いつものようにオチは無いです。やさしいせかい、いやし。
過去の話も書くつもりなのでお待ち下さい…
ところで追憶編のアニメが放映されたみたいですね(未視聴)
優しいママで居てよ深夜ぁ……(懇願)
九校戦も最終日を迎えた。
この日の競技は本戦モノリス・コードの決勝トーナメントのみが実施され、表彰式と閉会式を経てからは各校の親睦の場となるパーティーが開かれる。
全国の魔法科高校の学生同士が交流できる会である上に、パーティー前には魔法師社会の有力者と面識を得られる機会があるため、楽しみにしている人は多い。
しかし、今日のトーナメント戦まで勝ち上がった四校にとって、それは全て試合が終わったあとの事だ。
どの陣営も今できることを全て終え、目前の勝負に集中していた。
深雪によって総合優勝が確定した一高も例に漏れず、天幕では克人ら出場選手やエンジニア、幹部、他種目の選手たちが、天幕に入りきらなかった者たちは観客席で、決戦の時を静かに待っていた。
達也と深雪がいつもの面々と共にモニターを見ている中、龍郎と深夜は風間少佐の部屋を訪れていた。
二人の対面に風間、机を囲んだ左手側に藤林と真田、右手側に柳と山中、深夜の隣に元造が座る形となっている。
この会合においてはそれぞれが独立魔装大隊の幹部、契約相手としての四葉という立場でいるため、私的な面会での和やかな雰囲気にはならない。
「まずは、先日の件では助力頂きありがとうございます」
「こちらこそ、情報を提供して頂き感謝します」
龍郎と風間が互いに謝意を伝えたのち、元造が腕を組みつつ口を開いた。
「では儂から、横浜と大会委員の両方について軽く話すとするか。風間殿はどちらの報告も受けていると思うが、内容が被ってしまっても構わないか?」
「ええ、構いません」
「まずは大会委員からだな。本戦バトルボードにおける水面の不自然な陥没と、新人戦モノリス・コードにおけるレギュレーション違反……これらの事故や被害から、大会委員を介した第三者の工作が疑われた。儂と烈を中心に洗い出したところ、スタッフの一割弱、特にCADの検査や審判に携わる人員が侵食されていた」
「選手に直接干渉できる者に絞って手を入れてきた、ということですか……」
響子の言葉に、元造は無言で頷いて返した。
これに風間が補足を加える。
「奴らの手が加わった者たちは現在隔離してある。電子金蚕の術式が押収されたことから、雇い主は隣国に関係すると見られたが……彼らからめぼしい情報は得られなかった」
「一応は国際的な犯罪組織ですから、その程度の足跡を消すくらいはできて当然なのでしょうね。それでお父様、横浜の方はどうでしたか」
「うむ。我々の調査で無頭龍の関与と奴らの拠点はわかっていたため、三日前の深夜に強襲した。封じ込めや露払いは藤林殿と真田殿に任せ、儂は東日本総支部の幹部の殆どを始末し、数人を残して尋問したのだ。それによると、連中は九校戦を対象にした賭博に参加していたらしい……商売相手の他にそれらの情報も手に入った」
「……つまりは、賭博で負けそうになったから、一高選手が負傷するように妨害を行った、と?」
「恐らくはな」
「……許さないわ」
「……度し難いな」
「気持ちは理解できるが落ち着け、深夜、龍郎。尋問で奴らの首領や活動内容の情報はある程度抜けたが……まぁ、詳細は文書に譲るとしよう。問題は、首領の側近とやらが儂を知っていたことだ」
無頭龍の所業に怒気を滲ませる二人を宥めつつ話を進める元造に、柳が反応する。
「それは、単なる仮想敵国の魔法師としての四葉殿を、ではないと?」
「ああ。貴殿らとしては容認できないことであろうが……報復者としての儂を、だ。奴は儂に強く恐怖していた」
「……大漢や崑崙方院に由来する人物か」
「更に言えば、崑崙方院から追放された古式魔法師どもだな。隠密性を重視して事を運び、当時の崑崙方院に連なる者は滅したのだ、その儂を直接知っている可能性がある者は、そやつらとその関係者だけだと考えて良いだろう。儂の魔法を受けずとも、儂の魔法を知っているのならばその恐怖にも説明がつく。周囲への影響も考慮していずれは儂の手で決着をつけるつもりだが、貴殿らには伝えておく。……迷惑を掛けるな」
「いえ、国の防衛、ひいては国民の守護こそが我々の本懐です。あのような事件が再び起こらないよう、我々も協力させて頂きます」
「……感謝する」
・・・・・・
表彰式や閉会式は恙無く終わり、いよいよ待ちに待ったパーティーの時間である。
……正確に言えば、パーティー前にある大人たちの時間だが。
