トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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ちくわしか持ってねぇ!回
胃が・・・胃が痛い・・・食べ物を残したいと思ったのは初めてだ・・・いや食べ物かあれ?

実装が待たれる師匠。タマちゃんも待ってるけど師匠も来て欲しいので今日も石を貯める。


トレーナーと師匠とシラオキ様とちくわ

「さて、今日は何のトレーニングするかなっと」

 

そう呟きながら学園からトレーニング用のグラウンドへと向かうトレーナー。のんびりと歩道を歩きつつ近くを通り過ぎる他のウマ娘に軽く挨拶をしながら、本日のトレーニングについて思いを馳せている。

ふと、そんなトレーナーが学園の中庭まで来た時だった。

 

「・・・んじゃろ~、ほん・・・~!」

 

「・・・あん?」

 

どこからか奇妙な唸り声が聞こえてきて、トレーナーの足が止まる。耳をすますと更に大きく聞こえてくる謎の声は、理解はできないがどうやら呪文のようだった。

 

「誰だよ全く・・・最近は散々な事件が多いんだよなぁ・・・かかわりたくねぇなぁ、面倒事は嫌いなんだよ・・・」

 

ゴルシがトムキャットレッドビートルで廊下ボーグバトルしてくるし、オグリが初めて飯を残すしブルボンが遂にOWを担いで走り出すしウララが鋼の意志をどっかから勝手にもらってくるし。そう言ってげんなりとした表情になりつつも、トレーナーは声の主の元へと向かう。自分から面倒ごとに突っ込んでいるというのは本人には自覚がないようだ。

 

「おーい、どこのどいつだか知らねーが何やってんだー?もう放課後だぞーっと」

 

そう言って曲がり角を曲がるトレーナーだったが、次の瞬間突っ込んできた何者かにぶつかり都合5メートルほどふっ飛ばされる。

 

「ブベラッ!?」

 

「あ!ご、ごめんなさい!?」

 

「ほああ!?や、やっぱりです〜!」

 

突然の激痛にうめくトレーナーの元へと、2人のウマ娘が近寄る。腹を押さえて苦しむトレーナーを見て、2人は慌てているようだった。

 

「ど、どどどどーしよー!?慌てすぎてぶつかっちゃったよ!?」

 

「ま、まずいです〜!ヒトと走るウマ娘がぶつかったら、ヒトの方は骨折どころか命に関わるって聞いたことありますよ!?」

 

「えぇ!やだー!トレーナーさん死なないでよ〜!」

 

「死ぬかぁ!!いや死ぬとこだったわ!!」

 

「「ギャン!?」」

 

トレーナーに縋り付いて泣き喚いていたウマ娘2人だったが、トレーナーが不意に起き上がり怒りの鉄拳を頭へと振り下ろす。

涙目で頭を押さえてフギャー!と地面を転がる2人に、怒りつつもトレーナーが立ち上がって目をつりあがらせて怒る。

 

「んで?随分と珍しい組み合わせだが、お前ら何をやってたんだよ」

 

そう言って腕を組み、睨みつけるトレーナーにウマ娘2人ーーーツインターボとマチカネフクキタルが頭を押さえつつ目を逸らす。

 

「い、いやぁ、ターボ知らないなー」

 

「ほう?じゃあ今回の件は先生方に報告だな、重大事故ってことで。あーあ、担当にも迷惑かけるだろうなぁ~(棒)」

 

「え!?ヤダヤダァ!ごめんなさいターボのこと言わないでよぉ!」

 

「んで、フクキタルは何してた?状況的にターボを追っかけていたのは分かるが」

 

「そ、それはですねぇ、そのぉ、シラオキ様のお導きとだけ・・・あ、あはは〜」

 

「そうか、お前も言う気がないか・・・じゃあそのクソでかい置物は俺が没収するな」

 

「・・・は!?い、嫌です!?これは渡しませんよ!?ちょっ、引っ張らないでください〜!というか置物じゃないですよぉ!」

 

