新機動武闘伝 GガンダムSEED Destiny   作:カンナム

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ギアナ高地のあばら家から出てきた親友夫婦に、チボデー達がおや、と目を見開く。

「お? どっかに行くのか、ドモン!?」

「チボデー、ジョルジュ、サイサイシーに、アルゴ! お前達、一体何故?」

それに年長者であるアルゴが、答えた。

「デビルガンダムが生きているのだろう? シャッフルの紋章を通じて俺たちも知ったのだ」

「貴方のことです。最愛の兄2人を助けに行こうとするのは、目に見えています」

「だけど、敵はあのデビルガンダムなんだろ? いくらアニキでも1人じゃ危ないよ」

「ーーて訳で全員揃って来た訳さ。感謝しろよ、ドモン!」

シャッフル同盟の仲間達の言葉に頷きながら、ドモンは頭を下げた。

「ーーいつも、すまない。お前達には、俺は甘えてばかりだ」

「水くせえこと言ってんじゃねーよ! 俺たちは、馬鹿騒ぎが好きなのさ! なあ、みんな?」

チボデーの返しに残りのシャッフルが頷く。

ジョルジュが、ドモンに問いかけた。

「それで、ドモン。どうやって異世界に行くのですか?」

「それなんだが、亜空間回路に詳しい父さんに相談するつもりなんだ」

この答えにアルゴが頷いた。

「なるほど、確かにドモンの父は、世界的な天才科学者。異世界に行く手がかりを見出すかもしれん」

「なら、早速、ネオジャパンコロニーへ行こうよ!!」

盛り上がるシャッフル達に、ドモンも力強く頷く。

「ああ! 俺たちシャッフル同盟の力、久々に見せてやろうぜ!!」

「「「「おお!!!!」」」」

そんな彼らに、レインがニッコリ笑いながら話しかけた。

「ところで、アルゴ。ジョルジュにチボデー?
貴方達は、ちゃんとナスターシャやお姫様、シャーリー達に説明してるのかしら?
もちろん、してるから異世界に行こうとしてるのよね?」

その言葉に、3人の表情( あのアルゴまでも)が固まった。

「もちろん、みんなにもメールしておいたからね?
お父様のところで皆に会えるの、楽しみだわ」

朗らかに笑いながら言うレインに、ドモン達4人が真っ青になる。

「なんか、レイン姉ちゃん怒ってねー?」

「そんなことないわよ、サイサイシー。
ただ、ドモンの妻である私がついていけないのに、貴方達は、何不自由なくドモンについていけるなんて思わないでね?」

「や、八つ当たり……!?」

戦慄するサイサイシーに、ニッコリ笑いながらレインが言った。

「サイサイシーも、ズイセンさんとケイウンさんに、きちんと説明しておいたからね」

「ーーげ!?」

未来世紀最強のシャッフル五天王ーー。

しかし、弱点は多いのである。



さて、みなさん。

キョウジの作り出した装置は、悉くここ、C.Eの世界の技術を凌駕します。

彼の装置とかつてヤキンを戦い抜いた英雄、キラ・ヤマトの力が、はたして連合の大艦隊を相手に何処まで通じるのか!?

それでは、ガンダムファイト!

レディー、ゴー!!



第25話 キラの勇気とキョウジの頭脳

 

 

オーブの領海で、自軍の約3倍はある連合の拙攻隊を前にして、トダカは笑う。

 

 

 

「負け戦でも、それなりに意味があるとは思うが。

 

死なずに勝たねばならない戦など初めてだな」

 

 

 

それもただ、勝つのではない。

 

 

 

圧勝しなければならないのだ。

 

 

 

一機足りとて犠牲のない戦いなど、土台不可能だ。

 

 

 

余程文明が違うか、機体の練度ーー腕が違うかだろう。

 

 

 

「ーーカガリ様のために我々は死ぬ覚悟であったが、我々が死ぬことで、敵に気力を与えることになる、か」

 

 

 

謎の青年に、いいように言われてしまったが、結局彼の言葉を省みて、冷静に考えてみれば、それ以上の案は存在しなくなる。

 

 

 

連合と同盟を結ばないのであれば、遅かれ早かれ、戦うことにはなるだろう。

 

 

 

そうなれば、本国の政治家は騒ぐだけで何もできない。

 

 

 

彼らには、外交や交渉の能力はあれど、国を守る能力はないのだ。

 

 

 

ただ1人、カガリ・ユラ・アスハを除いて。

 

 

 

「ーーみんな、これまでにない、厳しい戦いだ。我々は、この戦力差で、圧勝しなければならない。

 

一機も落とされることなく、だ」

 

 

 

トダカの言葉に、皆が頷く。

 

 

 

「ーーすまないな。では行こう!!

