新機動武闘伝 GガンダムSEED Destiny 作:カンナム
今日の相手は、ザフトの特務暗殺部隊とDと呼ばれるデビルガンダムの、人間型ユニット!
フリーダムを駆り、キョウジやラクスの為に出撃するキラ・ヤマト!!
しかし、悪魔は、彼にとてつもない壁となって立ちはだかるのです!!
それではーー、ガンダムファイト!!
レディー、ゴー!!
シュバルツが、ミネルバ隊に合流した夜。
意識を失っていたキョウジが、寝かされていたベッドで目を覚ました。
「ーーーーキラ?」
ベッドの脇にある椅子には、キラが座っており、手には自分の額に乗せられている濡れタオルの替えが握られていた。
「良かった、目が覚めたんですね?」
「ーー私は、何を」
そう言いながら、体を起こそうとするキョウジをキラが制する。
「ダメですよ、まだ動いちゃ! 医師(せんせい)によれば、一時的な心労によるストレスだってことですが」
「ーー気を失っていたのか。やれやれ、いつから、こんなに貧弱になったんだかーー」
心配そうに言ってくるキラを押しのけて、体を起こし、自分の身を見下ろす。
「ーーデビルガンダム、か。なるほど、シュバルツの言っていた通り、悪魔のような機体だ」
「ーーキョウジさん、記憶が?」
自嘲気味に笑うキョウジの言葉に、キラは思わず目を見開いた。
「ーーああ、思い出したよ。デビルガンダムに取り込まれていた記憶も、アルティメット細胞の研究も、すべてね」
キョウジの言葉に、キラは何と言って良いか、分からず、言葉を詰まらせた。
月明かりの中で、キョウジは静かに遠い目をした。
最後に見た弟は、逞しくなっていたが、昔と変わらず、涙で顔をくしゃくしゃにしていた。
「ーードモン、ありがとう。そして、すまなかった」
弟に自分を殺させてしまったことを、キョウジは深く深く詫びていた。
絶対に弟に会い、抱きしめてやらなければならない。
自分は、生きていたのだ。必ず、元の世界に帰る。
あんな弟の顔は、ゴメンだ。
「ーーキョウジさん」
キョウジの顔には、今までにない精気が漲っていた。それに、キラは驚くと同時に安堵した。
「ーー答えを見つけたんですね、キョウジさんも」
「ああ。キラも、しばらく見ない間に逞しくなったな?」
「僕も、今日は答えを得ましたから」
お互いに、笑いあう。
言葉にせずとも、分かり合える。
キラとキョウジは、今、不思議な意識の共感を果たしていた。
「ーーキョウジさん、お目覚めになられたのですね」
第三者の声が聞こえ、振り返ると、月明かりを背にしたラクスが、幻想的な雰囲気を纏って入り口に立っていた。
「ーー心配かけたな、キラ。ラクスも」
微笑みかけるキョウジに、2人とも首を横に振りながら、穏やかに笑う。
「ーー実は、キョウジさん。僕は明日、カガリに掛け合って、オーブ軍に入るつもりなんです」
「ーーオーブ軍に? 理由を聞いてもいいかな?」
「はい。僕の覚悟がぶれないように、決心を聞いて欲しかったんです。あなたにーー」
キラは端的に説明した。
先の大戦での自分の行動。
それにより、与えられた傷。
今日出会った少年の覚悟を見て、決めた意志。
「そこまでの覚悟があるなら、私が言うことは何もないよ、キラ」
「ありがとうございます、キョウジさん。聞いていただいて」
「ーーいや、ラクスも、キラと?」
当然、ラクスのことも気になり、キョウジは、キラと共に行くのか、と問いかけた。
すると、ラクスはキョウジを真っ直ぐに見てきた。
「ーーわたくしは、宇宙に上がりますわ。プラントにいるわたくしを必要とする方々を見てこようと思います。わたくしなりに、先の大戦での責任を取ろうとーー」
「ーーそうか。私も、2人に聞いてほしいことがある。私は、デビルガンダムに取り込まれ、多くの罪無き人をこの手にかけた。
その罪を償うためにも、そして何より、こんな兄貴の為に傷付いた弟の為にも、元の世界に必ず帰る。
