トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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なお予定してたお話と少しズレがある模様。
まぁトレーナーがはっちゃけてる話書けたからヨシ!(ストゼロロング缶を開けながら)


トレーナーは食べさせる(鋼の意志)

「はい、はい・・・はい、分かりました。わざわざありがとうございます。ええ、はい。それでは、失礼致します」

 

電話の向こうからツーツーと切れた音がする中、ため息をつき携帯をしまうたづな。理事長であるやよいの補佐を務める彼女は、対外的な行事や訪問に関するアポイトメントなどへの対応によく駆り出される。先程の電話も、外部、それも海外のトレセン学園からの重要事項の連絡であった。内容はかなり無茶な要望で、困りました・・・とため息をつきつつたづなは上司へ報告せねばと理事長室へ急ぐ。カツカツというヒールの足音が、授業中ゆえ生徒の往来の無い閑散とした廊下に嫌に響く。

 

そうして理事長室の前へと辿り着くと、もどかしく思いつつも落ち着いて扉をノックする。「入ってくれ!」と言う聞き慣れた幼い声が聞こえて来る。扉を開けて中へと入り、すぐに閉める。

理事長室に置かれたシンプルながら荘厳な雰囲気の椅子に座っているのは、この学園の最高責任者。そこには椅子と比べると、いやどのように見ても華奢としか言えない少女が鎮座していた。

 

「!たづな、例の件はどうなった?」

 

トレセン学園の理事長、やよいの問いにたづな姿勢を少し正して報告を行う。

 

「理事長の想像通りでした。既に海外のトレセン学園への確認を終えています」

 

「・・・そうか。ご苦労だった」

 

そう言って、理事長ーーーやよいは思わず自分が身を乗り出していたことに気づき慌ててコホンと一つ咳をして椅子へと深く座りなおし、腕を組んで瞑目する。真剣な表情で考え事をしていると、湯呑が置かれる。それに気づいた理事長が顔を上げると、複雑そうな表情のたづなが苦笑していた。

 

「・・・ありがとう、たづな」

 

「いえ、これも私の仕事ですから」

 

うっすらと笑みを浮かべつつ湯呑を手に取る理事長。その姿は、ただでさえ小柄である彼女の体をより小さくなったと見間違うほどに疲労感に包まれていた。理事長としての雑務責務は当然膨大である。その上外部の人間、あけすけに言うなら学園を維持運営するにあたっての費用を援助してくれる支援者たち。彼らとの会合という名のお願い、あるいは命令の場に単身出ることすらある。「すべてのウマ娘に活躍の場を」という学園の理念を守るためのその仕事は、当然小さな少女にとっては重すぎるものだ。

だからこそせめて、身の回りの援助をと常にそばで守り続けてきたたづなだがここに来てとうとう弱音を吐きそうになる。

 

「・・・私が、間違っていたのだろうか」

 

「!いいえ、そんなことは・・・!理事長が行ってきたことは無駄などではありません!」

 

理事長・・・いや、やよいがボソリと呟いた一言に、必死の思いで首を横に振るたづな。しかしやよいの瞳は濁ったままで、手に持った湯呑を見つめ続けるその姿は完全に精神を崩壊させたとしか思えない姿だった。

たづなはやよいの言葉を否定しつつも、あまりにもあんまりなその様子に目に涙をたたえ口元をおさえてしまう。というよりも、すでにグスッという泣き声が漏れている。

 

「最近、考えてしまうのだ・・・。私はこれまでこの理事長という立場を継ぎ、必死になって務めを果たしてきた・・・」

 

「もう・・・!もういいです理事長・・・!」

 

「つい最近も、『皇帝』シンボリルドルフをうちで引き取らせろと言う無茶な要求を海外の大きい団体から言われた。しかも、私を子どもだからと若干見下した態度で」

 

「もう・・・!やめて・・・!」

 

ポツリポツリとしゃべるやよいに対し、もうなんか泣いてることを隠す様子もないたづなの嗚咽をはらんだ静止が響く。しかし聞こえてないのか、聞こえていてあえてしゃべり続けているのか、やよいの口は止まらない。

その他にも、次期理事長の座を狙うお偉いさんや、スポンサーだからとやたら無理難題を吹っかけてくる偉そうな出資者からの明らかに無理無茶無謀な要請への歯に衣着せぬ愚痴や自身の中にほんのわずかに芽生えているポケットマネーの将来への不安だったりがこぼれだしたあたりで、もう理事長の頬を一筋の光が伝いたづなは号泣に入る。

 