 

タケミカズチは、所定の位置に着いた。アークエンジェルとフリーダムに合図を!!」

 

 

 

「ーーアークエンジェルから連絡! フリーダム、発進します!!」

 

 

 

「ーー頼むぞ。我々の希望の翼よ」

 

 

 

トダカの言葉に、タケミカズチのブリッジにいる者達は皆、頷いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

アークエンジェルから発進したフリーダムを確認した連合は、30機のウィンダムを使い、ビームライフルや、スティレット投擲噴進対装甲貫入弾と言った実弾兵器を雨霰のように放ってきた。

 

 

 

「ーーSEEDを使って、一気に叩く。悪いけど、あまり時間はかけてられない!!

 

僕たちの方が、不利だから!!!」

 

 

 

キラの中で、青い光の種が弾ける。

 

同時に反応速度や、射撃能力、格闘技術などが一気に跳ね上がり、フリーダムの全射撃武装を使って、敵の攻撃を相殺して見せた。

 

 

 

バババババァンッ

 

 

 

宙空で、破裂する様々な色の火花は、フリーダムが相殺した敵の攻撃だ。

 

 

 

見事にアークエンジェルやタケミカズチに直撃するコースだけを叩き落としている。

 

 

 

「ーー確かに、数は多いけど、射撃性能もタイミングもバラバラだ!

 

デビルガンダムに比べたらーー!!」

 

 

 

キラにとって、あの悪魔との戦いで生き延びた経験は、今まで否定してきた自分の実力に対する自信を与えていた。

 

 

 

「ーーどれだけ数がいたって、同じ人間なら、負けない!!」

 

 

 

サーベルを抜き放ち、一気に3機のウィンダムを落とす。

 

 

 

音速を超えたフリーダムの動きについていけるパイロットなど、まずいない。

 

 

 

たった一機でありながら、正に一騎当千の力を、キラ・ヤマトは示していた。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

当然、連合側にとってみればあり得ない映像が流されている。

 

 

 

にわかには、信じられない現象だ。

 

 

 

2年前の機体に、量産機とはいえ連合の最新型の機体が次々と落とされていくなど。

 

 

 

「ーーなるほど、流石はフリーダム。

 

鮮やかなものだ」

 

 

 

それを連合の士官はニヤリと笑いながら見ている。

 

 

 

「ーー隊長、あれを落とすのですか?」

 

 

 

通信兵の当たり前の質問に、彼は冷酷な笑みを浮かべて言った。

 

 

 

「当たり前だ。あれは連合に脅威となる敵対組織だ。母艦を狙えーー。それと同時に、どこでもいい。

 

オーブの本土を撃て。

 

それで、奴の動きをある程度読める」

 

 

 

「ーーははっ!」

 

 

 

連合士官は蛇のような目を光らせながら、舌舐めずりをしていた。

 

 

 

彼もまた、地球連合独立機動軍に所属する、ブルーコスモスの息のかかった部隊。

 

 

 

ファントムペインの出身者であった。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「ーーまさか!?」

 

 

 

鋭敏なキラの感覚は、敵の狙う対象を正確に把握する。

 

 

 

「狙いは、アークエンジェルとオーブか!!」

 

 

 

アクロバティックな動きで、頭を海面に向けた状態でホバリングし、フルバーストを放つ。

 

 

 

アークエンジェルや、本土を直撃するコースだけを狙い落とした。

 

 

 

瞬間だった。

 

 

 

敵のMSの一団は、アークエンジェルでもフリーダムでもなく、オーブ本国にバーニアを吹かしながら、一気に向かい、ビームライフルを放つ。

 

 

 

「ーー同盟国と口では、言いながら、やることはそれか!!」

 

 

 

怒りに身を震わせながら、キラはフリーダムを高速で動かす。ビームを放つ寸前の敵は切り捨て、間に合わないものは、フルバーストで打ち落す。

 

 

 

「ば、バカな!?」

 

「ーーな、何なんだ、こいつは!?」

 

 

 

