トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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心の中のマリーアントワネット「しばらく更新が難しくなるなら、追加を早めに上げておけばいいじゃない」

というわけで雑メシ薄目の小話集。これまで出てきたウマ娘達の中から、チームメンバーに絞ってトレーナーと出会った頃のお話とかを少し小出ししてます。
今後のためのちょっとした内容のばらまきも忘れずにね。


ウマ娘 小話

~オグリキャップと減量生活~

 

「今日はここまで!」

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ」

 

レースのおよそ3日前。減量を続けながらのトレーニングに、オグリキャップは限界を迎えようとしていた。泥だらけになりながらのトレーニングを終え、部室へと戻る中考えることは、「今日も()()食事なのか」という絶望感。

 

「・・・よし、んじゃまぁお疲れさん。あと少しでレース本番だ、気を抜くなよ?」

 

「分かってる・・・」

 

トレーナーの声かけに辛うじて答えているが、その目に映っているのはめらめらと燃える食欲。早く食わせろという欲望の発露が迫っている証に、トレーナーはそっと汗をぬぐう。

 

(まずいな・・・今回は我慢の限界がいつもより近いみたいだ。タマモクロスにも気を付けるよう言っておかないとな)

 

そんなトレーナーの考えをよそに、オグリキャップはフラフラと寮へと帰るのだった。

 

 

 

「こんばんは。よろしく頼む」

 

「あいよ!アンタんとこのトレーナーから話は聞いてるよ!」

 

その日の夜、オグリキャップは自身の特別な夕食を受け取るため一人そっと列から離れたところで料理長からトレーを受け取っていた。

少し前にトレーナーが料理長へと頼み、ウマ娘のレースの為ならば、と特別に引き受けてくれた特別メニュー。その内容は、大きな豆腐2丁に、緑黄色野菜のサラダ+サラダチキンに、わかめとお麩の味噌汁。以上。

 

「・・・はぁ」

 

「辛いだろうけど頑張んな。豆腐は2丁まで、サラダはチキン含めて一回までおかわりさせていいってトレーナーから聞いてるからね」

 

「ありがとう・・・」

 

どことなく元気なさげにトレーを受け取り席へと座るオグリキャップ。普段の様子を見慣れている他のウマ娘達は、「あのオグリキャップが食事の時に元気がないだと!?」と驚愕しているようだった。

 

「相変わらずこの時期はかわいそうになるくらい酷いなオグリ」

 

「タマか・・・」

 

オグリキャップの目の前に座ったのは、同室にしてライバルのウマ娘、タマモクロス。その手にある揚げ物の乗った定食はオグリキャップの胃と精神をがりがりと削ってくるが、断腸の思いで目を逸らしたオグリキャップは、自分のサラダを必死に口に押し込んでいく。

 

「にしても、ここまでストイックやとこっちが不安になるわ。あのトレーナーはんは何を考えとるんや?」

 

「分からない。ただ、トレーナーは『あの人が中央(こっち)に来るまでの間にお前に無様なレースをさせる気はない』と言っていた」

 

「ああ・・・アンタの言ってたあのおっさんやな」

 

とりとめのない話をしながら食事を進める二人。あっという間に食べ終わったオグリキャップは、おかわりのサラダを受け取りにカウンターへと向かう。それをしばらく繰り返すと、ちょうどタマモクロスの食べ終わるタイミングとオグリキャップの食べ終わるタイミングが重なって、二人は一緒に部屋へと戻る。

 

「んじゃ、始めよか!」

 

「ああ、今日も頼む」

 

部屋へと戻ると、寝巻に着替え寝る準備を終えたオグリキャップはベッドへと座り、タマモクロスが冷蔵庫から取りだした冷ご飯を用意する。

そして、待ちきれずソワソワするオグリキャップを横目に電子レンジで約一分。小さなおにぎりを用意したタマモクロスが差し出したそれを受け取ったオグリキャップは、アツアツのそれを口に放り込む。

 

「うん、美味しい。ありがとうタマ」

 

