新機動武闘伝 GガンダムSEED Destiny   作:カンナム

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さあ、シュバルツとマスターの対決はますます加熱していきます。

今回は、シュバルツ扮するシャッフル同盟対東方不敗マスターアジア前編です!!

それでは、ガンダムファイト!!

レディー、ゴー!!




第20話 ネオアメリカの希望とネオフランスが誇り

 

海面上を軽快なステップを刻んで軽く、その場で数秒シャドーボクシングを行うマックスター。

 

 

 

 次の瞬間、ガンダムマックスターが、強烈な水しぶきを上げながら、マスターガンダムの懐へステップインしてきた。

 

 

 

 踏み込んだ瞬間に左のリバーブローを放つ。

 

 

 

 左の掌底で迎え撃ち、相殺するマスターガンダム。

 

 

 

「この拳のキレとスピードは、確かにチボデー・クロケット!! シュバルツ、貴様!!」

 

 

 

 マスターは敵の拳を自身の掌で受け、はっきりと悟った。

 

 

 

目の前のチボデーは本物と何ら変わらない存在であることを。

 

 

 

 チボデーの表情が、落ち着き、深い知性を感じさせるものになると、本来のシュバルツの声が彼から聞こえてきた。

 

 

 

「これが私の鏡転同血。

 

我がゲルマン忍術と、シュピーゲルのDG細胞が合わさることで、過去に自分が戦った相手そのものになりきることができる、ということだ」

 

 

 

更にチボデーの姿をしたシュバルツは、語気を強めて続ける。

 

「加えて今のチボデーは、ガンダムファイト本戦でドモンとぶつかった頃のもの。

 

 かつて貴様があしらった新宿の時とはレベルそのものが違う。

 

 新たなクイーン・ザ・スペードの力、思い知るがいい、マスターアジア!!」

 

 

 

「笑わせるわ!!」

 

 

 

 チボデーと化したシュバルツの言葉にも、マスターアジアは臆することはない。

 

 

 

 逆に傲岸不遜に言ってのけた。

 

 

 

「ガンダムファイト決勝大会で、貴様やドモンに叩き潰された新シャッフルの連中など、このわしの敵ではないわぁあああ!」

 

 

 

 マスターの言葉に、チボデーは大胆不敵に笑う。

 

 

 

「フン、言ってくれるじゃねえか、マスターアジア。

 

 ならリターンマッチといこうぜ!

 

 俺は夢! 俺は希望!」

 

 

 

 そう言いながら、両の拳を音速を越えて連続で繰り出すガンダムマックスター。

 

 

 

その胸のアーマーが、頭から上に飛んでいき、両肩のアーマーが外れて、拳にくっつき、ボクシンググローブとなる。

 

 

 

「ぬぁああ!」

 

 

 

瞬間、気合いと共にマックスターが青い竜巻を生じる右ストレートを放ってきた。

 

 

 

サイクロンパンチである。

 

 

 

マスターガンダムは、竜巻を両腕でガードすることで防ぎきる。

 

 

 

しかし、竜巻を防いだ事で生まれた隙に、マックスターがマスターガンダムの脇へとステップインしていた。

 

 

 

「とぉりゃ、とりゃとりゃとりゃっ!」

 

 

 

マックスターが超高速の左右のストレートを連続で交互に放つ。

 

 

 

マスターをして、両手を完全に塞がれてしまうほどの手数だった。

 

 

 

「ぬぅうう、これがシャッフルの紋章を受け継いだチボデーの実力か……。

 

先代のあやつを思わせるほどに、鋭く速い圧倒的な手数っ!

 

大したものよ。だが、わしを捉えるには、まだまだ甘いわぁあああ!」

 

 

 

マックスターの繰り出すラッシュの1つを選んで、左の掌底をカウンターで返すマスターガンダム。

 

 

 

「俺はこの手でつかむ!」

 

 

 

その掌底を上体を反らすだけで、鼻先で避けてみせるマックスター

 

 

 

「ぬぉっ!?」

 

 

 

相手の攻撃をスウェーバックで避けると同時に、伸びきったマスターの左をかいくぐり、右ストレートを放つ。

 

 

 

ボクシングの高等技術の一つであるロックアウェイ。

 

 

 

驚くべきは、それをマスター相手に行うチボデーの技量である。

 

右ストレートを返したマックスターはマスターガンダムの横面をとらえた。

 

 

 

バキィッ

 

 

 

「くぁああっ!」

 

 

 

強烈なカウンターに顔面を後方へ弾き飛ばされるマスターガンダム。

 

 

 

退け反らされた先には、フットワークで回り込むマックスターがいた。

 

 

 

「そぉおらそらそらそらそらっ! バァアアアニングッ、パァアァアアアンチッ!!」

 

 

 

更に更に、連続で放たれる炎を纏った拳。

 

 

 

「どうだ! この炎のような苛烈な攻め! これが俺のバーニングパンチだっ!!」

 

 

 

バキバキバキバキィッ

 

 

 

左右の拳は、マスターガンダムの顔やボディに次々と炸裂する。

 