モノリス・コードは高度な魔法を繰り出し他校を圧倒した一高が優勝し、最終戦では克人一人で相手を打ち負かして『十文字』の強さを知らしめることとなった。
克人が珍しく目に見えて気合いを入れていた、という服部の小さな疑問に対して
『うーん……達也くんたちの試合に感化されたとか、大切な人から激励を送られたとかだと思うけど、多分両方じゃないかしら。彼、ああ見えて弟くんや妹さんのことが大好きだから』
というのは真由美の言。
彼女曰く、克人は試合後に優しい笑顔で携帯端末を見ていたとのこと。
これには服部も、ほんのり温かな気持ちになったらしい。
龍郎たちはというと、会合の後に雑談をしつつ映像を通して試合を観戦していた。
互いの立場が無ければ、軍人も四葉もただの人間。それなりの長さの付き合いでもあるため、知人として談笑していたのだ。
……まあ、十師族に依存しない魔法戦力を備えるために創設された独立魔装大隊の軍人が、十師族の一員と懇意になることは問題ではあるのだが。
パーティー会場には各校の生徒たちが一堂に会し、豪華な料理やお洒落な内装、他校生との交流に興奮を抑えられないでいた。
とはいえ、生徒のみが楽しむ時間はまだ少し先であり、今は大人たちが忙しなく動き回っている。
その様子を冷めた目で見つつ、達也はソフトドリンクを手に壁際で休んでいた。
有望な生徒に声をかける彼ら大人は、自身の所属する企業や国への勧誘が主な目的だ。
直後にパーティーが控えるこの場で就職先を検討する生徒はほぼいないが、それはスカウト側とて承知の上である。そのため、そんな彼らは生徒たちの進路の選択肢に入れば御の字なものだから、名刺を渡して軽く会話する者ばかりである。
勧誘に真剣さが足りない、やるならもっと真面目にやれと思う一方で、そもそもこの場面でのスカウトはあまり適切ではないなと感じる達也だった。
しかし、達也が彼らを快くないとする要因はもう一つある。
「やぁ、達也くん。楽しんでいるか?」
「渡辺先輩……楽しそうに見えますか?」
「いいや、全く!」
「……はぁ」
「おいおい、先輩に向かって溜め息とは酷いじゃないか」
「それは……すみません」
「…まぁいいさ。それはそれとして、どうしてそんなに不機嫌そうにしているんだ?」
「……そんなことはありませんよ。少々疲れているだけです」
「確かに君も引っ切り無しに勧誘されてはいたが……そんな誰かを射殺さんとするような目付きをしていては説得力がないぞ。本当にどうした」
「………」
「ん?……ああ、そういうことか」
達也の視線を追った摩利の目には、大人に群がられている深雪の姿が映った。
鈴音の冷たい視線による牽制のおかげで、深雪が迷惑を被っている様子は無い。流石だと鈴音に対して思った摩利だが、よく見れば深雪への勧誘が他生徒へのものとやや毛色が異なっている。
辛うじて聞き取れる会話の内容から察するに、どうやら深雪のテレビ出演のために声を掛けているメディア関係者がいるようだ。
なるほど、自慢の妹が、下心の見え隠れする輩に話しかけられることが達也は嫌らしい。勧誘の内容についても恐らく同様に考えているだろう。
「気持ちはわかるが、まぁこういう場ではよくあることだ。鈴音もついていることだし、そこまで警戒しなくても………どこを見ている?……うわ」
話しつつ達也に目を戻した摩利は、先程よりも更に殺意の増した様子に驚き、その対象を見て思わず声を漏らした。というか引いた。
下卑た表情を隠しきれていない男どもが、見目麗しい女性を囲んでいたのだ。
流石に直接何かをしでかす輩はいないようだが、誘いを断られても話しかけ続け、夫がいると言って突き放そうにもしつこく口説こうとしている様子。
男全員が不躾であるわけではないのだが、その女性と繋がりの無い摩利でさえ怒りや嫌悪感を抱く程のものなのだ、彼女と関わりがあるだろう達也からすればとても許容できるような事態ではないはず。
「(そりゃあ達也くんが本気で怒るわけだ。だからといって、自分が何かをできる訳でもないが……)」
我慢の限界に達した達也が一歩踏み出したちょうどそのとき、一人の男性が女性を人垣から引っ張り出すところが摩利の目に入った。
同時に、達也から漏れ出ていた殺気が萎んだことを感じ取った。
「父さん…」
「(ほう、彼が真由美の懐いている……ということは彼女は達也くんの母親か。達也くんにもかわいいところがあるじゃないか)」
気が抜けた二人の目線の先では龍郎が深夜を抱き寄せ、纏わりつく輩を威圧している。
大方の人間はこれで諦めたが、それでもなお引き下がらない不埒者もいるようだ。