正確な射撃と、圧倒的な機動力、そして格闘センスを見せつけられ、連合のパイロットたちは、恐慌状態に陥った。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

対する連合士官は、ほくそ笑んでいた。

 

 

 

「ーーやはりフリーダムは、オーブ本土を守るか。

 

ククッ」

 

 

 

確かに圧倒的な力を誇る機体だ。

 

 

 

だが、弱点が多過ぎる。

 

 

 

「ーーオーブを撃て」

 

 

 

「ーーし、しかし!!」

 

 

 

士官の非情な指令に、連合艦内にも衝撃が走る。

 

 

 

同盟国であり、民間人も退避していないであろうオーブを積極的に狙うなどーー。

 

 

 

「カガリ・ユラ・アスハ率いるテロリストを倒すための、尊い犠牲だ。

 

奴らを倒せば、話は丸く収まるさ。オーブもバカじゃない。犬コロが噛みつかないように、きちんと牙を折らんとな」

 

 

 

ニヤリと笑いながら、士官は狙撃兵に伝令する。

 

 

 

「各砲座、しっかり狙えーー!!

 

ただし、あまり明らさまにはやるな。世論などどうとでもなるが、対面的な絵面もある」

 

 

 

悲劇的な絵面を作り出し、全ての責任をカガリ率いるテロリストに押し付ければ、何の問題もなく話は終わる。

 

 

 

いつも通りの情報操作を考えながら、連合士官は蛇の目を光らせた。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

結論から言う。

 

 

 

キョウジ・カッシュと言う男は悪魔のようだった。

 

 

 

まるで全てを見通し、兵士なら、いや人間ならば、一番見たくないもの。

 

良心の呵責に訴えかけるやり方を彼はしている。

 

 

 

トダカやアマギ、バルドフェルドにはそれがハッキリと分かった。

 

 

 

ブルーコスモスと言う連中がどのような思考パターンを取り、どう言う手段に訴えてくるかを理解した上で、それを利用し自分たちに有利な材料を作っていっているのだ。

 

 

 

バルドフェルドは、立体映像システムーーフォログラムに流される映像を眺めながら思う。

 

 

 

( 非人道的な者には、俺もとことん非情になれるつもりではいたが。

 

ハッキリ言ってレベルが違う。普段の奴と、今の奴、どちらが本当の顔なんだ?)

 

 

 

穏やかで温かみのある青年の顔は今はない。

 

 

 

代わりにあるのは、冷たく不敵な笑みを浮かべた男だ。

 

 

 

このフォログラムは、肉眼では何も映らない。MSのモニター越しに映るようになっている。

 

 

 

しかも、キョウジから受け取ったレーダー以外で確認すれば、熱源まできちんと本物だと判断する、機械の五感全てを狂わせる特殊映像だ、

 

 

 

そこには、楽しそうにピクニックにきている、初老の男女と、10代後半の青年に、まだ幼い少年と少女がいた。

 

 

 

( この映像を、MSのパイロット達は必ず見る。既にキラのフリーダムや、アークエンジェル、タケミカズチに、そこを狙うよう誘導されてるんだ。

 

さて、何人が躊躇なく引き金を引ける?)

 

 

 

霧発生装置で薄いスクリーンを張り、特殊な映像フォログラムで、MSのモニター越しにしかも見えない映像を流す。

 

 

 

そして、それを撃つものは当然いるだろう。

 

 

 

それが罠とも知らずにーー。

 

 

 

( 既にこの当たりの民間人はシェルターに避難させているとは言えーー)

 

 

 

バルドフェルドは、静かに高台で戦場を眺めるトリコロールのガンダムを見据えて、ため息をついた。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

キラの正確な射撃もさることながら、連合軍はオーブに照準を合わせると、動きが止まっていた。

 

 

 

「ーーな、なんで避難勧告は!!」

 

 

 

「ピクニックだと!?」

 

 

 

「ーー民間人の避難どころか、何も指示してないのか、オーブは!!?」

 

 

 

止まったウィンダム3機を、フリーダムが切り捨てる

 

 

 

「「「ーーうわああーー!!」」」

 

 

 

バックパックの羽を切り落とされ、海中へとダイブする3機のウィンダム。

 

 

 

その海中では、アスハ派の潜水艇がウィンダムをパイロットごと捕獲していた。

 

 

 

パイロット達が止まった理由を知るキラは、切り捨てながらも頷く。

 

 

 

「ーーやはり、連合のパイロットだって。

 

なら、こんな戦い方を指示する者を倒せばーー!!」

 

 

 

キラの切り捨て倒したMSの数は、10を越えた。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

確かに、フリーダムやアークエンジェル、タケミカヅチの包囲網は強力だ。

 

 

 

少数精鋭でありながら、よく戦えている。

 

 

 

しかしーー

 

 

 

「分からんな。

 

何故パイロット達は、包囲網を抜けた際、動きを止める?