「良し、ほんじゃさっさと寝よか!間違っても、夜中にこっそり夜食とか食うんやないで!」

 

「ああ」

 

そうして減量の日々を乗り越えたオグリキャップは、レースにて圧倒的力を見せつけるのだった。その後レース場付近の焼肉店で、芦毛の怪物がトレーナーと共に店を一軒、一日営業停止に追い込んだというのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

~ハルウララとトレーナーのおでかけ~

 

「えへへ~、トレーナーと一緒にお出かけって久しぶりだね!」

 

「そうだなぁ」

 

ある日のお昼時、トレーナーはハルウララの買い物に付き合い、蹄鉄を求めてスポーツ用品店へとやってきていた。

 

「これなんかどう?トレーナー!」

 

「んにゃ、こっちの方にあるやつがいまのお前には合ってるっぽい」

 

多種多様なスポーツ用品が並ぶ中、何となくで選んだ一つをトレーナーに見せるハルウララ。しかしトレーナーはそう言ってそれをもとの位置に戻させると、少し奥へ入ったところにある別の蹄鉄を取ってくる。

更には、靴の棚を少し眺め、目当てのものを手に取るとハルウララに渡す。

 

「ほれ、これ履いてみ。これなら多分ウララにはピッタリだろ」

 

「分かった!」

 

はい!と手を挙げて靴を受け取ると、近くにあった試着用の椅子へと座るハルウララ。渡された靴を履き少し足踏みをしてみる。

 

「これすっごくちょうどいいね!」

 

「よし、これ買うか・・・あと、ルドルフとオグリの分の予備が足りなかったしそれも買っていこう。すまんな、せっかくのショッピングにこんな感じで」

 

「ううん、全然!トレーナーと一緒にお出かけできるだけでも楽しいもん!」

 

「あ゛あ゛~」

 

変な声を出しながらなごんでいるトレーナーと、ほんわかした雰囲気を出しつつウマ娘としての力を生かして大量の蹄鉄や靴、それらの整備のための用具などの入ったかごを運んでいくハルウララ。

会計を通し、必要なものを買い込んだあとの二人は近くにあった喫茶店へと休憩のため入っていくのだった。

 

「トレーナーって、ウマ娘の靴とかにも詳しいんだね!」

 

「ん?」

 

コーヒーを飲みながら一息ついていたトレーナーに、パフェを幸せそうに食べていたウララがそんな質問を投げかける。それに何と答えるか迷っていたトレーナーは、フッと自嘲気味に笑う。

 

「・・・教官時代に、こういうのに詳しいやつが教えてくれたからな」

 

「ふーん・・・?あ、そうだトレーナー!この間ね・・・」

 

そこで何かを感じ取ったハルウララは、それ以上はその話題に触れることはなく、他愛もない話をしながら時間をつぶすのだった。

その後、たまたま見かけたライスシャワーとその担当に出会い、仲良くショッピングを楽しんでいるのだった。

 

 

 

 

 

 

~ミホノブルボンとレースの変化 契約後初レース編~

 

(おかしい・・・!)

 

レースの最中、ミホノブルボンの後ろを走るウマ娘はレースの興奮の狭間に冷静な頭で考えていた。体力が問題であるという弱点が判明したミホノブルボン。レースはスポーツであり、熾烈な闘争でもある。

当然のことながらそんな弱点は狙うべきものと、多くの一緒に走っているウマ娘が徹底的なマークやペースを乱すために囲むなどの洗礼を浴びせている。しかしミホノブルボンの様子は、異常と言っていい状態にあった。

 

(掛かってるはず・・・でもこのハイペースは何!?)

 

(こんなの、普通に走ってても完走不可なペースじゃない!)

 

(まさか、スタミナ不足っていうのはブラフ!?)

 

様々な思考が駆け巡る中、不意にミホノブルボンがグン、とさらにペースを上げる。当然それを無視することなどできない他のウマ娘達も、釣られるようにペースを上げていく。先頭は、3,4馬身ほど離したツインターボ。他はほぼ集団という中で、突如ペースを上げたブルボンに更に驚きの声が上がる。

 

(来た!ここからスパートをかける!)

