トレーナー式雑ご飯とウマ娘   作:コジマ汚染患者

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タイトルに特に意味はないです。本当なんです信じt(ry
遅くなってすまんのや・・・でもまた次は遅くなりそうで震えてる。
そんで最近飯要素が薄い気がしてまた震えてる。


モリゾーと妹とハンバーーーーーグ!!!

「・・・いいんだね?」

 

「・・・ああ、やってくれ」

 

「なぁオレいる?」

 

人気のない教室、椅子に座った一人のウマ娘。周囲には一人の男と一人の白衣のウマ娘・・・トレーナーとアグネスタキオンがおり、二人から神妙な表情で見つめられている。

 

「言っておくが、これが君の悩みを解決する可能性は低いんだよ・・・?」

 

「ああ・・・だが、もはや私にはこれが耐えられないんだ・・・!」

 

「ねぇ、聞いて。これオレいらないでしょ」

 

「ふぅン、確かにこれは手強いねぇ・・・だが安心するといいよ。私のこの薬さえ使えば、たちまち解決するだろうさ!」

 

そう言ってアグネスタキオンは一本の試験管を取り出す。中には蛍光グリーンのよくわからない液体が入っており、不気味にチャポチャポと揺れている。

その様子を見て椅子に座ったウマ娘は一瞬息をのむが、一度目をつむり、次に開けたときには覚悟の決まった瞳になっていた。

 

「・・・始めてくれ」

 

「ああ・・・なぁに安心したまえ。失敗しても軽傷で済むさ。部屋が吹き飛ぶくらいしか起きないよ」

 

「おいまてやこら。それダメだろ、ダメな奴だろ!怒られるのオレとお前なんだぞ!?」

 

静止するトレーナーの声を無視し、アグネスタキオンは試験管の中身を勢いよくぶっかける。頭から垂れてくる少しとろみがかった液体が頭に浸透していくのを感じていた椅子に座ったウマ娘は、だんだんと苦しそうに体を震えさせていく。

 

「・・・う、ぐっ・・・がぁっ・・・!」

 

「・・・おいやっぱこれ失敗だろ」

 

「ふぅン・・・?もう少しわかめの配合量を考えるべきだったか・・・?」

 

「そういう問題じゃねーだろ。見ろよこれ、なんかバキバキ言ってるぞ。あとわかめ入れたの?なんで!?」

 

苦しむウマ娘を見つつドン引きしているトレーナーの横で、熱心に苦しむさまを見て記録を残していくアグネスタキオン。そんな状況のまま数十分の時が流れたころ。ようやく苦しむのをやめたウマ娘がそっと立ち上がる。

 

「ど、どうだ・・・?」

 

「おお・・・」

 

「ふっふっふ・・・実験は成功のようだねぇ」

 

立ち上がったウマ娘に、上機嫌のアグネスタキオンが手鏡を渡す。そこに映る自身の姿を見たウマ娘は、歓喜に震える。その様子を微笑ましい表情で眺めていたアグネスタキオンへ、すがるように手を取ってウマ娘は涙を流す。

 

「ありがとう・・・!ありがとうタキオンくん・・・!」

 

「いやいや、私としてもいい実験だったよ。良好なデータも取れたし、今後も経過をぜひ教えてくれたまえ」

 

「ああ・・・!必ず協力する!経過観察の資料はまた後日レポートにして渡そう!」

 

タキオンは上機嫌に笑いながら賛辞を受け取り、満足げに胸をそらしていた。ウマ娘は感動の涙をぬぐいながら、追加の薬を試験管でダース単位で受け取ってスキップ交じりに部屋を出ていく。その様子を眺めながら、トレーナーは一人ポツンと立ち尽くしているのだった。

 

「・・・やっぱオレいらんよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼。トレセン学園のウマ娘の一人ナリタタイシンは、自身の所属するクラスの教室を出て食堂へと足早に向かっていた。

 

「・・・今日は何にしようかな」

 

食堂へと向かう道すがら、昼食に何を食べるかを考えていたタイシンの耳に、不意に絶叫に近いレベルのけたたましい叫びが背後から聞こえてくる。

 