「・・・他にもいろいろだが、一番は・・・」

 

そこまで話したあたりで、やよいが一瞬言葉を切る。一瞬の間の後、一気にふつふつと湧き上がる激情が表情に現れ、先ほどまでの能面が阿修羅のごとき怒りに染まっていく。というか普通にイラッとしているように見える。

 

「それらの面倒ごとを大体あの人が勝手に解決していったってのが余計に腹立つ・・・!」

 

「えぇ・・・」

 

まさかの言葉にたづなから涙が消え、思わずポカンとしてしまう。そんなたづなに、怒り心頭の表情のやよいから数枚の紙が手渡される。恐る恐るそれを受け取ったたづなが目を通すと、それはどうやらあの人ことトレーナーの今期の活動報告書であった。

一番上の資料を見ると、そこには海外から打診のあったというシンボリルドルフの引き抜きについて、相手との厳正な話し合い()により無事なかったことになったと報告されていた。ついでのように雑に貼られているのは、連絡をしてきた相手のお偉いさんと肩を組んで一緒に焼き肉を楽しんでいる鉢巻に祭り法被姿の不審なトレーナーの写真。あと何故か背後で肉を刺した串を両手と口に2個づつもった不審な葦毛のウマ娘もいる。

裏面のfrom Dubaiの文字は見なかったことにするたづなであった。

 

 

「・・・お相手の方から連絡が来たの、3日ほど前ですよね?」

 

「肯定・・・ついでに言うと、あの人にそれを教えたのは2日前だ」

 

「・・・どうやって行ったのでしょう。あと、ここ日本語じゃないですけど『皇帝ではなくぜひこの男をトレーナーとして誘致したい』って書いてません?」

 

「・・・やよい知らない。なにもみてない」

 

完全に何かのネジが外れたような表情を見せるやよいの姿に、たづなはもう何も言う気になれずそっと目を逸らした。

気を取り直して報告書をめくると、今度は無理難題をふっかけてきていた出資者からの、謝罪の文書が出てきた。公文書特有のすごいお堅い文章だったが、読み取ってすごくふんわりと訳してみると『忙しさを考慮せず文句ばっかり言って申し訳なかった。近いうちに面と向かって謝罪に行く。だからどうかあの妙なトレーナーを名乗る不審者とグラサンマスクの葦毛ウマ娘をこちらによこすのは勘弁してください』とのことだった。おいなにしたトレーナーを名乗る不審者。あとゴルシ。

 

「・・・トレーナーさんにこれらのことって言ってたんですかね?」

 

「いってない。・・・たづな、盗聴器を探す方法ってあるだろうか?」

 

「・・・業者を呼びますね。場所は理事長室(ここ)でいいですか?」

 

「ああ・・・いや、もう学園全体を確認すべきだと思うぞ」

 

たづなと理事長の両方の口からため息が漏れた。なお、後日業者に無理を言って学園内全ての施設を調べてもらった結果、盗聴器の類はどこにもなかったという報告が帰ってきてむしろ二人の心労と恐怖は倍増したらしい。

閑話休題。

 

その後も出てくるのは皆どこかで理事長に迷惑をかけたり困らせた人物に関するものばかり、大半が謝罪の文書である。他には、一部全く関係のない警察などからの感謝状が混ざっていた。なんだ、銀行強盗をパスタで捕縛したって。

 

「憤慨!あの人は私をなんだと思っているんだろうか!私は理事長で、あの人の上司だぞ!余計なお世話をするんじゃない!」

 

「(あ、調子戻ってきたみたいですね・・・)それでも、やり方がきもちわr・・・おかしかっただけで、理事長を思っての行為なのでは?」

 

なんだかんだで好き放題暴れているようで今から事後処理が怖くなってくるたづなだが、どの行為も相手に直接的被害はほぼ()ないようであり、どれも理事長であるやよいにとってはどんな形であれありがたい結果を手繰り寄せている。顔を見合わせれば喧嘩ばかりの二人だが、結局のところ互いが大事なのだろう。そう思うとこの関係も微笑ましい・・・微笑ましい?と微笑しつつ脳内で首をかしげてしまう。

 

そんなたづなの一言に、キレ散らかしていた理事長はキョトンとした表情になる。そのまま少しの間フリーズしていたがやがて脳内で整理がついたのか顔を真っ赤にして扇子を取り出し、ものすごい勢いで扇ぎだした。パタパタどころかバタバタである。

 

「まままま、まぁ~?あの人もなんだかんだで私のこと心配してくれてる?所は確かに評価に値すると思うぞ、うん!そそそ、それはそうとたづな!今日の業務は午前の分が終わっているな?」

