タマミツネと一人の少女の出会いの物語……。です。

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ずっと…チャレンジしてみたかった書き方で書いてみました。ある方の作品を読んで……。
読んでみて頂ければと思います。では、物語スタートです……。



タマミツネと小さな少女の物語……。

 煌々と地上を照らし出す満月が、このエリアを包み込む頃、私は海辺に足を運んでいた……。

私は 人間達からすると竜と呼ばれている生き物……。狐に似た顔つきで、背中から尻尾まで紫の体毛があり白に近い肌色の体躯、翼はないが動きには優雅さがあると定評だ。御大層に名前まで付けてくれている始末だ……。その名を゛泡狐竜゛タマミツネ……。まあ、意外と嫌いではないので構わないのだが……。

この場所は岩があり、海の反対側はかなりの高さがある崖になっている。その端の方から隣のエリアへと続く道がある……と言っても水辺のエリアに続いているわけだが。

ここはなかなかいい景色だ、私が気に入っている場所の1つだがルドロスが3頭ほど縄張りを主張して来るのでめんどくさい。余りにうるさいので、1頭くわえて海に放り込んだら残りの2頭も慌てて海の中に消えて行った。ふうっ、やっと静かになった。心地いい潮風が私を取り巻きながら通り過ぎていく……。私は、風を感じながら目を瞑って感慨に耽っていた。

しかし、その邪魔をしてくるのは何もモンスターに限った事ではない。人間、しかもハンターと呼ばれる私達を倒すために特殊訓練された者達……。倒した私達の素材を使い、防具や武器を造って対抗してくる、とても面倒な輩だ。

その面倒な輩さん達が四人、私と同じエリアに現れたのだ。その内の一人が、距離を置いて弓で矢を放ってきた。私はエビぞりでバック宙に回転し、その矢をかわしていく。が、後の3人は接近戦のタイプだ。大きな剣先で重たそうだが、勢いをつけて攻撃がヒットしたときはダメージがかなりあるだろう。もう一人は剣先は細く長く、振り回すのが容易に見える。だが、一降りごとにダメージを与える事が出来そうだ。もう一人は、剣先は短く、その代わりに盾を持って攻防一体に構えていた。これは大きな剣を持つハンターと細身の剣を持つハンターに気をつけないと。

私は細身の剣のハンターが色々な角度から剣を振るって来たのでかわしながら尻尾で横に払っていく。が、反対側の傍で大きな剣を持つハンターが後ろに剣を構えてチャンスとばかりに上から勢いをつけて降り下ろしてきた!ぐっ!?右肩が少しかすったが、かなりの威力だ。まともに食らえば、ダメージがかなりキツいだろう。だが私はもう一人をあまり意識していなかった。盾持ちで剣先が短いので目の前か懐にでも入り込んで来るだろうと高をくくっていた、これがまずかった。身体を捻りながら剣と盾を合体させて変形し大きな斧となって襲ってきたのだ!思い切り顔の側面を殴られて目の前が真っ白になって倒れ込む。目の前を☆が回る、後で分かったがこれがスタンという物だそうだ。グウッ、頭がくらくらする。くそっ何とか踏ん張らないとハンター達の思うつぼだ。

 私は何とか立ち上がり、ハンター達を見据える。私は巨大なシャボン玉を数個放ち近接ハンター達と一度距離をとる。しかし、1人だけ最初から距離を置いて攻撃してくるハンターが居た。何度も弓をつがえて矢を放ってくる。それが見事に私に向かってだ。何本かは躱す事が出来たが2本が背中と腰に近い方に突き刺さった!痛みと共に何故か違和感が……。

 

