BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ついに彼女が覚醒。楽しんでいただけたら幸いです。
明瞭となった思考をフル回転させ、四つ足で走る。森を抜け、道を駆ける。残骸となった村の建物を飛び越える。血の匂いがする。今は自身の肉体にも流れる血の匂い。それ即ち、あの人が傷ついていることを示していて。四つの脚に力を籠める。それだけで、爆発的に速度が上がった。
「待ってて、ご主人!!」
『にーげーてー!?』
エヴリンの悲鳴と共に、振り下ろされる巨拳。大地を揺らし、衝撃波だけで木々を薙ぎ倒すそれは受けたらただですまないのは間違いない。レオンとアルベラはどうやら生け捕りせんとされてるアシュリーを守りながらガナードの猛攻をしのぎ、ルイスは銃撃ちながら逃げまわっていい感じに囮になってる。ビトレス・メンデス操るエルヒガンテ・エクストラモに対しては私とBSAAであるプサイ、ビリー、ショウが相手しているが、あちらも私達を殺したいようでいい感じに引き寄せられてる、んだけども。
「巨人はグレイブディガー……えっと、ヒュドラで戦ったけど、あれもう怪獣だったしなあ!しかも6年前!」
「その時はどう倒したのでござるか!?」
「記録で読んだでござる!確か、ネメシスの体を借りたエヴリン殿がズドーンと!」
「参考にならねえなあ!?」
『どうでもいいけど、プサイちゃんとショウがござる被っててどっちかわからなくなるね!』
「「本当にどうでもいい!(でござる!)」」
「「いきなりどうした!?(でござる!?)」」
軽口叩き合ってるのは分かりやすくピンチだからそれを誤魔化すためなのは相変らずらしい。次々と拳が叩きつけられ、足が踏み潰さんとし、無造作に引っこ抜かれた大木が投げつけられ襲い来る。こっちは銃で撃ったり手裏剣投げたりするけどまるで効いてない。たしかルイスが耐久も二倍とか馬鹿言ってたっけ。もとがどれぐらいかわからないけど、でかくてタフじゃないわけがない。
『血は流れてるから、堅いというよりHPが果てしない感じだね!』
「こっちのHPが持たないね!」
「えいちぴーとはなんでござるか?」
「
「
『エージェントと忍者がゲームしてて、自称侍と指名手配はしてないのわかる会話なんか草』
「まじめにやってくんないかなあ!?」
吹き飛んだ頭部から刃がついた触手を振り回すガナードから逃げながらルイスが吠えた。ごめんて。いやでもマジで余裕ないんだよね。油断したら……あっ。
「ぐはあっ!?」
『アリサー!?』
ルイス見てたせいで、私は背後から迫る拳に気付かなかった。勢いよく殴り飛ばされ、宙を舞ってずべしゃっと地面に激突する私。リーチも長いとか反則だよぉ……背骨逝ったぁ。いや、ハンターπに背骨の一部引っこ抜かれたときよりはましだけどぉ……た、立てない。
「まず……」
「くそったれ!油断してんじゃねえ、アリサ!」
倒れた私を見て、踏み潰されんと迫るエルヒガンテ・エクストラモの足に、地面を踏みしめている軸足目掛けて背中のハンマーを抜いて担いで走るビリー。そのまま両手で振りかぶってフルスイング。軸足の向う脛にハンマーが炸裂し、バランスが崩れたエルヒガンテ・エクストラモは私を飛び越えてはるか先の雑木林に頭から突っ込んだ。
「ナイスでござる、ビリー殿!」
『軸足とはいえ純人間なのにあの巨体を転ばすってビリー人間やめてるなあ……』
「アリサ殿、無事でござるか?」
「ごめん、立てない……ショウ!前!来るよ!」
「むっ!?承知!」
私に手を差し出した瞬間、エルヒガンテ・エクストラモの背中から出てきて迫ってきていたビトレス・メンデスの拳に振り返りざまに引き抜いた刀を叩きつけ、相手のパワーを利用して斬り裂くショウ。そこにプサイちゃんとビリーがやってきて私を担ぎ上げ、距離を取る。
「……やってくれたな。聖体の恩恵を受けずにこの蛮行……我等ロス・イルミナドスの存在否定に等しい。そのようなこと、私が断じて許さない」
べろんと裂けたチーズの様になった己の右腕が勝手に癒着してくっついていくのを確認し、ぐーぱーと握ってから私達を睨みつけるビトレス・メンデス。エルヒガンテ・エクストラモから抜けたとはいえ、前回の戦いで私達はコイツに完敗している。ショウが加わったとはいえ、私もこんなんだし勝ち目は……。
「人間を舐めるなでござるよ。拙者の部下たちは、強いでござる。お前に殺されたリディア殿も、ショウ殿も、ビリー殿も。拙者の自慢の部下たちだ!」
「確かにお主は強いでござる。でも、諦める理由にはならない」
「人間の意地を見せてやるよ」