「タイシンタイシーーーーーーーーーーン!!!!!!」

 

「・・・あーもう、うるさいのが来た・・・」

 

げんなりとしつつも一度立ち止まり、背後を振り返る。元気に手を振りながら走ってくる声の主を見て、やはりと思いつつ少し眉を顰める。走ってきたのは自身の友人の一人である元気娘、ウイニングチケット。純朴で素直で感情むき出しの彼女はこうやってよく叫んだり泣きわめいたりすることで知られており、その声量はよくタイシンの耳を直撃している。今日も今日とて騒がしくも恒例の叫びに耳を折りつつ、しかしどこか表情は柔らかくやってくるウイニングチケットを迎えるタイシン。

 

「うるさいって。別にそんなに叫ばなくても聞こえるのに・・・」

 

「でもさでもさぁ!タイシン見つけたらなんか叫びたくなるじゃん!」

 

「いや、じゃんって聞かれてもアタシ知らないし・・・」

 

「えー?」

 

「・・・はぁ。それより、さっさと行くよ。席無くなっちゃうから」

 

「!うん!」

 

しょんぼりしたり上機嫌になったりと表情が忙しいチケットを横目に、ゆっくりと連れ立って歩きだすタイシン。チケットも上機嫌に鼻歌を歌いつつ横に並んで歩きだすのだった。

 

「あ、そういえば!タイシンは今日ハヤヒデ見てない?」

 

「?そういえば、今日はハヤヒデ見てないね・・・」

 

そんなことを話しつつ食堂へとやって来た二人。すると食堂から普段とは少し様子の違うざわめきが聞こえてくる。二人が首を傾げつつ食堂へと入ると、食堂はいつも通り多くの生徒でごった返している。いつもと違うのは、何故か座席の一角が避けるかのように距離を取られていることだ。近づいてよく見ると、そこには一人のウマ娘が優雅に髪をたなびかせて座っている。二人からは後ろ姿しか見えないが、すらりとしたまで伸びたきれいなストレートの葦毛をしており、窓から差し込む光を受けてキラキラと髪が輝いていた。

 

「ねぇねぇタイシン!誰かなぁあれ!さらっさらだね!」

 

「アタシが知ってるわけないでしょ・・・あんな葦毛の娘いたかな」

 

そんなことを話していると、件のウマ娘がゆっくりと振り返る。彼女は、一瞬きょとんとした表情をしていたがタイシンとチケットを確認するとふわりと微笑み、口を開いた。

 

「・・・どうした二人とも?早く来ると言い、私の前は空いているぞ」

 

「「・・・えっ、ハヤヒデ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「びっくりしたよー!ハヤヒデすごいサラサラになってるねー!全然気づかなかった、誰だろうって思ったもん!ねぇ触ってもいい?」

 

「なるほど・・・だから周囲が少し離れた位置で見ていたんだな・・・ああチケット、別に構わんが優しくな」

 

「・・・いや、今まであんなに苦労してたってのに。どんな手を使ったの?」

 

謎のウマ娘こと、チケットとタイシンの友人である葦毛のウマ娘ビワハヤヒデ。二人と共に席に座っている彼女は、これまで幾度となくボリューミーな銀髪のせいで自身の頭部が大きく見られることを非常に気にしており、「頭が大きい」あるいはそれに近いニュアンスの言葉を拾ってしまうと反応せずにはいられないほどに気にかけていた。しかし、今の彼女の頭を見るとそんなことがあったとは思えない。

波状毛と捻転毛の超混合の美容師もお手上げのハイパー癖毛(本人談)と言われていた髪はそんな事実知りませんが?と言わんばかりにすらりとしたストレートな状態を維持している。ハヤヒデに許可をもらって手櫛を入れているチケットの指に絡むこともなく、ストレスフリーにサラサラと手櫛は下まで流れていった。

 

「うわー!サラッサラだよ!タイシン見てこれ、ほら!」

 

「うるさいって。見たら分かるよ・・・それでハヤヒデ、いったい何したの?」

 

「ふふふ・・・そうかタイシン。君も聞きたいか。そうだろうそうだろう」

 

