魔神の子のダンジョンライフ 〜最強を目指して〜 作:やってられないんだぜい
では本編どうぞ!
【ヘスティア・ファミリア】に入団すると決めたエルアコスとベルは、彼女の拠点に案内された。2人は期待に胸を膨らませる。今まで訪ねたファミリアは、ランクが低くてもそれなりの豪邸に住んでいた。
ファミリアを探す際にエイナからファミリアの名前一覧とその拠点の場所についての地図を貰ったのだが、【ヘスティア・ファミリア】の名前はそこに載っていなかった。恐らく下界に降りてまだ間もないのだろう。それこそ、新人に紹介するにはハードなくらいには。それでも、神様が住む家だ。さぞかし立派なのだろう。そんな家にこれから自分達は暮らすのだ。ワクワクが止められない。
「ここが僕の家さ!つまり、これから君達が住む家とも言える」
しかし、その期待は見事に裏切られた。連れてこられた場所は、そもそも家では無かった。古く寂れた教会そのものだった。今まで回ったファミリアと比べると天と地、月とスッポンぐらいの差がある。これには苦笑いしか出来ない。そんな2人を見たヘスティアの心に子供の夢を壊してしまった罪悪感が押し寄せて来るが、この2人を手放す訳にはいかない。今までもこの家を見せるとそれまでの表情が嘘の様に変わり、何人にも断られ続けた。似ているのだ、この2人と。だからこそ、この2人に断られればもう無理だろう。だからこそ、興味を持ってもらうのだ、何としても。
「ふ、ふ、ふ。分かっているよ。君達の考えている事は。こんなのが拠点のファミリアで大丈夫なのかって。チッチッチ!舐めてもらっちゃ困るよ。所詮これはハリボテさ。真の拠点は地下にある!!」
「地下⁈」
子供と言うのは秘密基地などが大好きだ。地下だってその1つ。ワクワクするだろう。現にベルは目を輝かせている。エルアコスはベル程では無いにしろ、少なからず興味が湧いた。ヘスティアはまず、興味を持たせる事に成功したのだ。
「それじゃ、ついてきて」
ヘスティアの後をついて行く。教会の中は綺麗などという展開は無かった。割れた床のタイルからは雑草が繁茂し、頭上の天井は大部分が崩れ落ちてごっそり無くなっている。ファミリアを選ぶ余裕が無い2人は自動的に【ヘスティア・ファミリア】へ入団する事は決定事項なのだが不安しかない。唯一、屋根に開いた穴から差し込む夕日が丁度、祭壇を照らしているのが綺麗だというだけであった。そして祭壇の横まで歩くと壁に扉が付いてるのを発見した。ヘスティアはそれを2人に見せびらかす。
「どうだいっ‼︎これが地下への入り口さ!」
2人とも、なんとなく思い描いていたのとは違っていた。床にある隠し扉や、壁にしても部外者が立ち入り出来ない何かしらの仕掛けがあると期待していたため、少しテンションが落ちる。ヘスティアはそんな2人に目もくれず階段を降りて行き、2人も付いて行く。
地下はそこまで深くはなく、20段程下った場所に地下室というにはかけ離れた生活臭のする小部屋だったが、少人数で暮らすにはそれなりの広さだろう。家具もソファーに机にロッカー等、最低限は用意されている。しかし、先程言った通り少人数で暮らすにはだ。エルアコスの脳裏に嫌な予感が走る。
「えっと、ヘスティア様?」
「なんだい?………名前は…なんだっけ?」
そう言えばまともな自己紹介をしていない事に気付く。
「まだ名乗ってませんでしたね。俺の名前はエルアコス・クラネル。こっちが弟のベル・クラネルです」
「よろしくお願いします」
「うん!よろしく!エル君、ベル君!」
「エル君?」
「そうだよ。エルアコス君じゃ長いからね。エル君の方が言いやすいし親しみ易いと思ってね。それとも、嫌だったかな?」
「いえ!全然嫌だなんて、寧ろ嬉しいです!」
「そうか!それじゃ改めてよろしくね!」
エルアコスはエルとあだ名を付けてもらった事にとても喜んだ。だが、それ以上に喜んだのは自己紹介の際に自分が兄と言ったのに対して驚いた表情をしなかった事だ。エルにとってはそれがとても新鮮で、素直に嬉しかったのだ。
エルの方が兄だと知った時、ヘスティアは勿論驚いた。人は子供の時の1年は非常に大きい。他人ならまだしも、兄弟で子供のうちから兄の身長を抜かすのはとても珍しい。ある程度大人になった後ならともかく。しかしだからといって思った事を顔に出すのは失礼だ。しかも身長はコンプレックスを抱きやすい。自分も周りに比べて幼い風貌だから気持ちは良く分かる。これから共に暮らす相手が嫌がる事なんてヘスティアには出来ない。
話は逸れたが気になっている事をエルはヘスティアに問う。
「ヘスティア様、他のファミリアの方は?」
その瞬間ヘスティアは口を閉じた。ヘスティアの顔色が途端に悪くなる。それを見たエルは察した。『あ、このファミリアは誰もメンバーがいない。そもそもファミリアにすらまだなってないな』と。ベルは何故ヘスティアが口を閉ざしたのか分からずにいる。エルは話を切り出した身分ではあるが話を逸らした。
「そういえば、ヘスティア様。入団する為に何かあったりするんですか?儀式とか?」
エルは振り向いたヘスティアに顔で『ごめんなさい』と謝る。ヘスティアはエルが察してくれたのだと分かり、
「ああ、あるぜ!