 

「え?ええ、まぁ確かに終わっていますが・・・ああ、そういうことですね。はい、終わっていますので多少休憩がてら学園内を見回ってはいかがでしょう?最近視察もやる時間がなかったですし」

 

「名案!確かにそうだ、うん。休憩は大事だな!では少し、昼食がてらにあの人が奇行をしていないか確認でもしてくるとする!ではたづな、後を頼む!」

 

そう言ってパタパタと小走りで部屋を移動する理事長。壁の横のスタンドにかけてあった帽子を取り、いつものように帽子をかぶった頭へと愛猫を乗せると、せかせかと扉を開けて出ていく。最後にたづなへと手を振る際にも顔が真っ赤であったことには、ギリギリでツッコまないで済んだのだった。

 

「学園を見回ってはどうか、とは言いましたがトレーナーさんに会いに行きませんかとは言ってませんよ・・・と、もう行ってしまいましたか。全く、理事長もお礼を言いに行くと素直に言えばいいのに・・・」

 

苦笑しながらそう呟いたたづなは、今日は疲れるだろうし、仕事終わりにラーメンと餃子を食べに行こうと決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あの人は一体どこにいるのだおうか・・・」

 

たづなと別れ、ウキウキで学園内に繰り出した理事長だったが、早速困っていた。職員室やチームの部室へと足を運んだが、トレーナーが見当たらなかったのである。職員室では同僚のトレーナーにビビられながら話を聞いたのだが、

 

『あ、あいつ・・・いえ、あのトレーナーはキチgゲフンゲフン行動が読めないところもあるので、私たちでは居場所までは・・・すみません』

 

と言われてしまった。どうやらスマホも部室に置きっぱなしのようで、たまたま居合わせたチームメンバーのミホノブルボンに声をかけるも、

 

『質問に対する回答。マスターは現在、私の索敵範囲外にいる模様。火急の用であれば、リコンを使用しますがいかがいたしましょう』

 

と当てが外れた結果となった。あとりこんがなにかは不明だが嫌な予感がしたため遠慮した。

 

「全く、あの人はいつもそうだ。家で出会った際も挨拶だけしてフラッといなくなったりするし、お母さまと一緒になって縁談がどうのとかからかってくるし・・・」

 

人が見当たらないためか、素に近いしゃべり方でぶつぶつと呟いている理事長。頬を膨らませて歩くその姿は年相応で、微笑ましいものである。頭の上の猫も理事長のつぶやきに反応してたまににゃあと鳴き声を発する。そんな様子で歩いていると、無意識に歩いていたためかこの時間あまり使われていないダートの練習場へと向かう道に入っていた。

 

「・・・む、いかん。ぼーっとしていた、早く探さないと昼の時間が無くなる・・・ん?」

 

自分が迷い始めていることに気づいた理事長が、慌てて振り返り、もと来た道を帰ろうとする。しかし、ふと耳を澄ますと少し遠く、練習場の方から誰かの声が聞こえてくる。少し迷ったが、他に手がかりもなくどうせ違ったらまた今度ってことにすれば・・・とヘタれた理事長は練習場へと足を向ける。

 

「・・・!・・・!」

 

「・・・!・・・・!?」

 

「「~~~!!」」

 

「な、何が起きているんだ?」

 

少しずつ近づくと、声の主が二人いる事に気づき少々警戒しながらそっと物陰から練習場を除く理事長。見る先にいたのは、やはりトレーナーだった。ゴールドシップらしき葦毛のウマ娘と一緒に何やらやっているようで、互いに叫び続けているため理事長のところまで声が聞こえてきたようだった。正直2人が一緒にいるとろくなことにならないためあまり絡みたくはない理事長だったが、せっかく見つけたトレーナーである。どうにか声をかけられないかと様子をうかがうのだった。

 

(あの2人か・・・いったい何を)

 

「「ポン!」」

 

(!?)

