トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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とうとう来ました、奴です。なぜこのタイミングかと言うと、一番最初、一話で書こうと思って行動や思考をトレースしようとしたらインプットに時間がかかったからです(絶望)頭痛い。ス〇ブラで犬を使ってる時くらい痛い。

アンケートの方回答ありがとうございます。とりあえず飯テロを精進することとします。


ゴールドシップとホットドック

「ねぇ、チームに入るとしたらどこがいいかな?」

 

ある日の朝の教室で、一人の一般ウマ娘がその問いを友人へと投げかけた。その問いに友人のウマ娘は、指を顎に当て考える。

 

「うーんどこだろう?○○トレーナーのところとか?」

 

「いやー、△△トレーナーのところも良さそうだよねぇ」

 

選抜レースを経てスカウトを受けることが求められる新入生たちは、それでも自分たちの入りたいチームについて考えることはやめられない。気づけばその話はクラス全体へと波及し、一つの机の前に大勢のウマ娘が集まっての大討論となっていた。あそこがいい、ここがいいとそれぞれに知っているチームや有名なトレーナーを挙げていく中でふと、一人が思い出したように一つのチームを提案する。

 

「そういえば、生徒会長のチームは?すっごい強いよね!」

 

「「あー・・・」」

 

クラスメイトたちは微妙な声を上げる。学園内のすべてのウマ娘達から尊敬と畏怖のまなざしを受ける絶対の皇帝、シンボリルドルフ。その強さは学園内外に轟き、それに魅せられたウマ娘の入学も後を絶たない。更にはその会長の所属するチームの他のウマ娘も、皆様々な功績を残していることで知られる最強チームの一角である。普通であれば、そのチームへの参加は本来であれば臨むべきものである。

 

「うーん、会長のチームかぁ・・・実力とかを見ると確かに入りたくなるんだけどな~」

 

「そうだねぇ。悪くはなさそうなんだけど・・・」

 

煮え切らない態度を見せる面々に、提案した娘は首をかしげる。

 

「どうしたの?」

 

「ああ、あなたは知らないのか。えっとね、そのチームにはね・・・」

 

首をかしげる娘にクラスメイトの一人が苦笑いしながら教えようとした時だった。

 

「うぇーい!トレーナー、アタシについてこれるかなー?」

 

「うるっせぇ!さっさとそれ返せ!っていうかこんな所でセグウェイに乗るんじゃねぇ!あぶねぇだろが!」

 

「大丈夫だよぉちゃんと前見てるし」

 

窓の外から響く怒声とドタバタという走る足音、そしてウィーンという機械音に思わず顔を出すウマ娘達。制服姿の長身ウマ娘、ゴールドシップがセグウェイに乗って高笑いしつつ進んでいく。やたらと上手い切り返しで置いてある障害物や他の生徒をかわしつつ進むそのウマ娘の手には、何故かオーブントースターがあった。それを追いかけるのは、決死の表情のトレーナー。

 

「落としたらどうするつもりだよ!?せっかく買ったばっかなのに!」

 

「落とさねぇってーちょっと朝飯に食パン焼きたくなっただけだからさぁ」

 

「分かった!俺が用意してやる!だからそれを今すぐ返せゴルシィ!」

 

走り去っていく二人が見えなくなると、無言で窓から顔を戻す生徒たち。

 

「・・・あんな感じなの。会長のチーム」

 

「へ、へぇ・・・」

 

こうしてなんやかんやで、シンボリルドルフの印象は若干の風評被害を受けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あん?ゴルシとの出会い?」

 

時は進み、昼の生徒会室。弁当を届けに来た流れでそのまま生徒会メンバーと食事することになったトレーナーに、エアグルーヴが問いかける。

 

「そうだ。どうにもチームの中で彼女だけ経緯が分からないからな。まぁ言いたくなければ無理強いはしない」

 

「そういえば、私も気がついたら彼女がチームに入っていた気がするな」

 

そう言ってご飯を食むエアグルーヴ。黙って黙々と食べているナリタブライアンも、興味はあるようで耳をトレーナーの方へと向けている。シンボリルドルフは興味はなくとも何となく話題もなかったため静かに耳を傾ける。質問を受けたトレーナーは、自分の分の弁当を開けつつそうだなぁ、と考え始めた。

 

「うーん・・・そういえば、あいつどうしてうちに来たんだっけ?」

 

「・・・おい?」

 

「いやいや、俺がスカウトしたわけじゃないことは確かなんだが。いつだったか何かを聞いてきたあいつの質問に答えて、それで・・・」

 

「それで?」

 