 な、なんだ、意識がぼんやりしてくる……。し、しまった、眠気が……まず……い……。

 その場に倒れ込んでしまった私の傍にハンター達が詰め寄り、何やら大きな樽を3ケ並べて置いた。そしてすぐにそこから一旦離れる。それを確認した弓のハンターが矢をつがえて樽に向かって放ったのだ!轟音と共に大爆発をして私が吹っ飛ばされる!おかげで目を覚ましたが大怪我を追ってしまう。グゥゥ、左前足とお腹周りも被弾したようだ。かなりの激痛が襲い掛かって来る。これはまずいな、あちこちから血が流れているし痛みも酷い。このままでは、ハンター達に討伐されてしまうだろう。私はまだ死にたいとは思っていない。目標がある訳ではないが、このまま倒されるのもしゃくに触る。ここは避難するしかない。と言って何処へ!?いや、まずは海に逃げ込むしかない!ま、ままよ……。私は身体を引きずりながらも、海の中へ。危うく後ろを攻撃され、尻尾を切られそうになったが何とか逃げ込む事が出来た。どこか一旦遠くに離れなければ……。遠くに……………………。

 

 それから私は海の中で気を失っていたようだ。何日が過ぎたのかは全く分からない……。理解できた事は、私はまだ生きていてあのハンター達に見つかってはいないという事。し、しかしここがどこかが分からない……。

 周りを見渡せば小島!?海に囲まれ、しかし島の中央寄りには石を積み上げたりした囲いが見えて巨大な建造物がそこにたたずんでいる……。

だが、草木や苔に隠されて全体が見えにくくなっている状態だ。時折、人間の叫びや同種の咆哮が聞こえたりする……。それはこの反対側で……。

 ずっと後で分かったが、ここは密林と言うフィールドだそうでエリアがあり、その内のエリア10と呼ばれる場所なのだそうだ。

 どうやらこの建造物のお陰でモンスターやハンター達が来る場所ではなさそうだ。ここなら簡単にはハンター達にも見つからないだろう。傷が癒えるまでここで生活するしかないか……。

 私はしばらく動きが取れるようになるまで身体を丸めて休むことにした。向こう側で戦っているハンターや同種の声を聴きながら…………。

 

 …………………………ん!?誰だ!?私の身体を触るのは……。ここには人間や同種など来れないはずだが……。

 私は少し片目を開けて足を触って来る物を見てみた。人間……しかも、子供の様だ。ストレートな黒髪にシャツとスカートを履いている。女の子だという事は分かるが、どうやってここに……。ハンター達なら助けようもするだろうが同種達なら……。そう考えると訳が分からん……。しかも、私が怖くないのか!?さっきから何かを塗ってくれているようだが……。

 私はゆっくりと顔を起こして少女の傍に。いきなり動いたので少女もビックリしたようだ。驚いて硬直してしまって、手に持っていた物を落としてしまった。慌てた様子で喋っているが、人間の言葉を理解していない私には何を言っているのか理解は出来ない。しかし、両手を広げて前に出し敵意が無い事を伝えようとしている事だけは何となくだが分かった気がした。彼女が優しそうな顔で両手でそうっとだが私の顔に触れてきた。私もそのまま彼女に触れさせる……。小さなか弱い手だ……。他の同種達に見つかればすぐに潰されてしまいそうな華奢な体つきで……。どうやってここにたどり着いたのか聞きたくても言語が分かるはずもなく……。いざとなればここから離れればいいだろうと思っても居た。

彼女は落ち着いたのか、改めて地面に落ちた物を拾い私の傷に塗り始めた。確かに染みるが痛みが和らぐような感覚はあった。

この子は私を助けようとしている……なぜだ!?普通ならば怖がって近寄らないか、ハンターならばすぐに戦闘を始めるというのに。

そんな私の悩みを無視するように、薬を塗り終えて篭を持ち出してきた。中は布が掛けられている。彼女がその布を取ると、中には果物が沢山入っていた。その一つを取って私に差し出してくる。確かにお腹も減っていたところでもある。ゆっくり口を開けると舌の上に乗せてくれた。私は口を閉じて咀嚼すると、甘酸っぱくてなかなかに美味い。すぐに口を開けると、喜んで次の果物を口に入れてくれた。

一体この子はどこから来るのか……。ほぼ毎日と言っていいぐらいに私の所へ通って来るようになった。住みかが近いのか……いや、それにしてもフィールドより外から来るはずだ。同種達に遭遇する確率もハンターと違って体力的に劣る筈なのだ、なのにどうして……。

