俺のクソアニメ世界での日常   作:お暇

9 / 9
もっとダイナミックな展開にしたかった。

【9/6追記】
作画崩壊の理由についてアニメらしさを絡めた設定考えたのでちょっと全体的に手直ししていきます。なので、次話はしばらく更新されません。


俺のクソアニメ世界での作画崩壊

 俺は自室のベッドで目を覚ました。

 ピピピピと鳴り続ける目覚まし時計に手を伸ばし、音を止める。時計の針はいつも通り六時を指していた。

 

「ん?」

 

 ベッドから降りようとした俺は、足に違和感を覚えた。床に両足をついた時の感覚がいつもと違う。ちょっと窮屈っていうか、いつもはもっと膝にゆとりがあるんだけど。

 立ち上がってベッドへ目を向けると、そこにはいつもの半分くらいに薄くなったベッドがあった。

 

 ああ、作画が狂ってたのか。たまにあるんだよなぁ、朝からおかしくなる時が。朝っぱらからこんなん見せられたら気落ちしちまうよ。

 

 はぁ~と何気なしにため息をつく。

 その時ふと、ハンガーラックにかかった荷袋が目についた。……そうだ。そうだった。俺にはこれがあったんだった。ワイルド特攻武器『アヴェンジ』が。

 

 ふふふ。こういうのって見てるだけでテンションあがるよなぁ。ずーっと眺めていたくなる。沈んだ気も一気に上がり、思わず荷袋へと手を伸ばした。

 

 ……あれ? 軽い。

 

「あ、昨日先輩に渡したんだった」

 

 即堕ち先輩がメンテをするからって言って持っていたんだった。なんか、春夏冬先生は前線を退いてしばらく経つし武器もずっと放置されていたはずだから、軽く中身を見ておきたいんだと。

 

 寝ぼけてんなあ、そんな大事なこと忘れるなんて。さっさと顔洗って目を覚まそう。

 

 洗面所で顔を洗い、すっかり目が覚めたところで制服に着替える。最後に髪形を整えれば準備万端だ。俺は寮の食堂へ向かうべく部屋を出た。

 

「うげっ」

 

 うわあ、またまた作画がおかしいぞ。

 窓は真っ白になって外が見えないし、廊下はパースが狂ってるから奥行が全然感じられない。ここはトリックアート美術館かな? あ、でも歩くとちゃんと奥に進んでる。

 

 角を曲がると、廊下には生徒が数人いた。ちなみに、全員一年生だ。学年ごとに寮が別れているから、一年生以外の生徒はこの建物にはいない。

 皆、廊下の端っこに寄って棒立ちで話をしている。表情が全然変わらないし、なんなら口すら動いてない。これは遠くにいる人がよくなるヤツだけど、近くにいる人の顔が固まっているのは珍しい。

 

 ホントにどうしたんだ今日の作画。なんか、いつも以上に崩れてるような気がするんだけど。

 

 置物になった生徒達をちらちら見ながら歩いていると、食堂の入り口が見えてきた。

 ま、作画崩壊はほっときゃ勝手に戻るか。それよりも飯だ飯。昨日は和食を食べたから今日は洋食にしようか。そういえば、朝食の献立確認してなかったな。献立の内容によってはもう一度和食でも――。

 

「おはよう白神君」

「ん?」

 

 何を食べようか考えていると、入り口前で声をかけられた。この声はエア子だ。

 

「おはよう井っ……!?」

 

 振り向いた先には、エア子らしき(・・・)人物が立っていた。

 誰だお前は!?  いや、髪形とか声から察するにエア子なんだろうけど、目がデカすぎるせいで別人に見えてしまった。

 

「どうしたの?」

「や……なんでもない」

「そっか。今日は何を食べるの?」

「い、今考え中」

 

 エア子は髪の毛先を伸ばしたり縮めたりしながら近づいてきた。ふふっ……動きがカクカクなのちょっと笑える。

 

「ちょっと。二人して入り口を塞がないでくれる?」

 

 この声はシェリルか。

 俺とエア子は二人してシェリルの方へと目を向けた。ぷぷっ。こっちは影がないベタ塗りだ。ボリュームのある紅髪もペラッペラで全然立体感がない。吊り目だった目も垂れ目になってるし、これじゃただのそっくりさんじゃんか。