 

突然大声で叫んだ二人に肩を飛び跳ねさせて驚く理事長。彼女のことなど気づいていない様子の二人は、妙な体勢で叫んだ後、ジッとその状態を維持していた。

 

ゴールドシップは『虫唾』と書かれたTシャツを着て、手にはバドミントンのラケットを持ってそれを支えに頭で三点倒立をしている。高くピンと伸びた足の先には、かつて彼女が「獲ってこないといけない気がした」という意味不明な理由で出場し、誰もが予想だにしなかった勝利で手に入れた宝塚杯のトロフィー・・・のレプリカがのせてある。

 

一方のトレーナーも負けず劣らずの変人っぷりを発揮しており、ゴールドシップと同じくTシャツを着ているがこちらは『悪寒』と書かれている。そして倒立ではなく両手足をつけた、いわゆる四つん這いの状態で背中にランドセルを背負い、頭にはおもちゃのマジックハンドをやっつけ仕事で取り付けてある安産第一と書かれたヘルメットをしている。マジックハンドの先には何故か紐でくくりつけられたリカちゃん人形がぶら下がっており、それを四つん這いのままゴールドシップの足の上にあるトロフィーへと投下していた。

 

「・・・これは俺の勝ちみたいだな」

 

「くっ!だが、アタシはまだ前回に手に入れた超次元ゾーンのコアがある。まだまだ終わらせねぇぞトレーナー・・・!」

 

「ぬかせ、俺だってまだオレイカルコスが維持してある。不足コストもブレイドラから確保できるから追い付くのは可能だぜ?」

 

「ほーぅ?まぁ精々頑張りな。ゴルシちゃんに勝てると本気で思ってるならお笑い種だがなー!」

 

「ふん、デュエルで勝てないからってここで勝ち誇られてもなぁ」

 

 

「・・・!言うじゃねぇか?やって見せろよトレーナー!」

 

「なんとでもなるはずだ!」

 

「ばかな!ガ〇ダムだと!?」

 

「「イェーイ!!」」

 

 

 

 

 

(・・・もうなんかあの人本当にしばらく学園から追い出してもいい気がしてきた)

 

カボチャを被って踊り出した二人を眺め、理事長は再びキャラ崩壊しつつ目を濁らせそっとその場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。秘書であるたづなに別件を任せ理事長が一人で午後からの業務に勤しむ中、不意に理事長室の扉がノックされる。

 

「・・・?はいってくれ!」

 

はて、今日はこの時間に面会の予定はなかったはず。そう思いつつも入室を促すと、入ってきたのは気まずそうな表情のトレーナーだった。

 

「疑問!なぜあなたがここに?・・・まさか、また何か壊したのか!?今度はなんだ、窓か!?扉か!?」

 

「んなわけあるかぁ!別件だよ!そして今日は壊してねぇ!」

 

ツッコミながらズカズカと部屋に入ったトレーナーは理事長の目の前に行くと、ぶっきらぼうに手に持っていた籠をつきだす。突然差し出された籠に戸惑いつつ理事長が受け取ると、すぐに手を離しトレーナーはさっと出ていこうとする。

 

「ちょっ!?これは一体なんだ!説明を要求する!」

 

「・・・あー、その、なんだ・・・差し入れだよ!籠と中の食器類は明日返せ!以上!」

 

「説明になってない!」

 

理事長が叫ぶが、トレーナーはそれを無視してさっと出ていってしまう。ポカンと口を開けてそれを見送った理事長だったが、不意にまたトレーナーが閉まる前の扉からひょっこり顔だけを出してくる。

 

「あと!あんまり遅くまで仕事してんじゃねぇぞ!」

 

「あ、ちょっ」

 

そして、またサッと出ていってしまったトレーナーに首をかしげる理事長。しばらくの間フリーズしていたが、やがて気を取り直し籠を開く。

 

「いったい何が・・・これは?」

 

開いた瞬間立ち上ったのは、食欲をそそる炊き立ての米の香り、そしてさらに空腹を誘発する焼肉のたれの匂いだった。

 

「!これはまた、がっつりとしたものを用意したなあの人は」

 

そう言って理事長が取り出したのは、ラップをして籠に入れられていた大きな丼。ラップ越しでも丼の中が見えており中には薄いピンクの縁取りとその他が白い半円の物体。匂いでわかっていた通り焼肉のたれがかけられ茶色く染められたそれは、肉ではなかったがよく見かける食材だった。

 

「かまぼこ・・・だろうか。またあの人は不思議なものを作るな」

 

そう、たれによって色は違うが完全にそれはかまぼこだった。きれいに円を描くように丼の上に敷き詰められたかまぼこ。その上にさらに小さめの目玉焼きが載せられており、かまぼこと目玉焼き全体を覆うようたれがふんだんにぶちまけられていた。

 

「・・・せっかくだし、残すのも悪いな。うん」

 

そう呟き、理事長は・・・やよいは一緒に入っていたレンゲと割り箸を手に取りラップをはがす。抑えるものがなくなったとたんに一層勢いを増した匂いはしっかりと昼食を食べたはずの胃に空腹のサインを強制する。口内に唾があふれるのを感じながらやよいは待ちきれないと言わんばかりにレンゲをてっぺんの目玉焼きへと突っ込む。