「・・・あれ?」

 

「・・・おい?」

 

うんうんと唸っているトレーナーに呆れた様子の生徒会三人。冷や汗を流しながらちょっと待てよ、と記憶を掘り起こしているトレーナーは、何かを思い出してハッとする。

 

「ああ、そうだ!たしか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、トレーナーはチームメンバーのオグリキャップのレースが近づいていることもあり、部室でトレーニングメニューの調整を行っていた。

 

「うーん。オグリはまぁこれでいいか・・・ルナの方はまぁまた本人の意見を聞きつつってことで良いとして・・・」

 

たまに無意識に思ったことを呟きながらもパソコンでスケジュールなどを確認していくトレーナー。壁にかけられた時計の針が動くかすかな音と、パソコンのキーボードをたたく音、鉛筆の走る音だけがする。

ある程度決まってきたところで、ふと時計を確認すると、学園の授業等が終わり、担当するウマ娘達も帰り始める時間となっていた。

 

「っと、もうこんな時間か。そろそろ準備・・・いや、腹減ったし先に軽食がてら何か作るかな」

 

そう言ってトレーナーは冷蔵庫を開け、中身を確認する。中にはスポーツドリンクが冷やされている他にも、イカの塩辛や明太子、アイスやタキオンの作った蛍光色の緑に光る薬など、普通では置いていないものもごちゃごちゃと入っていた。

 

「あっれー、たしか今日買ってきたソーセージはここに入れてたはず・・・」

 

「おう、これか?」

 

「ああそうそうそれ!サンキューな」

 

横からつきだされた封の開いているソーセージを受け取り、戸棚からコンロを引っ張り出す。コンロに火をつけ、同じく出してきたフライパンで焼いていく。

 

「「・・・」」

 

「・・・って誰だお前!?」

 

そこまでやって一息ついたところで、トレーナーは驚愕のあまりその場から飛び退る。横にいつの間にか座っていたのは、ソーセージをかじりながらにやにやと笑う一人のウマ娘。彼女は驚いたトレーナーの反応に満足したのか、からからと笑いつつソーセージを食べきり、冷蔵庫のスポーツドリンクの封を切る。

 

「あんたおもしれートレーナーだな。部室で飯作るやつとかアタシ以外に見たことなかったわ」

 

「お前マジで誰、いや待てそもそもどうやって入った!?扉が開いた音はしなかったはず・・・」

 

「窓から。開いてたし」

 

「ここ2階なんだけど!?」

 

驚きの連続にツッコミが止まらないトレーナー。口をパクパクさせながら慌てている様子を見ながらにやけているウマ娘だったが、手に持ったスポーツドリンクを飲み干すとゴミ箱へと放り投げる。

 

「いやー助かったぜ、教師にサボりの件で目をつけられてて逃げてたもんでな!ちょうどいい時間稼ぎできたぜ。ありがとなー」

 

「お、おい!」

 

そう言ってすたすたと何事もなかったかのように彼女は扉を開けて普通に出ていくのだった。残されたのは、何故か部屋に不法侵入され、スポドリとソーセージを食べられたという妙な空気感だけ。

 

「・・・なんだってんだあの娘」

 

 

 

 

それからというもの、事あるごとにそのウマ娘・・・ゴールドシップはトレーナーが一人きりの時を狙ったかのように部室へと突撃してくるようになった。名前は二回目に襲撃された際教えられた。

時には麻袋に詰められてブラジルへ連れていかれ。時には休日の朝目を覚ますと彼女と一緒にスカイダイビングをしていた。時には妙な金色のアフロと一頭身のオレンジの謎生物、水色のところてんに囲まれて爆発するシャドーモセス島なる島から逃げ出すという大冒険まで付き合わされた。

そんなこんなでさんざんに振り回されたことに我慢の限界が来たある日のこと。いつものように、常連となってしまったゴールドシップが勝手知ったる部室と扉を開けて入ってくる。

 

「よーっす!ゴルシちゃんのご到着だ!トレーニング前の腹ごしらえしたいんだけどさー、最近アタシのお気にだったラーメン屋潰れてたからさ、ちょっと有明海でクジラに火の輪くぐり仕込んできた。いや疲れたなー。あ、なんか作ってくれよ」

 

「来やがったなイカレ野郎!今忙しいんだよ、他当たれ!」

 

「えぇ~、いいじゃんかー。ほらほら~、こんなのもあるしよ」

 

そう言ってゴールドシップが見せてきたのは、一つの紙袋。こちらの話を聞かずたたみかけるようにしゃべるマシンガントークに辟易しつつ袋を受け取り、中身を確認する。

 