取られまいと必死に背中のにゃーさんを掴むフクキタル。

そんな彼女に対しトレーナーは容赦なく奪おうと更に力を込め、にゃーさんからミシミシと嫌な音が鳴る。それを見るツインターボはおろおろするしかない。

 

「言え!というかまず謝れ!俺だったから良かったものの他のヒトだったらどうなってたと思うんだ!」

 

「ひぇぇ、わかりました!言います!言いますからぁ!シラオキ様ぁ!たずげで~!にゃ゛ー゛さ゛ん゛か゛え゛し゛て゛よ゛ぉ゛ぉ゛!」

 

 

 

 

 

 

 

「グスッ、あれは、私がいつものように中庭で占いをしていた時のことなのですが・・・」

 

まだ涙目ながらもにゃーさんを抱きかかえて、フクキタルがゆっくりと事の次第を話しだすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ターボーターボーターボー。ターボーをーなめーるとー・・・ん?」

 

ツインターボは、トレーニング内容を担当トレーナーからメモで渡され、上機嫌に歩いていた。創作した調子外れした歌を歌いつつスキップしながら歩いていた。その時、ふとツインターボは少し先から妙な奇声が聞こえてくるのに気がつく。立ち止まり周囲を見渡すと、建物の隅っこの絶妙に隠れた位置で水晶玉を前にして唸るフクキタルを発見した。

 

「ふんじゃろ〜こんじゃろ〜!シラオキ様〜私にお告げを〜!」

 

「あれ、何してるの?」

 

「むむ!あなたはツインターボさん!それがですね、今シラオキ様からのお告げを受けて今週の運勢を占っている所なのです!何やらちょうどビビッと感じられましたので!」

 

「へー!なんでも分かるの!?」

 

「勿論ですとも!シラオキ様に不可能はありません!なんなら占いますよ?どうですか?ちなみに私の占い結果は『魚に注意せよ』でした!」

 

「いや、ターボはいいや」

 

軽率にシラオキ様のハードルを爆上げしつつツインターボに占いを勧めるがにべもなく断られる。しかしなおもしつこく勧誘し、心配ご無用!と言って再び妙な呪文を唱え水晶玉へと手をかざすフクキタル。ツインターボはそんなフクキタルに興味がわいたのか、その手元を後ろからのぞき込む。水晶玉にはまだ何も映りこんではいないが、どうやらフクキタルには何かが見えているようで「おお、なるほどなるほど!」とブツブツ呟いている。

 

「ねぇねぇ、それ本当に見えるの?なにも映ってないけd」

 

「見えます見えます!来ましたよ~!」

 

「うわぁ!?」

 

ツインターボが声をかけた瞬間、フクキタルが奇声を上げて立ち上がる。手に持った水晶玉を掲げるその姿は、完全にヤバい人だ。驚いて飛び退いたツインターボへと、フクキタルが水晶玉をズイ、と押し付ける。

 

「見てください!シラオキ様曰く、『すぐに走り出せばよき出会いあり』、だそうです!さぁ走りましょう、すぐ走りましょー!」

 

「ち、近いってぇ!それにターボはもうすぐ練習なんだー!」

 

「ええ!?ですが、これはツインターボさんの占い結果なのですが・・・」

 

「なんで占ったの!?もう知らない!ターボ行くから!」

 

「ああ、待ってくださいターボさんんんんん!!」

 

「もう来ないでよぉ~!?」

 

そう言って走り出したツインターボを見て、フクキタルは慌てて追いかける。ツインターボはなぜ追いかけるのかわからず逃げに徹し、結果的に二人は走り出したのだった。そうして2人は、かれこれ10分ほど追いかけっこを続けていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・と、いうわけでして」

 

「つまりおめーのせいじゃねーかオイ」

 

「ひぃ~!いひゃい、いひゃいれふ~!」

 

トレーナーに頬をミョンミョンとのばされうまくしゃべれないままにやめてくれと泣くフクキタル。散々上下左右に伸ばして満足したトレーナーはフクキタルを開放し、ツインターボへと向く。

