【短編】表情筋が死んでる系クソデカ感情放出少女と不良系感情受信男子の話   作:うたたね。

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お久しぶりです。
実は3年前くらいに一度投稿したのですが、オリ主のキャラがただの変人になってしまったのですぐに削除しました。

あと、主人公の名前をこっそり変えています
桜井陽奈→平和島静
理由は特にないです。なんか物静かそうな名前がいいかな、と。




クソデカ感情放出系少女と不良系感情受信男子のはじめての会話、あるいはクソデカ感情放出系少女の逃走

 

──舞うように戦うやつだな

 

 影浦は、モニターに映る少女──平和島 静の戦い方を目にし、そんなことを思った。

 踊りというよりは、舞い。

 両手に握られた1対の双剣──振り翳されるスコーピオンは、芸術への理解が乏しい影浦でも、綺麗だと感じる程に洗練されたものであった。

 

 空中で体を捻り、グラスホッパーによる加速と共にくるりと回旋力を解放し、一瞬で相手との距離を詰める。

 近づかれた、と気づいた時にはもう遅い。

 刃先は既に首元へと吸い込まれるようにして接近しており、次の瞬間には両断していた。

 

 ──戦闘体活動限界、緊急脱出

 

 機械的アナウンスが告げるのは、この戦闘の決着。

 戦場に立つのは、勝者となった静は、たった今ランク戦に勝利したというのに、その人形のように整った顔立ちには何の感情も写っていない。

 

(相変わらず、無表情なやつ)

 

 表情筋がぴくりとも動いていない。

 氷の姫という通り名は伊達じゃないというべきか。

 彼女の表情筋のサボり癖は、筋金入りだ。彼女以上に表情が動かない人間を影浦は見たことがなかった。

 

 このボーダーには、多くの人がいる。感情豊かな者もいれば、物静かな者も。

 その誰もが戦闘後の勝敗に関わらず、何かしら表情の変化はある。二宮や風間のように、一見すると無愛想に見える隊員もそれは確かに存在する。

 

 しかし、平和島静には影浦が見る限り()()()()()()

 

 ポイントを賭けたランク戦や増減のない個人戦の勝敗に関係なく、彼女の表情筋はぴくりとも動かない。

 

「くそー! また負けたー!」

 

 ブースから出てきたのは、先ほど静に敗北した少年だ。

 おそらく、彼女に負け越しているのだろう。悔しそうな表情を浮かべている。

 影浦は途中からランク戦を目にしたため、経過がどうだったかは知らない。最後の一戦を見る限りでは、二人の実力差はそう大きくないように感じた。

 

(平和島は、B級上がりたての中でも上澄みだ。成長を鑑みりゃあエースを張れる逸材。そいつと張り合えるこのガキもかなりのやり手だ)

 

 少年──緑川駿がスカウト組であり、新人王を静と争っているということを影浦は知らない。

 

 すると、ブースの中から緑川に遅れて、静が出てきた。

 新人王に王手を掛けている二人の戦い、その勝者。そして、氷の姫呼ばれているという有名税からか、彼女に視線が集中する。影浦もその一人だった。

 静が出てきたことに気づいた緑川が、物凄い勢いで彼女との距離を詰める。

 

「ねぇねぇ、平和島! もう一回やろ! もう一回!」

「やらない」

「えー! 何でだよ〜」

「だってあなた、勝つまでやめないもの」

 

 緑川の再戦希望という名の駄々に一切付き合うことなく、静は突っぱねる。彼女はこちらに背を向けているため、その表情は見えないが、表情筋はぴくりとも動いていないのだろう。

 

(ランク戦をしねえなら好都合だな)

 

 二人のやり取りを目にしながら、影浦はゆっくりと席を立つ。

 今日ここに来たのは、ランク戦をやるためではない。

 目的は平和島静──彼女には影浦は聞きたいことがあった。

 内容をそのまま伝えれば妙な噂が流れてしまう可能性があるが、聞き方を工夫すれば問題はない。

 影浦なりに考えた結果、ついに静に接触することを決めた。

 

 静と緑川のやり取りを遠巻きで見ていたギャラリーがざわめき始める。

 同時に、影浦に多種多様な感情がチクチクと突き刺さる。慣れない不快感に舌を打つ。

 二人は影浦の接近に気づいていないようで、静は緑川の再戦希望を淡々と退けていた。

 

「おい、少しいいか?」

「「!」」

 

 びくり、と緑川の肩が跳ねる。静は正反対に無動。驚いた様子もなく、振り返った彼女と影浦の目線が交差する。

 

「……」

「……」

 

 ここまで近距離で彼女の顔を見たのは初めてだが、彼女の顔立ちを見て、本当に人形みたいだな、という感想を抱いた。

 しかし、そんな感想もすぐに消え失せる──否、()()()()()()

 

(ッ、相変わらずとんでもねぇな……!)