「・・・」

 

これまでのハヤヒデの苦労を知っているからこそ、なぜこうして解決したのかが気になったタイシンが質問を投げかける。ハヤヒデはよっぽど嬉しかったのか、少しいつもの理知的なキャラが崩れたかのようにどや顔で何度も頷いておりタイシンが少しキャラ崩壊している様に辟易とする。

上機嫌なハヤヒデは懐から瓶を一つ取り出し、机の上に置く。それは、タキオンにもらった例の蛍光グリーンの薬が入った小瓶だった。

 

「・・・なに、そのやばそうなもの」

 

「わぁ、きれいな緑だねこれ」

 

「タキオンくんに制作を依頼した、私の髪質を改善するための薬だ」

 

ハヤヒデの説明にタイシンは不審げに眉を顰め、チケットはほえーと妙な声を出しながら瓶を手にとってまじまじと見つめる。中で怪しげに揺れる蛍光グリーンの薬品は見た目だけを言えばきれいである。ただ、それを補って余りあるタキオン製という事実が、タイシンの不信感をあおりまくる。

 

「タキオンって、あのヤバい人のとこのチームのウマ娘じゃん。大丈夫なの?光ったりするんじゃない?」

 

「いや、昨日寮でも試してみて、そして今日の朝にもこれをつけて登校したんだ。この効果は本物だよ!」

 

「いやでもさぁ・・・」

 

なおも続けようとしたタイシンだったが、不意にチャイムが鳴り響く。

 

「む。もう休憩が終わったのか。では二人とも、先に行っているぞ」

 

「あ、ちょ」

 

サラサラになった自身の髪をたなびかせて去っていくビワハヤヒデ。その後姿を、タイシンは不安げに見送るのだった。

 

 

 

 

 

「タイシンタイシン!私たちもそろそろ行こうよ!遅れるよ?授業」

 

「・・・っと、分かってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・んで。なんでこんなとこ来てんの?君」

 

「・・・すまない」

 

その日の放課後。部室にて次のレースに向けての準備や申請等を行っていたトレーナー。そこには、何故かチームのメンバーではないビワハヤヒデがやってきていた。机の上に顔を突っ伏しており、ドヨンとした空気を纏った彼女は、誰の目にも絶不調だと分かる有様だった。

 

「今朝は随分と上機嫌だったそうじゃないか。なんだ、髪の問題は解決したんじゃなかったっけ?」

 

「ああ、それは問題ないんだ。タキオン君とあなたには感謝している・・・」

 

「いやオレは何もしてないが・・・それで?髪の話じゃないならなんなんだ?」

 

そこでようやくハヤヒデは顔を上げた。やはり表情は浮かないどころかげっそりとしている。

 

「その・・・妹にだな。逃げられた」

 

「・・・はぁ?妹って・・・たしかナリタブライアンだっけ?」

 

「ああ・・・」

 

呆れた表情のトレーナーに、ハヤヒデはポツリポツリと語りだす。

 

「昼頃に、たまたまブライアンに出会ってな・・・話しかけたんだ。そうしたら・・・」

 

『?・・・!?だれだ!?』

 

「物凄い不審者を見る目で見られたんだ・・・あんな目で見られたのは初めてで・・・」

 

「それでそんなに落ち込んでるのか・・・?」

 

「いや、それだけならまだ立ち直れたんだ。だが私だと分かってからの一言で、少しな・・・」

 

「あ、言葉かよ・・・なんて言われた?」

 

「・・・『いつもの姉貴と違うから違和感がある』、と」

 

「うぅ~んいや多分それは別に・・・いや、いっか」

 

そこでトレーナーは何とも言えない表情で唸る。確かに身内が突然シルエットまで変わるレベルで変化していればビビるか・・・?いやでも顔は変わってないんだしそこまで言わなくても・・・。と、両者の意見が分かるがゆえになんて声をかけるべきか困っていた。ハヤヒデは話し終えてからは深刻な表情で何事かを考えている様子である。

 

