月の少年のSecret book   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
せつ菜ちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



記憶21 優木せつ菜

とある休日の公園にて。

 

「…1人だけで来て、って……せつ菜ちゃん、どうしたんだろう……悩み事でもあるのかな?」

「お待たせしてしまってすみません」

 

そんな事を悠里が考えてると、呼び出した件の人物、優木(ゆうき)せつ()が急ぎ足でやって来た。

 

「ううん、僕もちょうど今来たところだよ。それより今日はどうしたの? ()()()1()()で来て、って……」

 

早速、絶対に1人で来てほしいと念押しをした理由をせつ菜に訊く悠里。

 

「特訓に付き合ってほしいんです」

「……え? 特訓?」

 

彼女は『特訓』に付き合ってほしいと言った。思わず反応に遅れてしまう悠里。……まぁ、深刻な悩み事じゃないだけマシかもだが。

 

「…もちろん付き合うけど、それなら公園じゃなくてレッスン室に行ったほうがいいんじゃ……」

「いえ、学園ではいけないんです」

「……?」

 

その言葉に悠里は首を傾げる。せつ菜が通ってる虹ヶ咲学園(にじがさきがくえん)では無理だと言うのだ。

 

「えっと……どういう事?」

「その……特訓というのは、とある戦隊ヒーローの変身ポーズなんです」

「変身……ポーズ……?」

「はい。同好会のPR用の写真なんですが、そこに変身ポーズを追加したいと思っていまして……」

「……(そういう事ね)」

 

この時点で、せつ菜が学園では無理という理由を悠里は瞬時に理解した。

 

「すっごくすっごくカッコいいポーズなので、私がうまくできればみなさんを説得できると思うんです!」

「うーん……なるほど?」

「はい! だから、みなさんを説得できるだけのカッコいいポーズを、この身体に叩き込みたいんです!」

 

どうか特訓に付き合ってください!!とズイっと笑顔で悠里に近づきお願いするせつ菜。

 

「…分かったから。なーちゃん、近い……」

「へっ? あ、あわわわ……す、すみません……あ、あああ、あと、今その呼び名はズルいです!」

 

頬を膨らまし、ぷんすかと悠里に訴えるせつ菜。……全然怖くない。

 

「……ところで、戦隊ヒーローの変身ポーズって言ってたけど、何期の戦隊ヒーローシリーズ?」

「むっ! 話を逸らしましたね! ……まぁ、いいです。えっと……こういう変身ポーズをする戦隊ヒーローなんですが……」

「…一瞬、『気力転身』か『超力変身』を使う戦隊ヒーローに見えかけたけど、そっちの方ね。人数が多い戦隊ヒーローか」

「悠里さんはどんな戦隊ヒーローが好きなんですか?」

「…『電磁戦隊』と『未来戦隊』。ライダー系だったら、『目覚めろ、その魂!』と『クロックアップ』。あぁ……『忍風戦隊』と『ノーコンティニュー』も捨てがたいね」

「ふおおおおおおお♪」

 

目をキラキラさせながら、悠里を見るせつ菜。

……今の単語だけで解ったのだろうか? しかし戦隊ヒーローまたはライダーといっても、歴代のものを含めればたくさんある。

 

「とりあえず昔馴染みに今の戦隊ヒーローの変身ポーズについて訊いてみるよ、その子もアニメや漫画、特撮好きだし」

「私と同じ趣味の方が、お知り合いにいるんですか!?」

「…まあね。今日は多分……非番な筈。ついでに最近部屋で撮ってみた幻のうさフィン仮面3号のポーズも送って、意見を聞かせてもらおっかな……」

 

未だに興奮してる彼女の相手をしながら、悠里は昔馴染みに例の戦隊ヒーローの変身ポーズのガチ系再現動画か、やり方のコツとかある?とメッセと動画を送るのであった……

 

 

 

 

「はあ、はあ……。もう1回です……」

「せつ菜ちゃん、休憩しよう」

「いえ、私はまだまだできます!」

 

気づけば、もうすぐ夕方。

昔馴染みから返信……というか、なんとビデオ電話があり、変身ポーズの厳密なやり方や自分はこのアニメや漫画が好き等、軽いサークル活動になってしまった。

 

せつ菜とも意気投合してたので、悠里が『今度オフ会でもする?』と冗談交じりに言ったら、『それもありですね(だね)!』となったのは余談である。

 

「でも、最初に比べて、動きは鋭くなってるけど手の角度が下がってきてるよ」

「そんな……! レッドソルジャーは最初の手の角度が重要なんです!」

「うんうん、そうだね。ついでに言うと、変身アイテムの付け方も疎かになってきてるけどね?」

「はうっ!」

 

悠里が笑顔でダメ出しをすると、謎の波動でも喰らったのだろうか、せつ菜は変な声を上げながら倒れかけた。

 

「少し休んでから、続きをしようよ。そこのベンチで膝枕してあげる」

「ひ、ひひひ……膝枕っ!?」

 

困惑してるせつ菜をよそに、悠里は近くのベンチに座り、慣れた手つきで彼女に膝枕をしてあげた。

 

「ちゃんと休まないと身体に悪いからね。一生懸命な事はいい事だけど」

「あ、あう……(や、柔らかい……!? 悠里さんの膝枕、柔らかいです! ふおおおおおおおっ!?)」

「? なーちゃん、聞いてる?」

「は、はいいいっ!!!」

 

ちなみに休憩後のせつ菜のやる気は、凄まじく、変身ポーズもかなりキレッキレに感じた悠里なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿は、ことりちゃんの誕生日になると思います。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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