よくわからないけど二次創作での会長を曇らせるのはやってるのかな。
なんてひどいことをいいぞもっとやれ
『トレーナーくん。3日後、私は同じ質問をする。その時に、君なりの答えを形にして示してくれ』
今でも忘れることはない。選抜レースを経て大勢のトレーナーからスカウトを受けた私が、彼らに提示した条件だ。ある者は緻密な計画を、ある者はデータに基づいた私の育成プランを、またある者は全力の情熱を込めた言葉を。そうして私に答えを見せつけていくトレーナーの中、
『ほいこれ』
『・・・これは?』
『おにぎりだ。とりま一緒に飯食おーぜ』
ラップに包まれたおにぎりを渡してきた彼は、私の記憶に痛烈に残り続けている。
「・・・よし、そろそろお昼だ。一度休憩としよう」
正午を告げる音が鳴る時計を見上げて、生徒会室にて仕事を行う役員二人へと声をかける。現在12時、お腹も空腹を訴えてくる時間である。生徒会としての事務仕事は体を酷使するトレーニングとは違い目や腕などのピンポイントな部位の疲労感が襲ってくる。私の声かけに頷くと、役員であるナリタブライアンは両手を頭の後ろで組みぐっと上へ伸ばしほぐしていく。机を挟んで反対側に座る副会長でもある役員のエアグルーヴは資料を終わったものと午後に終わらせるものとで仕分け始める。
「・・・ふぅ。おい会長、この後の予定は特になかったと思うが、一つ聞いてもいいか」
不意に、ナリタブライアンが弁当箱を取り出しつつシンボリルドルフへと声をかける。昼食を取り出そうとしていたところであったルドルフは、手を止めて首を傾げた。
「?なにかあったのか?」
「ああ、あんたのトレーナーについてなんだが・・・」
その言葉に、ルドルフの耳がピンと立つ。しかし表情に変化を出すことはなくそっと弁当箱を取り出し机に置く。
「彼がどうしたのかな?もっとも、今はもう私ではなくゴールドシップやオグリキャップといったチームに所属する別の娘のトレーナーに専念してもらっているがな」
「そうだったのか。いや、確かあんたのトレーナーをしていたと記憶はしていたんだが、そいつを今朝見かけてな」
そう言うナリタブライアンの表情はなぜか微妙に困っている様子であった。それに疑問を覚えたルドルフは、わざわざ質問してきたということもあって興味を惹かれる。
「そうか、誰かの朝練を手伝っていたのかな?」
「いや、それが・・・」
ナリタブライアンは、朝のやや早い時間に、生徒会の仕事の関係で登校していた。普段であればサボることも考えるのだが、前日エアグルーヴに怒られたばかりということもあり流石にちゃんとしよう、と気合を入れて歩いていく。朝の澄んだ空気と、上り始めた陽の光を感じ今日は良い天気になりそうだと気分を高揚させる。
「うん、良い一日になりそうだ」
そう呟きながら校舎へと歩く中、トレーニングにも使われるグラウンドの近くへと差し掛かった時であった。視界に入ってきたのは、グラウンド内で互いに正対しつつ腕に妙なものを取り付けた二人の人影だった。朝練でもしているのか、そう思ったブライアンだったがどうも様子がおかしい。片方は人間で体格的に男性、トレーナーであろう。もう一人はウマ娘のようだが、一向に走る様子はなく、そもそもコースではなく準備運動などを行う内側で何やら行っている様子だ。
(あれは・・・)
その二人にブライアンは見覚えがあった。ウマ娘の方は、良くも悪くも有名な娘で、【立てば暴走、座れば混沌、歩く姿は
一方のトレーナーはと言うと、よく見るとこちらも知っている顔であった。ブライアンの所属する生徒会会長を務めるシンボリルドルフのトレーナーであり、気まぐれに所属を問わず手料理を食べさせることで有名な変わったトレーナーである。減量中のウマ娘にすらそうとは知らず食べさせてしまうため、他トレーナーやウマ娘にはありがたくも微妙に厄介な存在としても認識されている。
(あの二人は何をしているんだ・・・?)
興味がわいたブライアンが近づくと、二人の話す声が聞こえてきた。
「
「なんの、
「な、Sトリガーだと!?これじゃあアタシのバースト絶甲氷盾は使えない!」
「そしてこのシロナを使うことで俺のコンボは完成する!」
「しまった!ハンドレスコンボか!仕方ない!!ここでアクションマジック回避と奇跡を使用するぜ!」
「二枚だと!?ゴルシ正気か!?」
「「ちぃっ、アクセルシンクロォォォォォ!!」
(・・・本当に何をしてるんだ!?)
