20歳になった高海千歌、渡辺曜の二人。
環境が変わった彼女たちは、ある日、あの頃のように二人で集まることに。
しかし、千歌はなにかにチャレンジしようとしていた......

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14898821
の無編集引用です。こっちの方が読みやすいかもです

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ようちか泥酔チャレンジ(Pixiv引用版)

[chapter:プロローグ]

 

Aqoursとして、あの9人で活動した日々から4年後のこと。

 

いつもと、以前と変わらぬ平穏な空気が流れる静岡県沼津市に、“どこにでもいる特別な女の子”が住んでいる。

 

日も落ちかけた夕方。沼津港の近辺にある大きめの家のベランダに、眼鏡をかけたくせっ毛ショートカットの女の子が現れた。

 

水色のTシャツ、青のフード付きアウター、もも丈のスカートという比較的ラフな格好。というのも今はまだ8月中旬の夏。アウターまで羽織る必要があるかというと、正直暑い。しかし、彼女には少し着飾る理由があった。

 

「......千歌ちゃんまだかな」

 

ベランダの手すりによしかかってボヤく。彼女こそ、あの日、今は統廃合で無くなった、かの浦の星女学院で活躍した、Aqoursのメンバー、“渡辺 曜”だ。

 

顔立ちは少し大人びたようで、それでいて彼女らしさがそのままの、大学生の曜。

 

曜は携帯を取り出すと、“千歌ちゃん”とのメッセージ履歴を確認する。しかし、既読に伊豆・三津シーパラダイスのマスコット、うちっちーのスタンプを重ねて終わったまま、30分も音沙汰がない。

 

はぁ、とひとつ寂しそうにため息をついたその時、突然曜の見ていた方向の反対からプップ!とクラクションの音が鳴る。

 

「ん!来た!?」

 

曜はバッ!と急いで身を取り出すと、そこにはオレンジの軽自動車が停車していた。

 

「千歌ちゃん!!」

 

高揚して叫ぶ曜。すると、車は窓を開け、腕を突き出して手を振り、オレンジがかった髪の女の子が元気に叫んだ。

 

「曜ちゃーーーん!!!おまたせーー!!」

 

その声を聞いた曜は、ぱぁっと表情が明るくなると、一瞬手を振り返して「今迎えに行くー!」と叫んで室内に戻り、玄関まで風のように走り抜けた。

 

サンダルを蹴りつけるように履くと、急いで玄関のドアを開ける。

 

すると、家の敷地に駐車し、今まさに車から出て来た女の子を見つけ、そのままロケットのように走った。

 

ダッダッダ!!と強烈に地面を蹴る音に驚いて振り向く彼女に、曜は構わず抱きついた。

 

「千歌ちゃん!!」「うわ!ぶえっ!!」

 

Aqoursのメンバー、かの“高海 千歌”。彼女も幼顔ながら少し成長し、どこかしっかりした、大人びたような雰囲気を持つようになっている。

 

千歌はまんざらでもないような困り顔で、曜の背中にぽんぽんと手を当て、「曜ちゃんくるしーよ!一旦終わり!終わり!」と言って、ハグタイムを終了させた。

 

千歌はオーバーサイズのオレンジシャツと、デニムのショートパンツ姿。力の抜けた、ラフな格好だ。

 

「ごめんね!つい嬉しくて......」

 

「あはは、曜ちゃん、ちょっと帰らなかった時のしいたけみたいに喜んでくれるから、私も凄く嬉しい!

それじゃ、曜ちゃんの部屋いこっか!......よいしょ!」

 

千歌は後部座席からビニールの大袋を取り出して、両手に抱えた。

 

しかし、曜はその袋を奪うように持ち上げ、荷物を引き受ける。

 

「私が持つよ!」

 

「あーっ!またそうやってイケメンムーブして!ふふふ、でも読みが甘いよ〜曜ちゃん!」

 

そう言って千歌はトテトテと車の後ろに回り込み、トランクを開ける。

 

すると、みかんの沢山入ったダンボール箱が姿を現した。

 

そして、それを持ち上げると、トランクを閉めてキリッとした顔で曜に向き直る。

 

「よいしょ!それじゃ、行こっか!!」

 

「......やっぱり千歌ちゃんはみかん、似合うね」

 

「でしょ!!私といえば、みかん!!」

 