 

(この娘は危険!このまま抑えつつ前に・・・!)

 

一気に集団の速度が上がり、後ろを確認したツインターボは目を見開き必死に逃げる。最終コーナーを抜ける寸前、集団内でさらなる変化が起こる。

 

「・・・っ」

 

「なっ!?」

 

ミホノブルボンのペースが、急激に落ちた。後ろについていたウマ娘は一瞬驚くものの、横へそれそのまま追い越していく。

 

(ペース配分ミス!?なんにせよチャンス!)

 

(あとは前のツインターボを抜くだけ!)

 

ウマ娘達が動き、最後の直線での最終決戦。そう思い多くのウマ娘達が足に力を入れた次の瞬間。

 

「・・・ザム」

 

「え・・・?」

 

ウマ娘達の横、大外を何か赤いものが一瞬で抜いていった。それが何なのかを理解する間もなくぐんぐん先へと進むその赤い残光は、ついには先頭を必死に走る青い逃亡者すらも差し切り、ハナ先でゴールをかっさらっていった。

 

ゴールしたウマ娘達は、自分たちが油断したことと、あの『サイボーグ』と呼ばれるウマ娘がわざとペースを乱し続けていたことに気づき歯噛みする。

 

そしてこれはレース終了後の映像を見て気づいたことだったが、実はペースは上がりっぱなしではなく気づかないギリギリのタイムで上下され、ペースもくそもない状況にされていたのだった。

・・・それこそ、常に一定のタイムを刻めるほどの正確な感覚が無ければ混乱するほどに。

 

汗を振り払いながら、悔し気に顔をゆがめるウマ娘達を横目に見つつ耳飾りと勝負服の蛍光色を赤く染めたサイボーグは、息を整える。そして自身のマスターが満足げに頷いているのを見つけつつ呟いた。

 

「・・・まだあのアニメの通りの速度とは言い難いですね。またタキオンさんとの研究を進めなければ。通常の三倍の速度はやはりペースの配分が難しい」

 

 

 

 

 

 

 

大歓声を上げる観客の中、ゴールの前に陣取って腕を組んでどや顔でレースを見ていたトレーナーも呟く。

 

「・・・なにあれ?俺あんな作戦教えてないんだけど。ってかあいつの勝負服あんなことできたっけ?」

 

「君が始めた物語だろう?自分の布教に責任を持ちたまえよ」

 

「アイエエエ・・・」

 

呆れた表情のタキオンのジト目をもらいつつ、トレーナーは両手で顔を覆うのだった。

 

 

 

 

 

 

~ゴールドシップの突撃!お前が晩ご飯!初訪問からのシリアス編!~

 

「いや~、やっぱトレーナーの飯はサイコーだな!」

 

「おま・・・俺言ったよなぁ!?俺の分もあるから食いすぎるなって!?」

 

休日。トレーナーが定期的に実家へと帰る日。ゴールドシップはそれに便乗して晩ご飯をたかるため押しかけていた。トレーナーは怒りつつも台所へと立ち、エプロンを用意しつつコンロに火をつける。

 

トレーナーの母親はゴールドシップと一緒にリビングで席に座ってトレーナーの作った晩ご飯の、かつおのたたき丼を美味しそうに食べている。大皿に乗っていたはずの主菜である牛肉のすき焼き風は影も形もなくなっているのだった。

 

かつおのたたき丼は、ホカホカの米にのったかつおがその熱で丁度良い温度になり舌触りのよさを高めており、かけられた醤油ベースのタレが箸を進ませる。上に乗せたかつおがなくなれば、今度は牛肉のすき焼き風を上に乗せ、牛すき丼に早変わり。更にそこへと机に置かれたガーリックペッパーをかけることでより香ばしい風味を高めた丼へと昇華され、増した食欲を二連続の丼が満たしていく。

 

「あらあら、別にいいじゃない、にぎやかな方がうれしいわ。普段はずっと静かなんだし」

 