そう、誓う」
たとえ、離れ離れになろうとも、心は側にある。
たとえ、時が違えども、必ずお互い、精一杯生きる。
3人の心は、その熱き魂は決して離れはしない。
「ーー明日、わたくし達は、別の道を歩みます」
「だけど、必ず、僕たちは同じ場所に戻る」
「ーーそうだ。この場所こそが、誓いの場所だ」
ーー その為にも、生き延びよう。お互いにーー
互いに手を取り合い、3人は誓った。
ーーーーーー
その日の深夜だったーー。
全員が寝静まったころ、離れにいたキョウジは、何かの気配を感じ、目を覚ました。
「ーー誰だ!?」
「ーーシッ!」
目の前には、何度か顔を合わせたことのある、隻眼の男。アンドリュー・バルドフェルドがいた。
「あなたは、アンドリューさん?」
「キョウジ、夜分に悪いが、早急に俺と来てくれ。キラ達が襲われた。ここも危ない」
「ーーーーっ!?」
穏やかな日々は、急に崩れていく。
とてつもない不安が、キョウジの胸の中で渦巻いていた。
いつもと変わらぬ月が、空に浮かび彼らを、照らしている。
ーーーーーー
キラ達の暮らす建物に移動すると、怯えた子ども達を宥めるラクスと、周りを警戒するキラがいた。
二人とも、こちらに気づくとホッとしたような表情で微笑む。
「ーーキョウジさん、バルドフェルドさん。良かった。無事だったんですね」
見れば、キラ達の屋敷の壁には、鉛玉の跡があり、手榴弾などで、爆破されている。
「人の心配をしている場合じゃない! 早く、逃げるんだ!!」
「ーーキョウジの言うとおりだ。一旦、シェルターに引っ込むぞ!!」
「ーーラクスさんは、私の後に続いて!! キョウジさん、バルドフェルドさんは、キラ君達を!!」
キョウジの言葉に、バルドフェルドも頷き、マリューとバルドフェルドにそれぞれ護衛された状態で、移動する。
背後から迫り来る襲撃者達から身を守りながら、シェルターにたどり着き、門戸を閉めたその時だった。
明らかに、今までとは違う重厚な質量が地響きを立てながら外から迫り、こちらに向かって、ミサイルを放ってきたのだ。
キョウジ、バルドフェルド、キラが反応する。
「ーーこの衝撃は、MS!?」
「こんなもんまで、持ち出してくるとはねーー」
「どうして、こうまでして、ラクスを!!」
キラの話によれば、襲撃者は、皆、ピンクの髪の若い女の死体を探していたらしい。
該当者は、この中に一人しかいない。
シェルターに付けられたモニターから外を確認すれば、6体のMSがこちらを睨みつけていた。
「ーーザフトの新型MSか」
バルドフェルドの言うとおり、それはザフトのザクと共に発表された丸みを帯びた、全身を緑色を基調とした鋭い爪の機体。
水陸両用型MSアッシュである。
次々とシェルターに打ち込まれるミサイル。
このままではシェルターの隔壁が破壊されてしまうのも時間の問題だった。
キラがラクスを見る。ラクスもキラを見て、こくりとうなずいた。
ラクスがハロの頭をパカッと開け、キラに告げる。
中には、金色の鍵が入っていた。
「キラ、鍵を」
「うん!」
迷わず、鍵を受け取り、キラは壁に向かって走る。
壁の両端にラクスとバルドフェルドが立ち、同時に銀の鍵を懐から出して鍵穴に挿し回すと、壁は中央から真っ二つに割れ、左右に別れて行った。
そこには、かつてヤキン・ドゥエの激戦を駆け抜けた、キラの愛機と同型のMSーーガンダムが立っていた。
名をフリーダム。
その機体を見て、キョウジが眼を見開いた。
「ガンダムっ!? これは、キラのガンダムなのかっ」
「そうです。ぼくのフリーダムガンダム」
「ガンダムに導かれた出会い、わたくしたちはそういう縁なのかもしれませんね」
驚くキョウジに、笑いかけるキラとラクス。
キョウジやシュバルツにとって、ガンダムは特別なもの。
キラもラクスも、それを理解していた。だからこそラクスの言葉に、キラも頷く。
