魔神の子のダンジョンライフ 〜最強を目指して〜 作:やってられないんだぜい
皆さんお久しぶりです!元気にしてますでしょうか?
自分はまあまあですかね。少し期間が空いてしまいましたが、忙しい期間は過ぎたのでまた更新ペースを戻せる様頑張ります。
では本編どうぞ!
ダンジョンから産み落とされたモンスターは自分の身体が出来上がり次第、本能に従い歩き始める。そして、その本能とは『人を殺す事』である。これがモンスターとしての自然本能なのか、はたまた産みの親であるダンジョンによって作られた擬似的本能なのかは未だ解明されていない。ほとんどのモンスターも、人を殺す本能に疑問すら持たない。何故なら理性が存在しないからだ。
だが、極稀にモンスターにも理性を持った者が産まれる。その者は『なぜ人を襲うのだろう』と考える。何故なら襲う理由が無いからだ。そもそも会った事も無い人に対して本来何の感情も持たない。親から人は殺すべき相手と教えられた訳でも無いから。しかし、いずれ彼等も人を襲いだす。何故なのか?それは彼等の存在理由がそれしか無いからだ。何もしないのは死んでいると同じ。だから彼等は殺すのだ。自分の存在を確立する為に。
そしてそんな彼等は恐怖という感情は無くとも、目の前の者が自分に対抗し得る強者か、それとも唯の餌か、判断する能力は備わっている。
だからこそ、このフロアに総勢20にも満たすモンスターが集まったのだ。ゴブリン、コボルト、フロッグシューター、スネイクソー。そして先程戦ったウォーシャドー。その全ての視線がダンジョンの真ん中で気を失っているエルへと向けられている。寝ているエルが対抗し得る強者か、それとも餌か、それは火を見るよりも明らかだった。
最初に動き出したのはスネイクソーの4体だった。東西南北の全てから同時に攻撃を仕掛ける。耐久力、攻撃力は低いがウォーシャドーよりも素早く動く。スネイクソーは左右に小刻みに動きながらエルへ襲い掛かる。そしてほぼ同時にエルを噛み付き攻撃を仕掛ける。
噛まれる瞬間、エルの額に黒い渦巻きの様な紋章が浮かび上がった。それと同時にエルの体から黒いオーラの様なモノが出ると、エルを攻撃したスネイクソーを一瞬の内に押し潰し、魔石と化した。
ゾクッ‼︎
この瞬間、エルを取り囲む全てのモンスターに感じた事の無い悪寒が体全身を襲った。本能で理解したのだ。この人間には何をしたって敵わない。それどころか、今すぐこの場から逃げ出さないと自分達はあの黒いオーラに殺されると。
「ガァッ!」
最初に走り出したのはゴブリン達だった。反転し、持ち前の脚力で全速力に逃げ出す。他のモンスターは彼等のプライドの無さを羨ましく思った。そしてコボルト達もゴブリンの後を追う様に走り出そうとした瞬間、自分に向かってオーラが超スピードで飛んでくる。避けられる速度では無い。コボルトは死を悟った。しかし、オーラはコボルトを通り過ぎた。コボルトは安堵した。
「ガァャッ⁉︎」
その瞬間、短い悲鳴が後方から聞こえた。そしてオーラはゆっくりとエルの元へ帰って行く。コボルト達はオーラにバレない様に静かに振り向いた。すると上半身が消し飛んでいるゴブリンと思わしき下半身がゆっくりと地面に倒れるところだった。そのすぐ近くにも同じ下半身が倒れて灰と化す。魔石が破壊されたのだろう。その数、最初倒れた下半身を含めて
翌朝(ダンジョン内)AM5:30
「…………ん…」
エルは目を覚ました。目を擦りながら周りを見渡し、ダンジョン内である事に気付き、ハッとする。
「ヤバッ!ダンジョンで安易に寝ちまった!寝てる間に襲われたりしてないかか?………てか昨日のウォーシャドーにつけられた傷は……え?」
意識がハッキリしてくるとウォーシャドーに深手を負わされた事を思い出し傷付いた場所を確認する。すると言葉が失った。傷が塞がっていたのだ。背中の傷も、右胸から右肩にかけて空けられた大穴も、斬り裂かれた筈の右腕も全て完治していたのだ。痛みも全く無い。エルは昨日の事が夢だと疑い始めた。ウォーシャドーとの戦いも全て。もしそうだとしたらかなり恥ずかしい。命懸けの戦いをしたと勘違いした。これではベルに強くなれないぞと言ったのに対し、『どの口が言う、この妄想野郎が!』と一喝したくなる。とりあえず、気付かない内に寝てしまっていたという事は疲労がピークに達したと言う事。ベルやヘスティアも心配しているだろうと思い、地上へ戻る事にした。
