月の少年のSecret book   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
ランジュちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


記憶23 鐘嵐珠

とある日の虹ヶ咲学園(にじがさきがくえん)の家庭科室にて。

 

「ちょっと狭いけど、虹学の家庭科室もなかなかの設備ね」

「…ランジュが言ってる『ちょっと狭い』の範囲が予想つかないけど、僕からしたら設備も充分過ぎだよ」

 

家庭科室の広さと設備について言う鐘嵐珠(ショウ・ランジュ)。一般的な意見を彼女に述べる悠里。

 

どうして悠里もこの場に居るのかと言うと……嵐珠に捕まってしまったからだ。

 

何故か目を輝かせながら。

 

ちなみにその際に似たような感じの捕まり方を前に経験したような気がしたのは、悠里の気のせいではないだろう。

 

「…それで急に家庭科室に行きたいだなんて、どうしたのさ?」

「何言ってるのよ、キッチンに来たらする事は1つしかないでしょ!」

 

家庭科室に入った際、嵐珠がエプロン姿で髪型をポニーテールにしてる時点で悠里は察してはいたのだが……

 

「うーん、僕と……にゃーにゃーしたいとか?」

 

とぼけた表情で、一部の幼馴染みしか解らない『わにゃん語』で嵐珠に言ってみる事に。

 

「っ!!? ち、ちがっ……くないけど……もー! 違うわよ! 今日はアタシが悠里のために特製のスムージーを作ってあげるの!」

 

顔を赤くしながらも嵐珠が悠里に訂正する。ちなみに今のは『僕といちゃいちゃしたいの?』という意味だ。

 

「そうなの? 僕もスムージー作り手伝おうか?」

「ダメよ、悠里のために作るんだからアタシだけで作らなくっちゃ♪」

「……(なんか心配なんだよねー)」

 

手伝いを悠里が申し上げるが、笑顔で断る嵐珠。そして悠里が心配な理由としては、嵐珠は家事ができないのだ。

 

特に料理は酷い……というより、どちらかというと彼女は危なっかしいのだ。

 

「じゃあランジュが作ってるところを隣で見ててもいい?」

「いいわよ! アタシのクッキングテクニック、しっかり見てちょうだい♪」

「そうさせてもらうよ」

 

そんなこんなで、早速作り始める嵐珠。

 

「えーっと、まずはベビーリーフを洗って、水気をよくきる……っと」

「……(あー、良かった。レシピ本を見ながら作ってくれてる)」

「次はフルーツをひと口大に切って……と」

 

レシピ本を見ながら料理してるので、安心してたのも束の間、早速危なっかしい場面が。

 

「ラ、ランジュ! そのまま切ったら左手が危ないよ、左手は猫の手。ね?」

「アイヤー、そうだったわ」

 

言わんこっちゃない!とばかりに悠里は左手を猫の手にするんだよと嵐珠に教える。

 

「…うん、ランジュ上手」

「当然よ! アタシは1人で料理だってできるようになったんだから! それじゃあミキサーにフルーツと牛乳、ベビーリーフを入れて……スイッチオン!」

 

用意していたミキサーの中に指定の材料を入れて、スイッチを押す嵐珠。

 

「…色が凄いね……」

「身体によさそうな色よね! やっぱり身体作りには摂取するのにも気を遣わなきゃ!」

「それは一理ある」

「特に悠里は摂取しなきゃダメよ?」

「……(ランジュの視線が痛い)」

 

遠回しに自分の食生活について指摘される悠里。嵐珠がジト目でこちらを見てるので、これは勘づいてるなと悠里は心の中で溜息を吐く。

 

「さあ、ミキサーで混ぜたらいよいよ盛り付けよ!」

 

そんなこんなで、グラスに輪切りしたフルーツを貼り先程のスムージーを注ぐ。

 

「最高のドリンクの完成よ!」

「グラスの中に貼ってあるフルーツがおしゃれでいい感じだね」

「でしょでしょ! 味もすっごく美味しいから悠里も飲んでみて!」

 

嵐珠からグラスを受け取り、ドリンクを飲む悠里。

 

「…い、いただきます。……ん、飲みやすくて美味しい。ランジュが僕に作ってくれたからってのもあるけど」

「きゃあっ! 嬉しい♪ それじゃあ明日も悠里に作ってあげるわ!」

 

その言葉が嬉しかったのか、嵐珠は悠里に抱きつきながら、明日も作ってあげると言い出した。

 

「うーん、明日は来れるかは未定だけど……ランジュ、何かしてほしい事とかある? ドリンクを作ってもらったお礼になるか分からないけど」

「……っ! なんでもいいの!?」

「…流石になんでもは無理だけど……とりあえず言ってみて」

「…………」

 

悠里がそう言うと、未だに抱きつきながらも真剣な表情で考え込む嵐珠。正直、抱きつくか考えるかどっちかにしてほしいと思ったが、本人の好きにさせる事にした。

 

「明日も悠里は来てくれるの?」

「…まだわかんないって。決まったら言う感じ?」

「そうね。たくさんありすぎて決められないから、とりあえず悠里に抱きつく事にするわ」

「何それ……」

 

さっきより強く抱きついてくる嵐珠を見ながら答える悠里なのであった。

 

余談だが、次の日。虹ヶ咲学園の廊下で2年生組の5人と遭遇し、嵐珠が『悠里にアニマルセラピーをしてほしいわ!』と言い出したので、その意味を悠里と他4人が理解するのに時間がかかったのは別の話。




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿は、歩夢ちゃんの誕生日になると思います。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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