 

 降り注ぐ温かい感情。

 普段は、春風のような強い風程度のものだが、これほどまでに距離が近いと、台風を彷彿とさせる。

 彼女の感情が大きすぎて、それまで突き刺さっていた様々な感情が感じ取れなくなる程だ。

 

 どうなってんだこいつは、と内心呟きながら、影浦は口を開く。

 

「悪ィな、話してるところ」

「お兄さん誰?」

「影浦雅人……影浦隊の隊長って言や分かるか?」

 

 そう言うと、緑川は心当たりがあったのか、「あ!」と声を上げた。

 

「変則スコーピオンの人!」

「変そ……? あー、アレのことか」

 

 影浦の代名詞とも言える技──マンティスのことを緑川は言っているのだろう。

 

「今度俺ともランク戦やろーよ、カゲさん!」

「(距離の詰め方がやべーなこいつ)暇だったらな……だが、今はこいつに用があんだ」

「平和島に?」

 

 中学一年の圧倒的距離感に気圧されながらも、影浦はズレてきた話を軌道修正する。

 この場に仁礼がいれば、女の子をこいつ呼ばわりした件で頭を叩かれただろう。

 

「平和島、時間あんなら少しツラ……あー、話がある。付き合えよ」

 

 すんでのところで最悪な言葉遣いを修正した影浦。

 まだ14歳の少女にツラを貸せ、などという誘い方は-100点もいいところだ。

 

「……」

 

 そんな影浦に対し、静の表情は一切変わっていない。

 何を考えているか分からない瞳は、ジッと影浦を見つめている。

 

 会場の空気が冷たく、そしてピリピリと引き締まるのを緑川は感じていた。

 一見すると、一発触発の空気感。

 俺、どうすればいいの、と珍しくあたふたし、周りに助けを求める視線を向けるが、全員から目を逸らされる。

 誰か助けて、と願った瞬間──

 

「……あ?」

「え?」

 

 ──脱兎の如く、平和島静は影浦雅人に背を向けて駆け出していた。

 

 何が起こったか分からない──そんな様子で、残された二人は呆然と立ち尽くす。

 

 逃げられた、とようやく飲み込めたのは、それから1分ほど時間が経った後のこと。

 

 

 ──影浦雅人が『氷の姫』を撃退した

 

 

 一週間ほど、ボーダーにそんな噂が蔓延した。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 ボーダーの食堂はかなりお買い得だ。隊員のほとんどが学生であるということもあり、値段設定はかなり安くされている。

 特にこれは基本的に任務報酬を貰うことのできないC級隊員にとってはありがたいことだ。今でこそB級に上がり決して安くない任務報酬を受け取っている影浦だが、短い間ではあったがC級だった頃はその値段設定に助けられたものだ。

 

 券売機で『本日の日替わり丼』を頼む。今日は金曜日。金曜日の日替わり丼は焼肉丼。肉が大好物である影浦は、この焼肉丼が食堂の料理の中で特に気に入っている。

 食堂のおばちゃんから食事の乗ったお盆を受け取った影浦は、空いている席に座る。

 

(やっぱり、うざってえな)

 

 ()()()()()

 

 影浦は昼飯時などの混む時間帯は食堂にあまり近寄らない。

 サイドエフェクト『感情受信体質』は、人数の制限などなく、己に向けられた感情を受け取る。故に、人混みの中に入ると否応にも己に向けられた感情を肌で感じ取ってしまう。

 ボーダーで影浦のことを好ましく思っていない、あるいは恐れている隊員は少なくない。

 B級以上の隊員は個人ランク戦や防衛任務で交流することがあるため、不快な感情を向けられることは少ない。が、それ以外からは噂の一人歩き等があり、影浦に対してあまり良い印象は向けられていない。C級隊員の割合はB級やA級よりも多いため、彼らの多くが利用する食堂は、影浦にとって好ましい場所ではなかった。

