トラムは来るのは間違いないとして、案の定もう一人増えた英傑。
トラムは当然話に登場させますが。
アルヴァさんの登場はガチャの引きと、現状の考えてる話の流れで、出しやすそうなら出すかなって感じです。
私が赤の団に入ってから、早くも二年は経ちました。
近頃の赤の団の評判はそれはもう、凄まじいの一言です。
北へ南へ、東へ西へ。
各地を転々としながら、魔物の討伐を繰り返し、勝利を重ねていく赤の団は、様々な場所に知れ渡り。
兵糧やらの補給に立ち寄った、中央の強国の街で。私達の為に、歓迎の宴がされたりすることもありました。
それを率いる団長の強さもまた、二年前よりも研鑽され、各地に広まりました。
結果。
「やぁやぁ我こそは、最強の剣士を目指す――」
といった、団長との腕試しを望む者なんかも出たりしました。
断るかなと思いましたが、団長は戦い自体は、結構好んでいるようで。挑戦にはほとんど断りませんでした。
一部の人達は団長と戦い、団長の考えに賛同した人は、赤の団にそのまま加入する人も、いたりしました。
男女比で言うと、何故か女性の方が多いのは、少し気になりますが。
赤の団は、規模を拡大していきます。そして、どんどん魔物に困ってる人達を助けに、手を伸ばしました。
さて、私はと言うと。
戦闘面において、三体まで。複数の魔物に、星を当てることが出来るようになり。
時折、団長の相談を受け、占星術を使い。道を示したりしました。
でも、原則団長は相も変わらず一人で決めて、一人で走ることが多かったです。
団長はどうにも、戦闘以外ではここぞ。という時しか、占星術は頼りにしないようにしているみたいです。
もっと、頼ってくれてもいいんですよとは、少し愚痴を零してみたが。団長はこくりと頷くだけで、あれこれとは明言してくれませんでした。でも、団長の判断力と決断力は、星の導きがなくとも信頼できる物でしたし、口出ししなくても、それはそれで良かったかもしれません。
まぁそうなると、私も手持ち無沙汰になってしまうので。
それなら団長の負担を軽くしようと、団の事務処理のお手伝いをしていると。占星術の力もあって、数少ない団長に相談される存在。副官とか、副団長みたいな、役職らしい役職はありませんが。団長の隣に私がいても、それを特に不思議に思われない存在にはなりました。
ちょっとは、優越感を感じます。でも、慢心はしてませんとも。
「ソラス」
「ひゃぁい!?」
あれこれ、考えてる内に団長に、声をかけられて変な声が出ちゃいました。
団長はそんな私に、優しく微笑むだけだから、何だか余計に恥ずかしい。
二年の歳月を経て、出会った頃の団長と同じくらいの年齢になりましたが。
団長が持つその大人の余裕は、私にはまだ持てそうにないです。
「少し付き合ってくれないか」
そう言って、団長は簡素な椅子と机と、天幕があるだけの執務室を抜け出し。
私はその後ろをついていく。
「団長!見てください!」
弓を射る鍛練をしている少女は、見事的の真ん中に矢を当てる。それを団長は凄い凄いと褒めちぎる。
「団長!一勝負どうですか!?」
賽を持った兵士に、団長は腰掛けその相手をして、一度とならず二度、三度と相手をしてお互い笑顔のまま別れ。
「早いー早いー!」
荷車に乗った団員の子供の為に、団長自ら引き、あちらこちらと走り回る。
団長は常に、沈黙の時は知略を巡らせている。みたいな噂話を団員達からよく聞きますが、その実団長は結構お茶目だ。
雪が降り積もったという理由だけで、雪合戦を始めたり。
どこかへいなくなった団長を、私が探して回っていると、子供の団員達と一緒に遊んでいたり
そして、誰かが笑う姿を見て、自分の事のように笑う人だった。
その日は、遠征前の休日。事務を終わらせた団長は、こうして。体を休めることなく、団員達を見て回り。
夜になると、私と団長は星を見上げます。
会話がなく。沈黙が場を包みますが、決してそれは、苦手な人と一緒にいるときのような嫌な沈黙ではなく。
穏やかに頬を撫でる風のような、柔らかな時間が流れていきます。
はっ。
あれ、これは所謂デートなのでは。
休日と分かっていたのだから、もっと小奇麗にしておくべきだったと、今更ながら後悔してしまう。
さらりと、抜け出して今からでもと思ったが、ポツリと団長は口を開く。
「団員が増えてきた」
「そうですね、二年前よりも」
「どんどん執務の量が増えている。休みなのに、ソラスには何度も手伝ってもらって、すまないと思っている」
「それ、毎日夜更かしして、執務室に籠っている人が、言っていいセリフじゃありませんよ。前にも言いましたけど、もっと私を頼りにしてくれたって、いいんですからね」
「とは言っても、俺がやらなくてはならないものもあるからな」
ポリポリと頭を掻きながら、団長は困ったように言う。
けど、スッと真剣な表情に切り替わり、再び。
「団員が増えてきた」
そう言い、私は頷く。
「だが、力不足を感じる。この前の戦いでも死者が出てしまった」
団長が飛び出して、戦うという図式は、二年前から変わりません。
しかし、赤の団が規模を拡大するにつれ、それに比例するかのように。日々脅威を増す魔物の軍然に。
圧倒的な強さを持つ団長は無事でも、赤の団に死傷者が出始めました。
団長は常に、団員を見てくれています。並みのヒーラーでは治しきれない傷も、団長の手ならば瞬時に回復できます。
即死さえしなければ、治癒の魔法の力で、人は再び立ち上がることが出来ます。それこそ、文字通り足を失っても。
でも、戦いをしていると、どれだけ気を付けても、頑張っても。
死は起きます。気を付けて頑張れば、死なないなら皆そうしています。
私が赤の団に入ってから、二年経ちました。
その二年で何人も、その命を戦場で魔物の手により、散らされました。
魔物から人々を助ける、団長が掲げた旗印の下で。
「戦力を増強しないとな」
星々を背に、決意するように語る団長。
絵画の中にいるかのような、姿にしばらく私は見惚れました。
この一月後、赤の団は大幅な戦力増強が実現されました。
英雄王は、彼と出会います。
忠臣にして、猛将。
そしてそれ以前に友。
紫竜を駆る騎士、真なる友に。