「そうだ。僕たちは、ガンダムというMSに導かれた……。力はただ力だけど、それを変えるのは、出会いや思いなんだ!!」
そう強く告げるキラに、バルドフェルドが外のシェルターに放たれるミサイルを見て、言う。
「いいから早くなんとかしてくれ! このままじゃみんなお陀仏だ」
「キラ君、気を付けて」
マリューも、キラを見据えて言う。
キラは、強く輝く瞳で、返した。
「わかりました、フリーダム! キラ・ヤマト、行きます!」
灰色のガンダムが青と黒を基調としたトリコロールカラーへと変貌する。
青い翼のガンダムは、格納庫から飛んでいった。
アッシュを駆るザフトの特務隊ーー。
彼らは秘密裏に、要人を暗殺する専門の部隊だ。
あらゆる意味で、地球連合の『ファントム・ペイン』と似ている。
隊長機に乗る男が、シェルターにミサイルを打ち込みながら、隔壁の様子を探る。
「もう少しで隔壁を壊せる。そうすれば、あとは一掃できるな」
そこに、部下から思わぬ報告を受けた。
「隊長! 四時の方角より高速で飛行する物体があります!」
「なんだとっ!」
あらぬ方向から、緑色のビームが二本、放たれた。それに、味方のアッシュ二機が動力炉を貫通されて動けなくなる。
「なんだぁっ!?」
ビームの方向を見ると、そこには、ビームライフルをこちらに構えた青い翼のガンダムが、宙に浮かんでいた。
「フリーダムっ!? 馬鹿な、先のヤキンドゥーエの戦いで消失したんじゃなかったのか!」
「ええい、うろたえるな! 所詮は旧式の機体だ! てぇー!」
間違いなく、先の大戦で猛威をふるった元ザフトのMS。フリーダムだ。
うろたえる部下を一喝し、同時にミサイルを構えて、一斉に打ちまくる。
それらを針の穴を縫うかのようにジグザグに移動しながら躱すフリーダム。
そのまま一気に近づいてきて、ビームサーベルを抜刀。交差する一瞬に、桃色の剣閃がきらめき、二機の両腕両足を斬り捨てる
「なぁにぃいい!?」
「なんだ、あれはっ!?」
「動きの次元が違い過ぎるっ!」
驚いてる間に四機、五機と潰されていき、最後に隊長機である自分しか残っていない。
「くそうっ!」
やぶれかぶれにバックパックに備えられたミサイルを放とうとして、先にビームライフルで打たれ、バックパックが崩壊する。
続いて、右腕、左腕、右足、左足と打たれ ダルマのようにされて、仰向けに転がる。
「これが、フリーダムの力なのか……っ。お、おのれぇ……っ、ここまでか」
自爆装置を発動させようとする隊長だったが、次の瞬間、
緑色のコードが地面を裂いて出てきた。
隊長機の中で、男は悲鳴とも疑問とも言える声を上げた。
「なにっ!? ――なんだ、これはっ」
それが、彼の人間としての最後の言葉だった。
コードは、倒されたアッシュにまとわりつく。すると、ビデオの逆再生のように、機体が元どおりになった。
キョウジがそれを見て、叫ぶ。
「まずい!! キラ、それはDG細胞だ!」
MSに乗るキラも、シェルターからの通信に目をみはる。
「DG細胞……」
「簡単に説明するぞ。あのコードに取り込まれた者は、デビルガンダムの手先になってしまう。人間や機械を作り替える恐ろしい細胞を植え付けられてしまうんだ」
「それじゃ、この人たちはもう」
「ああ。残念だが、彼らはもう人じゃない」
キラとキョウジの間に、これ以上ない緊張感が生まれた。そこに、砂漠の虎と呼ばれた男が、口を挟む。
「なるほどねぇ。これが調査対象のデビルガンダム。どれだけの性能か、調べておくとしようか。キラ、データを取りたい。慎重に戦ってくれ、お前さんがやられたら、こっちは終わりだ。ダメだと思ったら、逃げろ!!」
「わかりました」
またたく間にアッシュは全機復活した。
復活したアッシュは一斉にミサイルを撃ってくる。
先よりも遥かに多い勢いで、放たれるミサイルを、同じように高速で左右に蛇行しながら、捌ききり、すれ違いざまに両の四肢を切り捨てるフリーダム。