 

索敵班、あの周囲で敵の機影を探せ。

 

観測班、あのポイントをモニターに出せ!!」

 

 

 

士官の言葉に、まず索敵班から返答がある。

 

 

 

「マークフタマルの海中に、オーブ軍潜水艦2隻を確認!」

 

 

 

その報告に連合士官が眉を寄せた。

 

 

 

「ーーなぜ、今まで気づかなかった?」

 

 

 

索敵手を責めると言うより、自問自答するかのように士官はつぶやいた。

 

顔を青ざめながら索敵士は、答える

 

 

 

「も、申し訳ありません!!

 

ですがーーあのポイントには、最初は何の反応もありませんでした!!」

 

 

 

「ーー貴様、何を言い訳を!!」

 

 

 

副官が怒鳴ろうとするのを、士官が止めた。

 

 

 

「まあ、待て。

 

潜水艦2隻もの質量を、索敵手が3人いて、見つけられないことが、考えられるかね?」

 

 

 

「ーーと、言いますと?」

 

 

 

「索敵班、海域にジャミングの信号を探せ。

 

もし、私の考えている通りなら、アスハは、ただのバカじゃない、と言うことか」

 

 

 

ニヤリと嗜虐的な笑みを浮かべ、彼は笑った。

 

 

 

「ーー艦長! デルタ3の地点に強烈な磁場を発見! 海流のぶつかり合いに紛れて、電磁場を発生させています!!」

 

 

 

「海中で、強力なジャミングの磁場を発生させ、あの地点の海域に完全なブラインドを施した、か。

 

一定ではない海流の動きを読まねば、まず磁場が発生する前に磁気が流されるはずだがーー」

 

 

 

このタイミングで船が見つかったのは、連中が海中で船を動かしたからだ。

 

海流に変化が起き、磁場がズレ、船が索敵レーダーに引っかかった。

 

 

 

「ーー艦長、この海域全体にも、あのジャミングを発生させている装置が浮いています!!」

 

 

 

モニターに出された黒色の筒は、浮きによって海面に姿を現している。

 

 

 

「ーーさすがに海域が広過ぎて、ジャミングの磁場を発生できないようだな」

 

 

 

今度は、観測手から報告がくる。

 

 

 

「ーー艦長、フリーダムやアークエンジェルの連中は、オーブの市民を盾にしています!!」

 

 

 

「なんだと?」

 

 

 

モニターに、先のパイロット達が狙ったオーブ本土の丘地点が見えた。

 

そこには、家族団欒で平和な休日を過ごす民間人がいた。

 

 

 

「ーーそう言えば、ユウナ共が言っていたな。逃げる暇さえ与えないのか、か。

 

ククッ、意外に悪どいじゃないか、フリーダム」

 

 

 

ニヤリと笑い、士官は各MSパイロットに告げた。

 

 

 

「ーー民間人を撃て!」

 

 

 

「艦長、それは!!」

 

 

 

副官が思わず声をあげるも、蛇のような目の男は、気にもしない。

 

 

 

「勘違いするな、あれはカカシのようなものだ。

 

むしろ、アレらを撃つことで、テロリストのカガリ・ユラ・アスハやそれを野放しにしていたオーブのズサンさを世界に知らしめる良い機会だ!

 

彼らは、その犠牲だよ!!!」

 

 

 

興奮したように、目を見開き、両手を広げて笑う。

 

 

 

「ーー映像を残せよ! テロリストの犠牲になる可哀想な一家だ!!

