私は高校生探……コホン、『普通の』女子高生の中川菜々。

家族に隠れてネットサーフィンして
黒ずくめのスクールアイドルの怪しげなライブを目撃した。

ライブを見るのに夢中になっていた私は、
心のうち底から湧いてくる大好きな気持ちに気づいてしまった。

私はスクールアイドルに魅せられ、目が覚めたら・・・




スクールアイドルになっていた!

中川菜々がスクールアイドルだと家族にバレたらまたヲタ禁され、私の高校生活に危害が及ぶ。

熟慮の末正体を隠すことにした私は、会場使用申請書類のサインを求められ、とっさに「優木せつ菜」と名乗り、

大好きでいっぱいの世界をつかむ為に、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を設立した。




たった一度の高校生活!普段は会長、頭はアイドル、その名は、優木せつ菜!


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はい、タイトルでお察しの通り、名探偵コナンのパロです(汗)

名探偵コナンを全く知らなくても楽しめるようにしたつもりなので、コナン好きな方も、そうでない方も、ゆる〜くお楽しみくださいませ。


真実はいつも1つ!?

真実はいつも1つ!?

 

 

 

 

 

 

〜生徒会室〜

 

 

 

菜々「はあ〜……。」ボー…

 

 

副会長「ベタなため息なんかついちゃって……構って欲しいんですか?」

 

 

菜々「え?あ、いや別にそう言うわけでは……。」アタフタ

 

 

副会長「……。」ジー

 

 

菜々「……。」ダラダラ

 

 

副会長「……悩み事。」

 

 

菜々「……!」ピク

 

 

副会長「……はあ。ほんと、わかりやすいですね。」

 

 

菜々「ええ!?なんでわかってしまうんですか、もしかして副会長さん……エスパー!?」

 

 

副会長「占い師と同じ手口ですよ。悩みが無い人間なんかいませんし。」

 

 

菜々「なるほど!」

 

 

副会長「……で、それは私がお力になれるお悩みですか?」

 

 

菜々「ええっと、それは……。」

 

 

副会長「私では役不足、と。」

 

 

菜々「い、いや!?決してそんな訳では……!?」アタフタ

 

 

副会長「……すみません、少し意地悪が過ぎましたね♪」

 

 

菜々「ええ〜……。」

 

 

副会長「さて……と。私はこれから用事があるので、失礼しますね。」

 

 

菜々「あ、はい!お疲れ様です。」

 

 

副会長「会長も、お疲れの出ませんように。」コッ…コッ…

 

 

 

 

ドア「ガチャ………。」ガチャ…

 

 

 

 

菜々「とても、スクールアイドル同好会の悩みなんて、言えませんよね……。」ハア…

 

 

 

 

 

 

 

♪♪ ♪ ♪♪ ♪♪ ♪ ♪♪ ♪♪ ♪ ♪♪♪♪♪♪♪(例のテーマ曲)

 

 

 

 

私は高校生探……コホン、『普通の』女子高生の中川菜々。

 

家族に隠れてネットサーフィンして

黒ずくめのスクールアイドルの怪しげなライブを目撃した。

 

ライブを見るのに夢中になっていた私は、

心のうち底から湧いてくる大好きな気持ちに気づいてしまった。

 

私はスクールアイドルに魅せられ、目が覚めたら・・・

 

 

 

 

スクールアイドルになっていた!

 

中川菜々がスクールアイドルだと家族にバレたらまたヲタ禁され、私の高校生活に危害が及ぶ。

 

熟慮の末正体を隠すことにした私は、会場使用申請書類のサインを求められ、とっさに「優木せつ菜」と名乗り、

 

大好きでいっぱいの世界をつかむ為に、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を設立した。

 

 

 

 

たった一度の高校生活!普段は会長、頭はアイドル、その名は、優木せつ菜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜虹ヶ咲学園、学食〜

 

 

 

 

学生s「ワイワイ」ワイワイ

 

 

 

 

菜々(しまった……今日は副会長さんがいないから、1人……!?)

