月の少年のSecret book   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
穂乃果ちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


記憶20 高坂穂乃果

とある平日。和菓子屋、穂むらにて。

 

「…こんにちは」

「いらっしゃいませ……って、わ、ゆうちゃんだったの!?」

「…ん。先程の練習終わりぶりだね。ほのちゃん」

 

店に入ってきた珍客……悠里の姿を見て、驚く高坂穂乃果(こうさかほのか)

 

「びっくりした。今日はどうしたの?」

「ちょっと近くまで来たから、バンドメンバーの友達にお土産を買っていこうかなって。今もライブハウスで練習を頑張ってると思うから」

「そうなんだ」

 

来てくれた理由を聞いて納得する穂乃果。

 

「でも、ほのちゃんがいるとは思わなかった。……家のお手伝い偉いね」

「そうでしょ! と言いたいけど、ちっとも偉くないの」

「? どういう事?」

 

実際こうやって家の手伝いをしてるのではないのか?と首を傾げる悠里。

 

「小テストの結果がアレで……罰として店番させられてるの」

「でも今日の練習終わりに、のんびりするって言ってなかったっけ?」

「…家に着いた矢先、お母さんに小テストの結果を聞かれちゃったの……」

「……(ああ、ほのちゃんの目が……)」

 

現に今も軽く遠い目をしてる穂乃果。母に聞かれる姿が容易に想像できた悠里。

 

「ちなみに何点だったか訊いてもいい?」

「いや、そんなに悪くないってば~! あはは……そ、それよりお土産どれにする?」

 

話を逸らされた気がするが……この様子だと、穂乃果の小テストの結果は、お察しだったのかな?と思う事にした。

 

「…『ほむまん』と『季節の3色団子セット』は絶対に買うとして……他になんかオススメってある?」

 

ちなみに『ほむまん』というのは、正式名称は『穂むら饅頭』という饅頭であり、この店の名物だ。『季節の3色団子セット』は悠里が昔から好きな季節の団子の事である。

 

「全部美味しいから、なかなか決めにくいけど……季節のフルーツが入った大福はどう?」

「…何それ。季節のフルーツ入り大福とか絶対美味しそう……それじゃ……」

「あ、でも待って! 最中(もなか)の皮も最近ちょっと変えて前より美味しくなってるんだ~!」

「……」

「そういえば! 栗どら焼きの栗も今回入荷したやつは大粒だって言ってたから絶対お得……羊羹も二層、三層になってるのがあって見た目が可愛いし味も最高なんだよね」

「…………」

「え~っと、それにね……」

 

確かにオススメを穂乃果に訊いたが、予想以上の数だった。流石は和菓子屋の看板娘である。

 

「せっかくだから、ほのちゃんが今オススメしてくれた和菓子、5()()()を買わせてもらうよ」

「ええ!?」

 

悠里の注文量を聞いて思わず驚きの声を上げてしまう穂乃果。

 

「そうだ。袋とか別で分けて欲しいから、それもお願いしてもいいかな?」

「うん。じゃあちょっと、お母さん呼んで来るね? お母さ~ん!」

 

自分1人でも大丈夫だと思うが念の為、穂乃果は母を呼びに行ったのであった……

 

 

 

 

「え~っと……1、2、3、4、5……お母さん、全部入れ終わったよ~」

「はーい。それじゃあ『ほむまん』12個入りが5つ、『季節の3色団子セット』6串入りが5つ、『季節のフルーツ入り大福』6個入りが5つ、『最中』6個入りが5つ、『栗どら焼き』6個入りが5つ、『羊羹』1棹が5つ。お会計が全部で×××(ピー)円になります」

「端数分のお金あるかな……あ。あった……すみません、これでちょうどだと思います」

「はーい♪ ほんとしばらく見ない内にカッコよくなっちゃって~♪ 領収書かレシートはどうする?」

「両方、お願いします。ほのちゃんと同じ高校2年生ですからね。色々と変わりますよ……」

 

悠里が注文してくれた和菓子を穂乃果は袋に入れ、母はお会計をしながら世間話を悠里としていた。合計金額を穂乃果は母の隣で聞いてしまったが、気にしちゃいけない。

 

この場に居ない幼馴染みである園田海未(そのだうみ)(みなみ)ことりも、悠里が買った和菓子の合計金額を見たら絶対にびっくりするに違いない。

 

「……」

「(あ、お父さんもこっち見てる……)」

 

厨房から父が悠里を覗きこんでいた。なんだったら注文を受けた父が一番驚いてたが。

 

「こんなに買ってくれるのは、うちとしても嬉しいけど……悠里くん、お小遣いとか大丈夫なの?」

「全然大丈夫ですよ。ここの和菓子は美味しいし、バイトもしてますし、昔稼いでた分の貯金もあるんで。それに可愛くて素敵な看板娘も居ますし」

「え、ええ!? そ、そそそ、そんな事ないよ~」

「あらあら♪」

 

悠里に『可愛い素敵な看板娘』と言われ、顔を赤らめる穂乃果。そして娘の反応を見て面白がる母。

 

「それじゃあ僕はこれで。ほのちゃん、店番頑張ってね」

「う、うん。ゆうちゃん、また来てくれる?」

「お店の近くに寄る機会があったら、また来るよ。知り合いにも宣伝しておくから」

 

そう言って悠里は注文した和菓子の袋を手に持ち、店を後にするのであった。

 

余談だが、次の日から『お嬢様のお知り合いである、悠里様から美味しい和菓子屋がある』と紹介された他校の女子高の学生……の黒服の女性3人が来たり、母から聞いた話だが『才能開拓をモットーにした芸術学校』に通ってるという、日本人とドイツ人のハーフの少女が午後くらいにやって来て『悠里がよく買ってる和菓子を5人分ください』と言って、同じ学校の友達の分を購入していったと聞いた穂乃果は、悠里の交友関係はどうなっているんだ?と疑問に感じたという。




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿日は、せつ菜ちゃんの誕生日になります。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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