せつ菜ちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
とある休日。せつ菜の部屋にて。
「お邪魔します」
「悠里さん、お待ちしていました!」
こちらへどうぞと悠里を招く少女、
「まさか、悠里さんがあの漫画を知っているなんて驚きました!」
「実はSNSで作者さんが1話を公開してたのを見かけてさ? それで公式ホームページで1巻の試し読みをしたら、そこからハマった」
「私も同じで、連載初期の頃に、1話が公開しているのを読んでハマっちゃいました!」
それは2人がハマってるという、とある漫画の話。
「好奇心旺盛で知識がある主人公と、冒険の知識はないけれど冷静で凄く強い相棒とのコンビがまた良いよね」
「わかります! 相棒の強さと主人公の知識と機転でピンチを切り抜ける展開は熱いものがあります!」
「ほんわかする冒険もの系なのかと思ったら、意外にもめちゃくちゃ重いシリアスな話もあって、最初は驚いたけどね……」
「私もです!」
でも、そこがまたいいんですよね!と頷くせつ菜。
「冒険の旅が進めば進むほど、今まで世界で是とされてきたものの正体がわかって驚いたり……」
「そうそう。普段は明るい主人公の重い過去とか、相棒の謎とかを段々と明かされていく展開とかね……」
「ですです! この旅を始めて本当に良かったのか、世界の真実とは何か……それを知った時の2人はどうなってしまうのか、すっごく気になっちゃいます!」
「うんうん、そうだね。あと、なーちゃん、近い……」
「ハッ!? うぅ~……!」
うんうんと頷きながら、悠里が指摘すると、せつ菜は我に返る。……しかも顔を真っ赤にしながら。
「す、すすす、すみません! 私また暴走しちゃいました」
「好きな漫画の話をする時のなーちゃん、可愛いし、僕は別に良いけどね?」
「か、かわっ……!? あ、あああ、あと、今その呼び名はズルいです! 反則です!」
頬を膨らまし、ぷんすかと悠里に訴えるせつ菜。……全然怖くない。
「この漫画が好きだって事は伝わってるけどね」
「えへへ、この漫画は私の人生のバイブルのひとつです!」
なんでも彼女曰く、辛い選択を迫られる度に葛藤しながら乗り越える姿だったり、どんなピンチの時でも、諦めないで立ち向かっていく2人の姿に勇気を貰えるんだとか。
「なので、この漫画は私にとって、かけがえのないものです」
「そういうものがあるのって、いいよね。ほんと……あ。そういえば漫画関連で思い出したんだけど、僕も一応、趣味で描いてるのがあるんだ」
「えっ!? 悠里さんって、何か漫画とか描いてるんですか!?」
「厳密には自作のラノベ関連だけどね?」
「ふおおおおおおお♪」
そう言うと、目をキラキラさせながら、悠里を見るせつ菜。
「高校1年生の時に、友達が『ピンポイントな時間帯に読み終わるラノベって見かけないよね?』って話になって、じゃあ僕が書いてあげようかって言ったのが切っ掛け」
「でも人によっては、好きなジャンルとか千差万別ですよね?」
「そう思うでしょ? だから、その友達から好きなジャンルとか、主人公とヒロインとの関係性、最終的にどうしてほしいの?とか訊いた上で書いてみた。ちなみに挿絵も含めてだけど」
そこからは何故かクラス中で流行ったよとせつ菜に話す悠里。そしてあるスマホを取り出し、ある写真を彼女に見せる。
「それでこれがその最初の挿絵と完成媒体……」
「ええっ!? これイラストレーターさんと勘違いするくらい、お上手ですよ!? ん……? もしかして、このブックカバーとかも手作り!?」
「友達にも言われたよ。ちなみにラノベの初回限定版と同じ価格でお金払うって言い出すから、流石にそこは驚いたけど」
「いえ。私もその方と同じ立場だったら、初回限定版と同じ価格ではなく、悠里さんが欲しいものも付けてあげます。それくらい価値がありますよ、なんだったらプレミア級です!」
「…え、ええ……?」
真顔で当時の同級生と全く同じ事を言うせつ菜に、悠里はそんなに少しだけ戸惑ってしまうのであった。
余談だが、悠里がせつ菜に『なーちゃんも何か書いてほしいのあったら気軽に言ってね?』と言ったら、せつ菜が何故か悠里を見ながら悶え始めたのは別の話。
読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(苦笑)
次回の投稿は、ことりちゃんの誕生日になると思います。
頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。