理解の及ばない謎の奇行を行っているようにしか見えないブライアンは自身が仕事のために登校していたことを忘れて見続けてしまう。
意味不明☆な二人の行動はとどまることを知らず、二人は腕につけている謎のおもちゃへとカードらしきものを叩きつけながら妙なポーズで互いに飛び上がり、交錯する。互いに相手が元いた位置に着地する。
「くっ・・・俺のライフゼロで負けか・・・」
「対象にとられないモンスターだったらアタシがヤバかった・・・」
そう言って二人が立ち上がると、トレーナーの方は腕のおもちゃを外してカードを取り出す。
「アンチルールによりおれはじいちゃんの青眼の白龍を破るぞ。次はゴルシがアクションフィールドを決める番だ!さっさとシールドを5枚並べろ!」
トレーナーの言葉に不敵な笑みを返し、ゴールドシップは胸を張る。
「シールドは並べねぇぞ?ルール知らねぇしな!」
「ばかな、自殺行為だぞ!?」
ゴールドシップの宣言に驚愕するトレーナー。そんなトレーナーへゴールドシップはしてやったりといった表情でカードを取り出す。
「超次元ゾーンがあるからそれでいいしな」
「なるほど、コアの回復にあてるわけだな!」
そう言うとトレーナーはまたしても腕におもちゃを付けなおし悪い顔でカードを持ち直す。
「なら俺はオレイカルコスの結界を発動させてもらうぜ。ククク・・・」
「くっそ、トレーナーの外道め!!」
その後も二人は、ブライアンが見ていることには気づくことなく謎のゲームを続けていたのだった。
「・・・というわけなんだが、会長はあれがなんのトレーニングだったのかわからないか?」
話し終えたナリタブライアンがルドルフの方を見ると、ルドルフは変な顔をしており、手に持ったお弁当の箱の上に顔をうずめるのだった。
「・・・すまない、その奇行はさすがに私にも理解できない。最近はゴールドシップと絡むようになって一層おかしくなったとは聞いていたんだが、そこまでとは」
「そうか。てっきりあれは何かあんたの強さに繋がる特別なトレーニングだと思ったんだが・・・」
ルドルフの言葉にブライアンは戸惑いの表情を浮かべながら今朝の風景を思い出す。確かにその光景はとてもレースのための特訓とは思えない光景であった。そんな話をしつつも立ち直ったルドルフが弁当を開き昼食を食べ始める。すると話を静かに聞いていた副会長のエアグルーヴがふと思い出したように発言した。
「・・・会長のトレーナーと言えば、先ほど資料を運んでいた際にアグネスデジタルと一緒に何かやっていましたね」
「彼女と?・・・すでに嫌な予感はするが、何をしていたかわかるか?」
エアグルーヴへ疲れた表情で尋ねるルドルフ。エアグルーヴは箸を止め、顎に手を当て思い出すようにして話し始めた。
資料を生徒会室へと運ぶエアグルーヴ。想定していた以上にあったため一度で運ぶのは難しいか、と考えていたがそこへたまたま現れたダイワスカーレットが半分持ってくれたためスムーズに運ぶことができていた。
「すまないな、ダイワスカーレット。こんなことを頼んでしまって」
「いえ、私がやりたかったからやったんです!・・・あれ?」
二人で談笑しつつ運んでいると、食堂付近に差し掛かったところでダイワスカーレットが進行方向に何かを見つけた。不審に思いつつ近づいていくと、そこには大量の米の入った米びつとこれまたたくさん用意された味海苔、妙にたくさん置かれた塩の容器に囲まれて、『商売繁盛』と書かれたハチマキを巻いたトレーナーが忙しなく動いていた。その横では幸せそうな雰囲気でだらしのない表情を浮かべたアグネスデジタルがトレーナーと同様に働いていた。
その周りには多くのウマ娘たちが集まっており、手元は見えないが何かを手渡しているようだった。
「あれは・・・会長のトレーナーとアグネスデジタル?なにをしているのだろうか」
「え、あの人会長さんのトレーナーなんですか!?」
「ああ、一度話したことはある。だが、こんな所で一体何をして・・・」
驚きのあまり資料を落としそうになったダイワスカーレット。会長であるシンボリルドルフのトレーナーがこんなところで何をしているのかは不明だが、担当でもないアグネスデジタルと一緒になって何やら配っているという光景は、学園内の風紀を取り締まり指導するエアグルーヴとしては確認せずにはいられない。ダイワスカーレットに礼を言って、近くの部屋へ一度資料を置いたエアグルーヴは、ウマ娘たちをかき分けトレーナーへと近づいていく。
