新機動武闘伝 GガンダムSEED Destiny 作:カンナム
なんとラクスを模していたミーアの前に本物のラクスがドモンと共に会場に現れ、自分をラクス・クラインの妹だと名乗るではありませんか!
もちろん、関係者は大パニックです。
しかし、我らがドモン・カッシュはそんな周りのことなどお構いなしに、自分を待ちかねていた男に声をかけるのです。
さあ、いよいよ! 神と悪魔の再戦です!!
それでは、ガンダムファイト!!
レディィィィ! ゴォォォオオオ!!
第42話
ミーアが落ち着くまで自身も涙を流しながら、優しく背中を撫でるラクス。
「ーーあ、あのラクス様?」
舞台監督が、狼狽えまくるミーアのマネージャーの脇から声をかけるも、黙殺されていた。
「ーー姉妹の感動の再会だ。しばらく黙っておいたらどうだ? まあ、邪魔するなら俺にも考えがあるがな」
拳をパキパキ鳴らしながら、ドモンは鋭い目で周りを見渡す。それだけで、周囲の人間は一歩後ろに下がってしまう。
「ーーえ? D?」
ようやく落ち着いてきた、ミーアはラクスの腕の中で、黒髪の青年ーードモンを見て呟いた。
「はじめまして、ラクス・クライン。俺の名はドモン・カッシュ。ファイトの招待を感謝するぜ」
ニヒルに口元を歪ませ、燃えるような赤いハチマキと黒い瞳が印象的だった。
何よりその姿や声は、自分がよく知るDの姿に髪の色が違う以外は、そっくりだった。
「ーー随分と早いな」
声が上から聞こえてきた。振り返れば、それまで全く動きのなかったガンダムが、顔をこちらに向けている。
いや、1人の男に。
「約束した時間の2時間前だが、待ってくれていたみたいだな。デビルガンダム」
「……ドモン。何故ファイトを受けた? 我との一騎討ちに何故臨む?」
ドモンは皮肉げな笑みのまま、告げた。
「俺は最強の男、キング・オブ・ハートのドモン・カッシュだ。敵を恐れてどうする? 勝負を恐れてどうする? 違うか、デビルガンダム」
「それだけで、その女を巻き添えにはするまい?」
デビルガンダムは、Dは知る。確かにドモンは誇り高く、戦いを挑まれれば断りはしない。だが、周囲を巻き込む場合はその限りではない。
ドモンは、思慮深く慎重なところがある。その彼がなんの考えもなしにラクスを連れてきたのが、Dには引っかかっていた。
「彼女もファイターって訳だ。だが、安心したぜ」
「ーー何?」
ドモンの言葉にDが、眉根を寄せて問いかける。
「この間、メンデルとか言うコロニーで出会った奴らと同じようなら、引導を渡してやるつもりだったが。それは杞憂だったみたいだな」
不敵な笑みを浮かべて告げるドモンに、Dの眦がつり上がった。
「ーー随分と偉そうな事を言ってくれるじゃないか、ドモン・カッシュ」
ズォォァッ
一瞬後、デビルガンダムはマント状にしていた翼を展開。大きく左右に広げて、構えを取る。
「ーーマスターガンダムとゴッドガンダムの姿を模してるのか。しかも、その体捌き」
「さすがに気づいたか。そう! 俺はマスターアジアの戦闘データをDG細胞にコピーさせ、取り込んだのだ。更に明鏡止水の境地も手に入れた。ゴッドガンダムよ、この戦いで貴様を下し、我こそが最強にして究極のガンダムと証明してやろう」
勝ち誇るかのようなDの言葉に、ドモンは淡々と返す。
「ーーなるほど。父さんが名付けたアルティメットガンダムの名を取り戻したいのか。だがーーまだまだだな」
「ーー何?」
「デビルガンダム、お前は知っているか。何故ガンダムファイターは武を極めようとするのか。 武の道とは、何かを」
「ーー何が言いたい?」
「答える気がないのなら、黙ってろ。俺もあまり上から目線の言葉を話すのは好かん」
ドモンの静かな迫力にDをして黙る。ドモン程の男でなければ、絵空事だと流せるだろうが。彼の言葉は積み重ねてきた修練と研鑽から紡がれるものだ。
まして、自分を倒した相手だ。