 

「んで、悪いなツインターボ。おまえは悪くねぇみたいだしもう行っていいぞ」

 

「・・・」

 

「・・・?どした?ツインターボ?」

 

何故か黙ったままのツインターボに首を傾げ、再度声をかける。ビクッと肩を跳ねさせるツインターボは、冷や汗を流しており苦笑いしながらギギギ、と首を回しトレーナーを見る。

 

「あ、その・・・今思い出したんだ、ターボのトレーニングの待ち合わせ時間。多分もう過ぎてる・・・」

 

「「えぇ・・・」」

 

予想外の言葉に思わず黙り込むトレーナーとフクキタル。ツインターボは小さい体を一層縮こませるように体操座りをして地面をいじっている。その顔色は真っ青を通り越して真っ赤になっており目は一層グルグルしている。

 

「・・・いつから過ぎてた?」

 

「・・・元から。フクキタルに会う前から時間間違えてた。一時間くらい」

 

「「いやそれはどうなんだ(ですか)・・・」」

 

メモでもしとけよ、と思わずツッコむトレーナーとアチャーという表情で天を仰ぐフクキタルに、ますますターボが小さくなる。というか半泣きになる。そこまで時間をオーバーして、なおかつこんなことに巻き込まれていたのならばツインターボのトレーナーも今日はサボりと思って帰っているだろう。もしまだ待っていたとしても、怒られること必至だろう。

そう考えたトレーナーは、気の毒そうな表情になり、励ましつつもなだめているフクキタルともうそろそろ本格的に泣き出しそうなツインターボを交互に見て、重い重いため息をつきポケットからスマホを取り出すと、どこかへと電話をかける。

 

「・・・ああ、もしもし俺。おう、もうそこまではやった?わりぃ、今日見に行けなくなった。朝に送っておいたメニューこなしといてくれ。もうそろそろ個別に任せるのも経験してもらおうと思ってましたし。んじゃ桐生院さん、よろしくお願いします」

 

相手の返事を待つことなくトレーナーはさっさと通話を切る。フクキタルとツインターボの二人がポカンとするのを横目に不機嫌そうに鼻を鳴らすと、トレーナーは二人を立たせた。

 

「あの、トレーナーさん?トレーニングなのでは・・・?」

 

「うるせぇ。とりあえず危険行為ってことで指導室行きじゃコラ」

 

「「うぇ!?」」

 

急な宣告に動揺する二人。耳が垂れ不安げに上目遣いでトレーナーに「救いはないんですか?」という眼差しを向けるが、トレーナーは(慈悲は)ないです。と言わんばかりに二人の首根っこをつかんで引き摺っていく。うがーっと暴れるターボともうだめだぁ、お終いだぁとムンクの叫びのような表情で引き摺られていくフクキタル。憐れみの視線にさらされながら、二人のウマ娘は指導室へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あれ、なんでここに来たの?」

 

「あん?」

 

不思議そうに尋ねるターボにトレーナーが首をかしげる。やって来たのは指導室ではなく、トレーナーのチームの部室だった。フクキタルも物珍しそうにキョロキョロと内装を見回している。そんな?を浮かべる二人へトレーナーはにやりと笑って椅子に座るよう促す。

 

「そりゃお前、さっき言ったのは建前で別にお前らに反省文書かせたりする気はねぇからな」

 

「え!?い、いいんですか!?」

 

「まぁ直接的被害を受けたのが俺一人だったからだよ。他の人がいたならもっと重い罰も視野に入れてたがな・・・。あ、当然だが今後はむやみに走るなよ?俺以外のトレーナーとか先生方にぶつかったらマジで流血沙汰でシャレになんないから」

 

「は、はいぃ!それはもちろんです!」

 

コクコクと赤べこの様に何度も頭を上下するフクキタルに、ヨシと一つ頷くトレーナー。話を理解できていなかったツインターボも許された・・・?と気づいて嬉しそうに耳を揺らしている。