「トレーナー、あなたはいったい何をしているのです・・・か・・・」
「ん?おお、エアグルーヴか!お疲れさん、われらが生徒会長さまは無理してないか?」
突然乗り込んできたエアグルーヴに気さくに答えるトレーナー。しかしエアグルーヴは予想外の光景に面食らっていた。トレーナーは、エアグルーヴに話しかけながらも手を止めず、そうして作っていたのはおにぎりだった。アツアツの白米を手に取り、両手で優しく握って隣のアグネスデジタルの前へと置いていく。それをすかさずアグネスデジタルが味海苔をつけて皿へと乗せ、待っているウマ娘たちへと渡していく。彼女の表情はやはりにへら、と嬉しそうに歪んでいる。
「これはいったいどういう状況ですか・・・?」
「おお、それがなー、食堂の人が一人病欠で人員不足だってんで応援頼まれたんだよ。それでいきなりな話だったから簡単なもので一品手伝おうと思って、それでこれよ」
「・・・あなたはトレーナーなのではないのか・・・?なぜ食堂の応援で呼ばれるんですか・・・」
「まぁそこは知らんが、せっかく来たんだ。一個持ってくかい?」
そう言って完成したおにぎりを手に取って掲げるトレーナー。艶々と照明の光で照らされた米の輝きと、湯気が立ち上るその三角形のフォルムにごく小さな音でエアグルーヴの腹が鳴る。慌てたエアグルーヴはとりあえず咳を一つついて取り繕う。
「・・・事情は分かった。だがアグネスデジタルはなぜそっち側なんだ?」
「ああ、たまたま近くにいたんで頼んだら快く手伝ってくれたよ」
「むしろご褒美です!」
なにが?という疑問は浮かんだが本人が望んでやっているのならそっとしておいてもいいか、と判断するエアグルーヴ。ついてきていたダイワスカーレットはおにぎりに目を奪われてよだれを口元にためており、ハッと我に帰ると慌ててぬぐっている。
「いえ、資料を運んでいる最中なので遠慮します」
「ありゃ、そうか。じゃあせっかくだし、ルドルフに伝言頼むよ。夕方に迎えに行くからって」
「・・・分かりました。伝えておきましょう」
「ダイワスカーレット、ほれやるよ。熱いから気をつけて持てな」
「わっ、あ、ありがと」
そうして、ダイワスカーレットにおにぎりを手渡すと、トレーナーは再び食堂の中へと戻っていくのだった。
「・・・本当に何をしてるんだ、そのトレーナー」
話を聞いていたナリタブライアンが驚き半分呆れ半分でつぶやく。何となくトレーナーらしいな、と思ったルドルフは苦笑し、実際に話したエアグルーヴは私にもわからん、と肩をすくめる。
「そういうわけです、会長。ちゃんと伝えましたよ」
「ああ、ありがとう。・・・にしても、おにぎりか」
「・・・?おにぎりがなにか?」
ふとつぶやいたルドルフに聞き返すエアグルーヴ。しかしルドルフは何でもない、と返すとそれっきり黙って昼食を食べ始めるのだった。
その日の夕方、生徒会の仕事を終えたルドルフの元へと伝言通りトレーナーがやってきた。
「お疲れ。もう終わったか?」
「相変わらずタイミングがいいな。今終わったところだよ」
そう言って椅子の背もたれへと体を預けるルドルフ。トレーナーはそんな彼女へと近づくと水筒とビニール袋を目の前に置いた。
「これは?」
「おにぎり。どうせエアグルーヴに聞いたんだろ?昼の応援の報酬代わりに厨房借りたから、練習前の栄養補給に作ってきた」
トレーナーの言葉を聞きつつガサガサと袋の中へ手を入れる。取り出したのは、ラップにくるまれた二つのおにぎり。一つは何の変哲もないおにぎりだが、もう一つは海苔がついておらず、その表面に茶色の焦げ目がついている。
「焼きおにぎりか。おいしそうだ」
「もう一個の方も、具材にちょっと工夫してるぞ。水筒の中は無難にお茶だ。せっかくだし、ゆっくりしてから出るとしようや」
トレーナーはそう言うと疲れたーと大きな声で呻きつつ来客用のソファへと倒れこむ。ルドルフはそんな様子に微笑みつつおにぎりのラップをはがしていく。
最初に開いたのは見た目だけなら何の変哲もないおにぎりな方。手に取るとまだほのかに暖かく、米の艶もあって食欲をそそる。
「いただきます。・・・はむ」
一口含むと、濃すぎず、薄すぎない絶妙な塩加減の米が、仕事を終え疲れた体に染み渡る。米本来の甘味を損なうことなく、それでいて体の疲労感に若干の塩気が活力を与えてくれる渾身の仕上がりにルドルフは初めてトレーナーにもらったおにぎりを思い出す。
(相変わらず、美味しいな・・・)