しかし、その男は深夜が懐から取り出した自身の名刺を見て顔を青くすることとなった。深夜から手渡された男の名刺を険しい表情で見つめる龍郎に、不埒者は激しく頭を下げ始めた。
そこから龍郎が二、三言言い放つと、件の男は青い顔のまま膝から崩れ落ちた。
「…………は?」
予想だにしていなかった展開に、摩利の思考が止まった。
「………君の父親は何者なんだ」
「FLTの研究開発本部長ですよ」
「えふ……はっ?あの!?」
「あの、が何を指しているかはわかりませんが、おそらくそのFLTで間違いないかと。フォア・リーブス・テクノロジーです」
「……君の父は凄い方なのだな」
「…でしょう?その知名度もあって父さんは業界では大分顔が広いはずですが、あの男は知らなかったようですね」
「そ、そうか……それにしても、なぜ人事部や社長ではなく研究開発本部長がスカウトに?」
「父さん曰く『専門性のある生徒たちの能力を正しく評価できるから』とのことらしいです」
「…確かにそうかもな」
話が一区切りついたところで深夜の周りで起きた混乱は収まり、同時に、大人が会場からはけていく。
途中で深夜と龍郎から手を振られた達也は、微笑みながら軽く手を挙げて応えた。
その直後、真由美が龍郎に話し掛けて落ち込んだり喜んだりする様子が目に飛び込んできた。
嫌な予感がして隣の摩利を見やるとサッと目を逸らされ、そのまま人の悪い笑みを真由美に向けていた。
「色々あったが…とはいえだ。大人がメインの時間はこれで終わりだ。君もパーティーを楽しむといい!」
肩を叩きながらそう言い残して、摩利は上機嫌にこの場を後にした。
妨害行為による怪我で競技に出場できず数日前までは空元気を出していたのに、一日早く完治してあんなに元気になるとは。
恋人という存在は非常に大きいものなんだな。
そこまで考えた達也は手に持つグラスに目を落とし、今朝の深夜の言葉を思い出した。
「(俺が大切に思える、特別な人、か……)」
今の友人たちの顔が頭に浮かんだ。
・・・・・・
龍郎です。息子と娘が大活躍した九校戦、最高でした。
試合をまとめた映像データは今夜中に貰えるらしくて待ちきれません。
今夜は達也や深雪とも一緒にパーティーを楽しんできます。
…なんて能天気に言えたら良かったんだが、現実はそうもいかない。
パーティーは生徒のみの参加だし、自分は生徒の勧誘をしなければならない。
その間に深夜を一人にしてしまうことが少し不安だったが、大丈夫だと本人に快く送り出されたのだから大人しく行くしかない。
という訳で深夜の元へ戻るまで、俺は自社へのスカウトを行っていた。割と真剣に。
実を言うと、九校戦後のこのパーティーにFLTの人間が来るのは初めてのことなのだ。
自慢になってしまうようだが、魔法師社会においてFLTは国内では有名な部類に入る企業である。
汎用型CADなどの大量生産という面では他企業に劣るが、魔法工学部品や機械の他に、デザインの凝ったアクセサリー型CADや使用時の状況・目的に特化した特殊なCADの生産では抜きん出ているのだ。
また、市場規模はまだそこまで大きくないものの"自分だけのただ一つのCAD"などと銘打って、形状からデザインまで変えられるオーダーメイドや既存のCADに模様を付与する依頼も受け付けているため、一定の顧客から気に入られている。
これに加え、トーラス・シルバーのお陰で更に躍進している(のだが、達也のためにも頼りにし過ぎないよう気を付けないといけない)
それだけではなく、一般向けにもゲーム機やソフトを販売しているため、日本にFLTを知らない人は少ないと言って良い。
以上の理由で、求人自体にはそこまで困っていないのだ。
よって、ここでの目的は優秀な人材の確保となっている。
横道に逸れるが……何故ゲームなのか、というと。
この世界では1999年に魔法が表舞台に現れてからというもの、世界各国は魔法の研究開発に時間も人材も金も費やしてきており、戦争も度々起きている。そのため、日常生活に欠かせない類の民間企業はそういった状況下でも生き残ったが、それ以外、特に娯楽文化については大きく停滞することとなったのだ。
そのせいで、ゲームというジャンルは1999年と比べると完全に下火になってしまっていた。
でもさぁ、やっぱりさぁ……仲のいい人とゲームして遊びたいじゃん?
パーティーゲームとかPvPとかやってさ、やった!とかやめろよ!とか死ねぇぇええ!!とか言ってわいわい燥いでさ、親睦を深めたいじゃん?
というか深夜とか真夜とか達也とか深雪とかと一緒に遊んで楽しみたいじゃん!!!!
