トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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シンデレラグレイヤバすぎる・・・
オグ×タマはやはり良い文明

丼の有能さは異常。


トレーナーとおくすり()

「本当に申し訳ないと思ってる」

 

場所は皇帝シンボリルドルフ擁するチームの部室。頑丈なロープで縛られ床に転がされているだぼついた白衣を着たウマ娘アグネスタキオンは、自らが製作に関与した特殊な材質のウマ娘捕獲用ロープの性能を自身の身で体験していた。なお普段はトレーナーがゴールドシップを捕まえるために使用されているものだ。

 

モゾモゾと身じろぎすることしかできないレベルで縛られているタキオンは、乾いた笑みを浮かべているが、その実手には若干の汗をかき、頬はひきつっている。そんな彼女の目の前で、腕と足を組んで椅子に座り見下すようにタキオンを眺めているのはトレセン学園生徒会長にして現最強ウマ娘の呼び声高いシンボリルドルフ。

その目はまるで養豚場の豚を見るようであり、トレーナーと出会うまでの間に様々な相手から罵詈雑言を言われ敵意の視線を向けられ慣れていた流石のタキオンも、無視できないほどの怒りが見て取れる状況だった。

 

「・・・で?」

 

「会長の怒りももっともだ。しかしだな、実験や研究の進歩は多くの犠牲の上に成り立つものなんだよ。つまりはこうしてトレーナー君が白目をむいて大の字で倒れているのも、ゴールドシップが泡を吹いてビクビクとまるで釣り上げられた魚のようにはねているのも、すべては実験結果としてこれからの研究に生かs」

 

「で?」

 

「ごめんなさい」

 

なんだかんだと言い訳を述べていたタキオンだったが皇帝の絶対零度の視線と声にすぐさま謝罪を述べる。

 

「・・・最初から素直に謝ればよいものを。タキオン、君のそういうところはなかなか変わらないな」

 

「それが私だからねぇ。それに、何も思ってないわけじゃない、ここからほどいてくれればすぐにでも治療のための薬も作成しよう」

 

「当然だな。既にトレーナーくんの病欠については連絡を入れているとはいえ、このまま放置はできん」

 

なお、ルドルフが連絡を取った際言った欠席理由は「タキオン印の薬を飲まされた」である。対応した教員からの返事は憐れみを帯びていた。

 

「早急に回復させるんだ」

 

「分かっている。・・・ついては早くこれをほどいてくれると助かるんだが」

 

「オグリキャップ、ハルウララ。頼んだぞ」

 

「ああ」

 

「まっかせてよ!」

 

タキオンの言葉を完全スルーしてルドルフは後ろに控えていたオグリキャップとハルウララへと声をかける。手を挙げて返事するハルウララと、静かにうなずいたオグリキャップは二人で縛られたタキオンの白衣の裾をウララが、縛っているロープの先をオグリが持って、ズルズルと引きずっていく。

 

「ちょ、いた!待ちたまえ君たち!歩く、ちゃんと歩くから!ほどいて連れて行ってくれ!わかった、誓うから!サボることなくきっちり作るから!」

 

「ウララ。走るぞ」

 

「オッケー!まかせるきに!頑張るぞー!」

 

「ちょっ会長!たすっ」

 

「特急で頼む」

 

ルドルフの容赦ない宣告に、閉じる前の扉の向こうで絶望の顔をするタキオン。扉が閉まった瞬間、その向こうからは「かいちょおおおおおおおお!」というタキオンの悲鳴がすごい勢いで遠ざかっていくのであった。

 

「まったく・・・彼女にも困ったものだ」

 

そう言って先ほどまでの威圧感を無散させため息をつくルドルフ。そっと目を回しているトレーナーを抱きかかえる。うんうんと唸っているトレーナーに苦笑しながら、ルドルフはトレーナー寮へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

「いや・・・ゴルシちゃんもいるんだが・・・ガクッ」

 

「回答。私が保健室まで運びます。運び方については先程のウララさんたちの動きを記録しているため問題はありません」

 

「い、いやあれは勘べグエッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・」

 

無事トレーナー寮まで他の誰にも見つかることなくトレーナーを運ぶことに成功したルドルフ。寮に駐在している警備員に声をかけ、事と次第を伝えてトレーナーの部屋を開けてもらう。

 

トレーナー寮はウマ娘の出入りを禁止していないとはいえこんな光景を他の人、特にウマ娘に見られると余計な面倒が発生しないとも限らないため細心の注意を払うルドルフ。前回トレーナーが珍しく風邪をひいた際に、ルドルフの分の仕事をエアグルーヴやナリタブライアンに押し付けてしまう形で時間を作りこっそりと看病のために寮内へ入れてもらった経験が妙なところで生きた。