しかし、DG細胞のおかげでいくら破壊しようが、いくら砲台を潰そうが、即座に再生しミサイルを放ってくる。
「これが、DG細胞か……」
「ニュートロンジャマーキャンセラーがないのに、ほとんど核動力と変わらない!!」
バルドフェルド、キラ共に、DG細胞の能力に驚愕する。
キラは、動揺しながらも、すれ違いざまに再び、二機の四肢を斬り捨てる。
何度、切り捨てられても、またたく間に再生するアッシュに、キラは戦慄した。
「これは、この力は……危険すぎるっ」
「くくくく、ははっははっはっはっは」
いきなり、敵MSのパイロットから、通信が入る。
狂気を露わにした笑みが、そこにあった。
「どうした、スーパーコーディネーターとやらはこんなものなのかぁっ!」
「所詮人間の限界だなぁっ!」
次々と回線が開かれ、圧倒的な火力を持って攻撃をしかけてくる。
おそらく、この6機だけの火力だけで、正規軍の一個師団にも匹敵できる。
「ーーくっ!?」
弾丸やビームを紙一重でかわしながら、時に盾を使い。サーベルで斬りはらいながら、避ける。
機械のように精密な射撃と、フリーダムの動きについてくる反応速度。
キラをして、受けるのが精一杯だった。
このMSの動きに、ついにキラはSEEDを発動した。
「あなたたちは、もう人じゃない。人でないのなら。これ以上、犠牲を増やさないためにも、ぼくは!
あなたたちを撃つ!!」
フリーダムのバーニアの火が倍の勢いになり、機動力が桁違いに上がる。
キラは次の瞬間、アッシュ達との距離を一気に詰め、コクピットと動力炉を同時に斬り捨てた。
次々に倒され、爆発して、動きを止めるMS。それらを振り返ることなく、フリーダムは、確実に一機ずつ仕留めていく。
一方的な展開に、DG細胞におかされた元ザフトの人間達は、叫んだ。
「馬鹿な……っ、我が王より頂いた力がっ。我らは、コーディネーターだぞっ! ただのナチュラルではない、その我らがDG細胞を得れば、スーパーコーディネーターなど容易く葬れるのではないのかっぁぁ!」
絶叫する。
残り一機となった隊長機に、フリーダムは突っ込む。
「これで、おわりだぁあああ!」
「ばかなぁああああ!」
ありとあらゆる弾幕をはり、フリーダムを近づけまいとする隊長機であったが、アッサリと懐に入られる。
フリーダムは、左右にビームサーベルを一振りずつ持つと、交差気味に機体を4つに切り裂いた。
バルドフェルドは、その様をモニターで確認し、一つ頷く。
「さすがキラ。鮮やかだねぇ。迷いがないと強いね、あいつは」
「これがキラの実力なのか……。あのおとなしいキラの」
その横で、初めてキラの実力を目の当たりにしたキョウジは、目を大きく見開いていた。
彼らの後方には、今にもキラに飛び込みたそうにしている、ラクスがいた。
( キラ。どうして世界は、あなたにーー。そうまでして、人を撃たせようとーー)
ーーーーーー
アッシュを全滅させ、爆煙を背にしながら、物悲しそうに佇むフリーダム。
その前に、赤くどす黒い機体が現れた。
赤を基調としたトリコロールカラーのシャイニングガンダムによく似た、肩幅の広いガンダム。
キョウジの記憶とは、異なる白いMFの足を持つガンダム。
なぜ、其処にいるのか。
そんな疑問を頭に浮かばせながら、キョウジはキラに叫んだ。
「逃げるんだ、キラっ! そいつがデビルガンダムだ!!」
キョウジの言葉に、キラの眦がつり上がる。彼は、悲しんでいたのではない。怒っていたのだ。
「この機体が、すべての元凶か! ならば、いまここで、僕が倒すっ!」
キラの宣言に、デビルガンダムは通信をオンにして答えた。
キラのモニターには、赤い髪の男が邪悪な笑みを浮かべて、立っている。
「ふんっ、身の程知らずが。人間をわずかに超えた程度の貴様が、人外を極めた我に適うと思うのか?」
デビルガンダムの問いかけに、キラは怯むことはない。