……とまぁ、この私欲のために細々と続いていた他企業を買収して育てた訳だ。
これを通せる位の地位にはいたし、深夜がFLTの大株主だったしな。
その結果、一般人魔法師問わず馬鹿みたいに売れてしまい、魔法関連の仕事の他に更なる商品展開やら新たなコンテンツの開発やらが加わって忙しくなった。
今では市場も大きくなって知名度も高まってきており、ゲームのジャンルも広がってきている。
全ての企画に携わるのは無理な話だが、お陰様で嬉しい悲鳴が上がっちゃうね。娯楽の大事さを痛感したよ。
…色々なことに手を出しすぎたと流石に少し反省している。
……話を戻そう。
とにかく今回の目標は、優秀な生徒の"確保"だ。
パーティー前のこの短い時間だけでは当然誰も真剣に考えないだろうが、何とか将来の進路に対して存在感を見せておきたい。
そのためには生徒との繋がりをこの場限りにしない工夫が必要だが、策は一応用意してある。成功するかはその生徒次第になるけれども、まぁそれは仕方のない要素だ。割り切る他ない。
それではまず一人目。
真由美ちゃんに絡まれているあーちゃんこと中条あずさ。
小動物を感じさせる可愛らしさとは裏腹に、CADに関する知識や技術は非常に優れている二年生。
一高には主席で合格し、その後の成績も上位に入り続けるほどの才女。しかも、趣味として日頃からCADの勉強を欠かさず、独自でCADの構想を幾つか練っているらしい。
妙に具体性の高い話だけど、真由美ちゃんは一体どこからこんな情報を手に入れてくるんだろうか。
「あっ、龍郎さん!」
「へっ!?」
待って。まだそんなに近付いてないのに反応が早すぎる。
あずさちゃんも驚いているじゃないか。
「えっと……久しぶり、真由美ちゃん」
「本当よ。最近は全然遊びに来ないものだから、泉美ちゃんと香澄ちゃんが寂しがってたわよ?」
頬を膨らませて上目遣いとかあざとい、あざといぞ真由美ちゃん。
あと妹たちを引き合いに出してるけど、真由美ちゃん自身も寂しいと思ってたっぽいな?(慧眼)
ははは、昔から変わらずかわいい娘だなぁ。
「…そっか。そしたらまた折を見て行くから、もう少し待っててって二人に伝えておいてくれるかな」
「わかったわ。約束だからね!」
「もちろん」
ご機嫌取りにひと撫でするといつもの調子に戻る真由美ちゃん。妹の二人も元気にしてるだろうか。
それにしても弘一は不器用すぎるだろ。恥ずかしがらず素直な気持ちを直球に伝えればいいものを……だから娘たちからの扱いがやや雑になるんだよ。
今度行くついでに
まあそれはいいんだ。
今大事なのは、固まっちゃってるあずさちゃんの勧誘だ。
「えっと、中条あずささんで間違いないですか?」
「………」
「…もしもし?」
「あーちゃん?」
「……えっあっ、そ、そうです!!!中条あずさと申します!!はっ、初めまして!!!」
「えぇ、初めまして。九校戦での総合優勝、おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます!!」
ふむ、これで俺の第一印象は大丈夫そうかな。
視界の端で真由美ちゃんがドヤ顔をしてるけど、それはさておき。
「此の度は、貴方の技術スタッフとしての能力とCADに関する造詣の深さに感じ入りまして、お声を掛けさせて頂きました」
「えぇっ!?そ、そんな私なんかが…恐れ多い、です……」
「いえ、そんなことはありませんよ。全ては貴方自身の努力の賜物ですから、正当な評価です」
「ぇ……あ、ありがとうございます…」
「それで、将来は是非当社にと思いまして……あ、私はこういう者です」
「あっ、ご丁寧にありがとうございま……ええぇぇぇぇ!!??」
「「!?」」
そういえば、と名刺をあずさちゃんに渡すと、隣にいる真由美ちゃんの肩が跳ねるほどの声量で驚いていた。俺も吃驚した。
その声に周りから視線が集まるが、大人たちは特に何もないことがわかると直ぐに興味を失くす。一方、俺とあずさちゃんの様子を見て状況を察したからか、生徒たちは聞き耳を立て始めたらしい。
九校戦に参加できる生徒はどの子も優秀で勧誘もしたいが、各人の能力や性格の調査と、業務との相性を考える時間が足りない。というかそもそも、このために確保されている時間が本当に短い。本来はそのようなことをする時間ではないのかもしれないが……無念だ。
「あ、あーちゃん……?」
真由美ちゃんの不安そうな声色に釣られてあずさちゃんの顔を覗き込むと、彼女は涙目でぷるぷる震えていた。
「あのー……大丈夫ですか?」
「あ……ごめんなさい、その…嬉しくて……」
どうしたのだろうと戸惑う俺を見て、真由美ちゃんが説明する。