「やはりこれを使うのは控えて・・・いやしかし、これは唯一の成功例だ、私の髪質を変えるためには・・・だが知り合いや家族に戸惑われるのは・・・くっ、どうすれば・・・!」

 

「う~ん、別にそこまで気にしねぇでも・・・バナナ食う?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・いただこう」

 

「おい、なんだその間は。まあいいけど」

 

バナナを受け取り、モソモソと食んでいるハヤヒデに苦笑しつつ、トレーナーは広げていた資料や書類を片付けると一つ伸びをして立ち上がる。

 

「よっし、とりあえずここもう閉めるぞ。今日は自主練にしてるからウチのチームメンバーも来ねーし」

 

「む、そうか・・・すまないな、急に押しかけてしまって」

 

「いいっていいって。お前んとこのトレーナーあれじゃん。厳格っていうか、バカ真面目というか」

 

ハヤヒデはバナナを手に立ち上がると、トレーナーのつぶやきに反応して少し笑う。しかし、自身のトレーナーには自身の今の髪を見せていなかったことにも気づき、そこでもブライアンのような反応があるかもと考え少し困った表情を浮かべた。

 

「・・・心配しなくても、あいつはバカはバカでもバカ真面目なだけだしその髪については褒めてくれると思うぞー」

 

「おっと、そんなに顔に出ていただろうか?」

 

「雰囲気」

 

口元を抑えたり、ムニムニと頬の肉をつまんで上下させたりしているハヤヒデにそう答えながら、トレーナーは部室の鍵を閉める。そのまま歩き出したトレーナーに何となくついていく事にしたハヤヒデは、ふとその進路に疑問を覚える。

 

「トレーナー。この先は確か、ウマ娘寮だったはずだが。あなたの寮は反対では・・・」

 

「んぁ?ああ、送っちゃる。ついでだついで、今のうちに言いたいこととか悩んでること全部吐いとけ?」

 

トレーナーの言葉に一瞬ポカンとしたハヤヒデ。すぐに気を取り直すと、苦笑しながらついていく。

 

(こういうところが・・・この人が皇帝の担当たるゆえんなのかもしれんな)

 

「どしたー?おいてくぞー」

 

「・・・ああ、今行く。それで、実はブライアンについて少し困ったことがあってだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ、ブライアン」

 

「・・・・・・・・・・・・ああ、姉貴か」

 

「その間は流石に傷つくからやめてくれ」

 

翌日の昼のこと。生徒会室からでてきたブライアンのもとに、ハヤヒデがやってきていた。相変わらずタキオン製の薬品によりサラサラヘアーとなっていたハヤヒデをガン見して、数秒の間をおいてから自身の姉だと気づいたブライアン。

気づいてはもらえたが、姉としては傷ついたようで少ししょんぼりしつつ髪を弄っていた。

 

「冗談だ。流石に二度目ならすぐに気づいているさ」

 

「・・・心臓に悪いな。そんなにこの状態がおかしいのか・・・?」

 

「いや、別におかしいという訳じゃないが・・・というか、何か用事があるんじゃなかったのか?」

 

「!ああそうだ、これを渡したくてな」

 

何とも言えない表情を浮かべたブライアンが用件を尋ねると、ハヤヒデは気を取り直して包みを差し出した。

ブライアンはそれを受け取ると、訝し気に首を傾げつつ少しだけ中を確認する。

 

「弁当か?」

 

「ああ。今日はヒシアマゾンにも言っておいたから弁当を受け取っていないだろう。今日は私が作った」

 

「ああ、だからアマさんが渡してこなかったのか。これから食堂にでも行こうと思ってたんだ」

 

そう言って歩き出したブライアンの横を歩きながら、ハヤヒデはおもむろに尋ねる。

 

「ちゃんと食べているか?」

 

「ああ」

 

「野菜は?ヒシアマゾンが言っていたぞ、最近は完食してくれるようになったが最初は野菜だけ他の者に渡していたと」

 

「・・・ああ」

 

「返事が遅れたな?」

 

とりとめもないことをしゃべりながら歩いていた二人は、近くにあったベンチへと座る。ハヤヒデは自身で用意した弁当を、ブライアンも受け取った弁当を用意し蓋を開く。

 