「『守・破・離』と言う言葉が武にはある。『守』は師の教えを守って研鑽を高め、『破』はそれを破る試みを行い、『離』で初めて師から独り立ちして離れるという意味だ。見たところ、お前の動きは我が師マスターアジアそのものの動きを模倣しているに過ぎない。言わば『守』の段階だ。俺はもう、そこは過ぎた」
「ーー!」
たった一挙動で、ドモンはDの動きを見抜いてみせた。
「いかに優れた素質があっても、いかに優れた技を持っても、模倣だけではお前自身の拳は育たない。見たところ今のお前は、他人の技を己の力によって振るうだけの者だ。
それでは俺は倒せん」
「ーー四年の間に随分と説教好きになったものだな? シュバルツかマスターの影響か?」
Dの言葉に、ドモンは決まりが悪そうに頭をかくと
「俺みたいな奴にも、弟子が3人もできてな。流石に口より先に拳で語るのは辞めたよ。3人とも飲み込みが早いし素直だから、あの当時の俺より余程教えやすいだろうが。シュバルツ兄さんの当時の苦労が今になって身に染みる」
苦笑してそう答えた。
「ーー面白い。だが、口先だけが得意になった訳でもあるまい? 貴様から感じる気は、あの頃の比ではない」
Dの言葉にドモンが不敵な笑みを浮かべた。
「ここから先は口で語るものじゃない。俺たちには言葉よりも交わしたいものがある。そうだろ!?」
「ならば、来い!! ドモン・カッシュ! キング・オブ・ハート!! ゴッドガンダムよ!!!」
Dが邪悪な笑みを浮かべて、不遜に言い放つ。
「出ろぉぉおお、ガンダァァアアムッ!!!」
ピシイッ
ドモンが右腕をかかげ、フィンガースナップを鳴らすと、彼の頭上に炎の渦が黄金の光の球と現れ、その球にキング・オブ・ハートの紋章が浮かび上がる。
一瞬後、炎の渦が天に昇り、その先端に緑に輝くデュアルアイが光ると、腕を組んで立つゴッドガンダムが姿を現した。
互いに向かい合う神と悪魔。
「おい、カメラを回せ。凄い絵だぞ」
舞台監督の言葉に本番に先立って映像が世界に放たれる。
神は自身よりふた回りは大きい悪魔を見上げ、悪魔はふた回りは小さい神を見下ろす。
瞬間、2人の周りから一切の音が消えた。
圧倒的な緊迫感だーー。
まるで見えない火花が、2人の間で飛び交うような、いや間違いなく飛び交っている。
この光景を地球で見るのはマスターガンダムに搭乗したマスターアジアだった。彼は機内のモニターでガンダムファイトのニュースを確認していたのだ。そこで配信された映像に思わずうなる。
「何という気迫。デビルガンダムの気の変わりようにも驚いたが、ドモンめ。凄まじい武道家になったものよ」
オーブにて、この光景を見るのは、キラとキョウジを除くすべての人々。
「が、画面越しなのに、なんて気だ…!!」
「こんな奴らがいるなんて……!!」
「お前らが目指す強さってのは、果てしないな。スティング、アウル」
特にマスターアジアと共に長くいたスティングやアウル、ネオにとってはこの二人の存在感は覚えのあるものだった。
「これが、キョウジの弟か。キラたちはまだ?」
「ええ。大分絞られてるみたい」
「ーー無理もないか。にしても、何て緊張感だ。まだ始まってもないのによ」
「これが、ガンダムファイターなのね」
マリューとバルトフェルドも、画面にくぎ付けとなる。
ーーーー地球連合ジブリール邸にて
三人の男はモニターを眺めながら、笑みを浮かべていた
「ドモン・カッシュとデビルガンダムがガンダムファイトとはーー。思い出しますね、ウルベ」
「ふふ、ドモン君は確かに強いが。今のデビルガンダムを真っ向から倒すのは無理だ。彼は昔から向こう見ずなところがあったからな」
「ほう? ウルベ、貴様はゴッドガンダムが負けると言うのか?」
「おそらくな、ジブリール。今のデビルガンダムを相手に一騎打ちなど無謀の極みだ」
あきれたような表情で、ウルベはモニターに映るゴッドガンダムを見据えた。
「君が勝てたのは、シャッフル同盟やガンダム連合、そしてレイン君がいたからだ。一人でデビルガンダムを相手にするなど。思い上がりもはなはだしい」
冷酷な笑みを浮かべて、ウルベはドモンに告げる。
「残念だ。君は、是非私の手で潰してやりたかったのだがね」