「…実はね、龍郎さん。あーちゃんは達也くんの能力を目の当たりにして、自信を持てなくなっていたのよ」
「かっ、会長!あの、ごめんなさい。司波くん……達也くんのお父様にこんな話をしてしまって…」
……なるほど。
「気にしていませんよ。私もそう感じたことがありますから」
「えっ?」
あずさちゃんが不思議そうな顔で俺を見る。
それなりの役職を務める実の父親がまさか、なんて思っているのだろう。
こう見えて、実は結構気にしていた時期もあったんだよね。
「達也は、生まれ持った能力も努力の才能も、私より優れていますからね。羨望の念を抱いたことが無い、と言ったら嘘になります」
「そう、なんですか…」
「ええ。…ですが、それだけで終わってしまってはいけないのです。彼我の違いを認め、その上で何をすれば良いのか、何を目指したいかを見定めることが大事です。……そうでなければ、人は腐ってしまいます」
「………はい」
「その気持ちとどう折り合いを付け、どのような道を選ぶかは人によりますが……貴方なら大丈夫です。中条さんには中条さんだけの長所があり、だからこそ私は貴方をお誘いしようと思ったのですから」
「…ぇ………」
「大丈夫です。貴方は紛れもなく、優秀で将来有望な魔工師の一人です。私が太鼓判を押しましょう。ですから、どうか自信を持ってください」
「…… ぇ……ぅ…はい゛……ありがと゛う、ございます゛…」
「……良かったわね、あーちゃん」
恐らく嬉しさから出る涙を、俺のハンカチで拭ってあげる。
真由美ちゃんは横から彼女を優しく抱いて、和ませようとしている。まるで姉のようだ。
長く語ってしまったが、あずさちゃんの不安が解れたようで何よりだ。
やはり、本心を真っ直ぐに伝えることが大切なのだろう。
大人からしたら取るに足らない悩みだとしても、若人は真剣に考えているものだからな……ちゃんと彼女と向き合えて良かった。
しばらくして、あずさちゃんが落ち着く。
目元が少し腫れているが、顔付きは話し始めたときから大分元気になったように見える。
頬も心做しか赤いが、きっと人前で泣いてしまったことが恥ずかしいのだろう。俺のハンカチも大いに役に立ったようだが、ここは触れないでおくのがいい。
「あの、取り乱してしまってすみませんでした。このハンカチは綺麗にしてお返しします」
「お気になさらず。ハンカチは……そうですね、また次回お会いする時に渡して頂ければと思います」
「はい!……え、その、次回というのは…?」
「お渡しした名刺の裏に日付と時刻が書かれているのですが、その時間に是非当社内を見学して頂きたいとお「行きます!!絶対に行きます!!」…ふふっ、ありがとうございます」
食い付き方が凄い。さっきまでの小動物感がまるでない。
だが、この熱意を高く買っているのだ。素晴らしい。
夏休み中とはいえ日時を一つしか書いていないあたりが心配だったが、この様子だと予定を開けてくれそうだ。用意した策も上手くいって万々歳である。
少し長めに時間を使ってしまったので、そろそろ次の生徒のところに行かないと。
「では、私はこのあたりで失礼します。見学に必要なものはありませんが、不明な点など何かあればお電話ください」
「わかりました!!それではまた!!」
お互いに一礼して、別れることとなった…………はずなのだが。
「…………むー…」
真由美ちゃんが、いかにも不服そうな表情で俺の手首を掴んだ。いや力強いな。
しかもわざわざ口に出して不満をアピールしてくる。あざとい。
女の子の手を振りほどくなんてことは出来ないため、彼女の不満を解消しないといけない。
……まぁ、多分、こういうことだろう。
名刺をもう一枚取り出して、真由美ちゃんに手渡す。
「良かったら真由美ちゃんも「行く!!!!」……うん、ありがとう。それじゃあ、またね」
「うん!!またね!!」
……真由美ちゃん、大学を出たら七草家関連の企業に行かなきゃいけないとか言ってなかったっけ。弘一が許したのか?……今度聞いてみるか。
気を取り直して。
二人目は、大人から深雪をガードしているリンちゃんこと市原鈴音。
CADを介する魔法は平均的なものだが、媒体無しで行使する魔法は非常に強力で精度も高い三年生。相手にキツめな印象を抱かせるような美人であり、研究者として優れた素質を持っている。
そして、魔法師が兵器としての側面から解放されることを目指して研究を進めている(真由美提供)
素晴らしい目標だ……将来的に強力な仲間になりうる娘である。
「お父様!」
深雪の声を聞いて、周囲の人間が歩み寄る俺を見た。父娘という関係がわかったからか、二人から離れる人が多い。
いや気付くの早いって。周りの大人たちの隙間からよく俺を見付けられたものだ。
……悪い気はしないけどな!