「・・・サーターアンダギー?」

 

「おう」

 

「もう完成品のモンで何作れっていうんだ!っていうかお前さっき有明海行ってたっつったよな!?沖縄のものどこで買ったんだよ!っつーかそもそも有明海までどーやっていったんだっての!?」

 

「あん?そりゃあんた、ICBMで」

 

「おのれはミサイルか!」

 

ゼイゼイと肩で息をするトレーナーを見ながら草生える、と指をさしつつ笑うゴールドシップ。持ってきたサーターアンダギーは結局全部彼女が美味しくいただいていた。

 

「・・・もういい、分かった。なんか作ってやるからそこでおとなしくしてろ・・・」

 

「サンキュー!さっすがアタシの専属シェフ!」

 

「もうツッコむ気にもなれん・・・」

 

そう言っていつも使っているコンロを取り出すトレーナー。そうして準備を始めるトレーナーを、ゴールドシップは観察するような目で眺めているのだった。

 

 

 

 

 

「ほら、それ食ったらさっさと帰れよ・・・?」

 

完成したものをゴールドシップの目の前へと置く。待ってましたと言わんばかりに部室を漁って見つけたフォークとスプーンを持った手を机へとバンバンたたきつけるゴールドシップ。しかし、置かれた料理を前にして怪訝な表情を浮かべた。

 

「なぁ、これって・・・」

 

「おう、ホットドックだ」

 

目の前に置かれたのは、皿に乗せられたホットドックだった。若干の焦げ目のついた二つのパンに切れ目が入れられ、そこになにかが挟まり上からチーズでふたをされている。

 

「な、ぜ、か!買っていたはずのソーセージがなくなってたから代用品で作ったが、お前に文句は言わせねーぞ」

 

「なんだ、ソーセージじゃねーのか。いったい誰が・・・」

 

「おめーだよゴールドシップ!昨日勝手に冷蔵庫から取っていったのはおめーだよ!」

 

まったく!と怒りをあらわにするトレーナーをよそに、嬉しそうに大きく口を開けてかぶりつく。

 

「・・・!肉・・・じゃねぇな。何だこれ」

 

「ツナ缶」

 

ほぉー?とホットドックの齧った跡をまじまじ眺めるゴールドシップに、トレーナーはさらに説明を続ける。

 

「肉だと思ったのは多分、味つけに使ったのがケチャップじゃなくて照り焼きのタレだからじゃないか?あと昨日の晩飯に使った玉ねぎのみじん切りを入れてるから、シャキシャキとした食感もあるだろ」

 

そう言われてゴールドシップが再びホットドックを口にする。照り焼きのタレの甘辛さとツナのほろほろとした食感に、玉ねぎの食感が合わさり、手を止めるのをためらうほどにゴールドシップの舌を唸らせる。

 

「んめぇな!」

 

「マジでそれ食ったら帰れよー?もうすぐるn・・・ルドルフとオグリも来るんだから・・・」

 

そう言ってぶつくさと文句を言いつつゴールドシップの前にお茶の入った紙コップを置き、使った調理器具を片付け始めるトレーナー。そんなトレーナーの後ろ姿を眺めながらホットドックを齧るゴールドシップが、不意に声をかける。

 

「なぁ」

 

「ん?」

 

「あんた、なんでトレーナーやってんの?」

 

「トレーナーをやる理由・・・か」

 

「「・・・」」

 

その問いにどう答えるか、洗い物をする手を止めて考えるトレーナー。そのまま静かな時間が流れる中、水道から流れ出る水と、それが皿にはじかれる音だけが響く。流石に長すぎるとしびれを切らしたゴールドシップが立ち上がり、頭をかきむしる。

 

「あああああ!長い!なんでそんなに考えるんだよ、なんかあるだろほら!給料がいいからとか、稼げるからとか、レースに勝った時の臨時収入とか!」

 

「それじゃあ全部金のためじゃねぇか・・・でも、そうだな」

 

蛇口をひねって、洗い物を終えたトレーナーが振り返り、ゴールドシップの目を見る。

 

「面白い、と思ったからだな。ウマ娘達の夢を見る姿が俺にはうらやましく思った。俺は何にも持ってなかったからな、そういうの」

 

独白するトレーナーに、ゴールドシップは黙ったまま答えない。それでもいいと判断したのか、トレーナーは苦笑しつつ 頬をかく。

 

「だから、せめてだれかが夢を追う手助けができたらなーっと・・・まぁそんな感じ?だな。あ、でも今はとりあえず腹いっぱい食わせる事の方が目的になってるけど」

 