ドヤ顔を披露する千歌。曜はあえてそのまま大袋だけを持って先導し、ケラケラと笑いながら二人は家へ入っていった。

 

[newpage]

 

[chapter:20歳のようちか]

 

曜と千歌、2人は階段を駆け上がると、曜の部屋に入る。

 

曜が何を言うでもなく、千歌はリュックサックを置き、中心に置かれた丸いテーブルの前でぐでっと仰向けでくつろぎ始めた。

 

「ふあーっ!......曜ちゃんち!!!曜ちゃんの部屋!!!落ち着くー!」

 

「えへへ、大丈夫かな、変な匂いしない?」

 

「大丈夫!!大人になった曜ちゃんの匂い!!!」

 

はにかむ曜だが、気にせず千歌は幸せそうな顔で深呼吸する。

 

曜は千歌が持ってきた大袋を一旦テーブルの上に置き、話しながら中の缶を特に何か確認せずに並べはじめた。

 

「いやー、でも久しぶりだよね。去年までしょっちゅう遊んでたけど、最近は色んな活動とか、資格勉強とかで忙しくなってさ、千歌ちゃんも私も全然時間取れなかったもんね」

 

「そうだよ〜。私だって着付けとか、お・も・て・な・し!とかなんか食品衛生とかなんか色々やんなきゃいけないもん。

旅館継ぐっていっても、手伝いしてるだけじゃ継げないもんだね〜」

 

千歌はぐるりと半回転して体を起こし、テーブルに肘を乗せて曜と向き合った。

 

「曜ちゃんも、勉強がんばってるもんね!船の!」

 

「そうだよ。憧れてるんだ〜。私も好きなことに向き合って、好きなことを仕事にして生きていきたいんだ。

操舵を握って、全速前進ヨーソロー!って、あの時みたいに、今度は船長になって叫ぶんだ〜。

あ、船長は握らないかな。

それじゃ、千歌ちゃんはずっと内浦にいるの?」

 

千歌はその質問に、キョトンと不思議そうな顔をしながら返した。

 

「え?そうだよ?

旅館はずっと続けるし、内浦はいい所だし。

だって......。

もうただの田舎なんかじゃないんだよ」

 

穏やかな笑顔を向ける千歌に、曜ははっと気付かされ、微笑む。

 

曜の笑顔に答えるように頷いて、千歌は意気揚々と語り出した。

 

「私たちがAqoursとして輝いた、思い出の場所。内浦は海も綺麗、空気も綺麗。そして何より、私がいる。Aqoursは解散してても、私が、高海千歌がずっと!内浦を盛り上げるんだよ......!」

 

「千歌ちゃん......あはは!そうだよね!内浦にはなんにも無いわけじゃない!

私たちも内浦なんだよね!そっか、地元に残るって、地元に私たちを残していくって事なんだね!」

 

曜はキラキラと目を光らせて笑うが、その様子を見て千歌は怪訝な顔でつぶやく。

 

「えっじゃあ曜ちゃん、もしかして、そのうち沼津からどこかに行っちゃうの......?」

 

「えっ?......そうだなぁ、私はね、船で沼津を盛り上げようかなぁ。Aqoursの渡辺 曜として!ずっと!」

 

曜は優しく千歌に笑いかけると、千歌もぱあっと明るくなり、同じように笑顔を向け、改めて言う。

 

「うん!私たちはずっとAqoursだよ!」

 

[newpage]

 

「......と、いうところで、本題にいこっか!曜ちゃん!」

 

千歌はキリッと眉を下げて曜を真っ直ぐ見つめる。

 

曜は突然の切り替わりにビクッと驚き、少し戸惑った様子で問いかけた。

 

「えっ!?な、なに?千歌ちゃん」

 

「これ!私たち、何歳になったんだっけ?」

 

「は、はたち!!......です!」

 

「そう!!!はたちだよ!!!!!」

 

千歌はテーブルの上の缶を一つ手に取ると、ドーン!と言わんばかりに曜の眼前に突き出した。

 

その缶のラベルを、曜は読み上げる。

 

「かしすおれんじ......おさけぇ!?!?」

 

「そうだよ!!私、高海千歌は今月、8月の1日に晴れてはたちになったんだよ!!

そして曜ちゃんは4月の17日!私より4ヶ月も先にオトナになってたの!!!