 

 

パシィッ

 

 

 

その内の一つ、右ストレートを掴みとめ、マスターアジアはニヤリと笑った。

 

 

 

「フンっ、確かに新宿の時よりは腕を上げたようだな。しかし!」

 

 

 

「What!?」

 

 

 

バキィッ

 

 

 

マスターの強烈な右の前蹴りが、チボデーの顎先を捉える。

 

 

 

「通り一辺倒の攻めでは、わしを倒すことなど到底できぬわあ!!」

 

 

 

お返しとばかりに左右の貫手を高速で放ち、止めに回し蹴りを顔面に入れて、マックスターを後方へ弾き飛ばす。

 

 

 

「ぬぅっ!?」

 

 

 

何とか、海面上に着水し、顔をマスターに向けるチボデーだが、マスターガンダムは、紫色に輝く右手を大きく振りかぶっていた。

 

 

 

「チボデーよ! この技をやぶってみぃ!」

 

 

 

放たれたのは、ダークネスフィンガーのエネルギーを弾丸のようにして飛ばす、ダークネスショットだ。

 

両腕でガードを固めて受けるも、後方へ更に吹き飛ばされるチボデーが悲鳴をあげる。

 

 

 

「ぐあっ」

 

 

 

ザバァアアアッ

 

 

 

ついに体勢を整えきれず、水の中へ落ち込み、飛沫をあげるチボデー。

 

 

 

「フンっ、所詮その程度よ! シュバルツ! 選んだ相手を間違えたようだのうっ!」

 

 

 

海面へ浮上する無防備な相手に、マスターの無慈悲な追撃が迫る。

 

強烈な右の貫手は、海面上に影となって近づいてきたマックスターに放たれた。

 

 

 

ギィイイイイッ

 

 

 

しかしそれは、紅いビームの膜によって止められている。

 

 

 

「なんとっ!? これは……っ」

 

 

 

浮き上がってきた相手は、チボデー・クロケットでも、ガンダムマックスターでもない。

 

 

 

西洋の騎士のような姿を模した、帽子を被ったようなガンダムが、赤い薔薇を模したビットを大気圏内であるにもかかわらず、周囲に浮かしている。

 

 

 

パイロットは、女性と見紛うばかりの美しく優雅な青年だった。

 

 

 

「ふふふふ、さすがですね、東方不敗マスターアジア。

 

では次は、この私の相手をしていただきましょう」

 

 

 

マスターガンダムは、薔薇のビットによって作り出されたビーム膜の盾からバックステップで距離を取り、片足で構えを取る。

 

 

 

「貴様はっ! ネオフランスの!!」

 

 

 

マスターアジアの言葉に、優雅な笑みを浮かべながらも、熱く力強い言葉で、彼は名乗った。

 

 

 

「そう! ネオフランスのサンド家当主、ジョルジュ・ド・サンドがお相手する!! いくぞ! ガンダムローズ!!」

 

 

 

目を光らせ、ガンダムローズが主人の言葉に反応する。

 

 

 

 

 

地球連合側

 

「なんだ、あの忍者!? 

 

コロコロと姿を変えやがって、卑怯な奴だぜ!!」

 

 

 

「いや、大丈夫だ。

 

師匠にあんなまやかしが通じるわけがない」

 

 

 

アウルとスティングは、目の前の忍者の脅威を目の当たりにしながらも、己の師であるマスターアジアの勝利を疑うことはない。

 

 

 

 

 

ザフト側

 

 

 

「シュバルツさん、一体どんだけ引き出しがあるんだ?」

 

「…さっきの軽薄そうな人も、無茶苦茶強かったわよね?」

 

「強さというのは、果てしないな」

 

シンもルナマリアもレイも、余りのレベルの違いにただただ、呆然とするしかなかった。

 

 

 

 

 

マスターガンダムは、両の拳を腰に置き、膝を曲げて海面上に、足を踏ん張る。

 

 

 

「ジョルジュ・ド・サンドか。おもしろいっ! ただのビット攻撃でわしを倒せるかぁあ!」

 

 

 

一気に攻めようと翼を広げ、獲物に襲いかかるように、マスターガンダムは、ダッシュした。

 

「ぬぅうおっ!」

 

 

 

ピシュンッピシュンッ

 

 

 

しかし、その行く手を阻むのは、赤い薔薇のビット。

 

宙に浮かんだ二つのビットの一撃は、マスターをして思わずガードし、立ち止まらなければならぬ程に強力だった。

 

「ふふん。

 

ただのビット攻撃か否か、あなたのその身に刻み込んであげましょう、マスターアジア! 受けよ、我が洗礼を!!」

 

 

 

見れば、ジョルジュは美しい顔に、不敵な笑みを浮かべ、マスターガンダムを指差した。

 

「ローゼスぅぅビットオオオ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

この攻撃に、観戦する6人が敵味方関係なく、声を張り上げた。

 

「左肩から無数の薔薇がっ!?」

 

「しかも、あれはまさかっ!」

 

「オールレンジ攻撃! ドラグーンタイプ!」

 

ルナマリア、スティング、レイの3人の言葉を象徴するように、ローゼスビットは、マスターガンダムに襲いかかッた。

 

 

 

 

 

 

 

四方向から放たれる無数のビットのビーム砲。

 

 

 

マスターガンダムはそれを左右に超高速でダッシュし、避けきる。

 

 

 

同時に、袖口からマスタークロスを取り出し、薙刀のように頭上で振り回しながら、次々とビットを落としていく。

 

 

 

 

 

「ふんふんふんっ!