 

こちらの正当性を主張できる!!」

 

 

 

その様と指示に誰もが口を閉じた。

 

 

 

ーーーーーー

 

一方、高台からシャイニングガンダムに搭乗し、海域一帯を眺めるキョウジは、バルドフェルドに通信を入れた。

 

 

 

「ーーバルドフェルドさん、記録できたかな?」

 

 

 

「ああ、バッチリだ。にしても、こうまでお前さんの予測通りだと、笑えんね」

 

 

 

「ーーブルーコスモスの特徴は、圧倒的な選民意識と嗜虐的な思考にあります。

 

至極読みやすいし、保険もきいている」

 

 

 

こんな状況でも、キョウジは普段と変わらない話し方だ。何一つ変わらない。

 

丸ごと、事実を事実として受け入れ、どのように行動すれば良いかを判断する。咄嗟にそれができる。

 

それこそが、キョウジ・カッシュという男の本質なのであろう。

 

戦争でなく、どのような場に置いても、一流になれる資質と才覚を持っている。

 

驕り高ぶることもなく、常に細かい配慮を忘れぬ様は、自分自身への妥協ない研鑽あってこそーー。

 

 

 

「ーー弟がいるんだったな? 兄弟仲はいいのか?」

 

 

 

「すこぶる良好ですよ。もう10年近く会ってませんがね」

 

 

 

「そうか、それは何よりだ」

 

 

 

顔を背け、心の中でゴチる。こんな出来過ぎた兄貴がいたら、常に比較されてきただろうなーー、と。

 

 

 

見たこともないキョウジの弟に、バルドフェルドは同情した。

 

 

 

 キョウジの作戦の一つにあるのが、40センチ四方の黒い球ーージャミングを発生させる装置だ。

 

 

 

 一つ、海中で流れる二つの海流に紛れさせてのジャミングを発生させる装置を敢えて発見させた。

 

 これにより、敵はこちらの技術力の高さに気付く。連合でもザフトでも、ましてや島国であるオーブにも、海流を無効化してジャミングの磁場を形成する技術などありはしない。

 

 普通ならば、後100年は必要な技術だ。

 

 

 

 二つ、この事実に気付いた連合は、戦慄するとともに、これと同じ装置が自分達の周辺海域に散らばらっていることに気付く。

 

 見た目は、ただの漁に使う浮きと変わらないのだ、気付かないのも無理はない。

 

 

 

 三つ、あの球が、ジャミングの磁気を発生させる「だけ」の装置であると頭に植え付け、ほかの可能性を塗りつぶす。

 

 

 

 

 

 

 

 現に、連合はあの球の性能の高さから、ジャミングを発生させる磁気にのみ注意して自分たちが発する会話ーー作戦に一切の配慮をしていない。

 

 

 

 平たく言えば、盗聴されていることに気付いていないのだ。

 

 

 

 

 

 これも当たり前のことだ。 

 

 

 

 通常、盗聴には二つの方法がある。

 

 

 

 一つは、対象の部屋などに侵入し、物陰から直接会話などを確認および録音する方法。

 

 

 

 もう一つは、無線マイクなどを偲ばせ会話を離れた場所から確認および録音する方法。

 

 

 

 通常、二つ目が主流であり、物音に反応して録音開始するレコーダー式の記録機器を用い、窓ガラスなど物体表面の振動をレーザー光線で計測して出力させるのが一般的である。

 

 

 

 直接聞くにしろ、無線での盗聴を行うにしろ、一度は対象の施設に忍び込まねばならない。

 

 

 

 ところが、キョウジの作成した装置は、海域に展開した分だけを磁気によって支配し、その中にいる対象の会話を全て盗聴できる。

 

 

 

盗聴器を予め仕込んだ巨大な鳥かご、もしくは部屋を作り出していると考えてほしい。

 

 

 

コーディネイターであり、優秀な知識を持つバルドフェルドでさえ、大まかな概要しかわからない。

 

 

 

こんなことを敵にされたら、発狂するな、と冷静な頭で考える。

 

 

 

盗聴器を仕掛けられている部屋でベラベラと作戦を指示していれば、筒抜けになるのは当たり前だ。

 

 

 

こちらは、確信を持って行動できる。

 

 

 

ついでに、録音まできちんと行うキョウジの用意周到ぶりに、バルドフェルドをして、苦笑いを浮かべるしかなかった。






みなさん、お待ちかね〜!!

フリーダムの圧倒的な性能と技術!

そして、キョウジの編み出した作戦に、連合艦隊は総崩れの様相を呈してくるのです!!

はたして、キラとキョウジは、このまま敵を圧倒できるのか!?

次回、機動武道伝Gガンダム SEED Destiny 第26話に、レディー、ゴー!!
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