プサイが、ショウが、ビリーが。ビトレス・メンデスに立ち向かう。プサイの飛び蹴りを正面から殴り弾き、ショウの刀を受け止めた上で殴り飛ばし、ビリーのハンマーを受け止めてへし折ると前蹴りで蹴り飛ばす。やっぱり、シンプルに強すぎる。武器抜きネメシスよりも強いかもしれない。アレに勝つには……空中でオロオロしているエヴリンを見やる。
「エヴリン!私を使って!」
『え。駄目だよ、アリサ!菌根があるみんなと合体してなれるモールデッド化は確かに強くなれるけど、プサイちゃんみたいな異常な精神力がないと精神汚染に耐えられない!クイーンだって破壊衝動に振り回されたし、私も影響しちゃう。最悪、仲間を殺してしまうかも……』
「クイーンやリサはよくて何で私はダメなの!?このままじゃ、みんな死んじゃうんだよ!?」
『だって、アリサは特に再生力が高いから最悪誰も勝てない悪魔になっちゃう、し……それに』
「それに、なに!?」
『……悪い子になったアリサは、見たくないよ』
その言葉に、エヴリンの想いを理解する。クイーンやリサ、ヘカトちゃんやオメガちゃんたち、菌根を宿したエヴリンの仲間達はみんな「悪」だったことがある。クイーンだって、もともと復讐のために生きていた。何かが違えれば敵対する道だってあったと思う。それに対して私は、RT02‐Blankだ。純粋たれと生まれ、凄惨な記憶を植え付けられてなお、悪意に堕ちたことは一度もない。あ、イブリースの洗脳はノーカンで。あれ同じ記憶で認識が違う別人みたいにされる奴だし。だからエヴリンは危惧しているのだ、私の母親代わりとしてそうなってほしくない、と。でも、でもだ。
「私はオルタナティブでもBSAAでもないけど、それでもクイーンの相棒でエヴリンの仲間!共犯だよ!?クイーンだけずるい!それに「死ねー」とか「許さない」とかちょっとした悪意は普通に考えるし!」
『でも、アリサはそのままでいてほしいよ……私の菌根は、どんな善人でも人格を歪めちゃうから……』
「なら、約束する!私は、絶対に悪意に飲まれない!その力も使いこなして、この場のみんなを助けられるヒーローになる!だから、だから!」
そう言ってエヴリンに手を伸ばす。プサイちゃんたちを蹂躙しているビトレス・メンデスが何事かとばかりにこっちを見てきて、首を絞め上げていたプサイちゃんを投げ捨ててこっちに迫る。ビリーのマグナムやショウの手裏剣を受けてもびくともしない。その絶望の光景を前にしても、エヴリンは決心がつかないらしく、目を瞑って震えていた。その姿は、年相応の子供に見えた。そこにいるのは私の親代わりとなってくれた強い心の持ち主ではなく、行く先が見えない迷子の子供のようだった。
「私を、信じて!!!」
「っ、うんっ!!」
私の伸ばした手に、意を決した表情のエヴリンの手が重なり、抱きしめるようにして私の中に飛び込んだ。私の中で完全に制御できていた菌根を活性化するのを感じる。抑えきれない菌根が黒い液状となって私の身体を黒く染め上げていく。細い肢体はそのまま、他のみんなみたいに巨大化はすることなく。見下ろすと、全身をプロテクトアーマーみたいに固まった菌根で覆い隠された、日本の特撮ヒーローみたいなフォルムに見える。口元を触ればモールデッドの牙を模したマスクに覆われていて、多分本性が曝け出された大きな右目も仮面のように形成された菌根で隠しているみたいで、髪も覆ってマントのように広がっていた。顔の左上だけ露出しているのは、私の意識を完全に潰さないための配慮だろうか。
「っ!ぐっ、ううあああああ………」
頭を押さえる。エヴリンの意識が混ざり合い、
「なんだ、お前は?」
「私はヒーロー……モールデッド・ヒーローだ!」
決意を胸にそう名乗る。私達は、ヒーローになって見せる……!
実は地味にモールデッド化してなかったアリサ、遂に変身。顔の左上しか露出してないアーマード・オールマイトのような姿の、名付けてモールデッド・ヒーローです。エヴリン的にはクイーンでやらかしてるから、アリサだけでも、といつもわざと選択肢から外してた感じとなります。
エルヒガンテ・エクストラモから分離した村長ですが、これは別にやられたとかじゃなくて、シンプルにエルヒガンテ・エクストラモの脚がハンマーで粉砕骨折したからそれを治してる間も攻め立てるために出て来ただけです。治ったらまた入ります。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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