 

 

菜々(どうする、菜々……!)キョロキョロ

 

 

 

 

しずくエマ「ワイワイ」ワイワイ

 

 

 

 

菜々(知り合い……いたぁぁ〜♪)キラキラ

 

 

菜々「しずくさん、エマさ……

 

 

菜々(はっ!?今の私は中川菜々……!今の姿で、学年も学科も違う2人とお昼を共にするのは不自然……だめだ!!)サッ…

 

 

 

 

しずくエマ「?」クルッ

 

 

 

 

シ~ン……

 

 

 

 

しずく「あれ?今せつ菜さんの声がしたような……?」

 

 

エマ「しずくちゃんも?私も、せつ菜ちゃんに呼ばれた気がしたんだ〜。」

 

 

 

 

菜々(危うく、学食じゅうの皆さんに正体がバレるところでした……。もっと気をつけないと!)モノカゲ

 

 

 

 

エマ「気のせい……?ま、いっか♪」

 

 

しずく「ズォォオッ……!」タンタンメン

 

 

 

 

菜々(今のうちに移動しないと……。)ソロ~

 

 

 

 

エマ「しずくちゃん、本当に坦々麺好きだね。」

 

 

しずく「はっ!?すみません、坦々麺を食べているとつい『人が変わった』ように、

 

 

 

 

物音「ガタ……!!」ガタ…!!

 

 

 

 

しずく「はしたなく……ん?」

 

 

エマ「どうしたの?」キョトン

 

 

しずく「あ、いや気のせいでした。」

 

 

 

 

菜々(見つかったかと思いました……!!)ドキドキ

 

 

 

 

しずくエマ「ワイワイ」ワイワイ

 

 

 

 

菜々(よし、今度こそ……)ソロ~リ

 

 

 

 

エマ「いいよいいよ〜♪麺を啜るのは日本の人のショクニンゲンだから。」

 

 

しずく「それを言うなら『職人芸』ですよ……。人間は食べちゃだめです!」

 

 

エマ「これは失敬。……フフ♪」

 

 

 

 

菜々(よおぉぉし!もう少しで外に……!)

 

 

 

 

しずく「エマさん?」

 

 

エマ「え?ごめんごめん、好きなものに夢中になってるところをみると、なんだか「せつ菜ちゃん』みたいだな〜って。」

 

 

 

 

物音「ガタガタ……!!」ガタガタ…!!

 

 

 

 

エマ(……ん?)

 

 

しずく「そうでしょうか……?」

 

 

エマ「うんうん♪しずくちゃんのそう言うところも、大好きだよ〜♪」

 

 

しずく「『なな』、何をいうんですか//////」

 

 

 

 

物音「ガタガタガタ……!!」ガタガタガタ…!!

 

 

 

 

エマ「やっぱり、何か居る……?」

 

 

しずく「エマさんも感じてましたか。」

 

 

 

 

菜々(き、気付かれた〜!?)アタフタ

 

 

 

 

しずく「ちょっと、見てきますね。」ガタ…

 

 

 

 

菜々(詰んだ……。これだけの人の前で私が2人といる所を見られれば、きっと私の正体に

気付く人もいるでしょう……ハハ。)メガネペカー

 

 

 

 

しずく「あの〜、誰かいるんですか〜?」テクテク

 

 

 

 

菜々(終わった……。)メガネペカー

 

 

 

 

???「……。」コッ…コッ…

 

 

 

 

菜々(え……この足音は!?)