 

「ぷっ……くくく……ひひっ」

「何よこいつ。急に笑いだして」

「あはは……。あまり気にしない方がいいんじゃないかな」

「そうね。こいつが急に変なことするのはいつものこと(・・・・・・)だし。先に行きましょ」

 

 ふっ、ふふ、……ふぅ。なんとか笑いをこらえたぞ。

 あれ? シェリルもエア子もいなくなってる。話しかけてきといて放置するなんて薄情な奴らだ。行くなら一言声をかけてくれりゃいいのに。

 まあいいや。あいつらと一緒に朝飯を食わなきゃいけないってわけじゃないし、俺も早いトコ選んじまおう。

 えーと、今日の献立は……あれ?

 

「うげっ、マジか」

 

 俺の目の前には、ひょろひょろした線が沢山書かれた張り紙があった。

 こりゃまたレアなモンが来たな。これは俗にいうミミズ文字。アニメの劇中で書類とかに何かしら文字が書いてあるように見せるアレだ。まいったな。これじゃあ何が書いてあるのか全然分からねえぞ。しゃーなし。テキトーに選ぶか。

 俺は食堂に入って券売機に向かった。

 

「こっちもか」

 

 献立の文字だけじゃなくて、まさか券売機の文字までミミズ文字とは。つーかあれも、これも、それも、よく見れば食堂の壁に貼ってある張り紙全部ミミズ文字じゃねえか。

 

「あのー、まだですか?」

「あ、すみません」

 

 やべっ。まじまじと観察してたせいで、いつの間にか後ろに待ち列ができていた。

 とりあえず、今日も和食が出てくるAセットにするか。おかずがなんなのか分かんないけど、日本人は米と味噌汁で十分満たされる人種だ。米と味噌汁が付いてくるってわかってるAセットなら、大外れってことはないだろう。

 

 文字は読めないけどボタンの位置は覚えてる。上から三番目の列の一番左だったよな。ぽちっと。……出てきた券もミミズ文字書かれてるけど、これ出して大丈夫なのか?

 

 恐る恐る手渡した食券はすんなりと受け取られた。

 食堂のおばちゃん達が手際よくちょっと歪んだお盆に料理を並べ、注文の全貌が明らかになっていく。味噌汁……だよな? それにおにぎりらしきものと多分サラダ、あと……焼き魚?

 

 和食らしき料理を受け取り、空いている席につく。

 うーむ、匂いはすごくおいしそうなんだけど、作画のせいでおいしさがいまいち伝わってこない。おにぎりはツブツブ感ないし、魚はペラペラだし。

 とりあえず一口。……あ、おいしい。見た目はともかく味は普通だ。

 

 朝食を残さず食べた俺は自室へと戻り、一息ついてから教室へと向かった。

 

 道中もパースが狂ったり光景が続く。

 流石にこれはおかしいぞ。朝一からずっと崩れっぱなしなんて、これまで一度もなかったのに。

 考えられる原因はなんだ? 長時間継続する作画の変化はストーリーが絡んでいる時に起きるから、多分今日がストーリーの進む日なんだろうけど、それにしたって崩壊の度合いがあまりにも……まさか。

 

「まさか……ついに来たのか。逆転の時(・・・・)が」

 

 ここはクソアニメと呼ばれたSSSの世界。作画崩壊が日常的に起こるけれど、生活に支障が出ない程度には安定している。

 でも、アニメ本編のストーリーが絡んでくると、作画のクオリティが一気に変わる。

 

 いい方にも、悪い方にも。

 

 知らない人のために説明すると、クソアニメにはいくつかのパターンがある。

 第一話から最終話まで均等に崩れているパターン。クオリティは高めだけど製作が間に合わず、途中で総集編を挟んだり放送が打ち切りになるパターン。

 

 そして、物語が進むにつれて作画のクオリティがどんどん下がって、最後のクライマックスだけちょっとクオリティが上がるパターン。

 

