紅魔館に十六夜咲夜が配属された日、紅魔館の主レミリア・スカーレットに妹は狂っていると教えられるが、十六夜咲夜は鋭い洞察で、妹フランドールはくるっていないという事実を導き出す。

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ハンバーグカレー

フランは狂っている と姉のレミリアは神妙に話す。

 

深紅の洋館 紅魔館の中、

 

齢500歳になる吸血鬼、レミリア・スカーレットは、幼子の姿のまま考えを独白として述べる。傍らには新人のメイドがたっている。レミリア・スカーレットはこのメイドに十六夜咲夜と名付けた、彼女は時を止められる傑物である。レミリア・スカーレットは青みがかった銀髪のセミロング、に深紅の瞳、かわいい十歳の子供の姿をしていたが、背中に大きなコウモリの羽を生やしており、ちょこんと高級であろう椅子に座りながら、遠くを見つめて言った。

 

妹は、なんでも壊す。姉も、姉の友人も

妹は、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力をもっている。

そのものの一番脆い箇所を自分の手の中に移動させ、拳を握りしめることで対象を破壊できる。

これを号して「きゅっとしてドカーン」と言う。

妖怪は壊されてもなんということはない。物質など所詮上皮に過ぎない。

どれほど破壊されようとも中枢は愚か下皮さえ傷つかない。

ただ痛いことは痛い。

物質をかき集めて元の姿に戻るのもそれなりに骨だ。

フランはその能力のためか物質にこだわっている。

妖怪にとっての喜びはむしろ物質的なところにはない。

下等な妖怪でさえ他者の恐怖を糧にしているというのに、上等な妖怪である吸血鬼がこのざまでは情けない。と

ロングスカートにカチューシャをつけた十六夜咲夜は神妙にこれを聞いていた。

十六夜咲夜はすぐにその時を止める能力と、戦闘力と瀟洒をかわれ、たちまち侍従長兼料理長になった。そして紅魔館でもっとも危険な役割、吸血鬼姉妹の妹、それも狂っていると呼ばれるフランドールスカーレットの食事係を任じられた。吸血鬼であるフランドールの食物は、十六夜咲夜と同じ人間である。

 

数日後の深夜、侍従長(メイド長)である咲夜は主レミリアに切り出した。

「お嬢様、妹様は狂ってはおりません。」

突然の切り出しにもかかわらずレミリアは静に話題を受け入れた

「咲夜、あなたはアレの厄介さが解っていないのよ」

「お嬢様こそ解っておられないのではありませんか」昨夜は赤色の瞳をうわまぶたで半ばまで隠す。昨夜のボブカットがかすかに揺れる。

「アレは見境がないわ。私もパチェも何度きゅっとされてドカーンとさせられたことか」

「ですが、私やメイド妖精は一度としてされておりません。

「私が言いつけているからね

「言いつけられて守っているならば狂っているとはいえません。それにお嬢様」

「なによ」レミリア・スカーレットは大きな悪魔の瞳を開いて話す。

「お嬢様は妹様の能力の発動をご自身に限ってはお認めになっておられるのですか」

「そんなわけないじゃない」レミリアはむっとする

「ならば、妹様はお嬢様のお言いつけを守らない子ということになります」

「厄介でしょ」

「ですが、我々に危害を加えません」

「なにがいいたいの」

「妹様は言いつけられたからではなく、ご自身のご判断で我々に危害を加えないのでございます。」

「…。じゃあ、どうして私には危害を加えてくるのよ」

「恐らく、平気だからだと思われます」

「平気じゃないわ。」

「ですが、今もご壮健です」

「そりゃ、そうだけど、痛いのよ。それなりに。」

「はい。」

「…。」レミリアは黙り込んだ。

「お嬢様」昨夜が言いさすと、レミリアは手を上げてその先を制した。

「そうね、あの子は見境があるのかも知れない。だからなに?それでも危険なことに変わりは無いわ」

「お嬢様」

「なによ」こんどの呼びかけにはレミリアも分からない。

「基本的に妖怪は妹様の能力により粉々になっても平気でございます」

「人間は?あなたは人間でしょう」少しムキになるレミリア。

「お嬢様」

「なによ」

「人間はほぼ全ての妖怪から本気で殴られただけで死にます。」

「…。」

「ましてや吸血鬼ならそれはたやすいことでございます」

「でも、あなたは丈夫じゃない」

「丈夫な人もおりますが、例外でございます。」

「…。そうね。そうかもしれない。わかったわ。今日から一緒にご飯を食べましょう。アレを呼んできて。」

七色の宝石を翼とした少女が地下深い部屋から連れてこられる。

彼女こそレミリアの妹であり、狂っているがために495年地下で幽閉されていた悪魔の妹フランドールスカーレット。

「まんじゅうは怖くない。」フランは発声第一にそういった。

「第一声がこれよ、咲夜。この子おかしいでしょう。」

「いいえ、お嬢様。妹様は遠回しにお嬢様が怖いといいたいのです」レミリアは妹へと首を曲げる。

「私が怖いの?フラン」

「きゃははははは」フランは狂った笑いをあげた。

「なにがおかしいの」とレミリア。

「おかしいおかし、きゃはははは」

「妹様」

「なに?」

「おゆはんはハンバーグとカレーどちらになさいますか」

「えっとね、ハンバーグカレー!!」元気一杯にフランは答えた。

「ちょ、ちょ、ちょ、フラン」とレミリアはなにやら慌てる

「あっ!!」フランは口元に手のひらを広げて、あっと驚いてみせる。

「?。お嬢様、お聞きの通り妹様の判断力は完璧です。」

「そ、そのようね。ねえフラン」

「…きゃ、きゃははははは」ふたたびとりつくろうように狂気の笑いをあげるフラン。

「フラン」レミリアは呼びかける。

「きゃははははは」フランは笑いで返す。

「まあいいわ、今日から少しずつ馴れていきましょう。」と、レミリアは頬杖をついた。

 

ということがございました。と咲夜は遠い目をして語った。

しかし、次の日からお嬢様と妹様の仲は…今と同じくらい良くなりました。

なんのドラマも突拍子もなく「ふっらーん」「おねちゃーん」の仲になったのです。

そして、新入りが来た日には再び突然仲が悪くなり、妹様はずっと幽閉されていると言い出し、お嬢様は妹様を頭のおかしいアレよばわりするようになるのです。

外出中で人が見ているときもこれと同じ事をなさいます。、

どちらも、帰宅するか次の日になるかまででございまして、また仲良くなられるのです。

不審と言えば不審ですね。もし私の中にお嬢様への不審の感情があったとしての話ですが。


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