だから私ね、曜ちゃんと一緒に初めてのお酒を呑もうと思って持ってきたの!!

みかん味のお酒だから大丈夫だよね??曜ちゃんみかん好きだもんね?」

 

「わ、私を選んでくれて、こ、光栄であります......。

でもちょっと怖いかも......。私どんな酔い方するかわかんないし......。っていうか待って千歌ちゃん!今日は自分の車で来たんだよね!?一人で!」

 

明らかに取り乱す曜だが、千歌はずいっと顔を近づけて余裕そうな笑みを浮かべていた。

 

「大丈夫大丈夫!私今日は曜ちゃんの家に泊まるの!!ね、いいでしょ?明日もおやすみだよ!!」

 

「え、え!?わ、私な、ななにしちゃうかわからないし、わわわからないよ!?」

 

千歌の目を直視出来ず、きょろきょろと千歌の至る所へ目が泳ぐ曜だが、対する千歌は頭にハテナを浮かべて問いかけた。

 

「えー?大丈夫だよー。しまねえも、みとねえも酔ったときゲラゲラ楽しく笑ってるだけだったよ?

私も曜ちゃんと楽しい思い出つくりたいなー」

 

戸惑って赤面する曜だが、深呼吸して気を抑え、冷静を繕った笑顔で向き直った。

 

「わかったであります......!初のお酒デビューも、千歌ちゃんとなら怖くない!全速前進ヨーソローであります!!」

 

「あ、でも冷やした方がいいよね。冷蔵庫入れといてみかん食べよーよ」

 

意気込んだ曜だったが、千歌は缶を数個掴んで曜の部屋の小さな冷蔵庫に持っていった。

 

「あ、そうだね、まずはみかん食べよう......!」

 

曜も一旦胸をなで下ろし、残りの缶を全部冷蔵庫に押し込んだ。

[newpage]

その後話題に花咲き、夕飯時となり、曜が2人分の得意創作料理ヨキソバを作って曜の部屋でまた2人集まると、その時は始まった。

 

目の前には、ケチャップで可愛らしい笑顔のマークが描かれたヨキソバと、みかんと、未だ2人にとって未知の飲み物、カシスオレンジ。

 

それぞれ同じセットがテーブルに置かれ、ともに眉をひそめる。

 

「曜ちゃん......ついにきたね」

 

「よ、よーそろー......とにかく、手を合わせて......」

 

2人は仲良く手を合わせ、同時に呟いた。

 

「「いただきまーす」」 

 

当然2人は最初に箸を持ち、ヨキソバに手をつけようとしたが、はっと気づいた千歌は声を上げた。

 

「待って!曜ちゃん!!」

 

「な、なんでありますか......」

 

千歌はそっと箸を置き、曜もその様子を見て同じように箸を置く。そして、千歌の手はカシスオレンジの缶に伸ばされ、曜も同じようにカシスオレンジを手に持った。

 

「曜ちゃん。お酒ってさ、最初、アレやるよね」

 

「アレ......。乾杯、でありますか」

 

「そう、乾杯。

そして、最初に飲むよね。もうこれは、今それをやるしかないってことだよ......!今やらなかったら、きっとビビって飲まないよ!ね!......さぁ!」

 

「そ、そうかもしれない!!じゃ、じゃあ千歌ちゃん......!」

 

2人はカシスオレンジを掲げ、「せーの」と合わせて、大きな声で「「乾杯!!」」と言って缶をぶつけあった。

 

「......いくよ!曜ちゃん!」

 

「了解であります!」

 

2人は同時にカシュッ!とプルタブを持ち上げ、飲み口に口を着け、ごくごくと飲み始めた。

 

先に口を離したのは曜。ぷはっ、と一息ついて、味を確かめる。

 

「はぁ、うーん、美味しいけど、なんか大人の味って言うか......?

って千歌ちゃん?」

 

ぐびっ、ぐびっといい音を立てて飲む千歌。ようやく口を離したかと思うと、缶をテーブルに置く。内容液がチャポン!と軽い音を鳴らし、中の容量がかなり減ったことを暗示させた。

 

「ぷはーっ!これおいしーかも!超濃い目のオレンジジュースみたい!!!半分以上飲んじゃったかな」

 

内容量は350mlといえど、半分以上なら結構一気に行った方である。

 

千歌はなんともない表情だが、曜は少し心配していた。

 

「ち、千歌ちゃん、お酒だよ、一気に飲んだら危ないかもしれないよ!」

 

「大丈夫だよ〜なんかジュースみたいだし、こんなので変になったりなんかしないよ〜!

