魔神の子のダンジョンライフ 〜最強を目指して〜 作:やってられないんだぜい
エルアコスが最強の冒険者を目指し、修行を始める。そして15歳になったある日、祖父が突然と姿を消した。置き手紙にオラリオへ行けの文字を残して。エルアコスとベルの2人は祖父の言葉通り、オラリオへ目指した。
では本編どうぞ!
馬車に揺られながら2人はオラリオを目指した。3週間程で目的地にたどり着いたその都市は巨大の壁で覆われていた。以前まで住んでいた村とは比べ物にならない程大きな街。
「うわぁ、凄い!大きい!」
「ああ、そうだな」
ベルの言葉にエルアコスも共感する。2人は壁を見上げながらオラリオに立ち入ろうとする。
「ちょ、そこのガキ!」
すると門番をしている風貌の男に呼び止められた。
「なんですか?」
「勝手に入っちゃ駄目だよ!しっかり手続きしなきゃ」
「あ、すいません」
エルアコス達は係員に案内されて最後尾へと並ぶ。オラリオは侵入にとても厳しかった。出入りの全てが管理されている。だから誰も許可無しに侵入出来ないし、出て行く事も出来ない。後から知った事だが、24時間必ず門番が着いている。主に【ガネーシャ・ファミリア】がその担当をしている。
そして10程待って自分達の番が来た。
「君達は何の目的でオラリオへ?」
「冒険者になりに来ました」
「冒険者?………まぁ頑張りたまえ」
受付の人は2人の体格を数秒見たが何も言わずに通した。何か思う事があるのだろうが言葉には出さなかった。確かに2人の体格は大きくない。そう言う意味では2人は冒険者に不向きだろう。しかし、冒険者になるかならないかはその人が決める。誰かにとやかく言われる筋合いは無い。それを分かっているからこそ受付は何も言わなかった。それに、体格での能力なんて1つのステイタスに過ぎない。戦闘というのは体格で決まると考えている内は1流にはなれない。更にこの世界には神の恩恵がある。ステイタスが数値化される神の恩恵の前では体格など、さほど重要ではない。全てはその人の努力次第で決まる。だからこそ、人の見た目だけで全てを物語る輩がエルアコスは大っ嫌いなのだ。それまでの努力を全て否定されたと思えるから。
「おはようございます。担当は私、エイナ・チュールがお受けします。今日はどの様なご用件ですか?」
2人は冒険者登録をしよとギルドに来ていた。ギルドには沢山の冒険者がいる。種族はバラバラだ。エルフやドワーフ、パルゥムに獣人にアマゾネス。そして自分達と同じヒューマンだ。
丁度自分達の話を聞いてる受付嬢はメガネを掛けて、更にエルフの特徴である長い耳をしている。エルフなだけあって顔も整っている。
「冒険者になりに来ました。2人ともです」
「冒険者……」
エルアコスがそう言うとエイナは2人の容姿を見る。2人の容姿を見たエイナは忠告する。
「冒険者はとても危険ですよ。ですのでお二人の体格では大変だと思いますが、もう少し大人になってからでも……」
「そ、そうですよね…」
「特に……」
エイナの言葉にベルは苦笑いする。彼女に悪気は無く、ただ2人の身を案じての言葉だろう。確かに冒険者は危険な職業だ。毎月死者の報告が後を立たない。しかもその多くはまだ成人していない新米冒険者だ。その為エイナは無駄な死者を出したくない一心で忠告した。ベルも冒険者が大変なのは想像していた様で、なりたい気持ちはあっても危険というのは納得している。
更にエイナは小さな声で『特に』と言ってエルアコスの方を見る。現在のエルアコスの身長は130cm。見た目からして2桁に届かない程の歳だろう。しかしエルアコスは現在15歳だ。しかも彼女は自分を見て特にと言ったのだ。それはつまり、ベルより自分の方が危険だと言ったのだ。これまで何の努力もしてこなかったベルよりだ。自分はまだ1人で夜のトイレも行けない頃から祖父と厳しい修行をしていた。自分を虐め、鍛えなぬき、最強の冒険者になる為に努力をして来た。この人はその努力を否定したのだ。
彼女の言葉は自分への侮辱と捉えた。怒りをぶつけたいのを必死に押し殺し、深呼吸する。そしてこれ以上この人に対応されたら抑えた怒りが爆発するかも知れないと思い変更を要求した。
「あの、どうでも良いんですけど、担当って変更出来るんですか?」
「どうでもッ⁈どうでもってなんですか!私は「出来るんですか?」…⁈」