「!随分と肉が多いんだな」

 

「ああ。まぁ多少はな」

 

弁当箱を開いたブライアンは少し目を見開いた。中はヒシアマゾンのような凝ったものではなかったが、肉や炒め物などの茶色が多いものだったため、心なしかうれしそうに見える。

 

「いただきます」

 

「ああ、召し上がれ」

 

空腹だったのか、手を合わせての挨拶もそこそこに箸を手にとって弁当へと向かうブライアン。ハヤヒデも、それを見つつ自身の弁当へと箸をつける。

 

(・・・普通にうまいな。アマさんの弁当は美味いが姉貴も負けてない)

 

最初に口に運んだのはやはり肉だった。こんがりと焼けた豚バラでチーズを包んだもので、口に入れると塩気の効いた豚バラがチーズのクリーミーさと相まって食欲をそそる。そのまま黒ゴマを少しだけかけられた白米を頬張ると、肉の塩気がわずかにやわらぎ米のあまさが顕著に伝わってくる。

 

「やはり肉はいいな・・・」

 

「ああ、それはお前のには多めに入れておいたからな。それと、そっちのおかずを少し食べてみてくれないか。少々自信があるんだ」

 

「?これか?」

 

ハヤヒデに言われて箸で摘み取ったのは、ハンバーグだった。ただのハンバーグではないようで、所々になにやら野菜が入っているのが見える。

言われるままに摘まんでは見たものの、ブライアンは少し口に運ぶのをためらっていた。しかし、姉がじっと自分が口に運ぶまで見ていることに気づき意を決したブライアンはそっとハンバーグを口に運ぶ。

 

「・・・?普通に、ハンバーグ・・・か?」

 

「ああ。ただ中に野菜を・・・ほうれん草と玉ねぎを多めに混ぜてある」

 

「ああ、確かに入っているな・・・」

 

そう言ってブライアンは再びハンバーグを口に入れる。確かに肉の脂のうま味の中に、しっかりと主張する玉ねぎとほうれん草が存在した。かといって、野菜の苦みのようなものは無く玉ねぎは噛むほどにシャクシャクした小気味良い食感をもたらし、小さめに刻んで入れられたほうれん草が肉の脂のしつこさを緩和してくれている。

 

「肉料理に混ぜる、というよりもこうして一体化させれば野菜嫌いでも食べるしかない状態にできるそうだ」

 

「・・・まぁ、確かに野菜も一緒に食べることにはなるがこれなら肉の味の方が強いからいける・・・ん?そうだ?」

 

ハンバーグをパクつきながらハヤヒデの話を聞いていたブライアン。ふと、ハヤヒデの説明に疑問を覚え聞き返す。ハヤヒデは懐からメモ帳を取り出すと、あるページを開いてブライアンへと見せた。そこには、いやに神経を逆なでする兎のようなキャラクターが解説を添えたレシピが書いてあった。

 

「とあるトレーナーに教わってな。今はヒシアマゾンと一緒に特訓してもらっているよ」

 

「・・・ああ、あのトレーナーか」

 

ビワハヤヒデの説明に納得したように頷くと、ブライアンは今度は黙々と弁当を食べ進める。

 

「なんだ、知り合いだったのか?」

 

「たまに肉を食わせてもらってる。あのトレーナーが担当なら弁当もアマさんに任せなくて済みそうなんだがな」

 

「いや、何をしてるんだ・・・私だけでなくブライアンまで迷惑をかけていたのか・・・」

 

「?何かいったか姉貴?」

 

「いや、何も言ってないぞ」

 

そんなことを話しつつ、姉妹二人だけの昼食は続くのだった。

 

 

 

 

「さて、そろそろ戻るとしよう。ブライアンも生徒会室に戻るんだろう?」

 

「ああ。いや、一度昼寝でもするか・・・」

 

「ほどほどにな。たまにエアグルーヴから怒られているんだろう?」

 

 

昼食を終えた二人は、片づけを済ませ連れ立って散歩していた。二人ともこうしてのんびりと歩くようなことが学園に入ってからは珍しく、互いに不思議な感覚を覚えつつ歩いていた。