 

 イラつくことが分かっているのなら近づかない。

 他人に向けられる感情のせいでそうせざるを得ないことに思うことがないわけではない。

 他人が人にどんな感情を向けようがそれは自由だ。影浦にはそれが分かってしまうだけの話。

 ただでさえ、気は長い方ではなく、口よりも先に手が出るタイプの人間だ。その短気のせいで隊員には幾度も迷惑を掛けてしまっている。

 だから、これは影浦なりの自重なのだ。

 

 そんな影浦がわざわざここに足を運んだのは、逃げ去った静の後を追いかけて行ったからだった。

 人が多い中で食堂で食事を摂ることは好まないが、飲食店で手伝いをしている身だ。何も食べずに出ていくことはあまりしたくなかったのだ。

 

 

 ふわり

 

 

 全身を包み込むような、暖かな風のような感覚が影浦に吹きかかってきた。

 びくり、と体を震わせた。

 

(……クソ、マジで馴れねェな)

 

 突き刺さるのではなく、そのまったくの逆。

 柔らかく、身体を包容される感覚。

 この未知の感情を向けられ始めて早くも2週間の月日が経つが、やはり馴れるものではない。

 

 感情の根本。そこに視線を向けると、少し遠く離れた場所から彼女──平和島 静がこちらを見ていた。パクリ、とその小さな口にパフェを運んでいる。

 

(相変わらず無表情だな)

 

 金額の安いボーダーの食堂のメニューでも、彼女が口にしているパフェはそこそこ値段のするものだ。ただ、味は絶品であると光やゾエが言っていた記憶がある。

 しかし、彼女はそれを口にしてもなお、表情筋をぴくりとも動かしていない。本当に美味しいのか、と疑いを向けてしまいそうになる。

 

 能面というと女性には失礼だろうか。それに、あれほど不気味ではない。女性の容姿などにあまり興味のない影浦からしてみても、彼女の容姿は整っている。

 まるで人形のようだ、と。そんな印象を彼女に抱いた。

 

 影浦と視線が合うと、静は視線を外してパフェに目を落とす。

 影浦も彼女を見ていたとバレないように視線を別の場所へと向けた。

 

(意識はこっちに向いてるな)

 

 サイドエフェクト『感情受信体質』は、常にこちらに向けられている感情を把握する。彼女から向けられている常人を遥かに上回る謎の感情は、変わらずに影浦へと向けられている。

 

(そんなに俺が気になるなら、直接ぶつけてくりゃいいのによ)

 

 少なくとも、邪険に扱ったりするつもりはないというのに。

 刺さる、というよりは覆っている感情に悪意のようなものはない……筈。

 悪い気はしないが、初めて向けられる感情故に、それがどういった意図を含んだ感情なのか、影浦には分からなかった。

 

「で、カゲさんは平和島に何の用事があったの?」

 

 そう口にしたのは、緑川だった。

 あの後、影浦は静の後を追ったのだが、緑川も興味があったのか、更にその影浦を追いかけてきたのだった。

 

 ちょうどいい、と思った影浦は、飯を対価に緑川から情報を引き出すことにした。

 静はこちらから近づいてもおそらく逃げてしまう。だから、それなりに彼女と親しそうな緑川に、彼女の人となりを聞けば少しは分かることがあるだろう、と。

 尤も、そんなこと関係なくついてきた以上は飯代くらいは出すつもりではあったが。

 

(とはいえ、どこまで口にするべきか……)

 

 平和島静について知りたい、と口にするのは簡単だ。

 問題はその理由。冷静に考えて、高2の自分が中2の彼女について何の理由もなく知りたい、というのは少々ヤバイのではないか。

 緑川が影浦について行ったのは大勢の人間が見ている。その後、影浦と何を話していたのか、と誰かに聞かれた場合、影浦のボーダー生活は詰む。

 かといって、緑川に口止めするのも余計に話がこんがらがる予感しかしない。

 

 少し悩んだ後、結局全てを話すことにした。

 下手に隠す方が不自然な話ではある。

 

「まず前提としてだが、俺には副作用(サイドエフェクト)がある」

「え! それって、迅さんみたいな!?」

「声がでけーよ……あそこまで超能力じみたもんじゃねぇよ」

 

