【短編】エレガントな転生者が大阪日本橋でガンプラバトルするだけのお話。 作:MrR
原作:ガンダムW
タグ:転生 クロスオーバー シンフォギア ガンダムW ガンプラ ガンプラバトル 自作品クロスオーバー
西のオタク街、大阪日本橋。
ガンプラベース。
ハロ型スキャナーを通して今日も幾多のガンプラ達が戦っていた。
立地的な条件からか大人の割合が多い。
あとは中高生。
このガンプラバトルを無人兵器開発のためのデータ集めだと言う陰謀論者がいたりするのも相変わらずだ。
まあそれはともかく、一人の少年がガンプラバトルに興じていた。
傍にはお付きの女性がいる。
その少年は一言で言えば超全的なエレガントさがある。
明るいブラウンの髪の毛。
青い瞳。
整った顔立ち。
気品溢れるオーラ。
リーオーを操って敵のガンプラと戦っている。
相手はガンダムアルトロン――の改造機だ。
それがおかしいのか微笑んでいた。
「どうかされましたか?」
お付きの女性が尋ねる。
「いや。中々愉快な場所な競技だと思ってね。だからやめられない」
そう言いつつノーマルのリーオーでアルトロンの改造機を圧倒する。
と言ってもただ全力で叩き潰すだけでなく、戦いの最中に相手を鍛えるような――相手の全力を引き出させるような戦い方をする。
また、ガンダムWのトレーズ・クシュリナーダを思わせると言うかその物のような立ち振る舞いからか、連戦連勝をしても対戦相手が後を絶たないという。
使用するガンプラはリーオーやトールギス、ガンダムWに登場するガンプラが中心であるがそれ以外のシリーズを使ったりする。
ネットでは「トレーズの転生者」とか「トレーズのそっくりさん」だとか「リアルトレーズ閣下」とか言われたりする。
それを見て彼――ヴァン・テスタロッサは「この世界は中々に愉快な世界のようだ」と笑っていたと言う。
☆
ヴァン・テスタロッサは欧州を中心に活動するとある団体に属している。
そして彼は団体で本格的に活動してから数年もしないうちに団体その物どころか欧州経済すら掌握。
とんでもない大人物として知られるようになっている。
また無人兵器嫌いとしても有名。
あと日本の作品のガンダムWが好き。
スパロボとかも好きでガンダムWが参戦している作品は必ずプレイしている。
あと、彼はなぜか大阪日本橋に入り浸ってガンプラバトルに没頭、あるいは投資している。
曰く、実はオタクだとかそれはフェイクで壮大な計画の一部にすぎないだとか色々と噂している。
☆
そして彼は現在大阪日本橋でガンプラバトルに興じているそうな。
どうして日本橋にいるかと言うか――
「いや~まさか同類がいるとは思うけどそう言う人が来ちゃったか~」
なんと自分と同じような境遇の人間がいたのもある。
しかも超凄腕のスイーパー(シティハンターみたいな奴)であり、この世界での歳もそんなに変わらない。
そこに嘗てのガンダムパイロットの面影を見たのかもしれない。
「嘘だろ。私達のことが創作物だって――」
「凄いデス!! キラメイジャーのグッズまであるデース!!」
「クリスちゃん! グリッドマンのグッズもある!!」
「お前らノーテンキでなんか私が馬鹿みたいに感じてきたよ・・・・・・」
他にもシンフォギア奏者やらが現れたりと――見方を変えれば平行世界戦線の最前線のような土地であった。
例えどんなに時代や世界が変わろうと戦いの中に人の美しさを見出す男なのである。
ヴァン・テスタロッサと言う男は。
そしてそれはガンプラバトルでも――
☆
「ふむ、装甲騎兵ボトムズモチーフの機体ですか」
「ああ知ってるんだ」
「友人から薦められましてね――」