 SSSは徐々にクオリティが下がるパターンのクソアニメだった。

 先輩の登場は多分第六話か第七話くらいだったと思うから、時期的にも丁度作画が怪しくなってくる頃だ。

 つまり、これからストーリーが進む日は、作画がひどく崩れるってことなのか? 最終話を除けばあと三回か四回だよな。まあ、そんくらいなら我慢できるか。

 

「……マジか」

 

 前言撤回。やっぱ無理かもしれん。

 

 教室前までやってきた俺の目の前には、台形を横にしたみたいな扉があった。

 教室の扉は引き戸なんだけど、これ、どうやって開くの? レールも扉に合わせて斜めになってるし、これじゃあ長い辺が引っ掛かって開かないと思うんだけど……。

 

 俺は扉の取っ手を掴んで引き戸をスライドさせた。引き戸は長い辺をぬるりと可変させて開いた。

 

「そうはならんだろ」

 

 マジか。マジかこれ。こんなんが今日一日中、今後三回四回続くってのか? ――僕はついてゆけるだろうか。作画がイカれた世界のスピードに。

 

 ああ……言ってる傍からまた崩壊してる。

 

 教室に入って真っ先に目についたのは、巨大化した席だった。

 普段は腰辺りの高さしかないはずの机が胸元まで来てるし、それに合わせて椅子も大きくなっている。てか長いな、席に座ってる奴らの足!

 

 教室のロッカーに荷物を仕舞い、自分の席に着いた。跳び箱みたいに両手をつきながら体を持ち上げて席に着くなんて、前世も含めて初めての経験だ。

 

 足をプラプラさせながら時間が来るのを待っていると、始業を知らせる鐘が鳴った。教室の扉が開いて、一人の男が入ってきた。

 

「えー。皆さんおはようございます。時間になりましたので、朝のSHRを始めます」

 

 教壇の前に立ったのは、春夏冬先生が出張中の間の臨時担任、田中先生だ。先生は比較的いい作画してるな。元々のデザインが地味でシンプルだからか?

 

「……はい。今日も全員出席ですね。いい事です。続いて連絡事項です。既に確認した方もいるかと思いますが、来週行われるサバイバル演習について、皆さんの引率を行う二年生の選抜が終わりました。自室の学業用PCにメールを送信しておきましたので、各自確認しておいてください」

 

 メールを見るまでもない。俺達のチームは即堕ち先輩で確定だ。だって、これって二年生の即堕ち先輩を一年生のイベントに絡ませるためのシステムだもん。

 

 あの人ってみかみんだけじゃなくて俺にも辛辣だから、相手にするのは正直しんどいんだよなぁ。みかみんだけじゃなくて、俺にもデレてくれたり……無いか。ただでさえアヴェンジ絡みでよく思われてないのに、ここから好感度がデレるまで跳ね上がるなんて、みかみんみたいに催眠術でも使わなきゃ無理な話だ。

 

「では、これで朝のSHRを終わります。このまま続けて一限目を行いますので、皆さん授業の準備をお願いします」

 

 そういや、今日の一限目は田中先生が担当する国語だったか。

 俺は机の引き出しからタブレットを取り出した。未だに慣れないな、このデジタル教科書。前世では紙の教科書だったたし、タブレットはソシャゲ専用機だったから、タブレットを勉強に使うって発想が新鮮だ。

 でも、黒板とノートだけは未だにアナログ方式なのはなんでだろ。

 

「それでは一限目を始めます。教科書の三十一ページを開いてください」

 

 早いよ先生。こっちはまだタブレットだしたばっかなのに。

 俺は急いでタブレットの電源スイッチを押す。画面にふにゃふにゃレイアウトのホーム画面が映った。

 

「おっ……!」

「どうかしましたか白神君」

「……すみません。なんでもありません」

 

 くそっ、油断した。いつもより作画のクオリティが低いってわかってたのに、思わず動揺しちまった。

 なんだよこの画面。お前デジタル製品だろ! アイコンの見た目とか並び方とか、見た目が思いっきりアナログ製品じゃねえか! 子供に遊ばせる用のパチモンタブレットだって、もう少しマシな画面用意してるぞ。

 

 気を取り直して、国語の教科書アプリを起動する。画面いっぱいに映し出されたページは……やっぱり。これも全部ミミズ文字だ。これじゃあ授業に参加するのは無理だな。

 今日の授業は諦めて、時間が過ぎるのを待つか。質問とか問題で指名されたらわかりませんで通そう。朗読は……当たらないよう祈るしかない。

 