 

 

 

 

副会長「すみません、靴紐が解けてつまずいてしまいました。」

 

 

しずく「そう、ですか……。お怪我はありませんでしたか?えっと……。」

 

 

副会長「副会長です。お気遣いありがとうございます、桜坂しずくさん♪」

 

 

しずく「どうして、私の名前……。」

 

 

副会長「生徒会長の側近たるもの、当然、全生徒の名前を覚えているものです。」キリッ

 

 

しずく「すごい……!?」

 

 

副会長「では私はこれで。桜坂さんも、あまりお連れを待たせてはいけませんよ♪」

 

 

しずく「そうでした!私も失礼しますね。」スタスタ

 

 

 

 

菜々(たす、かった……?)モノカゲ

 

 

 

 

副会長「生徒会長ともあろうお方が、どうしてそんな所でうずくまっているんですか?」

 

 

菜々「あ……。えっと、靴ひもが解けてつまづいてしまいました!」

 

 

副会長「へえ……ローファーで、ですか?」

 

 

菜々「あ!いや、これは!?」アタフタ

 

 

副会長「まあいいです。お昼、ご一緒しても?」

 

 

菜々「はい♪」ペカー

 

 

副会長(その顔は、ずるい……///)コッ…コッ…

 

 

菜々(この足音……副会長さんもローファー。解けるような靴紐なんてどこにも……もしかして副会長さん、私のことを助けてくれた……?)カッ…カッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜別の日、スクールアイドル同好会、部室〜

 

 

 

 

せつ菜「すみません、生徒会室に忘れ物をしてしまったので取ってきます!」タタタ

 

 

愛「オッケー、愛さん達先外行ってるから〜!」

 

 

 

 

ドア「ガチャ……。」ガチャ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜廊下〜

 

 

 

 

璃奈「うわわ!?」

 

 

せつ菜「ああ、璃奈さんすみません!先を急ぎますので〜!」ピュ~

 

 

 

 

 

 

 

 

〜スクールアイドル同好会、部室〜

 

 

 

 

ドア「ガチャ……。」ガチャ…

 

 

 

 

愛「お!りなりーおっつー♪」

 

 

璃奈「おはよう愛さん。……せつ菜さん、とても急いでたみたいだけど、どうしたの?」

 

 

愛「あ〜、確か生徒会室に忘れ物を取りに行くって言ってたよ。」

 

 

璃奈「生徒会室に向かったの……!?」

 

 

愛「へ?」

 

 

璃奈「せつ菜さんの、まま……?」

 

 

愛「あ……。で、でもまあすぐだろうし……。」

 

 

璃奈「愛さんは先に練習してて!」ダッ

 

 

愛「もう、心配性だな〜。」アハハ

 

 

 

 

「・・・・・・。」

 

 

 

 

メモ[先に始めてて 愛]

 

 

 

 

愛「……。」タッタッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜生徒会室〜

 

 

 

 

せつ菜「確かあれは……あった!」

 

 

 

 

コッ…コッ…

 

 

 

 

せつ菜(この足音は……)

 

 

 

 

ドア「ガチャ……。」ガチャ…

 

 

 

 

せつ菜「あ、副会長さん!」

 

 

せつ菜「お疲れ様で」クルッ

 

 

 

 

副会長「優木せつ菜ちゃん……?」ポカーン…

 

 

 

 

せつ菜(しまった!?今の私は、『優木せつ菜』だった……!?)

 

 

副会長「あれ?どうしてせつ菜ちゃんが会長の引き出しを……?」キョトン

 

 

せつ菜(しまった〜〜!?)ギクゥ…⁉︎

 

 

副会長「その鍵は会長しか持っていないはず……。」ムムム

 

 

せつ菜「あ、預かったんです!生徒会長さんから!」

 

 

副会長「今までそんなこと、ただの一度も無かったのに……?」

 

 

せつ菜(こここ、これは不味い……!?)ダラダラ

 

 

副会長「ん?もしかして……いや、そんなはずは……。」ジー…

 

 

せつ菜(なんかすんごい疑われてるぅぅ!?)

 

 

 

 

ドア「……キィ…」……キィ…

 

???「……!」シュバッ!