 使い勝手も──と口にしようとして、辞めた。

 迅悠一──玉狛支部のS級隊員の一人。彼が未来を見通す副作用(サイドエフェクト)を持っているというのは、正隊員の中では有名な話だ。

 未来を見通す、というのは便利には見えるが、その分見たくもない未来も見えるはずだ。

 往々にして、副作用(サイドエフェクト)はオンオフが効かない。

 迅の未来予知も、おそらくは。

 

 影浦は、己のサイドエフェクトについて緑川に伝えていく。

 中学生らしくキラキラと目を輝かせており、羨ましがるような発言もあったが不快感はない。

 持たない人間には、持っている人間の苦悩は分かりづらい。

 それに、緑川から向けられる感情からは悪意を感じ取れない。純粋に凄いと思っているだけなのだろう。

 

「平和島にカゲさんのサイドエフェクトが関係あるの?」

「……さっきも言ったが、俺は、俺や俺を含めた集団に向けられる感情を、基本的には針を刺さったり、温かいもんを当てられたりする形で感じ取るもんだ」

「そう言ってたね」

「ああ。だが、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 影浦は続ける。

 

「平和島から向けられるのは、悪感情じゃねぇのは間違いねぇ。だが、その規模がデカすぎんだよ。全身に温かい風が吹いたり、風呂の中に入ったみたいな感覚をあいつからは感じる」

「つまりそれって、平和島がカゲさんに向ける感情が大きすぎるってことだよね」

「たぶんな。確証はねぇが」

 

 影浦なりに彼女の感情についてあたりをつけていた。

 その種類までは分からないが、他者とは明らかに違う感情の刺さり方は、おそらく彼女の内包している感情の大きさが大きすぎるからではないか、と。

 同時にそんなに感情が大きいのに何故ああも表情が乏しいのか不思議ではあるのだが。

 

「おまえ、平和島とはそこそこ親しいだろ。何か思い当たる節はねぇか?」

「うーん、思い当たる節か〜」

 

 ようやく本題に入ることが出来た。

 影浦の質問に対し、緑川は思い当たる節を探しているのか、目を瞑って考えている。

 しかし、本当はそうではない。

 緑川は、静が影浦に対して向ける感情についての答えは分かっていた。

 

(いや、それって平和島がカゲさんのことが好きってことだよね?)

 

 恋愛経験に乏しい緑川でも理解出来る答えを影浦は導き出すことが出来なかった。

 どんだけ鈍感なんだよ──と思いつつ、おそらく平和島のあの無表情さが邪魔しているんじゃ? と緑川は思い当たる。

 

(いやでも、たぶん関係なくカゲさんは気づかなさそう……)

 

 付き合いはついさっきからだが、何となく影浦は恋愛事に疎い気がする。

 

「(っと、あんまりこんなこと考えてると、刺さっちゃうから辞めないと)たぶんだけどさ」

「分かったのか?」

「確実じゃないけど」

 

 推測でもいいから言え、と影浦が伝えると「分かったよ」と緑川はにやり、と笑みを浮かべる。

 

「たぶん、平和島はカゲさんのことが──」

 

 緑川は、影浦ほど恋愛に鈍感ではなかったが、同様に乙女心に理解がなかった。

 自分の推測を影浦に伝えようとしたその時だった。

 

 

「──緑川くん」

 

 

 凍えるような声が聞こえた。

 

 その真冬を思わせる冷徹な気配に影浦も勢いよく振り返る。

 そこには、件の人である少女──平和島静が立っていた。

 

 ──怒っている

 

 影浦も緑川も、彼女を見て確信した。

 声色、表情、目線。どれもいつもの彼女と変わらないが、彼女の纏うオーラがいつもと異なっている。

 

 彼女は、ちらりと影浦を視線を向け「お取り込み中のところすみません」と淡々と伝え、頭を下げた。

 相変わらず彼女から向けられる感情は、莫大な心地良さを感じさせるが、纏っている雰囲気から感じる重圧にさしもの影浦も「あ、ああ」と頷くしかなかった。

 

 そして、その重圧の矛先である緑川は、顔を青くして静の方を見ている。

 

「緑川くん」

 

 もう一度、彼の名を呼ぶ。

 

「は、はい!」

「さっきの話、受けてあげる」

「へ……?」

「ランク戦、受けてあげる」

 

 

──ねぇねぇ、平和島! もう一回やろ! もう一回!