 祈りながら授業を受けること約四時間。運のいい事に一度も指名されることなく、無事四限目まで終えることができた。

 授業も色々とおかしかった。先生は視界の外に消えた途端に瞬間移動するし、ちょっと目を離したすきに黒板に大量のミミズ文字が書き込まれるし、「で、あるからして」しか言ってないのに問題の内容について質問してくるし。リアクションを抑えた自分を褒めてやりたい。

 ずーっと気を張っていたせいでいつも以上に疲れた。早いとこ飯を食ってちょっと仮眠を取ろう。

 

 五、四、三、二、一……よし、授業終わりの鐘がなった。先生が教室を出ると同時に、俺はすぐさま教室を出た。

 

 そして、更なる地獄を味わうことになった。

 

「これホントに進んでるのか?」

 

 当然のようにパースは狂うし。

 

「ここ、どこ?」

 

 校舎内の構造は微妙に変わって道に迷うし。

 

「でかっ!?」

 

 廊下や階段が急に巨大化するし。

 

「危なっ!?」

 

 物資を運んできた装甲トラックがノーブレーキで九十度ぬるっと曲がってびっくりするし。

 

「やっと着いた……。今日のラインナップは……全部同じじゃねえか」

 

 購買部の昼飯のラインナップがたまごサンドだけになってるし。

 そして、ようやく昼飯を手に入れてようやく休めると思ったら……。

 

「白神じゃないか。ちょうどいい。俺達もここで食べようぜ」

「リューシもいるの? まあいいけど」

「わ。たまごサンド一杯。白神君ってたまごサンドが好きなんだ」

 

 後からやってきたみかみん一行と一緒に飯を食う羽目になった。

 ベタ塗りになるし、動きカクつくし、体が大きくなったり小さくなったりするし、腕が変な方向に曲がるし、顔変わるし。

 

 頼むから、作画崩すか飯を食うかどっちかにしてくれ! 気が散って飯が食えないだろ!

 

 

 

 

 はぁ、はぁ……。な、なんとか今日という日をやり遂げたぞ。

 今日は肉体的にも精神的にも疲れた。ふわぁ~……。あくび止まらねえや。昼休みも結局仮眠取れなかったし。

 春夏冬先生がいない間は放課後は各自自由になってるから、今日はさっさと寮に帰って休もう。

 

 靴にも履き替えたし、行くと……なんだ? 誰だよこんなタイミングで連絡なんて。

 振動するスマホを見ると、即堕ち先輩からメッセージが届いてた。内容を確認すると……そこには衝撃の事実が書かれていた。

 

「修理?」

 

 即堕ち先輩曰く、アヴェンジに時間のかかる破損が見つかったらしい。だからしばらくアヴェンジを預かるそうだ。

 ちょ、ちょっと待て。軽く中身を見るだけって言ってたじゃん。なのになんでしばらく預かることになるんだ?

 

 ハッ! まさか、メンテを理由に俺からアヴェンジを取り上げるつもりか!?

 ……やりやがったな。春夏冬先生の言う事なら守るだろうと高を括っていたけど、まさかこんな手でアヴェンジを奪いに来るなんて。

 くそっ、眠いけど寝てる場合じゃねえ! ヤツからアヴェンジを取り返さないと。

 

 こっからヤツの研究室がある別棟に行くには……中庭を突っ切るのが一番早いか。ヤツは必ず自分の研究室にいる。ヤツが授業に出ないで研究ばっかやってるのはアニメの設定でも、學園の噂でも知っているからな。今も絶対に研究室に籠ってなんかしてるはずだ。

 

 俺は中庭を駆け抜けて別棟に入った。確かヤツの研究室は別棟の奥だったな。

 別棟の廊下を突っ走り、目の前に見覚えのあるドアが見えてきた。別棟の中で何故かあそこだけ近未来感が出てる自動ドア。あれこそがヤツの研究室だ。

 

 自動ドアが開いて、研究室へと足を踏み入れる。薄暗い室内を視界に収めたけど、ヤツの姿はどこにも見当たらなかった。チッ、一体どこにいやがる。

 うろうろしていると、奥の方から怒鳴り声が聞こえてきた。この声は多分ヤツの声だ。なるほど。奥に隠れてやがったのか。

 

 俺は声の方へ歩いていく。

 ん、この声……みかみんか? ヤツの声も聞こえるし、もしかしてこの怒鳴り声って二人で言い争いをしているのか?