ーーーーガンダムファイト会場にて
静かに互いに向かって構える両者だが、そこに巨大モニターから割り込みの声がかかった。
「双方、待ってくれ」
スクリーンに映し出されたのは、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダル。
「何のつもりだ、デュランダル。この期に及んで、何故止める?」
「D、この戦いは全世界に放送しようと思っている。君たちだけの私闘にするにはあまりにも惜しいのだよ」
「くだらん。ドモン! ファイトだ!!」
Dはデュランダルの言葉を無視して、構えようとする。その時ドモンに対し、ラクスから通信が入った。
「ドモンさん、申し訳ありませんが少し待っていただけませんか?」
「ラクス?」
「この世界にあなた方のファイトを見せたいと言う議長の真意はともかく。わたくしもあなた方の戦いは世界に伝えるべきものだと考えています。ですからーー」
ラクスの言葉の途中でドモンはDに対して構えるのをやめた。
「何のつもりだ、ドモン・カッシュ?」
「俺がここに来れたのは彼女が俺の要望を聞いてくれたからだ。今度は俺が彼女の要望に応える番だ」
「こんな下らん茶番に付き合うのか?」
「下らない、か。デビルガンダムーーいやDと呼ばせてもらおう。武道家はあるレベルに達すると個人の考えでは動けなくなる。それは、その強さに責任が生じるからだ。本人が望む望まぬにかかわらず、その振るう拳に多くの人々が関わってくる。だからこそ『歴史の立会人』という役割が、争いの歴史を繰り返す人類を陰から見守る役目がシャッフル同盟には与えられていた」
そう言いながら、ドモンは静かに呼吸を整えていく。その様は穏やかでありながら、同時に機体の隅々にまで気が浸透していくのがわかる。
「だが、だからこそ。俺は生涯ただ一人の武道家としてこの拳を振るう。ただ拳にのみ生きる」
そう言いながら、ドモンは再び拳を握り、Dの眼前に突き出すと告げた。
「かつて全人類を抹殺せんとしたデビルガンダムよ。俺はただ一人の武道家として、お前に立ち向かおう」
「……我が、生涯の宿敵。三度にわたり我を打倒したゴッドガンダムよ。貴様の矜持、心得た」
互いに己の信念を告げあう。
そんな中でゆっくりと時間が過ぎていく。
「ラクス様、あたしーー」
本番前になってミーアの脚がすくみ始めた。本物のラクスが現れたことにより、彼女の中で『ラクス』を演じることが難しくなっていたのだ。
震える足を叩いても、一向に震えが止まる気配がない。
ーーはやく、いつも通りにしないと。あたし、ラクスなんだからーー
そう自己暗示をかけようとするも、一向にやまない不安。
すると、ラクスがミーアの横に座り小声で話しかけてきた。
彼女はこのまま、関係者に妹で押し通すつもりのようだ。
「ラクス姉様、わたくしはずっと貴女を見ていました。大丈夫です、貴女はラクスですよ。わたくしのような愚か者の名を語るのはお辛いかもしれませんが、もう少しだけ我慢してください」
「あたし、ラクス様のファンでーー」
「わたくしも、貴女のファンですよ。大丈夫です、いつもの貴女なら。先ほどの素晴らしい歌を聞かせてくださいな」
純粋無垢な笑顔でラクスは、ミーアの歌を楽しみにしている。その姿にミーアは励まされた。彼女は一つ覚悟を決めたように頷くと、ラクスに告げる。
「ラクス様、一緒に歌ってくれませんか?」
「いいですね!! 二人のラクス様が並ばれるのは、非常に絵になります!!」
この言葉に、舞台監督は喜び、モニターのデュランダルの表情がわずかにこわばった。それを知ってか知らずか、ラクスは静かに首を横に振る。
「いいですわね。けれど、それはまたの機会にいたしましょう。わたくしは今、純粋にファンとして、貴女の歌を聞きたいのです」
笑顔でありながら、どこか強い意志を感じミーアも表情を真剣なものにする。
「お願いしますわね、お姉様」
「わかりました」
こうして彼女は、自分の憧れの人の前で全力のライブパフォーマンスを行う。