「・・・っく、あはっははははは!何だよそれ!飯食わせるためにトレーナーなったのかよ!」

 

「はぁー!?人の理由勝手に聞いといてその笑いはどうなんだあ゛あ゛!?」

 

腹を抱えて笑うゴールドシップに、トレーナーがマジ切れ状態で叫ぶ。それでもなお腹イテーと言いつつ床を転がるゴールドシップに、このまま踏みつけてやろうかとトレーナーが近づく。

 

「よっしゃ、決めた!」

 

「うぉっ!?」

 

すると、トレーナーが足を上げるより早く立ち上がったゴールドシップが不敵な笑みを浮かべてトレーナーを指さす。

 

「アタシにも飯作るようにしてくれよ、『トレーナー』」

 

「ああ?」

 

「もう決定事項だからな!はいも決-まっピ!」

 

そう言って心なしか弾んでいる足取りで窓へと向かい、鍵を開ける。

 

「ちょ、何言って・・・っていうか、お前自分のチームは!?」

 

「あん?そんなもんでこのゴルシちゃんが縛られると思ってたのかよ!」

 

「はいってなかったのか・・・って待て、まだ俺は引き受けてな」

 

「じゃーなー!さよなら三角また来て死角!」

 

「しょーもない!ってかなんか最後不穏!?じゃない、だからここ二階」

 

颯爽と窓から飛び降りたゴールドシップの姿に、慌てて窓の下をのぞき込む。しかしすでにそこには誰もおらず、顔を上げると遠くの遊歩道をローラースケートで爆走しながら2Lコーラを振っているゴールドシップの後姿があるのだった。

 

「・・・はや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・んで、その翌日理事長の奴が怒鳴り込んできて、学園のデータベースにいつの間にか俺のチームとしてゴールドシップが登録されてるのが分かった。ってわけ」

 

話を聞いた生徒会のメンバーの反応は、完全に変なこと聞いたという渋い顔であった。

 

「なんというか、その頃から色々とおかしかったのだな・・・」

 

「なるほど、トレーナーくんの行動に奇行が混じり始めたのはそういうことだったのか」

 

「奇行て」

 

トレーナーの話も終わり、昼食の時間が過ぎたことで仕事に取り掛かる準備をエアグルーヴが始める。それを多少手伝ったのちに、トレーナーは生徒会室を後にするのだった。

 

「トレーナーくん。今日の弁当に入っていたイカリングは、なかなかにイカしていたぞ」

 

「・・・」

 

「エアグルーヴ、どうした?」

 

「・・・いえ」

 

「ルドルフよ。その発言はイカがなものかと思うぞ。イカにイカが美味しかったとしても急にそういうこと言うのはイカんだろう。ほら、エアグルーヴもイカんともしがたい顔をしてるじゃなイカ」

 

「・・・」

 

「くっ、流石だなトレーナーくん・・・!」

 

「ふふふ、あまいあまい。もっと精進したまへ」

 

その後のエアグルーヴは、なんとも言えない空気の中やる気を一気になくしたかのような表情で仕事をするのだった。




トレーナー:ゴールドシップを受け持って三日で順応した。彼女から言われて今のゴルシと呼び捨て状態に。ゴールドシップにだけ実家バレしている。正月などで実家に帰るとなぜか先にゴールドシップが帰ってきて飯食ってる。休みの日の日課は、起きてすぐ襲い来るゴールドシップを撒くこと。

ゴールドシップ:ゴルゴル星第一王女にして真の支配者。かつて火星で見つけられたパンドラボックスにより引き起こされたスカイウォールの惨劇により国は東都・北都・西都の三つに分かれ、混沌を極めている。エボルトとダースベイダーと義兄弟の盃をかわし、その後二人を半殺しにしている。スカイウォールにはウォールローゼ・マリア・シーナと名付けられており、かつて超大型巨人とタイマンをはった。その実力は両面宿儺の指21本分と言われており、セ・リーグの首位打者・ゴールデングラブ賞を獲得している。特異な球種はボレーシュート。

エアグルーヴ:エや下

前回の野菜炒め
材料
にんじん:食べ切れる量で
もやし:たくさん入れると美味い
ニラ:刻んでタッパーに入れとくと保存が楽
創味シャ〇タン:一家に二つはあると助かる
材料を適宜切って刻んで炒める!以上!割と味付けはシャ〇タンだけでも問題ない。感想で知ったけど、野菜炒めは水分だしまくるとアカンのだって!作者は全然知らなかったからむしろもやしたくさん入れて出してた。

次回 暴飲暴食
続け(呪言)
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