 

 声が聞こえてくる部屋の前まで来た俺は、陰からそっと奥の部屋を覗き込んだ。

 そこには距離を開けて睨みあうみかみんとヤツの姿があった。……お前ら、どうして十メートルくらい距離開けて睨みあってんの? ソーシャルディスタンス?

 

「きっと秋様も、出来の悪い君の事を疎ましく思っていただろうね」

「そんな事はありません。あなたこそ、師匠の事を誤解している。師匠はそんな薄情な人間じゃありません!」

 

 そう言って、みかみんは春夏冬(あきなし)先生との思い出を語っていく。

 こ、このセリフは……この展開はまさか!

 

「それでも僕は言うよ。御神代君、君は秋様の弟子にふさわしくない。その程度の実力では、いずれ秋様の顔に泥を塗ることになる」

 

 リアタイで、サブスクで、公式チャンネルの同時視聴企画で、何度も見る機会があったこのシーンを、この俺が忘れるはずがない。

 これは当時、視聴者達を混乱の渦に巻き込んだ問題のシーンじゃないか! まさか、この歴史的瞬間に立ち会えるなんて思ってもみなかった!

 

「先の事は誰にもわかりません。今の俺は未熟で師匠の弟子にふさわしくないのかもしれない。でも、このまま終わったりはしません。絶対。俺はこれからも努力を続けます。強くなります。師匠の弟子だって胸を張って言えるように、春夏冬秋の名に恥じない強さを手に入れて見せます!」

 

 いつの間にか、俺の心はヤツへの怒りではなく迷シーンへの期待に染まっていた。

 さあ、みかみんの宣言が終わったぞ。ここだ。ここがAパート終わり。この後がいよいよ問題のシーンだ。

 アニメだとCMっていう分かりやすい間があったけど、この世界にそんなものはない。どう再現されるか見ものだぞ。

 

「それじゃあ、俺はこれで失礼します」

「寂しいことを言わないでくれ。仕事も丁度ひと段落したし、僕も一緒に行くよ」

 

 先輩はフラリと歩き出すと、みかみんの腕にしなだれかかった。ぷっ……まだ笑うな。堪えるんだっ……。

 

「いいよね? みかみん♡」

「ぶははははは! わはははははは!」

 

 堕ちた! 堕ちたよこの先輩! 所要時間約10秒! 「秋様の顔に泥を塗ることになる(キリッ)」って言っときながらこの態度! 興味ない男が金持ちだと分かった瞬間手の平を返すみたいに、態度が百八十度変わっちゃったよ! 今のどこに堕ちる要素があったんだ!

 

「がははははは! ふはっ、はははははは! いひひひひ!」

 

 ヤバっ、ヤバい。ひひひひっ。腹痛い。今日一日作画崩壊を見せられて疲れてんのに、こんなツッコミどころ満載のシーンを見せられたら笑わずにはいられないじゃないか!

 くひっ、痛っ、いてててて。腹が、腹筋が壊れる……っ!

 

「そんなところで何をしているのかな白神君? 君をラボに呼んだ覚えはないのだけれど」

「ふひひひひひひっ。けほっけほっ。はひっ、くくくく……」

「聞こえてないのかな? 悪いのは頭だけにしてほしいのだけれど」

「ぷぷっ。いいよねみかみんっ……くくっ、ふひひひ……」

「…………」

 

「あががががががががががっ!?」

 

 いででででっ!? 痛っ!? 全身が痛い! 頭のてっぺんから足先までビリビリするぅうううう!?

 

「先輩! それ以上は駄目です! 放電を止めてください!」

「……仕方ない。みかみんがそう言うなら止めるとしよう」

「アガ…………」

「白神!? しっかりしろ白神! おい!?」

 

 こうして、俺の崩壊した一日は幕を閉じた。

 

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