 

「にしても、相変わらずの様相だな」

 

トレーナーをベッドへと寝かせ、頭に冷水で絞ったタオルを乗せつつ部屋を見渡す。ルドルフ達チームのメンバーがレースで勝利した際にもらったトロフィーや、普段から常用しているであろう手入れのされた調理器具の数々。最近になって返されたという器具はまだ手入れがされていないのか段ボールに押し込まれるようにして部屋の隅に置いてある。

 

その他の調度品に関しては特筆すべきものは無く、強いて言うのなら壁にかけられたコルクの写真立に写真がたくさん貼られている。あとそのすぐ近くにはデスクが置かれ、パソコンと何かのカードが散乱している。

 

「なつかしいものを置いているな、トレーナーくんは。色々とあったからな・・・」

 

そう言って写真立を手に取るルドルフ。その写真立には、トレーナーと契約したばかりで初の一勝をあげた際に撮影した、ガチガチに緊張した様子のトレーナーと笑うルドルフの写真を中心にチームメンバーの写真が多数貼られている。

 

・タキオンの実験に付き合って失敗した際に面白半分に撮られたトレーナーとタキオンがアフロになっている写真。

・ハルウララが初めて地方のレースで最下位から二番目になったことを記念しトレーナーが涙しながらウララを抱き上げている写真。

・オグリキャップがトレーナーと共にどこかの店で大食い勝負をし、苦しむトレーナーをよそにオグリキャップが片手をあげてガッツポーズをしている写真。

・ゴールドシップとトレーナーがいつになく真剣な表情で全力ダッシュして眼鏡と蝶ネクタイをしたスケボーに乗った少年から逃げている写真。

 

「・・・いろいろ、いろいろとあったからなぁ・・・」

 

若干目が死んでいるルドルフだったが、気を取り直してトレーナーの看病をせねばと振り返る。

 

「・・・」

 

「と、トレーナーくん!?だめだ、あのタキオンの薬を飲んだんだ!まだ寝ていろ!」

 

背後には、ふらつきながらもトレーナーが立っていた。俯いているため顔は見えないが、ふらついていることからもまだ薬が抜けていないことが見て取れる。

慌てたルドルフが支えるため近づこうとしたその瞬間、それを上回る素早い動きでトレーナーが距離を詰めルドルフを壁際へと追い詰める。

 

「と、トレーナー・・・くん?」

 

目を白黒させるルドルフは、抵抗することなく壁へ背をつけ、そこにトレーナーが顔の横あたりへと手を勢いよくつく。

必然的にそれは、壁ドンと呼ばれる体勢となりルドルフの耳が垂れ視線が泳ぐ。尻尾は足の間に挟まれ、目の前のトレーナーの様子がおかしいことも忘れてルドルフは目を白黒させる。

 

「な、な、な!何をしてるんだトレーナーくん!?こここ、こういうことはもっとロマンチックな場所でだな・・・!?」

 

「・・・れ」

 

「え?」

 

顔を赤らめながらそっと手をトレーナーの胸元へ当てて弱いながらも押し返そうとするルドルフ。そらした顔には羞恥と若干の期待が見える。しかし、呟くようにトレーナーが何かをしゃべっていることに気づき、目を点にする。

 

「な、なんだトレーナーくん?何を言って・・・」

 

「・・・われ」

 

「え?」

 

「そこ座れやおらぁぁぁ!!」

 

「えええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ、なるほど・・・」

 

「どうだタキオン、トレーナーは何とか治せるのか。早くしないと、私はお腹がすいた」

 

「まぁ待ちたまえ。ほうほう・・・いやぁ、ゴールドシップという検体がいてくれたことで助かった!分かったぞ効能が!どうやらこの薬、また失敗のようだ」

 

「ねぇねぇ、どんな薬なの?」

 

「なに、ちょいとアドレナリンとかの脳内分泌物の関係で興奮状態になって、自分のやりたいことを我慢できなくなるだけさ」

 

「・・・それ、ゴールドシップに飲ませたらまずかったんじゃないか?」

 

「「・・・あっ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャッハー!学園のすべてはアタシのモンだー!」

 

「ゴールドシップ!警告、それ以上はいけません!機能の停止を要求!」

 

「うるせぇ!アタシはこれから理事長の扇子で涼みながらトレーナーを連れて熱海に旅行に行くんだ!」

 