「母さんはちょっと落ち着きすぎだよ。こいつ、当たり前のように飯食ってるけど今日ここに来たの初めてだからな!?」

 

「あら?確かこの間も来てた気がしたんだけど」

 

「んなわけ・・・」

 

「ああ、あの時はいきなりすいませんでした。トレーナーを伴わず来たのにあがらせていただいて助かりました」

 

「こちらこそ、あの時に頂いたメロン美味しかったわ」

 

「お前マジでなにしに来てんだよ!?」

 

台所からガン、という何かを落とす音と共にトレーナーのツッコミが飛ぶ。その後もゴールドシップとトレーナーの母親ののんびりとした会話は続き、ツッコむ気力もなくなったトレーナーは、がっくりと肩を落とすのだった。

 

 

 

 

 

その日の深夜、ゴールドシップがはしゃぎにはしゃぎまわった後電池が切れたみたいに倒れ寝てしまい、トレーナーの母親も自室で寝静まっている。トレーナーは片づけを終えるとゴールドシップを姫抱きで抱え、二階の自分の部屋のベッドへと連れていきそっと寝かせた。

規則正しく動く胸の動きにホッとしたトレーナーは、下へと降りリビングとつながったドアを開く。

 

そこは玄関へ向かうものとは違う扉であり、その先には書斎が広がっていた。書斎の奥には、不釣り合いなほどに存在感を放つ何かが鎮座している。

 

頑なにゴールドシップにも開けさせなかったそこへとトレーナーは入っていき、扉を閉めた。その後しばらくトレーナーは出てくることはなく、扉の先からは線香の香りと、何かが鳴る控えめな、それでいて硬質な音が鳴るのだった。

その扉の横、壁に体を預けたゴールドシップは普段の様子とは違う真剣な表情でジッと中から響く嗚咽を聞いているのだった。

 

 

 

 

 

 

~ルナ(シンボリルドルフ)とトレーナー契約開始後しばらくのこと~

 

ある日の朝、シンボリルドルフは交流を深めるという意味もあってトレーナーと一緒にランニングをしていた。

トレーナーとシンボリルドルフ、二人ともジャージ姿であり、トレーナーはすでに玉のような汗を流している。ルドルフの方もトレーナーほどではなくともそれなりに汗をかいており、二人とも相当の距離を走っていると分かるが、本日は休日。トレーニングではなく、トレーナーの日課のランニングにルドルフが付き合っているのだった。

 

「トレーナー、そろそろペースを落とそう」

 

「・・・おう」

 

二人は走るペースを落としていき、そのまま近くにあった自販機の前で止まる。

トレーナーは息を整えると自販機へと向かいルドルフに声をかける。

 

「おいルナ、何がいい?おごってやるよ」

 

「ありがとうトレーナー。じゃあこれが欲しいな」

 

「・・・これ美味いの?」

 

ルドルフの指さしたのは、自販機の中でも異彩を放っていたもの、『四ツ矢サイダー・にんじん味コーヒー風味』。さすがにこれどうなの?と二度見するトレーナーをよそに、硬貨はすでに必要枚数入っていたためルドルフがそのままボタンを押す。

 

「トレーナーもどう?これでも結構いけるんだよ?」

 

「お、おう・・・おれは眠気覚ましもしたいしこっちの無糖コーヒーで・・・」

 

若干腰が引けて普通のコーヒーを押そうとするトレーナー。誘ったときは若干うれしそうに見えたルドルフだったが、トレーナーがふつうのコーヒーを押そうとした瞬間しょんぼりとした表情を見せる。

 

「・・・トレーナーさんとおそろいが飲みたかったんだけどな」

 

「っしゃおらぁ!!飲んだらぁよ!!」

 

そんなルドルフの表情を見たトレーナーは、即座に指先の進路を変更し、全力でルドルフのモノと同じ飲料を選択する。メキャッという嫌な音と共に自販機からゴトンという音を立てて飲料の缶が落ちる。

後にトレーナーはこの時飲んだこの飲料について、

 

