イッチ「“個性”と言う特殊能力がある世界に転生したら“緑谷出久”って子が自殺したんだけど…どうしたらいい?」スレ民達『ハ?』 作:DestinyImpulse
投稿が開いて、申し訳ありません。
新年が始まって、新しくポケモンのssを書いていたら、いつの間にか二月になっていました。
久々なので、違和感があるかもしれませんが、ご容赦ください。
「俺の個性強かった?」
通形先輩と俺による模擬戦は俺の完敗で幕を閉じた。そうして腹と顔面に感じる痛みに耐えつつ通形先輩の言葉に耳を傾ける。
「……ええ、炎も剣も擦り抜けてカウンターで対処するしか俺には思いつきませんでした」
「攻撃すり抜けるし、ワープするし!轟みたいな複合型ですか!?」
とりあえず思った事を言う。火炎剣烈火の炎も刃も擦り抜けてしまって、カウンターを決めるしか俺には勝ち目がなかった。…まぁ、それも真正面から潰されたが。
「いや1つ!【透過】なんだよね!」
芦戸の複合型なのかの質問に通形先輩は笑って説明を開始した。……【透過】か、俺の攻撃が悉く当たらなかったのは身体を透過させていたって事か…
「君達がワープと言っていたあの移動は、“個性”の応用さ!全身で“個性”を発動すると、俺の体はあらゆる物を擦り抜ける。すなわち地面もね!」
「地面も…あっ、じゃあ最初に剣君の攻撃の時…アレは地面に落っこちてたって事ですか?
「そう!地中に落ちる!そして、落下中に“個性”を解除すると、不思議な事が起こる。質量のある物が重なり合うことは出来ないらしく…弾かれてしまうんだよね。つまり、俺は瞬時に地上へ弾き出されてるのさ!これがワープの原理。あとは、体の向きやポーズで角度を調整すれば、出現場所も自由自在!」
………マジかよ。
言ってる事は簡単だけど、それを実現するには複雑な行程を何度も踏まないといけないんだぞ…!
「………最後に剣のカウンターを真正面から叩き伏せたのも、そのワープの応用ですか?」
「そうさ、必殺のファントム・メナス!いやー、正直に言うとアレには焦ったよ。コンマ数秒でも遅れていたら防げなかった!」
轟もその事を理解したのだろう冷や汗を流しつつも、最後に俺のカウンターを沈めた事について聞き出していた。
「何と言うか…ゲームのバグみたい?」
「ハハハッ!イーエテミョー!!」
「…攻撃は全部スカせて、自由に瞬時に動ける……私達の中で一番強い剣ちゃんが手も足も出なかったわ…条件をクリアしないとマトモに戦う事ができない、とっても強い“個性”ね」
「いいや、強い“個性”に
芦戸の呟きに大笑いしていた通形先輩だったが、梅雨ちゃんの言葉を真剣な表情で否定する。
「“個性”発動中は肺が酸素を取り込めない。吸っても透過しているからね。同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜ける。それは何も感じることが出来ず、ただただ質量を持ったまま、落下の感覚がある…というだけなんだ」
「……っ、耳も聞こえない」
「そう何も聞こえなない。分かるかな?壁一つを抜けるにしても、まず片足以外を発動して壁を抜け、もう片方の足を解除して接地。そして残った足を発動させてすり抜ける。と幾つかの工程が要るんだよね」
「………急いでる時ほどミスっちまうな俺なら…」
「おまけに、何も聞こえなくて感じなくなってるんじゃ、動けねー…」
通形先輩が語る【透過】の“個性”。そのあまりにも複雑な肯定に呆然と呟く上鳴と峰田。そんな2人に通形先輩は大きく頷き、話し続ける。
「そう、案の定俺は遅れた! ビリっけつまで、あっという間に落っこちた。ついでに服も落ちた」
「だけど俺は、あるヒーロー……剣君が職場体験先に選んだ【サー・ナイトアイ】と出会い、その人の教えを受けた事で…一気に伸びる事が出来た」
「この“個性”で上を目指すには遅れを取っては駄目だ。大切なのは予測!周囲の行動を誰よりも早く察知し!時にそれを利用して相手を欺く! 何よりも『予測』が必要だ!そして、その予測を可能にするのは現場での濃密な『経験』!そこから導き出される経験則が予測を立てる!」
力強く答える通形先輩に俺達は圧倒された。ドン底から頂点に這い上がった偉大な先輩……どれ程の経験を重ねたのか、どれ程の試行錯誤を繰り返したのか。
「……想像もつかないな」
気づけば、そう言葉が漏れていた。しかし、その言葉はこの場に居る一年A組の全員が感じている事だ。そんな中で轟が一歩前に出る。
「……先輩は言った。『予測』が自身の強さの根幹であり、その『予測』は『経験』が築き上げたと……なら、剣が『最もNo. 1に近い男との戦いを経験』したのを黙って見てる訳にはいかない」
そう言って轟は真剣な表情で水勢剣を構える。
「……俺にもご指導願えますか?」
