自分はyoutubeでゆっくりな動画とかを投稿している人類です。
本作品は
「自分の力量不足で動画にできなかったシナリオを小説にすればいいんじゃね?」
とかいう軽率な理由で生成された物体です。
小説というか、まともな文章を書くのも初めてな感じなので、
読みにくいかもしれませんが大目に見てください。
それと、本作品は動画「東方冬闇夜」のその19の後日談のようなものなので、
それ以前の動画を見ていただくと読みやすいかもしれません。
冬闇夜のリストhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLd4Xy0PNm5zdWwaQGISsVgh90E-HDUFCQ
岩長咲耶
:「命を弄ぶ程度の能力」を持つ。
能力でできることは、自分のけがなどの状態を他人と交換すること。
それと、生物の寿命操作。
:勝負事では基本的に自傷から他人に押し付けて勝ちをとる。
本作では出てこないが、多重人格者で副人格は何をしてでも咲耶を守ろうとする。
:ルーミアとは姉妹のような仲(だと思っている)。
古明地さとり
:「心を読む程度の能力」を持つ。
心を読むことができるのは周知のことだが、他人の精神世界に入ることもできる。
精神世界では、読心能力は使えない。
:迫害されてきた過去がある。
「ここは…」
ふと目を開けると見知らぬ天井…どころか壁すらもない空間にいた。
「ここは精神の世界。まぁ、夢みたいなものです。」
そうつぶやく桃髪の少女。古明地さとり。
彼女とは数日前にその妹である古明地こいしに紹介された仲である。
つまり、顔見知り。正直なところ彼女のことは何もわからない。
初対面の時、一方的に話をされ丸め込まれてそのまま別れてしまったからだ。
「夢なら、なんで貴女がここに…?」
夢ならもっとふわっとしてるはずだ。
なんて言うか、自分がこれを夢と認識していることがおかしい気がする。
そんな疑問の答えは
「それはここが夢ではないからです。」
それだけだった。
というか、さとりさんの口数が明らかに少ない。
まえはもっと、他人のあたまにずかずかと入ってくるような発言ばかりだったはずだ。
「あなた...本物?」
「ええ、本物ですよ。」
本物らしい。
たぶん性格を作ってるタイプのヒトなんでしょう。知らんけど。
「それで、どうしてわたしの夢なんかにいらっしゃるのでしょうか?」
「少しお話をしたいと思いまして。」
「なるほど?」
でも、お話をするのは夢ではなくて山の麓だったはず。
予定が変わったのでしょうか?
すると彼女は
「ここは精神の世界です。貴女やわたしは自分の知らない現象が自分に起きないんです。」
「そちらの方が都合がいいなと思いまして、こちらに来たわけです。」
そう言った。
「は、はぁ、知らないことが起きるとどう都合が悪いんです?」
わからない、わたしには「さとりさん」という存在が全く分からなくなってきていた。
「例えば...」
そういいながら拳をこちらに向けるさとりさん。
何が起きるのかと凝視していると指のスキマから何かが飛び出してきた。
――――――――――――――――――――――――――――
パシュッ―――
缶詰に穴が開くような音が何もない空間に響く。
ここでは本人に危害があるような現象は既知の範囲に抑えられる。
わたしの指から発射された妖弾も現実ならともかく、ここでなら命を落とすことはないだろう。
「……あれ…?」
倒れた咲耶さんは一切の身動きが無かった。
ここは精神の世界。心を読む程度の能力は精神の世界を読み取るもの。ここでは何の役にも立たない。
わたしはただの弱点が普通より一つ多いだけの妖怪になり下がるのだ。
つまるところ、他人の状態の把握は近づかないとできない。
倒れた咲耶さんに駆け寄ってみると息をしていないのがわかる。
他人の精神の世界に入るのは、まだ両の手指の数ほどしか経験がない。
その中でも、殺そうとしてみるのは半数にも満たない数しかない。
そして、攻撃を受けた側もだいたいピンピンしていたのだ。
「あれ、おかしいな…」
精神の世界で「死」という現象が起きるのは「死」を経験したことがある場合に限るはずだ。
そうでもなければ「死」の概念を理解できるはずがない。
何世紀も生きてきたわたしですら恐怖を覚えるその言葉を、彼女は、咲耶さんは身近に感じている可能性がある。
こいしの話から考えると点と点がつながることも理解できる。
彼女は頑丈なわけではなく、ただ生き返っただけなのだ。
なら、生き返る現象もセットで起きるはず。
カウンターのような攻撃の話をこいしがしていたのを思い出し、少し離れた場所から観察してみるとする。
少しして、咲耶さんの身体は胸から糸で吊るされたように起き上がり、きょろきょろと周りを見渡していた。
「マジか...」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
夢の世界で、また、目が、覚めた。
頭痛がする。眩暈もある。
頭が、脳みそがグチャグチャになったような、そんな気分。
視界の先には、少し離れたところで目を丸くしているさとりさん。
記憶が飛ぶ前の事を思い出してみる。
こちらに向かってほほ笑むさとりさん。
突き出される腕。
頭への強い衝撃。
……
あぁ、そうか。”また”死んだのか。
そうか。アイツも敵なのか
なラ、コろそウか。
そレとも、なブろうカ
そんな思考とは裏腹に、手本のような笑みがこぼれ落ちた。
「アハッ、あははハはハハッ」
「まずハそノ細いユび、ツぎはテくビ、そシて」
「......脳天だ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、ははは...」
笑顔で死刑宣告されたんですけど...