「そんな簡単なんですね。それじゃベル、先にやって貰えよ」
「いや、良いよ。お兄ちゃんが先で」
「何言ってんだよ。さっきから『早く
「え⁈嘘っ⁈」
「いいからやって貰えよ。俺は後で良いからさ」
「お兄ちゃん……うん!ありがとう!」
エルに言われてすぐ様服を脱ぎ、ヘスティアにソファーへうつ伏せになる様言われたベル。側から見たら弟に順番を譲ってやった優しく兄だと映るであろう。しかし、それは間違いである。ベルの為に?そんな訳無い。今回はただエルの思惑とベルの早く冒険者になりたい思いが一致しただけ。もっといえばベルの思いを利用したのだ。それを皆さんが知るのはもう少し後になります。
エルとベルは旅での疲れや、数時間ものファミリア探しでの疲れもあって直ぐに寝てしまった。寝る場所はエルとベルが床。ヘスティアがソファーだ。ヘスティアは大丈夫と言ったが、流石に神様を床で寝させる訳にはいかないとの配慮だった。ヘスティアも生活費を稼ぐ為のバイトをこなしながら入団してくれる子探しでヘロヘロだった。何事も無かったら直ぐに寝ていただろう。このステイタスもエルに真実を教えていただろう。
エルアコス Lv1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
【魔法】【
・
【 】
【 】
【スキル】
【弱体化】・【
・能力の封印
・昇華と共に段階的に解除
初っ端から可笑しい。何故名前がフルネームでは無いのか?彼はエルアコス・クラネルと言ったではないか。何故ベルだけフルネームでエルは違うのか。しかしそこは置いておこう。
何故いきなり魔法を覚えているのだ?そんなのはエルフの様な元から魔法に長けている種族にしかあり得ない。エルは間違いなくエルフではない。しかも詠唱が無く、速攻魔法だと?強力過ぎる。しかも付与魔法では無く付呪魔法?
しかし、1番の問題はスキル欄の下、弱体化である。なんだ、弱体化とは?スキルでも魔法でも無く、状態が書き込まれたステイタスなんて聞いた事が無い。
「もう、訳が分からないよ」
ヘスティアは可笑しなところが多すぎて脳がパンクする直前であった。詳しい事は言えない。ただ1つ言える事は、エルはとんでもない事情を抱え込んでいる可能性があると言う事だ。魔法に関してはダンジョンに潜る訳だから明日話すが、弱体化は自分の胸の内に秘めておこうと決めたのだった。
ご愛読ありがとうございました。
エルのステイタスがとうとう出ましたね。魔法ヘルブレイズ。まぁ魔力低いんで威力は大した事威力自体は大した事無いですけどね。
因みに、七つの大罪での魔法をこちらでも全て魔法にするとスロットがえらい事になるので、何個かはスキルにするつもりなのでそこは勘弁して下さい。
では次回もお楽しみに。またね
魔神王の魔力『支配者」についてですが、今作ではあらゆる物理魔力に対して反応しますが、原作では魔力だけどの事でした。『支配者』の魔力をそのままにするか、原作同様、物理は関係無しにするかアンケートを取ります。変更してもあの時のセリフが一部改変するだけで、それ以外は矛盾が生じませんので安心して下さい
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