 

「さて。そんでツインターボの件だが、フクキタルと諸事情あって俺の方で預かったってことで報告しとくから。これならサボりとは思われないだろ。フクキタルも、今回は甘んじて受け入れてくれよ?」

 

「仕方ありませんね。元はと言えば私がターボさんを占って追いかけたからこんなことになりましたし・・・」

 

「え!じゃあターボ怒られないの・・・?」

 

「ま、そーいうこった。でも今度からは時間ちゃんと守れよ?」

 

「うん!」

 

嬉しそうに頷くツインターボに、本当にだいじょうぶかぁ?と呟きながらトレーナーは冷蔵庫を開く。

 

「んじゃ、そーいうわけで時間をつぶさにゃいかん。お前らなんか食ってくか?」

 

「え!いいの!?やったー!トレーナーさんのご飯ー!」

 

「私ももらえるんですか!?こ、これはシラオキ様のお導き・・・!?」

 

「いや違うだろ・・・あれ」

 

ご飯!ご飯!と騒ぐ二人を横目に、冷蔵庫の中を漁っていくトレーナーは首をかしげる。

 

「・・・しまった」

 

「?どーしたの?」

 

「ちくわしか残ってねぇ・・・」

 

「むしろなんで部室の冷蔵庫にちくわがあるんですか?」

 

もっともなフクキタルのツッコミを流し、トレーナーはさらに奥を漁る。出てきたのは、やはり大量に押し込まれていたちくわと少しの野菜、ついでに味噌等の調味料関係。

 

「いやだから何で部室に食材を!?」

 

「すごい!ターボのチームの部室の冷蔵庫には飲み物しかないよ!」

 

「むしろそれが正常ですよ!?」

 

フクキタルのツッコミが冴えわたる中、考え事をするトレーナー。おもむろに冷蔵庫の隣に設置された業務用炊飯器を開け、一つ頷く。

 

「・・・今日はちくわ祭りかな。おいターボ、フクキタル、手伝え。どうせなら一緒に作ってさっさと終わらせよう。オグリとか今来られるとサボりもバレるしマズイ」

 

「えぇ・・・まぁある程度は料理できますけど・・・」

 

「よーし!ターボ頑張る!」

 

やる気満々のツインターボとノリ気ではないながらも手伝うつもりのフクキタルと共に、トレーナーはやる気十分でコンロにガスボンベをセットするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ツインターボさん!?味噌入れすぎですって!それじゃあしょっぱすぎますよぉ!」

 

「え?」

 

「おいフクキタル、そっち任せた。俺は今から集中するから話しかけるなよ」

 

「ああはい、わかりm・・・いや揚げ物!?なんで部室でそんな片づけがキツいものするんですかぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・できたな」

 

「おいしそー!ねぇねぇ、もう食べていい!?」

 

「ふ、ふふふ・・・これもまたシラオキ様からの試練・・・ガクッ」

 

机に突っ伏したフクキタルをよそに、トレーナーとツインターボは達成感に満ちた顔で頷く。目の前の机の上に置かれたのは、驚くほどちくわに彩られた食卓だった。

 

「ちくわ丼にちくわ入りわかめ味噌汁、ちくわの磯部揚げにちくわのキュウリ詰め・・・我ながらちくわしかないな」

 

「なんでこんなにちくわは入ってるのに他の食材ないんですか・・・」

 

「昨日ゴルシとちくわバトルしてたからなぁ。まぁいいじゃねぇか、野菜は少量残ってたんだし」

 

「ターボ初めて料理したかも!結構楽しいね」

 

「いいぞ~。そのまま料理の沼にはまっていけ?」

 

「こ、これが私の占いにあった魚に注意ということですかシラオキ様・・・」

 

ちくわを前にして机に突っ伏したフクキタル。彼女のことは放っておいて、トレーナーとツインターボは丼を手に嬉しそうに食べ始めた。

 

「いっただっきまーす!」

 