 

 

 

 

副会長「そういえば背格好も……。」ジー…

 

 

せつ菜「……。」ダラダラ

 

 

副会長「せつ菜ちゃん、つかぬことを聞きますが、あなたは…………会長、ですか?」

 

 

せつ菜(いきなり核心ついてきたぁぁあ!!??)ギャァァア⁉︎

 

 

 

 

璃奈(よし、潜入成功!状況は……かなり不味いみたい。)モノカゲ

 

 

 

 

副会長「そこに何があるのかはわかりませんが……生徒会長は決して他人にその引き出しを触らせない。……私にさえも。」

 

 

せつ菜「そ、それは……!?」ウ…

 

 

副会長「それに、あなたは優木せつ菜ちゃんであって、会長ではないんですよね?」

 

 

せつ菜「はいッ!!!」コクコク

 

 

副会長「だったら、あなたは会長から鍵を奪って盗みを働いたことになる!」

 

 

 

 

璃奈(なるほど……なら、生徒会長がせつ菜さんに鍵を預けた記録を、せつ菜さんっぽい字で……!)カキカキ モノカゲ

 

 

 

 

せつ菜「そんなことありませんよ!?」

 

 

副会長「……そう、そんなこと『あり得ない』んですよ。優木せつ菜ちゃんは盗みを働くような人間ではありませんからねえ!!」

 

 

せつ菜「ありがとうございますッ!?」

 

 

 

 

璃奈(よし!あとは……このリボン型遠隔変声機と、この子で……!)チチチ… モノカゲ

 

 

 

 

副会長「会長はその鍵を決して他人に預けない……優木せつ菜ちゃんは決して盗みを働かない……これを両立させるには!あなたが会長である以外にあり得ないんです!!」ビシッ!

 

 

せつ菜「ええ〜!?」

 

 

 

 

???『それは違うんじゃないかなあ?』

 

 

 

 

副会長せつ菜「!?」

 

 

 

 

副会長「誰ですか!?くっ……姿を現しなさい!!」キョロキョロ

 

 

???『いや、あの、いるんだけど……。』

 

 

せつ菜「……ん?」

 

 

副会長「嘘をつかないでください!卑怯者!!」キョロキョロ

 

 

???『その……もう少し、下の方。』

 

 

 

副会長「下?…………あ。」

 

 

???『やっと見つけて貰えた……。』

 

 

せつ菜「あ、あなたは……!」ウルウル

 

 

副会長「ネコが喋った!?一体何者なんですか!?」

 

 

 

 

アラン『私?…………中川アラン、探偵さ。』キリッ

 

 

 

 

副会長「探偵……そうだ、『それは違う』ってどういうことですか?」

 

 

せつ菜(順応早いな〜)

 

 

アラン『せつ菜ちゃんは、生徒会長……中川菜々ちゃんから鍵を預かったって言ったよね?』

 

 

副会長「だから、そんなことは決してあり得ないんです!あの人が引き出しの鍵を他人に渡すなんて……!!」

 

 

アラン『それがあり得たんだよ。』

 

 

副会長「なんでそんなこと……証拠でもあるんですか!?」

 

 

アラン『あるよ?』

 

 

副会長せつ菜「なっ!?」

 

 

アラン『菜々ちゃんの机の下、よく見てみて。』

 

 

副会長「机の下なんて見ても何も……ん?これは!?」

 

 

せつ菜「メモ……。」

 

 

アラン『副会長さん。そのメモ、なんで書いてある?』

 

 

副会長「えっと……『私の机 右、上から2番目の引き出し USB』と書いて、あります……。」

 

 

アラン『そう。そして生徒会室の机には役職の立て札があるから、このメモを見れば、初めてここに来た人でも迷わずにブツを探し出せるってわけさ。ね?せつ菜ちゃん。』

 

 

せつ菜「そ、そうなんです!わかりやすいメモで助かりました!」

 

 

副会長「なるほど……そんなメモまで書いたんだから、鍵を渡しても不自然ではない、と。確かに筋は通っていますね……。」

 

 

アラン『ね?だから菜々ちゃんがせつ菜ちゃんに届けものを頼んだのは本当だし、菜々ちゃんとせつ菜ちゃんが同一人物なんてことあり得ないってわけさ。』

 