「やってみなければわからない! いくぞ!!」
宣言と同時に、バーニアを全開にし、一気に空を駆け抜けるキラのフリーダム。
「だめだ、キラ! 逃げるんだっ!! 一対一ではデビルガンダムには勝てないっ!」
逃げる気のないキラに、思わずキョウジが叫ぶ。
しかし、その声を振り切り、キラは悪魔に刃を向けた。
地面スレスレを低空飛行で、音速を超えてフリーダムはデビルガンダムに突っ込む。
「ーー速いっ!」
デビルガンダムーーDをして、目を見開くほどのスピードだった。
ビームサーベルを抜いて、キラのフリーダムが袈裟懸けに斬りかかってくる。
これに対しDも自身の肩についてある、黄色の突起物を引き抜き、ビームサーベルを形成させた。
前正面から来たキラのサーベルを正面から打ち返そうとするD。
激しくぶつかるビームサーベルは、火花を散らす。
鍔迫り合いの姿勢で、Dは力任せにフリーダムをふっ飛ばそうと力を込めた。
と同時に、フリーダムはバーニアを使い、高速で弧を描くようにデビルガンダムの背後にまわる。
「なんだとーー!?」
Dが気づいた時には、フリーダムの腰のレールガンがデビルガンダムを吹っ飛ばしたところだった。
顔面が地面に近づいた際、片手をついて宙でバク転の要領で体制を立て直し、着地するデビルガンダム。
その着地点に寸分違わず、放たれるフリーダムのフルバースト。
フリーダムガンダムの全射撃武装を使った強烈な一撃だった。
「ーーチッ! こんなもので!!」
悪態をつきながら、両の腕を使い、ビームを弾くデビルガンダム。
全てを弾き飛ばし、ニヤリとキラを見据えて笑うDだが、
キラは既に、正面(そこ)にいない。
「ぬっ!?」
「これで、終わりだぁあああ!」
キラの叫び声と共に、フリーダムが側面から懐に飛び込んできた。
Dの反応が一瞬遅れ、デビルガンダムのコクピットにフリーダムのビームサーベルが突き刺さる。
見事なキラの一撃であった。
キラはしかし、油断することなく、バーニアをバックにふかし、高速移動で一旦距離を取る。
空中から、腹部にビームサーベルが刺さった状態で停止しているデビルガンダムの様子を窺うキラ。
「ふっふっふっふっふ……。やるじゃないか」
だが、通信の声が普通に聞こえてきた。
モニターを見ると、突き刺されたビームサーベルを胴体から自力で抜くデビルガンダムが映った。
「なっ!?」
そして、向こうの景色まで見える程に貫かれた穴がまたたく間に元どおりに再生される。
この光景をシェルターで見ているバルドフェルド達も、戦慄した。
「ばかなっ!? たしかに、コクピットを貫いたはずだぞ!!」
「正に、悪魔だわ。悪魔のガンダム……!」
「これが、世界を取り込もうとする悪意の権化、デビルガンダム……!」
マリューも恐怖で顔を青ざめる中、気丈にもモニターを睨み付けるラクス。
悪魔の恐ろしさが、彼女達にも伝わっていた。
デビルガンダムーーDは、静かに再生を終えたガンダムの腹部に手を当て、笑う。
「ふっふっふ、なるほど。あの程度の連中では相手になるはずもないな。
きさまのような男は、当然叩き潰すしかあるまい」
邪悪な笑みを浮かべ、デビルガンダムは両手の拳を左右の腰に置き、腰だめに構えた。
キラは、油断なくフリーダムにビームライフルを構えさせる。
まだ向かってくる気力を感じ、デビルは嗤った。
「喜ぶがいい、きさまはこの世界に来て我の糧となる第一号の犠牲者だ!」
言葉と同時に、デビルガンダムの全身から血のように赤黒い光が放たれたーー
みなさん、お待ちかね〜!!
デビルの猛攻に、苦戦するキラ。
攻撃のたびに再生し、強力になっていくデビルガンダムに成すすべなく倒されるのかと思いきや、突如光り輝くガンダムが、二人の間に割って入り、悪魔を倒せと、輝き叫ぶでは、ありませんか!!
次回、機動武道伝Gガンダム SEED Destiny 第13話に、レディー、ゴー!!