「どうすればあそこまでにんじんの味もサイダーの甘味もコーヒーの風味も殺せるんだろうな」

 

と目を濁らせて答えたという。なおルドルフは二人でおそろいを飲めたということに喜んでいたため、後ろでダバーとよだれを垂らすトレーナーには気づくことなかった。その後トレーナーの手料理により、ルドルフは無事バカ舌という特徴をなくすことに成功するのだった。

 

 

 

 

 

 

~タキオンと実験~

 

タキオンとの契約を終えた翌日。さっそくトレーナーは実験と称した薬の試飲に駆り出されていた。

 

「なぁ、これ本当に大丈夫なのか?」

 

「問題ないよ。効能についてはある程度実験済みさ!・・・モルモットではね

 

「おい」

 

渡された蛍光色の黄色に光る薬に対する不安が高まる中、さぁ!とひたすらに急かしてくるタキオン。思わず胡乱げな表情で睨んでしまうトレーナーだったが、最終的には腹をくくり、一期にクスリを飲み干した。

 

「・・・ど、どうだい?何か変化はあったかい?」

 

「いや、なにも・・・」

 

そう言って体をまさぐるトレーナー。しかし体のどこにも異常は見当たらず、そして体が軽いなどの肯定的な効果も見られなかった。

 

「やれやれ・・・失敗か。ただ失敗するならまだしも、何の効果も出ないとは全くつまらないなぁトレーナー君?」

 

「いや、それで効果出られても困るんだけど!?」

 

トレーナーの喚きには一切興味を示さず、残った薬を机の上に置くタキオン。その後、特にその薬品についての話もなく実験はそこでお開きとなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

その翌日。トレーナーが優雅に職員室にてコーヒーを飲んでいた時だった。ものすごい足音が近づいてきたと思った次の瞬間、ドアを破壊するほどの勢いで開かれタキオンがやってきた。

 

「トレーナー君!!」

 

「ブッ!な、なんだよタキオン・・・ドア壊れるから力いっぱい開けんなし」

 

「それどころではない!体に異常はないか!?」

 

「え?」

 

トレーナーの話も聞かずその体を必死でまさぐるタキオンに、言いようのない不安を覚えるトレーナー。しばらくの間体をまさぐったタキオンは異常が無いことを確認し安堵のため息をこぼす。

 

「おい、いったい何が・・・」

 

「あの薬なんだが、あの後先に飲ませていたモルモットが今日ついさっき苦しみだしたんだ」

 

「え゛っ」

 

「それも、明らかに死にそうな感じの」

 

「ちょっ、それどういうこ・・・が!?」

 

「トレーナー君!?」

 

タキオンの説明に驚きの表情を浮かべていたトレーナーの顔が、不意に苦痛に歪む。胸を抑えて苦しみ悶えだしたトレーナーの姿に、職員室にいた他の教員やタキオンが慌てふためく。床を転げまわり、苦しんでいたトレーナーが不意に立ち上がると、白目をむいて動かなくなった。

 

「・・・」

 

「ト、トレーナー君・・・?」

 

タキオンの呼びかけにも答えず、ジッと白目を向いて立ち続けるトレーナーに周囲の教員も恐れをなして全力で距離をとる。

 

「だ、大丈夫か?トレーナーく」

 

「・・・」ピカー

 

「「「「「「「・・・」」」」」」」

 

反応のないトレーナーをタキオンが体を揺さぶったとたん、身体が七色に光りだした。しかもその光は上から下へと流れ落ちるように変わっていっており、見ているだけで目が痛くなる光景だった。そんな光景をしばらく見ているとトレーナーが目を覚ます。

 

「ト・・・トレーナー、君?」

 

「・・・何か言うことは?」

 

「フ、フフフ、アッハッハッハッハ!!・・・正直すまなかった」

 

その後、のちに『ゲーミングトレーナー徘徊事件』と呼称される、タキオンとトレーナーの追いかけっこが行われるのだった。その時のタキオンの顔は、めったに見ないガチ泣きしていたという。




ではまた、来月あたりにお会いしましょう。

to be continue........
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