ことりちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
寝台特急カシオペアの列車内にて。
「んぅ……?」
「…およ? ことちゃん起きた? あ、動かないでね? 今、耳かきしてるから」
「え、えっ……? うん……(え? …ことり、ゆーくんに耳かきされてるの?)」
うっかり悠里に寄りかかりながら寝てしまった
そして何故か悠里に膝枕をされたまま、耳かきをされている状態である……
何故こんな嬉しい状況になっているのか……ことりは状況が理解できず現在進行形で考えていた。
「ほんとは右耳からやりたかったんだけどねー……ことちゃんを起こしちゃうかもだから、そのままの体勢で先に左耳からやらせてもらってる。…寝づらくない?」
「ゆーくんはどう見える?」
「…ことちゃんの左耳を耳かきしてるので、表情が見えないし、分かりません」
「むぅ~……」
現に今も下手したらこのまま寝落ちしそうである。
それくらい、悠里の太ももの感触は柔らかいなとことりは思った。
「ついさっきまで、ほのちゃんにも耳かきしてたんだよ」
「そうなの?」
「うん、今もぐっすり寝てるよ」
言われてみれば確かに、すぐ近くで
「……んー、ことちゃん意外と溜まってるね」
「あ、あんまりそういう事、言わないで……は、恥ずかしい……」
「…耳かきしてあげると、つい癖で言っちゃうんだよ。なるべく言わないようにはしてるけど」
そういう意味では表情を悠里に見られなくて良かったと安心することり。
「…はい。左耳、終わり。じゃあ次は右耳ね? 一回ゆっくり身体を起こした方がいいかも」
「うん……よいしょっと……」
そう言われ、ことりは身体をゆっくりと起こす。
「むにゃ……むにゃ……」
「ほんとに穂乃果ちゃん、ぐっすり寝てるね……」
「でしょ?」
完全に穂乃果、悠里の膝枕で熟睡である。しかも今度は器用にお腹に顔を埋め始めたではないか。
「じゃあ右耳の耳かき始めるよー……」
ことりを膝枕したのを確認した悠里は彼女の右耳の耳かきを始める。
「…ことちゃんってさ? 普段、耳掃除とかしないの?」
「え? ふ、普段? えっと……普段は綿棒とかでやってたり……」
「…ふーん……そうなんだ……」
「う~……(は……恥ずかしい……! 穴があったら入りたいよぅ~……! ゆーくんのいじわる~!)」
自分から訊いておいて、その反応はないんじゃないか!?と視線で悠里に訴えることり。
「…てっきり今でも南先生にやってもらってるのかなと内心思ってた」
「う~ん、小さい頃ならまだしも、流石に高校生になった今は……」
「…頼めば普通にやってくれそうなイメージがあるけど?」
試しに想像してみると『あらあら~♪ ことりったら甘えん坊さんね~♪』と言ってる母の姿が頭に浮かんだ。
「ゆーくんの事になると、お母さん甘い気がするけどなぁ……」
「そんな事ないと思うけどなぁ……」
彼はそう返すが、母の場合、悠里に甘い気がするのだ。なんというかこう……実の息子のように可愛がってるというか。
「…さっきはことちゃんが熟睡してたからやってないんだけどさ……左耳の耳掃除が終わったら、
「……えっ……?」
「ん? リテイク必要? 耳掃除が終わったら、耳ふーでもしてあげようか?」
その言葉を聞いた瞬間、ことりは時間が一瞬止まった感じがしたのは気のせいではないかと錯覚した。
余談だが、百面相をしながらも結果的に悠里に耳ふーまでしてもらったことりはあまりの心地良さのあまり、ふにゃふにゃ状態になりながらも悠里の膝枕をこれでもかと堪能するのは別の話。
読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿は、ランジュちゃんの誕生日になると思います。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。