返事の代わりに手を小さく振ると、深雪も嬉しそうに小さく振り返してくれた。頬にはうっすらと朱色が浮かんでいる。
ああ……うちの娘、かわいいなあ(真理)
「初めまして。深雪さんと共に生徒会に所属しております、三年の市原鈴音と申します」
やべっ。変な顔してないよな?大丈夫だな?よし。
「初めまして。いつも娘がお世話になっております。私は深雪と達也の父で……こういう者です」
「ご丁寧にありがとうございます。……FLTの、椎原、辰郎さん、ですか」
「はい。本名は司波ですが、そちらはビジネスネームとして名乗っています」
「あ、いえ。父から何度か聞いたお名前だったので少々驚きまして……」
「父、ですか……あぁ!魔法研究課の市原さんか!」
世間は思ったより狭いな。
特に市原さんは、俺が他所の研究所から引き抜いた人だから尚のこと驚きだ。
「ご存知なのですか?」
「ええ。仕事の関係でよく顔を合わせますし、研究課の中でもよく話しますからね」
「そうだったのですか……いつも父がお世話になっております」
そう言って綺麗なお辞儀をする鈴音ちゃん。
滅茶苦茶礼儀正しいし、大分落ち着きのある娘だ。
あの真面目な市原さんが、顔を緩ませながら自慢するだけのことはあるな。
「こちらこそ、共同研究をしていたときから長く頼りにさせて頂いております。…それで、話は変わるのですが」
「はい」
「将来は是非当社に来て頂きたいと思っておりまして……お渡しした名刺の裏にある日時は空いていますか?」
「……はい、空いています」
「実はその時間で当社内の見学を予定しているのですが、お越し頂くことは可能でしょうか?」
「そう、ですね……具体的なお話もその時に出来ますか?」
「勿論です」
「…では、参加させて頂きます」
「ありがとうございます」
話が纏まって、お互いに一礼する。
年相応なあずさちゃんとは対照的に、鈴音ちゃんは大分大人びている。
自分のやりたいことや今後をちゃんと見据えているようだから、見学の日にしっかりと意思疎通を行わなければならないな。
「お疲れ様です、お父様」
鈴音ちゃんと話し始めてから秘書のように隣に控えていた深雪から声がかかる。
にこにこしながら静かに佇むとか、深雪の秘書適正高すぎでは?天才か?
しかも労ってくれるなんて…お父さんもっと頑張れちゃうぞ!
……いやキモイな俺、落ち着け。弘一の泣き顔を思い出せ。…うわ。
「ありがとう。深雪もお疲れ様。あまり話せなくてごめんな」
大丈夫、落ち着いた。撫でよう(親バカ)
さらさらな髪を手で梳くと、深雪は気持ち良さそうに目を細めて体を寄せてくる。
…かわいいなぁ。
「……っ!?こほん、と、所でお父様、手にお持ちの荷物は何ですか?」
「ん?これか?」
左手に持つ手提げのハードケースを掲げる。
「依頼主から預かったお届け物だよ。最近になって漸く完成したんだ。……そろそろ渡しに行かないとだな」
「あっ」
目的の生徒の所まで向かおうと深雪の頭から手を離すと、その口から名残惜しそうな声が漏れ出た。
さっきは鈴音ちゃんに見られていることに気付いて、誤魔化すように話題を振ってきたのに。
くっ……
俺はかわいさの暴力には勝てないよ……助けて達也…
……………。
…遠い目をして諦めた方がいいって言われそうだな。
「んぅっ」
負けました。荷物を一度床に置いて、深雪の頬を両手で包んで軽くもちもちします。
深雪がまだ幼い頃、ちょっとしたお願いをするときにやってから、こうされるのがずっとお気に入りらしい(深夜談)
本当か?
「帰ってからまた、ね」
「……うん」
……本当だ。深夜すげぇ。いや、急がないと。
ケースを持ち直して、鈴音ちゃんにも挨拶をする。
「それでは、私はこれで失礼します」
「………あ、はい」
それにしても時間が無いな。
「………司波さん」
「な、何も言わないで下さい……違うんですあれは体が勝手に…」
スカウトなんてこんな短時間にやるものではないというのに、誰が始めたのやら。
「…
「ぅ……はい……で、でも、市原先輩もお父様に撫でられたらああなりますよね!?皆さんそうなりますよね!?」
いやまあ、その慣例に乗っかろうと思ったのは自分だけどさ。
「……そうなる方はかなり少ないと思いますが」
「えっ」
「……えっ」
えっ……俺たちは少数派なのか…?(理解不能)
いや、うん。
……さて、荷物の届け先はタイミング良く一人で居るようだ。
「すみません、少し宜しいでしょうか?」
「っ!?…はっ、はい」
自分が話しかけられるとは思っていなかったのか、彼はやや大きく驚く。
……なんか、視線があちこち向いたり俯いたりしてるんだけど、どうした。
「森崎駿さん、で間違いないですか?」
「はい、僕が森崎駿ですが……あの、もしかして司波さんのお父さんですか?」
「はい、そうです、が……」
問いかけに答えるやいなや、彼の顔色が見る見るうちに悪くなっていく。
瞳は気まずそうに揺れ動き、時折合う視線は直ぐに逸らされてしまう。
不安…いや、怯えの色が見えるが、本当にどうした。
「え……っと…私、何か怖がらせるようなことをしてしまいました、かね…?」
「えっ!?いえいえいえ!そういう訳では、無い、のですが、その…………あの、司波さんたちから、僕のことを聞いていたり、しますか…?」
「貴方のことを、ですか?深雪のクラスメイトであることは聞いて……あー……達也を敵視している、なんてことも聞いた気がしますね」
「────」
俺の返答を聞いて、森崎君の顔がこれ以上無い程に悪くなる。
え、死にそうな顔してるんだけど!?ちょっと!?