 

「・・・その、姉貴」

 

「?どうした」

 

「昨日、言ったことだがな。別に変だとか言うわけじゃないんだ。ただ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あん?タキオン、どうしたんだそんなションボリして」

 

またまた翌日。タキオンが普段の尊大な態度とはうってかわって肩を落として部室へとやってきていた。その様子に思わずトレーナーは心配の声をかける。

 

「ああ、トレーナーくん。それがねぇ、ビワハヤヒデくんが前回作った薬品について、もう必要ないと言ってきたんだよ・・・」

 

「ほぉー?そりゃまたなんで」

 

ションボリしつつ「何が足りなかったんだ」「効果は完璧だったはず」とブツブツ呟いていたタキオンだったが、トレーナーが尋ねてきたことに気を取り直す。

 

「なんでも、『いつもの私が一番かもしれない』だそうだよ。全く、髪質の改善は彼女が求めたことだろうに・・・」

 

「・・・ふーん?」

 

またしてもブツブツと文句を言い出したタキオンに着替えるよう言いながら、トレーナーは少し面白そうに笑っていた。

 

「・・・ま、妹に言われりゃあそーなるだろなぁ」

 

「何か言ったかいトレーナーくん?」

 

「んにゃー?なんも」

 

そう言ってトレーナーは、着替えたタキオンを連れて朝練へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またまたまた翌日。

 

「す、すまない!やはりあの薬もらえないだろうか!ね、寝る時だけでもなんとかしたいんだ!今朝は本当に三途の川が見えた!」

 

「えぇ・・・台無しぃ・・・」




トレーナー:今回オレいらなくね?と言いつつこの後時々時間を作ってハヤヒデに肉に野菜をまぎれさせるお子様用レシピについて教える。・・・が、本来雑飯しかレパートリーが無いので現在料理本を手に取り勉強中。・・・大さじ?小さじ?え、これもうめんどいからスプーンですくっていい?

ビワハヤヒデ:毛量の暴力をいい加減何とかしたいとタキオンという禁忌に触れた。正史・・・正史?では失敗したが、幸か不幸か本作品ではたまたま成功した。思うところがあったのか、寝る時の被害抑制のためにだけ使用中。髪がサラサラになっただけなのにいろんな人に別人だと思われたことが少し効いてるらしい。トレーナーとは料理の教師と教え子的関係に。トレーナー違う!醤油は小さじ1でいいんだ、なんで業務用のお玉を持ってるんだ!?

アグネスタキオン:作った薬は望んでいた使われ方(24時間使用)はしなかったもののデータは取れたしヨシ!トレーナーの影響か気が触れてわかめを入れたらどうにか完成したらしい。副作用?・・・さて、次の実験と行こう!

ナリタブライアン:トレーナーとの関係はツインターボと一緒にたまに肉もらう程度の仲。姉に言い過ぎたと思ったことを相談し、はっきり思ったこと伝えれば?とトレーナーから助言をもらった。アマさんとはまた違った意味でお節介だなあのトレーナー。

タキオンのおくすり:整髪剤・・・のような何か。使うと頭皮が引きちぎれるかの如き激痛を対価にサラサラヘアーをもたらす。原料?・・・聞かない方がいい。わかめの様な蛍光グリーン色をしているらしい(タキオン談)

前回のグラタンもどき
ジャガイモ:皮剥いてマッシュ!ひたすら潰す!
トマトソース缶:メインの味つけ。お好みで!
チーズ:上にかけるからスライスが良き!
玉ねぎ・ベーコン:いらないならなくていい!余り物万歳!
器にマッシュしたジャガイモぶち込んで、何でもいいからお好みで細かい食材ぶっこんで上からトマトソース缶ぶちまけてチーズ乗せてレンチン!以上!
ビーフシチューとかかけても結構いけた!ベーコン・玉ねぎの枠はちくわとかでもいい!

遅くなり申した。言い訳は良いわけ()なので、これ以上は特に言葉は重ねません。まだ続くよ!

次回 トレーナー死す。デジたんも死す。デュエルスタンバイ!
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