「意味不明・・・とにかく止めます。多少手荒になりますが覚悟してください。トランザム!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、トレーナーくん、別に今は私はお腹がすいているわけでは・・・」

 

「いいからいいから!ハハハ、とにかく座って待ってな!」

 

トレーナー寮。突然起き上がったにも関わらず元気そうなトレーナーに半ば強引に座らされたルドルフは、居心地の悪さを感じつつトレーナーが台所で何かを用意するのを眺めていた。やたらと上機嫌なトレーナーに動揺したが、一度席を立とうとしたら「んん?」と笑顔で威圧され黙らされたので大人しく待つことにしたのだった。

 

「もうすぐできるから、そこで待ってな!」

 

「あ、ああ、ありがとうトレーナーくん」

 

「よし・・・ほいどうぞ、これ美味いから!」

 

そう言ってルドルフの前に置かれたのは、一杯の茶碗。トレーナーが使っていたのであろう一般的にはやや大きめ、ウマ娘的には少なめのそれに入っていたのは、白米の上に大量のそぼろ肉が乗せられたものだった。

 

「トレーナーくん、これは・・・?」

 

「そぼろ丼だ!ちょっと調整中の試作だけど、悪くはないぞ!ほら食べた食べた!」

 

そう言ってズイッと押し付けられたレンゲを受け取り、まじまじと茶碗の中のそぼろ丼を眺める。

茶色いそぼろが白米の白を完全に覆い隠しており、そっとレンゲを差し込み持ち上げるとその部分だけに白米が顔をのぞかせ蓄えた熱を湯気として発散させる。

 

「では・・・はむ」

 

レンゲに掬った分を口に運ぶ。最初にアツアツのご飯が口の中に熱をもたらし、そこへたたみかけるようにこれまた熱くなっているそぼろが追いうちをかけてくる。思わずせき込んだルドルフだが、すかさずトレーナーが冷水の入ったコップを差し出し難を逃れる。

 

「ふぅ・・・ありがとうトレーナーくん」

 

「うるせぇ!火傷はねぇみたいだな!良いから食え!」

 

「えぇ!?」

 

突然怒り出したトレーナーにもう訳が分からないと混乱しつつ、再び丼を口にする。熱への耐性をある程度持ってから口に入れると、白米の味と共にそぼろが持つ味が舌の上ではじける。

 

「これは・・・!トレーナーくん、これはまさか」

 

「ああそうだよ!おろしにんにくとすき焼きのタレを使ってんだよ!」

 

キレつつ教えてくれた通り、ニンニクの風味と香ばしさがすき焼きのタレと共に肉の味をより白米にマッチするものへと変えていく。一口、二口と食べ進めるごとに食欲が刺激されオグリキャップほどではなくともよく食べるルドルフは無心で丼をかきこんでいく。

 

「うむ、これは美味い。・・・ど、どうしたんだ?」

 

「うっ、うっ、お前はいつも生徒会と自分のトレーニングの両立とか、すげー頑張ってたからなあ・・・!しっかり食べなぁ・・・!スタミナがつくようにってお前のために作ったからよぉ、グスッ、本当によくやってるよお前は!エグッ、俺の自慢だよぉ!ウオオオ!」

 

「もうルナしらないぃ・・・」

 

今度は泣き出してしまったトレーナーにこれもう収集つかないやとすべてを投げだしたルドルフは、その後も喜怒哀楽をコロコロと変えていくトレーナーのことは諦め、思考を放棄して食べ進めるのであった。

 

「うっうっ、あ、タレと肉追加あるぞ。ピーマンもあるからそれも入れて食べな。夏バテにも効くし食い合わせも結構いいから」

 

「トレーナーくん!?戻ったのか!?」

 

「誰が戻っただ!俺はいつも通りだよ!」

 

「・・・もういやルナおうちかえるぅぅぅ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラオラー!スーパーゴルシ様のお通りだーい!」

 

「ゴールドシップが!ゴールドシップが暴れてる!」

 

「なんだいつものことじゃん」

 

「食堂を大量のキン肉マン消しゴムで覆い尽くすとか言ってるわ!」

 

「え、何のために?」

 

「ゴールドシップの被害甚大。・・・やむをえません、これ以上の被害が出る前に止めます。トレーナーからの許可は事後承諾・・・『不明なユニットが接続されました、直ちに使用を禁止してください』」

 

「ああっ!ミホノブルボンさんが!」

 

「その辺にあった消化器を手に何か言ってる!?」

 

