐珠はその案を却下した。
「えー、でも……」
「ランジュが大丈夫って言ってるんだから、大丈夫なの。それに……」
「それに?」
「ランジュ、悠里と帰るの楽しみにしてたんだから、それを取り上げないでよう……」
「……」
傍から見れば、嵐珠が不服そうな表情をしてるように見えるだろう。だが厳密には、嵐珠のこの不服そうな表情の意味は『寂しさ』も含まれているのだ。
……まぁ、彼女の心理なんて、ほんの一部の人間にしか解らないのだが。
「なるべく早く終わらせるから、一緒に帰ろうか」
「ふふっ、そう言ってくれればいいの。待っててあげるわ♪」
悠里がそう答えると、嵐珠はご機嫌になった。
「…仮にあと15分ちょっとで終わるとしたら……うん、寮までは近いし暗くならない内にランジュも帰れそうだね」
「……確かに」
「どしたのランジュ?」
その表情はまるで肝心な事を忘れてたと言わんばかりだった。
「……やっぱり悠里、宿題もうちょっとゆっくりやりなさい」
「いや、なんでさ……」
思わず突っ込む悠里。さっきまで早く一緒に帰ろうって流れだったのにどうしたのだろうか?
「だって……」
「だって?」
「宿題終わったら、帰らないといけないじゃない」
「うん、そだね」
「虹学から寮まではそんなに距離がないから、すぐに着いちゃうでしょ」
確かに嵐珠が下宿してる虹ヶ咲学園の寮までは、そんなに距離がない。歩いて5分くらいだった筈。
ちなみに悠里は他校の生徒なので、あんまり長居はできないが。
「そうしたら、悠里と一緒にいられる時間が減っちゃうわ……もっと一緒にいたいの。わかってよ!」
「ランジュ、拗ねないでよ」
「す、拗ねてないわよ!」
やれやれ、そういう事かと思いながらも、現在進行形で軽く頬を膨らませながら拗ねてる嵐珠をどうやって宥めるか思考を巡らせる悠里なのであった。
読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿は、歩夢ちゃんの誕生日になると思います。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。