 

せつ菜「そうです!私はせつ菜……優木せつ菜です♪」ペカー

 

 

 

 

 

 

 

〜回想だよ〜

 

 

 

 

副会長「まあいいです。お昼、ご一緒しても?」

 

 

菜々「はい♪」ペカー

 

 

副会長(その顔は、ずるい……///)コッ…コッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

〜回想終わりだよ〜

 

 

 

 

副会長「……!?」

 

 

せつ菜「……副会長さん?」

 

 

副会長「そうだ……あの時の。私が惹かれた、あのお日様のような笑顔は唯一無二なんだ……。」ブツブツ

 

 

せつ菜「え、ええ!?」//////

 

 

アラン『……。』

 

 

 

 

副会長「……だったら、どうしてせつ菜ちゃんは、私が生徒会室に入ったとき、振り向く前に私が『副会長さん』だとわかったんですか?」

 

 

せつ菜「ああ、それは……、!?」

 

 

副会長「……。」ニヤリ

 

 

 

 

璃奈(この流れは不味い!?なにか、この状況を打開するようなものは……!?)キョロキョロ モノカゲ

 

 

 

 

せつ菜(しまった!?本当のことを言ったら、アウトだ!?)

 

 

副会長「あれれ〜?おかしいぞ〜??……なんてね♪」ニコ

 

 

せつ菜「!?」

 

 

アラン『……。』

 

 

 

 

璃奈(……ん?副会長さんの机だけ……。なるほど、そういうことか)ニヤリ

 

 

 

 

副会長「本人が言い淀むなんて、まるで……『私のことをよく知る人物でもないと判別できないような、些細な点』で判断なさったみたいですねえ?」

 

 

せつ菜(扉の前の足音で判別したのが、バレてる……!?)

 

 

副会長「優木せつ菜ちゃんと、こうして直接言葉を交わしたのは初めてなのに、おかしいですねぇ……♪」ニヤリ

 

 

アラン『おかしくないよ?』

 

 

副会長「くっ、またしても……!!」

 

 

アラン『たぶん……いや絶対。居合わせたのが私でもわかっちゃうと思うよ?』

 

 

副会長「なんでそんなことが!……私が来たとき、せつ菜ちゃんは入り口に背を向けていたし、せつ菜ちゃんの方が先に言葉を発したんですよ!?それに、鏡だって入り口は死角になっています!!」

 

 

アラン『副会長さんが見える必要なんてないんだよ。』

 

 

副会長「なら、一体全体どうして!初対面の人間が、姿も見えない私のことを判別できるんですか!?」

 

 

アラン『それは……せつ菜ちゃんに教えてもらおうか?』

 

 

せつ菜「え!?私ですか……?」

 

 

副会長「確かに……本人が説明できれば、それが何よりの証拠になりますからね。」

 

 

せつ菜(いやいやいやいや!?私何も思いつきませんよ!?璃奈さん、一体どういうつもりなんですか〜!?)

 

 

副会長「……さあせつ菜ちゃん!あなたが会長でないというのなら、顔も見ず声も聞かずに、初対面の私を判別したトリックを説明してもらいましょうか!!」

 

 

せつ菜(ええ〜!?………ん?)

 

 

 

 

璃奈「……。」コレト、コレト…

 

 

 

 

せつ菜(璃奈さん?……そうか、上手いこと副会長さんの死角で指示を……!指を差しているのは、書記の右月さんと、左月さんの机……?)

 

 

 

 

璃奈「……。」コレダヨ

 

 

 

 

せつ菜(それと、副会長さんの机……?)

