月の少年のSecret book   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回は侑ちゃんの名前が決まった日(実質的に誕生日)になります。
……多分、合ってるよね?
楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。


記憶2 高咲侑

とある日の夜。

現在、個人的な諸事情により、昔住んでいた団地の家にて。

 

(ゆう)ちゃんの面倒……ですか?」

「そうなの……お願いしてもいいかしら?」

 

今晩の夕飯のメニューは何にしようか?と悠里が考えていたところ、お隣さんである高咲侑(たかさきゆう)の母が家にいらして今の会話に至る。

 

なんでも、侑が軽い風邪を貰ってしまったらしい。

 

「それなら歩夢(あゆむ)ちゃんに……というか明日、平日じゃん……」

「本当は見てあげたいけど、頼める人が歩夢ちゃんか悠里くんしかいなくて……」

 

もう1人のお隣さん、上原歩夢(うえはらあゆむ)に頼めばいいのでは?と思った悠里だが、生憎明日は平日で彼女は学校。

それに対して、悠里が通ってる学校は藍音学院(あいねがくいん)という、少し特殊な学校なので、明日は休みなのだ。

 

しかも侑の母は今日は看れても、明日は仕事で家に居ないのである。

 

こういう時の両親の気持ちも悠里は解っているので……

 

「分かりました」

 

二つ折りで返事をしたのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そして翌日。

必要な物が入ったリュックを持ち、玄関を出ると……

 

「あ! 悠里くん!」

「歩夢ちゃん、おはよ」

 

ちょうど今から学校に向かう歩夢と遭遇した。

 

「私も学校が終わったら、みんなで行くから、侑ちゃんをよろしくね?」

「連絡は聞いてたんだ? それは良かった。そうだ、歩夢ちゃんにお願いしたい事があるんだけど……」

 

そう言って悠里は財布から5000円札を取り出して、歩夢に手渡した。

 

お金(これ)を歩夢ちゃんに渡しておくよ。侑ちゃんや歩夢ちゃん達が食べれそうな物に使って?」

「うん、分かった。悠里くんは何か食べたいの……何かある?」

「……フルーツ寒天ゼリーで。白桃味と蜜柑味とぶどう味、1種類ずつあれば、それがいい……」

「あ、あはは……」

 

真顔でリクエストを言う悠里に歩夢は苦笑い。

ちなみに悠里が頼んだ寒天ゼリー、250g入りで値段は税込みで105円というデザートらしい。

 

そんなこんなで歩夢は学校に、悠里は高咲家に入るのであった。

 

「……(冷蔵庫の中に入ってる物は使っていいよって侑ちゃんママが言ってたけど……)」

 

人様の家の冷蔵庫を開けるのは、気が引けるなぁと思いながらも冷蔵庫を開ける悠里。

昨日、侑の母から預かった家の鍵をテーブルの上に置いておくのも忘れない。

 

「一応、侑ちゃんの様子を見ておこうかな」

 

そう思った悠里は彼女の部屋に向かう。

もしかしたら寝てるのかもしれないので、ドアを静かに開ける。

 

「……」

「…お邪魔しまーす……って、やっぱり寝てるね」

 

案の定、侑は寝ていた。

咳をしてない様子を見る限り、本当に軽い風邪なのだろう。

 

もしくは今朝、飲んだであろう風邪薬の効果が効いてきたのか。まぁ、悠里としては一安心である。

 

「ん……?」

「あ。起きちゃった?」

「あれ……悠里? なんで私の家に居るの……?」

 

タイミングがいいのか悪いのか、侑が起きてしまった。

彼女としては、なんで自分の家に悠里が居るのか疑問の方が強かったが……

 

「侑ちゃんママに頼まれて、侑ちゃんの看病をする事になりました」

「そう、なんだ…………え"っ!?」

 

悠里の言葉を聞いた侑は、納得したような表情をしたと思いきや、驚きの表情に変わった。

 

「…病人がそんな大きな声を出すんじゃないの」

「うう~~……」

 

そう言いながら、悠里は顔を赤くしながら呻いてる侑に布団を被せポンポンと叩く。

 

「今は少しでもいいから休んで、少ししたらまた様子を見に来るから。後で軽い食べ物を持ってくるね」

「うん……ありがとう……」

「気にしないで」

 

そう言って部屋を出ていく悠里、侑はベットに再び潜り込み寝転んだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「(そういえば小さい時も悠里が看病してくれたっけ……)」

 

ふと思い出した侑。

確か今と同じ感じで風邪をひいてしまい、悠里が付きっきりで自分の看病してくれた事を。

 

「侑ちゃん、侑ちゃん……大丈夫?」

「…悠……里?」

 

うつらうつらとしながら目を開けると、心配そうな表情で侑を揺り動かす悠里の姿があった。侑はゆっくりと身体を起こす。

 

「なんか魘されていたけど……怖い夢でも見たの?」

「ううん。ちょっと昔の事を思い出しちゃっただけ……心配かけてごめんね?」

「……そっか」

 

すると悠里は侑のおでこに手を当て熱を測る。なんかこの感じ懐かしいなと思うと同時に恥ずかしいなと侑は思った。

 

「熱はさっきよりは下がったみたいだね、お粥を作ったんだけど食べれそう?」

「これ、悠里が作ってくれたの?」

 

悠里が作ったと思われるお粥を見て、思わず目を見開いてしまう侑。彼が料理が得意な事は知っているが、なんというか……昔の時よりもグレードアップしてる気がした。そんな侑の考えてる事が分かったのか、悠里は微笑みながら答える。

 

「これでも料理はそれなりに作れるよ? でもまあ……お粥系の料理を作ったのは、久しぶりだから自信はあんまりないけど」

「この見た目で?」

「……うん。ちょっと待っててね? 小鉢に分けるから」

 

そう言って悠里は持ってきた1人分用の大きくもなければ小さめでもないくらいの土鍋の蓋を開け中のお粥を小鉢に分ける。分け終わり侑にスプーンと一緒に手渡した。

 

「はい。食べれなかったら残してもいいからね?」

「あ、ありがと……えっと、その……」

「?」

 

渡された小鉢と悠里をチラチラと交互に見る侑。

どうしたのかと思い、首を傾げる悠里だったが、直ぐに意味が解った。

 

「……しょうがないな。はい、あーん……」

「あ、あーん……」

 

やれやれと内心では溜息を吐きながらも、お粥を侑に食べさせてあげる悠里。

 

「も、もう一回……」

「…え? まだやるの?」

「……ダメ?」

 

上目遣いでお願いされてもなぁ……と困りつつも、侑は病人だしという思いのどちらかを考慮した結果……

 

「はい、あーん……」

「っ! あーん♪」

「……(まあ、このくらいの我儘ならいっか)」

 

ご満悦な表情をしてる侑を見て、悠里は今日くらいはいっかと思うのであった。




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿日は愛ちゃんの誕生日になります。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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