地上に戻ると既に朝になっている事に気付いた。
「マジか、1日寝てたか」
魔石換金の為にギルドへ向かった。すると、ギルドに近づくと叫び声が聞こえてくる。まだ数十メートルあるのに凄い声量だ。声を聞く限り、怒っている様子では無い。
「朝から元気だねぇ」
近づくにつれて声も段々と大きくなっていき、内容もハッキリしてきた。
「………捜索願いだよ!頼むよ!……がダンジョンから………て来なかったんだ!」
聞こえてくる内容から察するにダンジョンから帰らなくなった人がいて、その捜索願いを頼んでいるみたいだった。
「………てかなんか聞いた事のある声なんだけど」
そう、聞いた事のある声だった。具体的には自分の主神であるヘスティアの声と似ている、それどころか瓜二つの声だった。ギルド入り口前まで来ると人だかりが出来ていた。エルはそれを掻き分けて人だかりの先頭に来ると、ツインテールの後ろ姿と白兎を彷彿とさせる少年の後ろ姿が見えた。
「お願いだよ担当君!エル君を!エルアコス君の捜索部隊を結成してくれ!昨日ダンジョンに出て行ったっきり帰って来ないんだよ!」
「お、落ち着いて下さいヘスティア様!規則としてギルドで捜索部隊を結成するには最低でも10日掛かるのです。それより早く頼むなら個人的にクエストを頼むしか」
「何を言ってるんだい君は!クエスト報酬を払える金があったらとっくにクエストを発注してるよ!出来たばかりの【ヘスティア・ファミリア】に捜索クエストの報酬を払う金なんか無いんだよ!クエストへ達成した場合、報酬をその場で渡さなければいけないって規則にしたのは他でもないギルドじゃないか!だからギルドに頼み込んでいるんだよ!うちのエル君のが死んでも良いのかい!」
「ごめん、ごめんよぉぉおにいちゃぁぁぁん」
「ベル君、大丈夫だよ。エルアコス君なら必ず生きて帰ってくるから」
様子を見る限り、1日帰らなかった自分の為にヘスティアが捜索願いをギルドに提出するが規則で却下されている。そしてベルは自分だけ先に帰って泣いて、それを担当アドバイザーであるエイナに慰めて貰っているという状況だとエルは理解した。その感想は一言。
「恥ずかしい///」
心配してくれるのは嬉しいが正直言ってとても恥ずかしい。今のギルドの注目は完全に2人に集中している。ギルド職員の襟元を掴み前後に大きく振る神様と、ギルドど真ん中で冒険者の人気者でもある担当アドバイザーであるエイナに優しく背中をさすってもらっているベル。目立ちすぎている。正直、この場に混ざりたくない。しかし混ざらなければ事態は一向に収束しないだろう。乗り気では無いがエルはとりあえずミイシャの襟元を掴んで離さないヘスティアを落ち着かせる事にした。
エルが近づくとミイシャは途中でこちらに気付いた様で途端に笑顔になる。なんだかんだ言って心配してくれた様で嬉しく思う。
「エルアコス君!」
「何⁈」
「ヘスティア様、俺生きていぶっしゃぁ!」
「帰りが遅い!」
ミイシャがエルの名前を呼ぶとヘスティアは勢いよく首を振り、ミイシャが見ている後ろへと顔を回す。エルが生存報告をしようとするとヘスティアはそれを喜ぶでも労るでもなく怒って殴り飛ばした。エルは予測不能な出来事に顔面にいいヤツを貰ってしまった。話しながら殴られたので変な声が出たのはとても恥ずかしかったと後に語ったとか語ってないとか。
ご愛読ありがとうございました。
次回ステイタス更新したら原作開始まで飛ばそうと思っているので楽しみにしていて下さい。
では次回もお楽しみに!またね!
魔神王の魔力『支配者」についてですが、今作ではあらゆる物理魔力に対して反応しますが、原作では魔力だけどの事でした。『支配者』の魔力をそのままにするか、原作同様、物理は関係無しにするかアンケートを取ります。変更してもあの時のセリフが一部改変するだけで、それ以外は矛盾が生じませんので安心して下さい
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