「ほれ、フクキタルも食えよ。どうせ残ったらオグリが消すから気にしないでいいぞ」

 

「いや消すって・・・というか、私何でこんなガッツリ料理作ってるんでしょうか?」

 

「細かいことは気にすんな。ほれ、うまいぞ」

 

そう言ってトレーナーが差し出してきた割り箸を受け取り、フクキタルはのそのそと自分の分の丼を寄せる。ホカホカご飯の上に鎮座しているのは、てっかてかに照り焼きにされた縦割り状態のちくわが三つ。箸をパキリと割り、そっとご飯へと差し込んで持ち上げる。湯気の立つご飯の上で主張するちくわにお腹が減っているわけではないながらも唾を飲み込んだフクキタルは、気を取り直してはもりと口に入れる。

 

「・・・!おおお、美味しいですねぇ!ちくわと照り焼きのタレは確かにご飯に合いますよ!」

 

「だろー?んじゃまぁ続いてこれよ」

 

そう言ってトレーナーがすすめてきたのは、ちくわを輪切りにして放り込んだだけの味噌汁。塩分控えめで優しい味わいの白味噌と、少しだけ浮いている食感のアクセントとなるわかめが、味噌の味を十分に纏った柔らかいちくわをより主役として包んでいる。

 

「・・・ほぅこれはなかなか、ちくわの入った味噌汁もいいですねぇ~」

 

「ウチでは割と普通だったがな。まぁそれはいいとして、次だ次」

 

「ちょ、早いですよ。もう少し味わわせてくださいって・・・」

 

急かすようにずいと器を渡してくるトレーナーに口をとがらせながら、フクキタルは続いてちくわ揚げを取る。ただちくわを揚げただけ、というわけではないようで緑色の何かが混ざっている。横には主役を引き立たせるように控えめにチョンと大根おろしが置かれていた。

 

「これなにが入ってるの?」

 

「ああそれ、磯部揚げ」

 

「これ普通に作れるんだぁ・・・」

 

ほぇー、と間の抜けたため息をつきながら、ツインターボがパクリと磯部揚げを齧る。青のりの風味が乗ったちくわのプルプルとした食感が口の中で踊り、付け合わせとして乗せられていた真っ白な大根おろしが味を引き締めより際立たせる。たたみかけるように白米をかきこんでもごもごと口を動かす。続いて今度は醤油を一たらししてから磯部揚げをご飯に乗せ、一気にちくわ丼と共に書き込む。照り焼きのタレがしみ込んだちくわと、醤油と揚げ物特有の脂っこさを併せ持った磯部揚げがご飯と共に口内を彩り、蹂躙していく。ツインターボは思わず目をギュッと瞑り箸を持った方の腕をブンブンと振っていた。

 

「~~!美味しい!ご飯おかわり!」

 

「食うのはいいが、晩飯は食えるようにしといてくれよー?」

 

「うん!」

 

「揚げ物部室内でやる人はじめて見ましたよ・・・しかも手際妙にいいし」

 

「頑張ったよ・・・ウララにトンカツ食わせるために必死に勉強したからな」

 

「そこでお店に連れていくって考えに至らないところが流石です!」

 

フクキタルの皮肉の混じった感心したような言葉にどや顔で応えるトレーナー。そのまま別の皿に盛られていたちくわのキュウリ詰めをつまむ。口に放り込んで最初に来るのはやはりちくわ。そのモチモチとした食感と少しの塩気が効いた魚肉の練り物特有の味わいがやってくる。

そこからさらに奥へと噛みしめると同時に、カリッという景気のいい音を立ててキュウリが砕ける。味付けをあえてすることなくちくわの塩気と味に任せてキュウリをただ短く切って押し込んだそれは、枝豆の塩ゆでのようなおつまみ感覚でポリポリと食べ進められるお手軽な味わいをしていた。

 

「・・・ビールほしくなるなぁこれ」

 

「なんかターボもこれずっと食べていたくなる」

 

「・・・美味しいですねぇ」

 