「だ、大丈夫!大丈夫だから!俺は気にしてないから!」
「……ほ、本当ですか」
「本当です!」
「………僕を懲らしめに来たとか…」
「無いから!そんなことしません!」
「…すみません……その、ごめんなさい」
なるほどそういうことね、完全に理解したわ。
「……それは、君が二人にしたことについて謝っていますか?」
「…はい」
「ならば、私から言うことは何もありませんよ。君にも君なりの考えや気持ちがあってのことですからね。それに、切っ掛けが何であれ、自身の行いを省みて非を認めている……これが出来るだけでも立派なものです」
「………」
「ああ、決して嫌味ではないですよ。大人でも自省することは難しいですから。この先、失敗や過ちを犯すこともあると思いますが、それらを通して学んでくれれば十分です」
「………はい」
「…そうですね。あとは、気持ちを整理してからでいいので、本人たちと話してみて下さい。君の謝罪は、私ではなく達也たちに向けるべきものでしょうしね」
森崎君は暗い顔のままコクリと頷く。
とんだことをしてしまったと落ち込める分、根は良い子なんだろうが…彼の両親の言う通り、精神的な余裕が無いように見える。
「こほん。まぁこの話はここで終わりにして、本題に入りましょう。君のご両親からのお届け物です、受け取って下さい」
俯いていた顔をがばっと上げた森崎君は、重厚感あるケースを困惑気味に見詰めた後、恐る恐るといった様子で受け取った。
「あの、ここで開けてもいいですか…?」
「どうぞ」
片腕で抱えつつゆっくりと手を動かす彼は、中身を見て驚いた。
「これは…なんでCADが……」
場所が場所なので取り出すことはしていないが、ケースには確かに拳銃型の特化型CADが入っている。
彼は既に自分のCADを所有しているため、尤もな反応だと言える。
これから伝えることを聞いたら、更に驚くだろうけどね。
……言うなって口止めされているけれども、まぁいいだろ。誰も傷つかないし。
「ご両親からのプレゼントです」
「……えっ?」
「具体的な点の擦り合わせや製造に随分と時間が掛かってしまいましたが、お二人からの入学祝いです。君の為だけに作られたオーダーメイドの品ですよ」
「オーダー、メイド……?も、もしかしてFLTの…」
「そうです。CADの形状やスペックは、高性能かつ取り回しやすいようにと君のお父さんが細かく設定しています。CADの下に仕舞われているホルスターと合わせて使って頂ければ、今までよりもスムーズな早撃ちが可能となりますよ。……仕事用のものだと、ほんの少しだけ抜きにくかったのでしょう?」
「なっ…!?」
「……ふふ、彼の言った通りのようですね」
森崎君の顔には、信じられないという思いが滲み出ている。
警備会社の仕事が成功したおかげで彼の父親は大変に忙しいため、時間をかけて息子とじっくり話すことが出来ていないのだ。
満足にコミュニケーションを取れないまま思春期に入ってしまったと、父親本人も嘆いていた。
そういう事情もあって、彼らの間には妙な壁があったのだろう。
「君のお父さんは、君が思うよりもちゃんと君のことを見ている、ということです。九校戦での君の活躍も、仕事の合間にしっかりとチェックしているらしいですよ?」
「え……忙しいから見られないって…」
「それは彼なりの照れ隠しですよ。私の名前を出せば、観念して全て話してくれると思います。親というものは、なんだかんだ言って子供に甘いところがありますから」
「………」
俺に向けられた視線が、CADに戻る。
さっきまでのバツの悪い顔から、感動を覚えた顔に変わっている。
親からの思いがけない贈り物で、気分が上を向き始めたみたいだな。
…モノリス・コードでの怪我には触れない方が良いだろう。
「…そのCADのデザインは、君のお母さんが一から考えたものです。ほんのり空色がかった銀色のボディには、君の抱える苦悩が青空のように晴れるように、先行きが明るくなるように、という想いが込められています。グリップには君の名前が、銃身にはサルビアとセンニンソウをモチーフにした装飾が控えめに掘られていますね」
「……とても、綺麗です…」
「そう言って頂けると、お母さんも喜ぶと思います。このデザインに至るまでひと月以上も悩んだそうですよ」