 

 

「あ……」

「一回なんて言わないで、何回でもやってあげるよ──緑川くん?」

「や、やった〜! は、はは……」

「影浦さん、緑川くんを借りていってもいいですか?」

「あ、ああ」

「ありがとうございます」

 

 緑川が影浦に救援を求める視線を向けるが、目を逸らした。

 静が何に怒っているかは知らないが、触らぬ神に祟りなし。無情な決断だった。

 

「じゃあ、行こっか」

 

 ずるずる、と引きずられていく緑川を影浦はただ見ることしか出来なかった。

 しかし、何故だろうか。

 先程まで怒っているように見えた静の足取りは、心なしか楽しそうに見えた。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 緑川をランク戦のブースに放り込んだ静は、戦闘が始まるまでの間、用意されたベッドに腰を掛けていた。

 

 これから緑川とのランク戦が始まるというのに、彼女はどこか所在なさげにぼーっとしているように見える。

 

(……影浦さんと、はじめて話せちゃった!)

 

 最初に話しかけられた時は、思わず恥ずかしくって逃げてしまった。

 ()()()()()()()()()()()()()静だが、この時ばかりは限界だった。

 大好きな人、恋がれてる人と話すには、心の準備が足りていなかったのだ。

 

 しかし、そのあと。

 悪いことをしたな、と思いつつ、小腹が空いたので逃げた先にあった食堂でパフェを食べていると、影浦がやって来て、緑川と食事を取り始めたのが見えた。

 

 羨ましいな、と思いつつ。何を話しているのだろうか、と気になった静は、ギリギリ二人の声が聞こえる位置まで移動した。

 そこで聞こえたのは、緑川が静の恋心をバラそうとしている声だった。

 そこから静の行動は早かった。

 グラスホッパーもびっくりな速度で影浦たちの側に行き、緑川のネタバラシをランク戦に連れていくことで封殺したのだった。

 

 しかしその時、

 

──影浦さん、緑川くんを借りていってもいいですか?

──あ、ああ

 

 ほんの少しの会話。

 けれど、静にとってはじめての影浦との会話だ。

 

 はじめて影浦と話せたことは、静にとってかけがえのない出来事だった。

 

(……影浦さん、私が緑川くんに怒ってたことに勘付いてたよね……?)

 

 それを思い出し、少しだけ気分落ち込む。

 引かれてないかな、と心配になった。

 怒っている姿を想い人に見られたい女の子なんて、この世にはいないだろう。

 氷の姫、平和島静も言わずがもがな。

 

(次はもっと楽しくお話ししたいなぁ)

 

 過ぎ去ってしまったことは仕方ない。

 今回は会話出来たということだけでも十分だろう。

 

 次なる目標を胸に、静は緑川とのランク戦に挑むのだった。

 

 

 




本編は原作の約1年前を想定しています。
緑川と同期という設定は、書いてて勝手に生えて来ました。

【登場人物】
・影浦雅人
オリ主より登場人物が多い男。
たぶん恋愛には鈍感。
今回、影裏側から静への接触を試み、謎の真相に近づくが、すんでのところで静が妨害に入る。
緑川とは少し仲良くなった。あんまり見ない組み合わせ。

・緑川駿
ワートリA級3バカのひとり。
女の子にモテてそう。影浦より恋愛感情には鋭かったが、乙女心に気づけず、氷の姫に仕留められた。
静とは良きライバルであり、よくランク戦をしている。そこに一切の恋愛感情はない。

・平和島静

【挿絵表示】

主人公兼ヒロインだが、出番は少ない。
表情筋は死んでいるが、感情自体はものすごく豊か。性質上、緊張したりはしないのだが、それはそれとして恥ずかしいので初回は影浦から逃げた。
今回、影浦とはじめて話せたのでめちゃくちゃ喜んでる
緑川に怒っているが、それはそれとして影浦と話すきっかけにもなったので感謝もしている
愛用武器はスコーピオン


次の更新はいつになるかは未定です
別で書いてる伏黒甚爾をGANTZにぶち込んだ話とは違って、何の設定もプロットも考えていないので、思いついたら書くと思います。
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