その迫力は、全世界に伝わり、盛り上がりは最高潮に達していた。
セレモニーがフィナーレを迎え、いよいよ神と悪魔の両者が向き合う。
「二人とも、長らく待たせてしまったね。はじめようかーー」
デュランダルが声を大きく張り上げた。
「それでは、ガンダムファイトーーーー!!」
これにDが腰を落として斜に構えを取って叫ぶ。
「レディイイイイイイイ!!」
ドモンが答えるように右拳を腰において、左手を顔の横に持ってきて構え。
両者同時に互いに向かって駆ける。
「ゴォオオオオオオオ!!!」
互いに向かって右の拳を振りかぶりぶつけ合う。ドゴォッ
爆発音がした後、黄金の光があたり一面に生じた。
ライブを終えたミーアと客席でそれを見ていたラクス達は、黒服の案内のもと安全な観客席としてコロニー外の資源衛星へと案内された。
プライベートエリアに先にいたのは、デュランダル議長その人だった。思わず前に出るダコスタを脇に押しやり、ほほ笑みを浮かべてラクスはデュランダルに告げた。
「はじめまして、ですわね。ギルバート・デュランダル議長」
「話せて光栄だよ、ラクス・クライン」
互いにはじめての邂逅だった。ダコスタは隣で緊張のあまり生唾を飲み込んでいる。
デュランダルは自身の隣の席に手をやる。
「失礼いたしますわ」
ラクスはそれに預かり、堂々とデュランダルの横の席に着く。
「こうして君と話せるとは思わなかったな」
「わたくしは、こうなる予感がありました。単刀直入にお聞きします」
「ーー何かな?」
ラクスはモニターに写される神と悪魔のぶつかり合いを見ながら、トーンを変えずに告げた。
「あなたは世界に、ガンダムファイトを見せつけて何を変えたいのですか?」
「奇遇だね。私も君に聞いてみたかった」
「ーーえ?」
デュランダルの言葉に今度はラクスが眉を上げる。
「ラクス、君はこの世界をどう思う? 争いのなくならない今の世界を」
「……悲しいことだと思いますわ」
「君は、私の論文を読んでくれたかね?」
質問する側が変わっているがラクスは特に気にした様子はない。むしろ、望むところだとばかりに話していく。
「遺伝子で全てを支配・管理する世界、ですわね」
「光栄だね。きみの感想をぜひとも聞かせてもらいたい」
「人の可能性を自ら消すような世界を、わたくしは望みません。遺伝子により職業を管理する世界は、人に自ら考えることを失くしてしまうでしょう」
「可能性か。美しい言葉だが、その可能性の為に人は未だに争い続けているとは考えないのかね?」
問いかけるデュランダルに対し、ラクスは顔をモニターからデュランダルに向けた。
「あなたが望む世界。そのためならば、人一人の人生を変えても何も感じないのですか?」
「私の『ラクス』のことを言っているのならば、君に私を責める権利はないよ。そもそも君が先の大戦での責任を果たさず、キラ・ヤマトと共にオーブに亡命しなければ、戦後混乱を迎えたプラントは今よりも早く再生したはずだからね」
デュランダルの言葉に、はっきりとラクスは怒りをあらわにした。
「確かに、わたくしが逃げたせいですわね。彼女を、貴方の欲望の犠牲にしてしまったのは」
「私は混乱し絶望するプラントの民をいち早くまとめる必要があった。そのためにーー」
「そのために、彼女の夢を利用したのですね?」
ラクスは普段淑やかな表情を鋭いものにして睨みつける。その瞳には怒りの炎が燃え上がっていた。
「人が夢を見ることの尊さをあなたは何もわかっていないーー!」
「その夢の為に、私の親友は亡くなったんだよ。傲慢な男の夢の為にね」
デュランダルが亡き人を想う。彼は世界に絶望して死んでいった。『最高のコーディネーター』の手で。
「夢と言えば聞こえはいいが、それは言い方を変えれば欲だよ」
「夢と欲があるからこそ、人は人でいられるのですよ」
「違うな。欲があるからこそ、人は滅びるのだ」
ラクスは人の欲を夢と言い、人が明日へと生きるための活力だと主張すれば。
デュランダルは人の夢を欲と言い、人が明日滅びる原因となると主張する。