「……母さん…」
森崎君の涙腺が随分と緩んできている。気持ちも大分穏やかになってきたのではなかろうか。
やはりCADに込められた想いを話して正解だった。
俺が言わなければ彼には伝わらなかっただろうからな。
……夫婦揃って照れ屋とは、難儀なものだ。
「サルビアとセンニンソウの花言葉は、本人に聞いてみて下さい。きっと、照れながら教えてくれますよ」
「………………はい」
森崎君はCADから目を逸らさない。
…これ以上の言葉は必要なさそうだな。
「……ご相談事があれば、サポートセンターや私までお電話下さい。それでは、私はこれで」
「………本当に、ありがとうございます…」
去り際に軽く礼をすると、森崎君も頭を下げてくれた。
丁寧な手付きで閉じられたケースは、両手で大事そうに抱き締められている。
「どういたしまして。お礼はご両親にもお伝え下さいね?」
「はい…勿論です。ありがとうございました」
そう言ってもう一度頭を下げた森崎君から離れる。
特別な贈り物は、日常では伝えづらい想いを届け、人を笑顔にする。
……なんて謳い文句も使って宣伝しているが、今回は正にその通りの事例だった。
人の笑顔ってものは、見ているだけでも嬉しくなるからな。このサービスを始めて良かったとつくづく思う。
渡したことを後で二人に報告しておこう。
……俺も、達也と深雪にプレゼントを用意しておくかな。
今からだと流石に間に合わないから……明日にご馳走を作ろう。そうしよう。何を作るかは深夜と相談するか。
明日は暫くぶりに家族が揃うのか…楽しみだ。
深夜: 事態は予想していたし表面上は平気な振りをしていたが、龍郎に強く抱き寄せられて年甲斐も無く心が盛大にきゅんきゅんしていた。かわいい。あの時間の後、生演奏が微かに聞こえる屋上で龍郎と少し踊った。泊まっている部屋に戻った後は、めっちゃくちゃにいっちゃいちゃしてた。かわいい。……真夜には黙っておこう。
真由美: 龍郎と踊りたくてパーティーが始まる直前に引き止めたものの、大人は参加不可だった。泣きそう。でも今度家に来る時に踊ってくれると言われてうきうきした。頬が緩んだ。うふふぇふぇへへへ。……おい見ろよ、服部くんが微妙な顔してるぞ。
あずさ: 目の前で少し子供っぽく甘える真由美を見て思考が止まった。あれぇ?本人は否定してたけどその顔は……もしかしなくてもそういうことなのでは??あれれぇ〜???なんて考えていたら自分の努力と実力が大企業の人間に認められて涙腺ゆるゆるに。就職先が決まりました()。このことを帰宅後に満面の笑みで話したところ、あずさパッパが複雑な気持ちになったたそうな。
鈴音: 目の前ででろんでろんに甘える深雪を見て思考が止まった。司波家の仲が滅茶苦茶良いことは察した。うん。でもあの後自分と自分の父親で想像してみたところ、思ったより悪くないのでは?と思ってしまった。誰にも言えない秘密である。
克人: やや歳の離れた妹たちのことを認知している、弟も妹も大好きなお兄ちゃん。小学生のかわいい妹たちにがんばえーと応援されたらそりゃ誰でも無双できるでしょ。やはり愛が力の源……。まだ高三なのに色々背負いすぎなんよキミィ。なお、彼のパッパは龍郎と弘一からの口撃でフルボッコにされ、ちゃんと責任を取っているとのこと。残当。
森崎くん: 深雪とのやりとりが目に入って龍郎の存在に気付いた。自分が一方的にしていた絡みを思い出してしまい、変に居心地が悪くなって一人になった。そこに龍郎が襲来した。…いや怖いだろこれ。流石の森崎くんもビビるわ。まだ高一だから仕方なし。でも涙腺を破壊されて心に余裕ができました。やらかした分の信用はこれから取り返していこうな。
森崎夫婦: 軽い気持ちでプレゼントを買おうとしたところ、龍郎に唆されて息子への想いを形にした。一旦相談を始めると細部までかなり拘るくらいには愛情を持っている。実は手の込んだメッセージカードをケースに仕込んでおり、森崎くんを泣かすことになった。この日を切っ掛けに、息子との距離が少しずつ近付いていったらしい。親バカは世界を平和にする……。
サルビア: 『家族愛』
私たちは貴方を愛しています。
センニンソウ: 『安全, 無事』
貴方が無事に過ごせますように。