そのまま二口、三口と食べ進めていく。すると、中から具材が顔を出す。具材の周りの米が茶色っぽく変色しており、その具材自体は白く、どうやら青魚の身であるようだった。満を持して登場したタネを見て口の中によだれが溜まるのを感じながら、いざ、と口へ放り込む。すると感じるのは、米のボリュームとほろほろと崩れる魚の身、そして甘辛く仕上げられたタレの味。魚の食感と米の食感の変化が嚙む度に唾液腺を刺激して食べれば食べるほど食欲を増す。そしてそれらの味をまとめてすべてを決めるタレが、両者を不変の友であるかの如くマッチさせる。あえて甘辛く味付けされたそれによっておにぎり自体のしょっぱさを際立たせている。
「・・・ふぅ。さすがだな、トレーナーくん」
「当然。これから動くんだ、塩分はしっかりとるべきだろうさ。お前のトレーナーなんだから、お前が全力をいつでも出せるようサポートすんのは当たり前だろ」
ソファに寝たままでそう答えるトレーナーに苦笑しつつ、水筒のお茶でのどを潤し口内をリセットする。続いて二つ目のおにぎりのラップを外し、手に取る。
ラップをとると、醤油が焦げたような香りがほのかに香ってきて、再びルドルフの胃を刺激する。
「・・・この焼きおにぎり、良い醤油を使っているんだな。いい香りだ」
そう呟いてその正三角形の頂点にかぶりつく。醤油の塩気が、普通の塩をつかったものとは微妙に違った風味を感じさせる。さらには、醤油をつけて焼いたことによってできた焦げ目がさらに美味しさを際立たせる。
「うん、これも美味しい。トレーナーくん、ごちそうさま」
「あいよー。んじゃま、行くとするか」
そう言って立ち上がり、先に部屋を出るトレーナーについていくようにルドルフも出ていくのだった。
(・・・当たり前、か)
前を歩いていくトレーナーの後姿を見ながら、ルドルフは嬉しそうに笑うのだった。
『な、なぜおにぎり・・・?』
『いや、選抜は見てたけど、よほどの無能じゃなければ君を育てるのに失敗する奴なんていないだろ。まぁ俺が失敗しないとは言わねぇけど』
『高評価を得ているのはありがたいが、それとおにぎりの関係性が見えないんだが・・・』
『ああ、それはマジで関係ねぇよ。ただ今日の昼に作ったのが余っただけだ』
『余り物を押し付けられたのか私は!?』
『ははは、まぁ味に関しては自信あるから』
二人きり、おにぎりを手に持ったままトレーナーへと不満げに抗議するルドルフだが、トレーナーは意に介さず笑っている。不貞腐れたルドルフへと、真剣な表情になりトレーナーが向きなおる。
『まぁ、だからあれだ。俺が君に提示するのは、実は特にない』
『・・・それは』
『勘違いすんな?君の担当を諦める気はない。俺は、君の夢の果てを見たい。色物とか変わり者なウマ娘見るのが割と好きだが、君に対してのこの思いは生半可なことじゃねぇ。俺は君の夢を一緒に見るために、何でもしてやる。何だってやる』
だから、俺に君を支えさせてくれ。
その宣言の結果については、今の二人の関係が示している。
トレーナー:ルドルフの担当をしてる。やってることは普通のトレーナーの範疇のことしかしてないが、食生活についてはかなりうるさく指導している。
二人きりだとたまにルナと呼ばないと怒られる。
周囲(他のトレーナー)からの異名『皇帝の給仕係』『トレーナー版簡易ゴルシ』『歩くウマ娘専用食糧庫』
シンボリルドルフ:担当トレーナーに完全に胃袋をつかまれた系皇帝。ストレスや疲労が限界に達するとトレーナーの手料理でやけ食いする。レース前にはボクサーみたいなストイックな食生活を強制されるのが悩み。
ギャグセンスの低さは相変わらずで、トレーナーと一緒になるとエアグルーヴのやる気を著しく下げる。
ナリタブライアンを狙った結果なぜかスズカを迎えた。・・・え、書けと?
前回のお好み焼き
材料
お好み焼きの生地:食べる分だけ
豚肉:好き放題
キャベツ:腐るほど
そば:過度にたくさん
海苔の佃煮:お好み
桜エビ:たくさん
焼く!乗せる!混ぜる!以上!
生地にソースを入れるのは失敗すると辛すぎる仕上がりになるのではじめては無難にソースは後かけをおすすめ。桜エビはミキサーしなくても青のりと一緒に撒いて食べてもgood。佃煮は隙間に入れるだけなのでひっくり返す前ならどのタイミングに入れてもOK。ひっくり返すのに失敗したら、ぐしゃぐしゃにしてもんじゃにしても美味しい
次回 ミキサー飯vs雑料理
続くかなぁ