エイナはエルアコスの『どうでも良い』の発言に反応する。エイナにとっては重要な事だ。みすみす人を死なせる訳にはいかない。しかしエルアコスはそれも無視して自分の質問を通す。その時のエルアコスの目は非常に冷たく、自分の望む回答以外はエイナの言葉を聞こうとしていなかった。エイナはその目に恐怖する。
「い、一応出来ますが」
「ならお願いします」
エイナは少々お待ちくださいと言って裏へ戻る。
「お兄ちゃんどうしたの?なんで、こんなに綺麗なのに」
「ベル、人には相性があるんだ。お前が良くても俺はあの女と合わないと感じたんだ」
エルアコスはエイナに向けていた冷たい表情を解き、ベルに説明する。ベルは『勿体ない』と言うが合わない人に担当されてもストレスが溜まるだけだ。自分の目的はベルとは違うのだから。
「えっと、連れて参りました」
エイナは自分の代わりを連れて来た。髪は肩ぐらいの長さで、ピンク髪の同じヒューマンだ。
「どうも、ミィシャ・フロットです」
「よろしくお願いします」
エイナが綺麗な部類だとしたらミィシャは可愛い部類の顔だった。ミィシャはエルアコスに手招きして顔を近づけさせる。そして近づいたエルアコスの耳元で小声で謝った。
「ごめんね。エイナが失礼な事言ったみたいで。でも許してあげて。自分の担当が死んじゃうのってとても悲しい事なの。特に子供の死亡率が高いから心配になるの」
ミィシャの言葉でエルアコスはこの人もかと思う。この人も自分を見た目だけで弱いと判断するのかと。しかし違った。
「でも私は君が冒険者になるのを推すよ」
「え?」
「受付嬢やってると色んな冒険者見るんだけど、いつの間にか何となく分かる様になったんだよね。その人の強さ。君さ、かなり鍛えてるよね」
「ま、まぁそうですね」
「じゃあさ、もっと強くなってエイナを見返してあげようよ!」
(もぉ、私が悪者みたいじゃない)
エルアコスはエイナが連れてきた人がミィシャで良かったと思った。自分を推してくれたこの人の為にも、自分を見た目で判断したあの人を見返す為にも必ず最強の冒険者になろうと再度思った。
「それでは所属ファミリアを教えて下さい」
「え、先にファミリアを決めてから冒険者登録をするんですか?」
「お兄ちゃん、ファミリアって何?」
「ファミリアって言うのは組織の名前だよ。それぞれに主神がいてその人に恩恵を授けてもらった人達の集団を言うんだ」
「へぇそうなんだ」
「そうだ……ってミィシャさんどうしたんですか?」
エルアコスがベルにファミリアの説明をした後視線をミィシャに戻すと彼女は信じられない物を見たかの様な表情でエルアコスを見ていた。
「え、え?君って白髪君の兄だったの?」
「そうですけど」
「す、す、……すいませんでした!てっきり弟だと思っていました!自分も受付嬢失格です!」
ミィシャは全力で頭を下げた。彼女の声がギルドに響き渡る。エルアコスは見た目で力量を判断されるのはムカつくが、身長的にベルの方が兄に見えるのは分かっていたのでこれに関しては目を瞑る。
結局ミィシャはエルアコスがベルとファミリアを探す為ギルドを出るまで頭を下げ続けた。
「それじゃファミリアを探すか。ベルは何処が良い?」
「うーん、やっぱり強いファミリアとかが良いかな」
エルアコス的には強いファミリアよりまだ出来たばっかりのファミリアの方が良かった。強いファミリアだと先輩冒険者に自由を奪われる可能性があるからだ。だがベルがそちらを望むなら自分も合わせる。自分はベルの兄なのだから。
結果、30のファミリアに入団を拒否された。
ご愛読ありがとうございました。
見た目で強くないと言われる事が大嫌いなエルアコス。みんなも嫌ですよね。そして見た目を理由に何個も落ちた2人。それも門前払い。
皆さんは人を見た目で判断しない様にね。
次回、神ヘスティア。お楽しみに!
魔神王の魔力『支配者」についてですが、今作ではあらゆる物理魔力に対して反応しますが、原作では魔力だけどの事でした。『支配者』の魔力をそのままにするか、原作同様、物理は関係無しにするかアンケートを取ります。変更してもあの時のセリフが一部改変するだけで、それ以外は矛盾が生じませんので安心して下さい
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