怖がってて損したよ!」

 

そして、また一口くいっと飲むと、ついにカシスオレンジの缶は空になったようだ。

 

「これおいしー!じゃあヨキソバ食べよ!!」

 

「......あ、うん、そうだね!食べよう!」

 

そうして、また2人は話題に花咲かせ......。

 

[newpage]

 

「千歌ちゃん飲み過ぎだよ!!」

 

「ふえ?まだよっつらよ?」

 

千歌はふらふらと横に揺れながらも、まともに話しているふうに動いている。最も、顔は赤く紅潮しており、呂律も怪しいが。

 

しかし、当の曜も2缶目のラストスパートあたりで、すこしだけ酔いが回ってきている状態になっている。

 

「それ、オレンジジュースじゃないんだから、そんな沢山飲んだら倒れちゃうよ?」

 

「らいじょうぶ大丈夫。曜ちゃんの部屋なんだからどうなったっへ」

 

そう言いながらも5缶目を開けてくいくいと飲み進めようとする千歌。しかし、少しだけ飲んだ所で、曜に缶を取り上げられてしまった。

 

「あぁ〜よーちゃん!」

 

「だーめ!それ以上飲んだらなんか危ないよ!」

 

「うぅ〜いいもん、みかん食べるもん」

 

千歌はみかんをひとつ手に取って剥き始め、ヨキソバのあった皿にちぎれた皮を並べていく。

 

本来なら千歌は必ず綺麗にひとつなぎに向いて食べる手馴れ具合だったが、今回は途中でちぎれてしまっているようだった。

 

そんな様子を見かねた曜は、千歌のみかんも取り上げて、代わりに剥き始めた。

 

「もー、千歌ちゃん酔いすぎだよ。私が剥く!」

 

スン!とひとつ鼻息を吐いて丁寧に剥き始めると、千歌は力が抜けてだらしない笑顔を向けつつ、呟いた。

 

「えへへ、曜ちゃん、私のお嫁さんみたいだね。ありがと〜」

 

ドキッ!として曜は目を見開き、赤面する。

 

「ち、千歌ちゃんたら、あはは」

 

「ねぇ曜ちゃん、好きな人とかいないの?」

 

「ええっ!?好きな!?」

 

突然の問いかけに思わず飛び跳ねる曜。しかし、千歌はとくに動じずに続ける。

 

「曜ちゃん、綺麗だし、かわいいし、料理上手だし、なんでも出来るでしょ、いいお嫁さんになれるよねって思うんだ〜」

 

とぼけたように話す千歌だが、曜はぱくぱくと口を動かしたまま、何も喋れず、剥き終わったみかんを千歌の手に乗せて手元のカシスオレンジをぐいっと口に含んだ。

 

「あ、かんせつきす」

 

「んっ!ン!!!」

 

千歌の一言で驚いた曜は、口に含んだままあたふたとしたが、動揺で何も考えられず、挙句そのままぐいいーっと一気に飲み干してしまった。

 

おおー、と感動する千歌だが、当の曜は顔が火照り、酔いの紅潮か、照れの赤面か分からなくなっている。

 

「な、なんだっけ、ちかちゃ、なんだっけ!何話してたっけ!」

 

曜は酔って目が泳ぎながら千歌に問いかけると、千歌は優しく新しい缶を差し出して、どさくさに紛れて自分も開けて飲み始めた。

 

「んーとね、えっと、なんだっけ?美味しいね〜!」

 

「あー!ちかちゃ、それ、だめ!」

 

「なんで?」

 

「だめなの?だめだっけ!いいや!だいじょうびだよ!」

 

「えへへ、曜ちゃんやさしいね」

 

曜は急に酔いが回ってしまい、くらくらと目を回していた。そのため、また千歌がオレンジジュースのように次の缶をグイグイと飲んでいることに気づいていなかった。

 

「......」

 

いきなり黙り込む千歌。少し時間が経ち、曜が酔いから少し覚めはじめたとき、気づいた曜は話しかけた。

 

「......ちかちゃ?」

 