 

どうした、ジョルジュ!?

 

この程度で、わしの相手が務まると思うのかっ!!」

 

 

 

あらかたのビットを叩き斬った後、マスタークロスを振り回しながら、ジョルジュに斬りかかる!

 

 

 

「ぬぉおおお!」

 

 

 

猛々しい虎のような咆哮を上げながら迫るマスターガンダムに、ジョルジュのガンダムローズはショバリエサーベルを腰から抜き、蒼く輝く剣を一閃した。

 

 

 

ガキィッ

 

 

 

「フンーーっ」

 

 

 

ジョルジュの気合いと共に放たれた一閃は、マスターの袈裟懸けを受け止める。

 

 

 

そのまま鍔迫り合いになる、両者。

 

 

 

「ビットは洗練されておるようだが、それでもわしを止めることはできんわ!」

 

 

 

「さすがですね、マスターアジア。ならば! 

 

ネオフランス一と称された我が剣の露にしてあげましょう!」

 

 

 

言うやいなや、マスタークロスをいったん切り払い、無数の穂先が見えるほどの突きをガンダムローズが放つ。

 

 

 

 

 

シンはその光景に圧倒された。

 

「す、すげえ……っ、あのマスターって奴の剣を切り払ってーー、あんな突きを放てるなんて」

 

「綺麗な剣。あなたも、そう思う?」

 

何故か連合のガイアのパイロットが話しかけてきた。

 

「え? あ、ああ」

 

「ーーそう!」

 

その余りの邪気のなさに、ついシンも素直に同意してしまう。

 

その反応に、何故かガイアのパイロットは嬉しそうに笑った。

 

「何、敵と仲良くしてんのよ?」

 

 

 

「そんなんじゃないって!!」

 

 

 

妙な迫力のルナマリアに睨まれ、思わずシンは全力で否定した。

 

 

 

 

 

無数の剣先を放つ突きを、マスターガンダムは両腕を組んだまま、全て避け切ってみせる。

 

 

 

「ーーっ!

 

ネオフランス一と称された我が突きを破るか!

 

マスターアジア!」

 

 

 

更に剣先を増やし、突き出す。

 

 

 

「フンっ! その程度で!」

 

 

 

しかし、マスターは組んだ腕を一旦離すと、右手を紫に光り輝かせ、正拳突きの様に突き出した。

 

 

 

「ーーダークネスフィンガー!!」

 

 

 

放たれた一撃は、ローズのサーベルの付け根をへし折る。

 

 

 

「っ!」

 

 

 

咄嗟に折られたサーベルを投げ捨て、バックステップしてマスターから距離を取りながら、ジョルジュは仕掛けた。

 

 

 

「ならば! ローゼススクリーマー!」

 

 

 

無数のビットがマスターを囲い、紅いビーム膜を張って対象を拘束し、そのエネルギーを奪う技だ。

 

 

 

「フン、ドモンに効かなかったその技が、わしに効くと思うかあああ!」

 

 

 

しかし、マスターは気合いを使ってエネルギーを右手に集めると、ダークネスショットを放つ。

 

 

 

ボボボォンッ

 

 

 

赤いビーム膜の一角に放たれたエネルギーショットは、力の渦となり、次々とビットを消しとばした。

 

 

 

ビットを破壊したことにより、生じた爆煙がマスターガンダムを取り囲む。

 

 

 

一瞬後、マスターの眥がつり上がった。

 

 

 

「フンっ、次は貴様か! ネオチャイナ!!」

 

 

 

煙の向こうから、無数の影が、現れたのだ。

 

 

 

ビーム膜を吹き飛ばしたと同時に、無数のビームフラッグがマスターガンダムを取り囲んでいる。

 

 

 

「ネオチャイナのサイサイシーだ!」

 

 

 

煙の向こうから現れたのは、金色と緑と赤色の、龍を思わせる両腕を持ったガンダム。

 

 

 

パイロットは、先の2人とはまた別の、黒髪で前をオールバックにし、後ろを三つ編みに括った少年だった。

 

 

 

「東方不敗マスターアジア! 覚悟っ!」

 

 

 

明るく活発な感じの声が、名乗りを上げた。






みなさん、お待ちかね〜!!

次々とシャッフル同盟の技を繰り出すシュバルツ!

全てを真正面から破るマスターアジアの対決は互いに譲らぬ五分と五分!!

そんな中、観戦しているシン達とスティング達にも、奇妙な連帯感が生まれるのです!!

次回、機動武道伝Gガンダム SEED Destiny 第21話に、レディー、ゴー!!!
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