三人でポリポリポリポリとキュウリ詰めをつまんでいく、なんとも言えない光景が広がっているのだった。

その後、放課後も終わり寮での夕食の時間が迫ってきたことで、この場はお開きとなった。当然トレーナーが皿洗いをするのを手伝ったフクキタルとターボは、のんびりと泡立てたスポンジを更に滑らせながらトレーナーと雑談していた。

 

「トレーナーさんは、なんでこんなに食べさせたがるんですか?」

 

「んー?」

 

ふと、思いついたようにそう質問したフクキタルの言葉にトレーナーの手が止まる。少しの間上を向いて考えていたトレーナーだったが、苦笑しながら頭をさする。

 

「まぁ・・・割と理由はないかもなぁ」

 

「えー、じゃあ理由もなく食べさせてくれるの?それって変じゃない?」

 

横で泡で滑り悪戦苦闘しながら皿を洗っていたツインターボも尋ねる。トレーナーは痛いところを突かれた、というような顔をしていたが、またすぐに笑顔に戻ると、最後の皿をツインターボから奪い、洗い終わるのだった。

 

「さて、終わったしそろそろ帰れよ。夕食に遅れるぞー?」

 

「むむむ、はぐらかされた気もしますが・・・美味しいものもいただきましたし、ここは引くとしましょう!」

 

「うん!トレーナーさんありがとー」

 

「おーう。今度は時間忘れないようにしとけよー」

 

元気に手を振りながら走り去っていくツインターボとマチカネフクキタルを見送り、トレーナーは一つ伸びをして寮へと帰るのだった。

なお、翌日、ツインターボは食事のお礼の手紙を前回同様に送ったが、やはり部屋を一つ間違えていたためトレーナーに届くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・これ何?」

 

「お守りです!この間のお礼です!」

 

「・・・お守りって背中に背負えるくらいデカいものだっけ?というか十個もいらねーよ・・・」




トレーナー:お守りという名のクソデカ枕みたいな布の塊に部屋を埋め尽くされ、頭を抱えた。ちくわしか持ってなかったのは前日にゴルシとちくわ祭りをしていたから。部室での料理禁止だったことを料理中になって思い出して内心冷や汗を流しながら調理していた。体はゴルシの戯れに耐えるために鍛えてる()から走るウマ娘とぶつかっても痛いで済む程度には頑丈。

ツインターボ:この後、たまにフクキタルに占ってもらう事が増えた。その関係でダイタクヘリオスやメジロパーマーとも知り合うことに。手紙は相変わらず達筆だが、手渡しするというアイデアはまだ出てこない。翌日また時間を間違えて普通に担当に怒られた。

マチカネフクキタル:ツインターボがサボりになった原因を引き受け、代わりにチクワづくしを頂いた。・・・微妙に割に合わないかも?後日クソデカお守りをトレーナーに送ったが、代わりに「有難迷惑」という言葉を原稿用紙2枚分書かされた。なんでぇ・・・?ツインターボは後日占いの常連になり、シラオキ様の導きを感じた。トレーナーさんもどうで・・・あ、はいちゃんと書いてます。書いてますから許して

シラオキ様:ご存じ、フクキタルにしか知覚できない不思議な神様。なぜかウマ娘達やフクキタルにお告げをしたり、聞いたらいろいろと教えてくれる不思議な存在だが、雑メシトレーナーの個人情報だけは決して答えてくれない。

前回の豚丼
材料
豚肉:好きなの!作者おすすめは豚バラ!
キャベツ:千切り!面倒なら千切りしてあるキャベツ買ってぶち込む!
ドレッシング:胡麻ドレッシングがおすすめ!
割とあっさり目に作れる!豚肉を乗せる前に湯煎すると脂が程よく抜けてヘルシー!・・・な気分になる!

フクキタル育成の時に限って福引がしょっぱいの何でや・・・
くそぅ、二度とフィッシュアンドチップスは食わねぇ・・・胃ががが

次回 検索:トレーナーとは
続け()
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