どちらも平行線の主張だった。
「やはり、我々は分かり合えないようだね。ラクス嬢」
「分かり合う? いいえ、デュランダル議長。貴方は分かり合うつもりはありません。分かり合うというのは、意見の違う相手と何度も話し合い相手を理解するということです。あなたのそれは自分の意見に従わない者は力ずくで排除する、という意味ですわ」
辛辣なラクスの弁にデュランダルは愉快そうな笑みを浮かべた。
同時にデュランダルは、思考にふける。
今、ラクスを暗殺するのは容易いが、キング・オブ・ハートを相手にすれば間違いなく自分も滅びる。
Dが勝利すればよいが、それも今の状況では分からない。
何よりミーアの前に彼女は堂々と現れ、妹を名乗っている。
いきなり消せば、自分が怪しまれるのは必定だ。
(それに、見たいではないか。彼女の言葉が正しいのか、私の言葉が正しいのか。皆が望む未来はどちらかをーー)
デュランダルはかつてほど、ラクスに対する殺意を抱いてはいない。
(Dが勝てば、彼女の運命は決まるが。ドモン・カッシュが勝てば運命はまだ分からない。試させてもらおう、ラクス嬢。君の運命をね)
「我々の意見が平行線だというのは理解できたよ、ラクス嬢」
「ええ、残念ですが」
「だが、今は楽しもう。神と悪魔の戦いをね」
「そうですわね。願わくば、この戦いを間近で見て貴方の考えに変化が訪れることを祈りますわ」
ラクスの物言いに、デュランダルは優し気なしかし、熱を伴わない笑顔を向けた。
ドモンとDは互いに拳と拳を足を止めてぶつけ合う。
その一撃一撃に衝撃波が発生し、コロニーの地表にひび割れが生じていく。強烈な右のストレートは互いの中央で炸裂し、相殺した。
「どうした、ゴッドガンダム!! 大口を叩いておいて、この程度か!!」
「それはーーどうかな!!」
ドモンは拳を微かに横にずらして相手の拳を脇に流し、そのまま踏み込んでの左ボディを放つ。
咄嗟にDも脇腹の前に左手を置いて受ける。
「ーーフン」
受けられたと見るや、両者拳打を無数に放ちあいながら、ドモンはわずかに後方に下がる。すると今度はDの右のハイキックが顔面に放たれる。
これにドモンも右のハイキックを合わせた。
互いの蹴りの衝撃で離れたその間合いは絶好のフィンガーの間合い。
「俺のこの手が真っ赤に燃える。勝利を掴めと轟き叫ぶ!!」
「我のこの手が陰りて笑う。すべてを屠れと昂まり狂う!!」
両者胸のカバーを展開し、ゴッドは背中に日輪を背負う。同時に互いの右手が片方は烈火に包まれ、片方は青紫に光る。
「爆ぁああああく熱!!」
「暴ぅううううう裂!!」
ドモン、D共に目を同時に見開くと右手を大きく振りかぶり相手に向かった正拳のように突き出した。
互いに掌を組み合わせ、技を放つ。
「ゴォッドフィンガァアアアアアア!!」
「デビィルフィンガァアアアアアア!!」
両者の放った必殺技の威力は、コロニーの内部から外壁までを一気に吹き飛ばしていった。
「はぁあああああああ!!」
「ーーグッ!?」
ドモンの咆哮が響き、爆発と同時にDが後方に下がる。わずかにドモンの技の方が上だった。
煙を上げる右手を見据え、Dはニヤリと笑うとドモンを見据える。
「それでこそ、我が宿敵ーーゴッドガンダムよ!!」
「D、この勝負悪いがお前に勝ち目はない」
静かに告げるドモンは背中に展開した日輪を消し、ハイパーモードを解除した。
「なんだと?」
「それを今から分からせてやる。俺が開眼した新たな流派「次元覇王流」でな!!」
ゴッドガンダムの右手が拳を作ると、そこに緑色の光が宿り始める。
「ーーなんだ、その技は!?」
「Dよ、これが俺の『離』の答えだ!!」
みなさん、お待ちかね~!!
新たな流派を編み出したドモンの力の前に、Dもまた明鏡止水を解放するのです。
無限に進化するデビルガンダムか
次元の違う強さのゴッドガンダムか
果たして、勝者はーー!?
次回、機動武道伝GガンダムSEED Destiny 第43話に!
レディー、ゴー!!