スパロボZクリア済みであり、シンフォギア奏者との出会いや自分の置かれた状況もあってか、サブカル文化に強い興味を惹かれるようになっていたので当然の如く知っている。
それに今は昔の作品はそこそこの値段を払えば観れる時代である。
全話視聴済みだったりもする。
相手はこの町に入り浸るラノベ作家である。
「この機体はダメージを負ってからが本番!」
ヴァンが対戦するグリモアレッドベレーのカスタマイズ機はダメージを負いながらも全力で勝つために戦おうとする。
「それは期待しよう」
片腕がもげようが、胴体にダメージを負おうが攻める。
まるでボトムズ本編の機体搭乗者が乗り移ったかのように粘りを見せるその姿に賛辞と笑みを見せながら戦う。
最後なんかは片足を失っても戦い、勝とうと足掻いて見せた。
「あーダメだ。泣くほど悔しいけどあんがいこれぐらいが丁度いいかもね。ごめんね大の大人が泣いたりして」
「いえいえ。こちらとしても素晴らしい戦いを見せてくれてありがとうございました」
「ははは、どうもありがとう」
とやり取りする。
☆
時には――
「立花 響!! ゴッドガンダム行きます!!」
異世界の戦士、立花 響とガンプラバトルを通して戦ったりもする。
「全力を持ってお相手しよう」
エレガントな微笑を浮かべて接近戦で挑む。
ここで射撃戦で決着をつけるのはナンセンスだからだ
相手の実力を最大限に引き出させ勝利する。
回りくどく、難しい勝ち方であるが――ヴァンの求める勝利はただ勝つ事だけでは得られないものだからだ。
「最短で真っ直ぐに!! 一直線に!!」
「指導者の教えが良かったのだろう。中々の強さだ、お嬢さん」
そう言われてゴッドガンダムが止まる。
「お、お嬢さんってそんな」
「なに試合の最中に照れてるんだ!? 免疫低すぎるだろう!?」
「え~だってクリスちゃん」
などとグダグダしながらも戦いは続いた。
☆
お遊びである筈のガンプラバトルに魅せられたのは前世の記憶もあるからだろうか。
それとも命を懸けた戦いとは違う何かを感じ取ったからだろうか。
それはヴァンにはハッキリとした答えは分からなかった。
だがこうしてガンプラバトルに興じていると――戦いを通して人の感情が伝わるからだ。
喜びだけではなく、悲しみ、憎しみすらも。
そして自分はガンプラバトルを興じる一人の少年になれた。
そして――
「さて、はじめようか?」
越えたい壁、強敵が出来た。
漆黒のガンダム、ガンダムシュバルツリッター。
操縦者は谷村 亮太郎。
操縦者の技術力と操縦技術ゆえか、Gガンダムのガンダムシュピーゲルのシュツルム・ウント・ドランクを放ってくるヤバイ奴である。
まあヴァンもGガンレベルの戦闘能力を発揮するトールギスⅡを製造して操って魅せたりと十分おかしい領域だが。
両者の戦いは今や大阪日本橋の名物と化していた。
☆
そして時として彼は世界のために戦う時もある。
表だっては戦うことはない。
情報を集めて依頼と言う形で頼み込むのだ。
「軍事用ドローンを使って大阪日本橋を戦場にね――シティハンターでも見たのかな? まあそれを阻止すればいいだけの話だね」
そう言って谷村 亮太郎を戦地に送り込む。
☆
死の武器商人、日本の大企業の御曹司や取り巻き達が逮捕。
さらには軍事用ドローンは全部破壊し、データーも全て破壊された。
ハリウッド映画のような大捕物で大阪府警だけでなく、警視庁や官邸や公安からも人員が総動員される事態になった。
その影には謎のスイーパー、コードネーム「ハサン」の名があったとかなかったとか。
☆
そして今日も彼――ヴァンはガンプラバトルに興じる。
子供や大人、様々な人々と一緒に。
なに書いてるんだろうな自分(白目