 お陰で少しずつ傷は癒えていき、動けるようになると魚を捕ってお礼に彼女に持たせていた。時折一緒に捕る事もある。魚が跳ねて服が水浸しになる事も……お互いに顔を見合わせて笑ったものだ。衣服を乾かすために薪が出来る訳でもないので脱いで乾かしている間、私は尻尾で彼女を巻き付け顔の傍に。彼女も嬉しそうに私の毛をモフモフしながらお昼寝するのだった……。

 そんな和やかな日々がどれくらい続いただろうか……。貴重な経験と時間を過ごしたと思う。分かれと言うものは突然訪れるもので、ある日私は彼女を背に乗せた。その嬉しそうな顔は今でも忘れない……。

 私は海に出てゆっくりと波の上を移動していた。かと言ってそんなに移動する訳でもなく、エリアの3へと移動してきた。彼女もそこに生えている木々の果物を取りたいと浜辺に上がり、彼女を降ろす。すぐに彼女も走って実がなっている方へと向かった。だが、その時私は私達だけと思っていた。同種が居ない事で警戒を解いていたのだ。完全に気配を消してそのエリアに潜んでいる者達が居たのだった……。一人が少女を羽交い絞めし、後方へと移動したのだ!少女が叫んで私の名前を呼んだ!私もその声に危険を感じて振り向くと3人のハンターが!

しまったここまで気付かなかったとは……なんて事だ!しかも、相手の大きな剣を持つハンターが剣を構えながらニヤリと笑った。

 私もこのハンターに見覚えがある。他の3人も……。そうだ、私に傷を負わせたハンター達だ。武器や防具の質や素材が違ってはいたが間違いない、彼らだ……。

これも後で分かった事だが倒しきれずに逃げられた事を根に持っていて、他のクエストをしつつも私の行方も探していたらしい。私にとっては忘れて欲しかったが。

 私は3人に気を配りながらも彼女の無事を確かめる。怪我はしていないようだ。抑えているのは弓矢使いのハンターか。ここは彼女を助けねば……。私は外側から回り込んで彼女に接近しようと試みる!しかし横からあのチャージアックスの使い手が身体を捻りながら武器をアックスに変形させて殴りかかって来た!私は首のあたりを殴られひっくり返ってしまう!

あ、頭がくらくらする!ぐっくそっ、お、起き上がれない!

 少女が悲痛の叫びをあげていた……。必死にもがいて私の所に来ようと暴れている……。あまりに暴れるので弓矢使いが何かを仲間に叫んで、隣のエリアに引きずるように移動してしまった……。彼女は最後まで私の名を懸命に叫んでいた。何故だ!傷を付けた訳ではないのに何故そこまで拒まれねばならないのか……!

 私は起き上がり、ハンター達を睨んだ!訳もなく襲って来るなど……いや、訳など無いのかもしれない……。そこまで私には考えうることが出来なかった。

ただ、この場に居る人間たちを引き離さなければ彼女を助けるどころか私が倒される……その直感に従って……。

 私は身体をしならせ、力を溜めて尻尾を横殴りにはたき込む!一人が交わすことが出来ずに飛ばされて木に激突していた。逆に後の2人がアックスと大剣でもって攻撃してきた!脚や胴体に傷を負わされる。折角癒えたと思っていたのに又もや傷を負わされるとは……。泡を放って距離をとるが、太刀使いに急接近されてダメージを喰らわされる!私は激痛に身をよじって倒れ込む……。身体を起こそうともがいているうちに他の2人も攻撃に加わって来る!

 私は更に水圧ブレスを横に扇状に放っていた。しかし、大剣持ちは剣でガードを。アックス持ちは、剣と盾に切り換えて盾で防御していた。戦い慣れているようだ、攻防をうまく使い分けている。これがハンターか……。

しかし、私もやられる訳にはいかない。連続で泡を放ち、それと同時に体当たりを仕掛ける!今度は大剣持ちとアックス持ちの体が宙を舞っていた。だが太刀を持ったハンターがジャンプしてかわし、上から太刀を降り下ろしてきた!