 

 

 

 

璃奈「……、!」コレコレ

 

 

 

 

せつ菜(ジェスチャーで囲っているのは、副会長さんの荷物……なるほど、そういうことですか!)ニヤリ

 

 

副会長「沈黙は、あなたが会長であることを肯定してしまいますが?」

 

 

せつ菜「……フフ。」

 

 

副会長「何がおかしいんですか。」

 

 

せつ菜「こんな簡単なトリックもわからないとは、副会長さん……あなたよっぽど平常心を失っておられる様ですね?それほど私に会えたことを喜んで頂けるとは、身に余る光栄です♪」ペカー

 

 

副会長「な……///、だ、騙されませんよ!?さあ、説明して頂きましょうか!!」

 

 

 

 

 

 

 

せつ菜「はい。まずは、書記の右月さんと左月さんの机を見てください。」

 

 

副会長「そんなところ見ても……何もありませんよ?」

 

 

せつ菜「そう……『何もない』んですよ。」

 

 

副会長「一体何が言いたいんですか……!」

 

 

せつ菜「次に、副会長。あなたの机を見てください。」

 

 

副会長「そんなところ見たって何も……!」クルッ

 

 

せつ菜「……本当に?」

 

 

副会長「さっきから、何が言いたいんですか!」

 

せつ菜「右月さんと左月さんの机にはなかったものがあるじゃないですか。」

 

 

 

 

璃奈(いいぞ〜、せつ菜さん!その調子……!)モノカゲ

 

 

 

 

副会長「そんなもの……、!?」

 

 

せつ菜「お気づきのようですね。……そう!あなたの机にだけ、あなたの荷物が置いてあるんですよ。」

 

 

副会長「ば、バカな……!?それだけで!?」

 

 

せつ菜「それに、右月さんと左月さん……そして菜々さんも。立て札の向きを変えて、自分たちが非番であることを示していますね。」

 

 

副会長「そ、それは……!?」

 

 

せつ菜「副会長さん。あなたの机の立て札だけ向きが違い、荷物まで机上にあるならば!……ここに来る可能性があるのは副会長さん!あなただけなんですよ……!」

 

 

副会長「そ、そんな……。」ガクッ

 

 

せつ菜「これが、私があなたを視認する前にあなたの名前を呼んだ事の顛末です。納得頂けたでしょうか……!」

 

 

副会長「……はい。」ガクッ

 

 

せつ菜「副会長さん……。」

 

 

 

 

 

 

副会長「……ごめんなさい。せつ菜ちゃ……優木さん。私、あなたにとんでもない無礼を……。私はファン、失格です……。」ウナダレ

 

 

 

 

せつ菜「……そんなことありませんよ。」

 

 

 

 

副会長「……へ?」

 

 

せつ菜「副会長さん。あなたは私が『盗みを働くような人間ではない』と言ってくれました。私のことを疑ったのも、すべて私をお慕いしてくださっているご厚意からきたものでした。」

 

 

副会長「それは……。」

 

 

せつ菜「だから、私……動揺しましたけど、それと同時に……とっても、とっても嬉しかったんですよ……♪」ニコ

 

 

副会長「優木さん……。」

 

 

せつ菜「だから、また……また、『せつ菜ちゃん』って呼んでくれませんか?」

 

 

副会長「なんで……なんで、そんなに優しいんですか……!私は、あなたにとんでもない無礼を働いたのに……!とても許されることじゃないのに……!!」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

せつ菜「なら、1つ。1つだけ、あなたに罰を課しましょう。」

 

 

副会長「……。」ウツムキ

 

 

せつ菜「……『あなた』ではなく「せつ菜ちゃん』と呼びなさい。そして、これからも私のファンでい続けなさい。……これは罰です。あなたに拒否権はありません。」

 

 

副会長「……!!??」エ!?