「......」

 

「だいじょうぶ?」

 

「......よーちゃん」

 

千歌はでろんでろんに酔った状態で立ち上がると、ふらふらと曜の真横に回り込んで近寄り、倒れ込むように抱きつき、沈黙した。

 

「え、え、千歌ちゃん」

 

「......すき」

 

「え?」

 

[newpage]

 

千歌は顔を上げ、曜の目をしっかりと見ながら、半狂乱の笑顔で喋りだした。

 

「すき!!ようちゃん!!ようちゃんめっちゃすき!!!」

 

「えっ!?えっ!?!?えっ!!??」

 

「すきなの!!!めっっっっちゃすき!!!!ようちゃん!!」

 

「わ、わ、わわ、わたしも......まって!!ちかちゃ!」

 

曜もまだ理性を飛ばしきれていないことを悟り、缶を手に取る。

 

さっきまでラストスパートだった缶を飲み干し、新しい缶を開け、グイグイと飲めるだけ飲んで......。

 

タン、とテーブルにカシスオレンジを置いた時、それは始まった。

 

「......わらしもすき!!ちかちゃ!!!すき!!!」

 

「よーちゃん!!すき!!!だいすき!!!!」

 

「すき!」

「すき!!」

「すき!!!!」

「わたしのほうがすき!!!」

「わたしも!!」

 

好き合戦が始まった。

 

紅潮が収まり、理性が戻りかけては缶を手に取り、気持ちを叫ぶ。

 

2人とも同じことを繰り返し、缶の力を借りて、すき、すきの言い返し。

 

そして、千歌が戦局を変える一言を言い放つ。

 

「よーちゃ!!もう、もう!!

チューしよ!!!!」

 

「えっ!!〜!!!!

 

えっは、

 

ふえ!!!」

 

「ちゅーだよ!!」

 

「まっ、まって!ま!」

 

曜はさらに自分を追い込むため、缶を手に取り、飲む。自分に素直になるために。

 

その様子を見て千歌は恥ずかしくなり、また酔いが覚めかけ、恥ずかしさを抑えるために缶を追加した。

 

「よーちゃ!!」

 

「う、うん!!ちかちゃん!!わたし、いける!!よ!!!」

 

「よく、いった!!!!よーちゃん!!!」

 

「ま、まって、やっぱりたりない!しんぞうがもたないよ!!」

 

曜は缶を持ちあげ、さらに追い込む。それを見た千歌も、同じように追い込もうとしたが、二人はもう限界だった。

 

「もー、も、だめ」

 

「ふぇ......」

 

2人は、くらくらと目をまわし、ぱたりと横たわって倒れてしまった。

 

それでも、お互い顔を寄せあって、何かを成し遂げようとはした姿勢で意識を失っていた......。

 

[newpage]

 

翌日......。

 

2人は目が覚めると、青ざめた顔で見つめあっていた。

 

「おはよ......曜ちゃん」

 

「......おはヨーソロー」

 

「「......」」

 

吐き気に青ざめながら、沈黙する。

 

その沈黙を曜が先に破る。

 

「......千歌ちゃん」

 

「......なに?」

 

「わ、私は覚えてないんだけど......。

昨日の記憶、ある?」

 

「......」

 

千歌はうーん、と考えるが、しばらくして。

 

「覚えてない......かも」

 

「......そっかぁ。うぇ、飲みすぎたよぉ、はじめてなのにこんなに飲むなんて......」

 

「オレンジジュースでもこんなに飲んだら気持ち悪くなるよね。なんで私たちこんなに飲んだんだろうね......」

 

「......わかんないね。で、でも、楽しかった、と思うよ!!

ま、また一緒に飲もうね。......千歌ちゃん!」

 

曜は青ざめていた顔がすこし明るくなり、ニコリと笑う。

 

千歌も未だ気持ち悪そうにしながらも、えへ、と少し笑い、テーブルに突っ伏した。

 

「うん、飲も......」

 

2人はその後も二日酔いに襲われ、仲良く同じ部屋で一日を過ごすことになった。

 

 

 

そして、その惨事を見た曜の親からは2人とも、こっぴどく叱られるのだった。

 

 

 

しかし、2人の絆は深まり、2人はまた、それぞれの夢へと進むのだった。

 

.fin

 

 

Fin.


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