「“俺”にもなんて、ちょっとズルくない?」
そんな轟の隣に音銃剣を持って耳郎が立つ。口には笑みを浮かべているが彼女の目は真剣そのモノ。それを見た他の面々もメラメラと闘志を燃やして通形先輩を見ている。
「そうだね!君達の一番強い子が『経験』したのを見た後に、『経験』が大事と言われたら黙ってられないよね。うんうん、ヤル気がある後輩達で先輩は嬉しいよ!……良いですよね、イレイザー?」
「……まぁ、いいだろう。お前らも揉んでもらえ」
それを見て笑みを浮かべた通形先輩が相澤先生に確認をとって許しが貰えたので……轟達に“かかっておいで”と手巻きする。
【流水抜刀!!】
【銃剣撃弾!】
「「変身!!」」
それが開戦の合図となり仮面ライダーに変身した轟と耳郎が突っ込み。他の皆んなも数を活かして通形先輩を取り囲む。先に戦った俺は流れ的に参加せずに第三者視点で見る事に……
「…………悔しいな」
……轟と耳郎の攻撃が掠りもせずに、応用のワープで遠距離組をワンパンで倒す通形先輩を見て思わず言葉が漏れる。外から見ると、よく分かる。周囲の把握に、攻撃に移る速さ…全ての技能がズバ抜けている。
「私が、独特の姿勢で来た!!」
手も足も出なかった悔しさが今になって込み上げた時に、オールマイトが物凄く慌てた様子でやって来た。あの慌てぶり、何かあったのか?
「つ、剣少年。ちょっといいかな?」
「?、はい」
相澤先生に視線を向けると行ってこいと言われたのでオールマイトに連れられて誰も居ない所に向かう。
「その様子だと、随分と揉まれた様だね」
「はい、自惚れたつもりはなかったんですけど、完敗でした。それで通形先輩の師が…」
「うむ、君がコレから職場体験先に向かうサー・ナイトアイだ」
通形先輩はナイトアイの指導の元で雄英No. 1と称される強さを手に入れた。……もしかして…
「……ワン・フォー・オールは通形先輩に継がせる予定だったんですか?」
「………」
俺の言葉に押し黙るオールマイト。ナイトアイはワン・フォー・オールの事を理解しており体育祭であの人は言った「独自に後継者にふさわしい人間を育ていた」と…成程。
『透過』で攻撃を透かし、自身は超パワーで相手を倒す。分かりやすい程に無敵のヒーローだ。一瞬、その方が良いんじゃないかと思ってしまったが、ワン・フォー・オールを“個性”持ちが継承すれば寿命を削られる事をニキネキ達が言っていたのを思い出す。
「確かにワン・フォー・オールの継承者を探す為に私は雄英の教員になり、通形少年が有力候補だったのは事実だ。しかし、私は君を!仮面ライダーセイバーを選んだ!」
オールマイトは俺の肩に手を置いて笑みを浮かべる。其処には後悔なんて微塵も感じなかった。
「そして君はそんな私の期待に応えてくれた!君が継承者に相応しくないなんて誰も思っちゃいない!通形少年にコテンパンに負けたからって君が継承者として劣ってる訳じゃないんだぜ剣少年!」
……柄にも無く弱気になっていたな。
それだけ通形先輩に手も足も出すに完敗したのが悔しかったって事か…
「……サンキュー、オールマイト。気分が晴れたよ、落ち込んでる場合じゃないな」
「ハーハハハ!そうさ、辛い時、苦しい時ほど笑うのさ!世の中、笑ってる奴が一番強いからな!」
「それでオールマイト…俺に何の様なんだ?」
いつ迄も悔しさを引き摺ってられないと笑みを浮かべる俺を見て、辛い時こそ笑えと言うオールマイトだったが俺が本題を切り出すと滅茶苦茶震え出した。
「じ、実は君の職場体験の時にチームアップの形でもう一人ヒーローが君の面倒を見る事になった」
「?、サー・ナイトアイの他にヒーローが?」
「その方の名は…『グラントリノ』。かつて1年間だけ雄英で教師をしていた…私の担任だった方だ」
「オールマイトの担任!?」
「当然、ワン・フォー・オールの件もご存じで、雄英体育祭での活躍を見て、直に会ってみたいと仰られている」
「それは光栄…っていうか、根津校長やナイトアイの他にも“個性”の件をご存じの方がまだ居たんですね」
「グラントリノは先代の盟友ね……教育者のアドバイスを貰いに一度会いに行った事もあったが、学生時代に毎日ボコボコにされてゲロを吐いたトラウマがあって、記憶から封印していたのに……震えるな、この足め!」
中々にヤバい事を言って震える足を叩いて本気で怯えている、オールマイトのこんな姿見た事ないんだが…!
「剣少年!頑張って!負けないで!死なないでね!!」
「………………」
顔を真っ青にして震えるオールマイトを見て、俺は今回の職場体験が壮大なモノになる事を確信した。
END
新作の【サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!】も、良ければ見てください。一応、カントー編までは書きました。