 

 

せつ菜「……返事は?」

 

 

副会長「はい!………………せつ菜ちゃん!」ポロポロ

 

 

 

 

 

璃奈(真実はいつも1つ♪……まあ、迷宮入りしたけど。)モノカゲ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

副会長「あれ?そういえばアランちゃんは?」キョロキョロ

 

 

せつ菜「ま、まあ……その、どこかに行ってしまったようですね。」アハハ…

 

 

副会長「……ありがとう、小さな探偵さん。」

 

 

せつ菜「ええ。本当に……。」

 

 

 

副会長「……あ、そうだ!会長にUSB届けるんでしたよね!?私、行ってきます!」

 

 

 

 

せつ菜璃奈「え"!?」ギクゥ⁉︎

 

 

 

 

副会長「届けものついでに、せつ菜ちゃんの素晴らしさを布教してきます!さあ!USBを!!」グイグイ

 

 

璃奈(どど、どうしよう!?アランはもう使えない雰囲気だし……)アタフタ モノカゲ

 

 

せつ菜「あ、いや……悪いですよ。もとは私が頼まれたことですし……。」タジ…

 

 

副会長「いえ!こんなお使い、せつ菜ちゃんのお手を煩わせるまでもありません!それに、せつ菜ちゃんを手足のように使いぱしった会長に文句の1つでも言ってやらないと!!」

 

 

せつ菜「いやいや、悪いですよ!」

 

 

いやいや!

 

イヤイヤ!

 

 

 

 

ドア「ガチャ……。」ガチャ…

 

 

 

 

愛「失礼しま〜す!」ヤッホ

 

 

せつ菜「愛さん!?」

 

 

副会長「情報処理学科2年の宮下愛さんですね?生徒会にはどのような御用でしょうか?」キリッ

 

 

愛「お!愛さんもしかして有名人?いや〜生徒会じゃなくて、せっつーに伝言。」テクテク

 

 

 

 

璃奈(なんでわざわざ2人より奥に……?)モノカゲ

 

 

 

 

副会長「せっつー?」

 

 

せつ菜「私の愛称だそうです!」

 

 

愛「愛、だけに☆なんつって!」アイコンタクト

 

 

 

 

璃奈(愛さん、私を外に出す為に……!?ありがとう!)シュバッ!

 

 

ドア「……キィ…」……キィ…

 

 

 

 

せつ菜「それで、伝言とは?」

 

 

愛「ここに来る途中で生徒会長さんと会ってさ。」

 

 

せつ菜「え……?」

 

 

愛「やっぱりUSBは今度で良いって。鍵は引き出しに入れといてくれれば良いって言ってたよ!」

 

 

せつ菜「はい、ありがとうございます……。」

 

 

副会長「……、」ピクピク

 

 

せつ菜(愛さん、助けてくれたんですね……。ありがとうございます♪)

 

 

副会長「会長、あなたという人は……、」ワナワナ

 

 

せつ菜「副会長さん!?」ビクゥ!?

 

 

愛「あ、愛さんの用はそれだけだから!そんじゃ!」シュバッ

 

 

 

 

ドア「ガチャ……。」ガチャ…

 

 

 

 

副会長「会長……せつ菜ちゃんだけに飽き足らず、スクールアイドル同好会を手足のようにこき使うなんて……!!」ワナワナ

 

 

せつ菜「いや、決してそんなつもりでは!」

 

 

副会長「あんな人庇うことなんてありませんよ!!……あんの、おバカいちょ〜〜!!」ドッカーン!

 

 

 

 

フクカイチョウサン!?、オチツイテクダサ~~イ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜スクールアイドル同好会、部室〜

 

 

 

 

璃奈「愛さん、ありがとう。私だけじゃあの場は収まらなかった。とても助かった。」

 

 

愛「いいよいいよ!名探偵アランの推理ショー、面白かったし♪」ニシシ

 

 

璃奈「じゃあ、結構前から聞いてたの?」

 

 

愛「そだよ♪」

 

 

璃奈「だったら、もっと早く入ってくればよかったのに……。」

 

 

愛「いや〜……ほら、Seeing is believing!『見ることは信じること』って言うじゃん?りなりーの名探偵っぷり、カッコ良かったよ♪」ニシシ

 

 

璃奈「たった一つの真実隠す、迷宮入りの迷探偵、だけどね。」

 

 

 

 

アハハ♪

 

 

 

 

〜FIN〜

 



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