「・・・なんかバチバチ言ってない!?大丈夫なのあれ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんっとうにすまん!迷惑かけた!」

 

翌日、部室には担当するウマ娘達の前でジャンピングスライディング土下座をキメるトレーナーの姿があった。

 

「トレーナー!戻ったんだね!」

 

「気にしないさ、戻って良かった。ところでお昼なんだが・・・」

 

「ステータス【歓喜】を確認。あなたの帰還を歓迎します、マスター」

 

ウララ、オグリ、ブルボンからそれぞれに元に戻ったことを喜ばれる中、トレーナーはそれを少し遠巻きに眺めていたルドルフへと声をかける。

 

「ルドルフにも迷惑かけたなぁ。すまない、タキオンとの研究関係で作った薬がまさかこんなことになるなんて」

 

「ああ、問題ないさ。むしろ君にとっては良い休日がわりになっただろう」

 

そう言ってフッと皇帝らしく優雅に笑うルドルフに、いやーすまんと頭をかきながら平謝りするトレーナー。

 

「いやーこのアタシが薬にやられるとは思わなかったな。でもまぁ、これはこれで成功でいいんじゃないの?いつもより動けたし」

 

「よくあるか!ってかゴルシ貴様ァ!お前が薬を口に突っ込んできたせいでこうなったの忘れてねぇからな!?」

 

ドタバタと追いかけっこを始める二人を見つつ、ルドルフは目の前に置かれた茶を啜るのだった。

 

(何はともあれ、あれを覚えてないならよかった・・・)

 

「トレーナー、それは?」

 

「ん?ああこれか、スタミナ飯で試作してる『ニンニクすきやきそぼろ丼』だ」

 

「おお、美味しそうだ・・・!私が食べてみよう!」

 

「うんにゃ、これを食うやつは決まってるからまた完成版でな」

 

そう言ってトレーナーはルドルフの前に丼を置く。

 

「どうぞ?悪いな、もっとロマンチックな場所でやってやれなくて」

 

「・・・!?!?!?」

 

思わず飲んでいたお茶を吹き出すルドルフ。その顔は真っ赤に染まっており、他のメンバーは首を傾げトレーナーはニヤニヤと笑う。

 

「き、ききき、記憶・・・!?」

 

「おう、バッチリある。だから言ったろ?いつも頑張ってるお前のために考えてたって」

 

その後部室に響き渡った皇帝の絶叫は、奇跡的に部室棟のヒトが出払っていたためチームメンバーの鼓膜にのみ被害を与えるのだった。

 

 

「・・・おーい、そろそろ私を下ろしてほしいなートレーナーくーん」




トレーナー:不思議な薬飲まされて(超古い)。記憶は残っていたのでルドルフが帰ってからベッドで悶えた。このあと一番近くで皇帝の神威(音響)をくらったためしばらく気絶した。

ゴールドシップ:今回の元凶。不思議な薬飲ませた側。ブルボンによって奇跡的に鎮圧されたものの、普段と変わりなくね?と周囲からは変化に気がつかれなかった。

アグネスタキオン:元凶その2(主犯)この後、しばらく簀巻きにされて部室に吊るされていた。今回作った薬はおもしrゲフンゲフン興味深かったので部室の冷蔵庫にスポドリのペットボトルに入れて保管している。次は誰がかかるかワクワクしながら日々を過ごしている。

シンボリルドルフ:完全に精神的に疲れるとルナちゃんが顔を出す。トレーナー寮から帰った後普通に業務をして、普通に授業を受けて、普通にトレーニングをして帰って部屋で悶えた。

ウララ&オグリ:トレーナー戻ったって。よかったね。今回1番無事故のメンバー。この後丼を結局いただいて大満足。

ミホノブルボン:ゴールドシップとの戦い()で何かヒントを掴んだ。耳飾りが赤く光る時、彼女の体は通常の3倍の速度で動きその姿は残像すら見せる・・・かもしれないらしい。たまに何処かで「オープンゲット!」と叫んでは首を捻っている場面が目撃されている。次はEXAMを積むことを検討中。

深夜に丼ものはお腹減るね^_^
本作品のルドルフ会長はシットリではなくピュアルートを予定しております(^ν^)ホントダヨ

前回のサンマ
材料
サンマ:旬じゃなくても美味しいよね
柚子味噌:市販で十分
豚バラ:特売を狙え!
焼く!以上!サンマは焼く時にパラっと塩をかけてから焼くといい。あと醤油は出汁醤油を使うと美味しい。

次回 オグリェ・・・
お腹すいたからまた続ける。
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