ガッ!!右前足の肩を斬られ、血が噴き出す!私も激痛に叫び声をあげていた!それを逃すまいと、他のハンター達も私の至る所を攻撃してくる……。

私はその苦痛と激痛に堪える事しか出来なかった……。すると突然そのハンター達に雷が突き抜ける!今度はハンター達が倒れる事になった。突然の横槍にハンター達も驚きを隠せない、そこには同種の姿があった……。全体に青色の体躯で、翼や体毛はない。4本の四肢で、泳ぎが得意。強烈なのは雷を纏っていること……。

ハンター達の間ではラギアクルスと呼ばれるらしい。ハンター達はもう1頭の同種の出現に慌てふためき、反撃しようにも思うように立ち回れなかったようだ。私はハンター達がラギアクルスに気を取られている内に、海の中へと移動しようとしたが、かなりの傷を負ってしまい動く事が出来ず、出血もあり気を失ってしまった。その後の事は私の記憶にはなかった……。

………………………ん……私は……助かった……のか……?ゆっくり目を開けると、そこは洞窟の中でその内の3分の1は水溜まり。天井は光ゴケが明かりを灯し、無数のクリスタルによってその光が反射し、地面を照らし出していた。

ここは………ラギアクルスが引っ張ってきてくれたのだろうか……。何日眠っていたのだろう、すっかりあれほど傷を負わされたにも関わらず、完治している……。私は起き上がり、水溜まりで水分を取った。喉の渇きを潤すには十分な事だった。顔を更に水溜まりに埋めると、どうやら抜け道があるようだ。ここから連れて来られたのだと理解した。

ラギアクルスは来るのだろうか……、あの子はどうなったのか……、ハンター達も無傷では済むまい……何も分からないまま、ラギアクルスが来るのを待った。

しかし、数日が過ぎたであろう長い時間が退屈を増加する。来ない…………。さすがにおかしい………。

私は意を決して、水溜まりに潜った。その水洞を抜けていく。やがて海の中へと出る事が出来た。水面から少し顔を出すと、近くに陸が見えた。浜辺があり木々があってその奥側は岩の壁……。そう、私があの子を助けようとハンターに傷を負わされた場所……、ラギアクルスに助けられてなければそのまま討伐されていたであろう場所……。密林のエリア3の場所だ………。あの子はどうなったのか……あの後の行方も分からないので、探す宛もなく……。私は泳いで、その隣のエリア10の裏側……そう、あの子と出会った場所に行くことにした。多少期待していた分もあった、もしかしたら来てるのではないかと……。

しかし、以前のように浜辺があるだけで、その姿は見当たらなかった………。その喪失感もあり、浜辺に上がり身体を丸めて休む事にした。これからどうするかは起きてから……と自分に言い聞かせながら。

……………ん!?誰だ?私の身体を触るのは?

人間の気配がする、だが敵意は無さそうだ。あの子とは違い、手の感触は大きい。薄く目を開けると、そこにはストレートのロングヘアーで綺麗な女性のハンターが。う~んまずいか、今下手に動くとかえって傷を負いそうだ。私は気付かれぬように顔を近付けた。

よく見ると、防具は勿論装着しているが武器をわざわざ地面に置いている。その時、女性ハンターも気が付いてこちらを振り向いた。暫くお互いが目を合わせる……。

!?ま、まさか……い、いや、確かに面影が………そんな………。そんな私の驚きを無視して、彼女がポロポロと涙を流して泣き出した。そうなのか?本当にあの子なのか……、だとしたら私は何日間ではなく、数年間眠っていたのか……。なんと言うことか、こうして再会できるとは……。私も嬉しさか、自然と涙を流していた。彼女はそれに気付いて私の顔にそっと手を回してきた。私も前足と尻尾で彼女を包み込んだ。優しく暖かい感触に私は満たされたのだった……。これも後で聞いた事だが、あのハンター達はかなりの傷を負って、メンバーはバラバラになったそうだ。大剣持ちとチャージアックス持ちが、私の行方をまだ探していたそうだが、大剣持ちが重症を負ってハンター業を引退し、諦めたのだそうだ……。彼女も私に会いたいと修行を積み、ハンターになって探していたんだとか……。だが、こうして再会出来たのだ、今度は離さない……ずっと……ずっと……いつまでも……………………。

 




読了ありがとうございました。いかがでしたでしょうか?まだまだ至らない点もあるかと思いますが、精進していきますのでこれかもお付き合いの程よろしくお願いします。
紅龍騎神でした……♪♪

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