 

すると、どうやら目玉焼きは半熟だったようで黄身をつぶした途端とろりと黄金の川が丼にじわじわと広がっていく。

 

「・・・!い、いただきます!」

 

すぐにでも食べたい衝動に駆られながら、やよいは一気にレンゲを更に奥へと突き進め、下のホカホカの米とたれと黄身をたっぷりと塗ったかまぼこ、目玉焼きの白身を全部まとめて口へ放り込む。

 

「!あふっ」

 

急に口に入れたことで下で熱をためていた米に驚き、はふはふと必死に口を開け閉めする。熱が落ち着くとともにやってくるのは、やはり濃くて旨味を強調する焼肉のたれ。シンプルな白米とかまぼこに強烈な旨味を与えるそれはレンゲを止めることを許さない。

 

かまぼこはその肉とは違ったプルプルとした食感が口内を楽しませ、魚肉のうまみをお届けする。そしてそれらを調和され、濃さを必要最低限にやわらげマイルドな仕上がりを演出する黄身とかまぼことは違ったプルプルさをもつ白身がさらに食べろ、もっと食べろと促してくるようだ。

 

「~~!やっぱりあの人のご飯は美味しい・・・!」

 

幸せそうに丼を頬張るやよい。普段から豪放磊落に構える彼女だが、今ここにいるのは一人の食事を楽しむ少女である。夢中で食べるその姿は、いつもトレーナーと喧嘩するときにも見せる年相応の少しうれしそうな表情を見せていた。

一口、もう一口とかまぼこ丼を食べていく中で、やよいはふと籠の中を見る。丼だけだと思っていた籠の中には、もう1つ、小さな小鉢が入っていた。

 

「むぐ・・・これは?」

 

取り出してみると、小鉢の中に入っていたのはクッキーだった。そのクッキーは小さな星型をしており、スタンダードな茶色とこげ茶色の二種類がある。

 

「これは・・・あの人のクッキー?」

 

丼をいつの間にか食べ終えたやよいはそっと小鉢のラップを取り、クッキーを手にする。口に運ぶと、控えめな甘さと若干の酸味。どうやらレモンの果汁が使われているようで、すっぱいが程よくさっぱりとしており、むしろその酸味が甘さを際立たせていた。

 

(なつかしいな・・・私がつかれていた時に、たまに気が向いたからと作ってくれていたな。失敗作ばかりだったが)

 

昔の思い出に笑いながら、今回は出来の良いクッキーを食後のデザートにとサクサク食べ進める。すると、小鉢の底の方に文字が現れた。

 

『お疲れさま 頑張れ』

 

「・・・本当に、あの人は」

 

その文字を見てやよいはむっとしつつも、その口元はにやけているのだった。食べ終えた丼や小鉢を籠に片づけ、軽くのびをする。

 

「・・・奮起!頑張るとしよう!」

 

そう言って理事長は、再び業務へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

後日、トレーナーの顔面にきれいに洗った状態の丼達のはいった籠がシュートされ、理事長とトレーナーらしき人物の大捕り物が超!エキサイティン!するのであった。

 




トレーナー:初めて人に飯を提供したのは理事長にが初。海外のお偉いさんには、土下座からのスマブラ→ポケモン→空腹からのバーベキューで仲良くなってからの取り消しお願いでOKが出た。たまにメールでやり取りする。
なんだかんだでやよいは妹分だから大事にするよそりゃ。
え?他の件?大体ゴルシに丸投げしたから知らね。たまに手伝ったけど

理事長:だいぶ前に親戚設定が生えた人。心労は計り知れないがそれ以上に恩義も感じてるためあまり強くは出れない。お願いたづなでどうにかしてる。あの人はまぁ・・・不本意だが兄のような人だし、多少は許すが・・・

たづなさん:ラーメンと餃子を食べたから許す。(トレーナー奢り)

ゴルシ:そうそう、送ったリストの人ら全員の素性洗い出して。うん、トレーナーの身内馬鹿にしたからお灸をな。・・・うん、サンキューお袋!今度トレーナー連れてくわ!

前回のラーメンライス&TKG
好きに食べ、好きに作るよろし!!ぶっちゃけレシピとかない!!!


なんというか、こう・・・頑張る子って応援したくなるよね!理事長とかダブルオーライザー師匠とかウララとか!!

次回 トレーナーは逃げる。
続けるというそのウマの判断は正しい。
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