自業自得って言葉がありますけどっ...
流石に笑えない。
笑って流せない。
いくら既知の範囲に抑えられるからといって、攻撃をされるのは嫌だ。
というか痛いのは嫌。
『覚り妖怪』という種族は昔から迫害されてきた。
拷問、夜襲、いろんなことをされた。
だから、痛いのは嫌いだ。
痛いのは怖い。
「あの、和解とかって…」
目の前で咲耶さんは”自分”のゆびをへし折った。
あの笑顔のまま。
「は...?」
彼女の指はあらぬ方向へ曲がっている。
あのままでは一生物を持つことはできないだろう。
現実世界なら。
流石に妹の知り合いがそんな風になってしまわなかったことに少し安心する。
しかし、ここではしっかり折れているのだ。流石に心配になる。
「あ、あのっ、大丈夫ですか...⁉」
反射的に駆け寄ろうとしてしまう。
「ふフ、あナたはやさシいんでスね。」
「え…」
『パチン』と、どこからか指を鳴らす音が聞こえる。
それと同時に、両手に激痛が走る。
「デも、残念なコとに、敵ハ消さなキゃイけないンデす。」
自分の手元に視線を移す。
そこにはさっきどこかで見た、あの状態の手先があった。
「っっ......!!」
声が漏れる。
過去のトラウマが重なるように想起される。
いやだいやだいやだ。
はやく、早急に、迅速にここから逃げなきゃ...!
「つギハ、てくビ」
「いジわルなおテてとさよナらしましょウ?」
耳の奥で肉が裂ける音が聞こえる。
骨が外れる音が聞こえる。
指が、鳴る音が聞こえる。
「あ”あ”っ......!!」
腕が軽くなる。
熱を感じる。
痛い痛い痛い痛いいたいイタイイタイ!!!
腕の重量が無くなり、バランスが崩れる。
反射で腕を前に出し、受け身をとろうとしてしまう。
なにもついてない手首が地面と衝突する。
「い”ッ...!!」
歯を食いしばり、痛みを紛らわせることしかできない。
地面を転げまわり、のたうち回り。
声にならない声をふり絞り。
彼女から少しでも距離を離そうと足をばたつかせる。
「べツに、しカイにハいってイればイいンですけドね」
「いイの?イいンだっケ?」
視界の端に私とは違う。クセのない桃髪が映る。
光の無い山吹色の瞳がこちらを覗き込んでいる。
いやだいやだいやだ、死にたくない。
はやく、ここから出なきゃ。
この場から離れなきゃ。
―――――――――――――――――――――――――――
今にも泣きだしそうな桃色の瞳がこちらを睨みつける。
正直、良心が痛む。
でも、あの子をここに呼ぶわけにはいかない。
あの子は加減ができないから。
あの子に、もう大丈夫だよって言えなくなるから。
だから、わたしは一人で生き残らなきゃいけないんだ。
友達の姉であろうと、妹の友達であろうと。
わたしの命を狙う輩は消さなくっちゃいけないんだ。
妖怪は頭が無くなるくらいじゃ死なないかもしれない。
灰になっても、そこから元に戻れるかもしれない。
ならわたしは、わたしを襲う気にならないように、
わたしに、一生会いたくないと思ってもらえるように。
頭のおかしい狂人で居続けよう。
快楽殺人者であり続けよう。
だから、さようなら。
「さイごは、のうテん…」
そう言って、その場にあった石ころで、自分の頭を全力で殴りつけた。
そこで目が覚めた。
体を起こすと、目の前でさとりさんが土下座をしている。
「えっと、あの...「すみませんでしたぁぁぁあああっ!」」
かぶせるように謝罪の言葉が飛び出してきた。
「え?...えぇ......?」
困惑することしかできない。
彼女の身体には傷がない。
腕もちゃんとついてる。
ちょっと安心。
でも、自分の敵であることには変わりない。
「っ!...とどめを刺さなきゃ...」
そこで突然羽交い絞めにされる。
視界にちらつく金色の髪。
見慣れた白色の袖。
力を入れるたびに抵抗して漏れる声。
たぶんルーミアちゃん。
でも、いまは鬼にならないと。
「放してっ、これじゃ攻撃がっ...!」
「せめて話を聞くのだ!お姉ちゃんにヒト殺しなんてさせたくないのだッ!!」
突然の正論。頭が真っ白になる。
報道される殺しの事件はほとんどが突発的なものだと聞いたことがある。
自分がそうなるとは思っていなかったけど、よくよく考えたら自分がそれそのものなことに気が付く。
「あっ、えっと...」
頭が回らず、言葉が詰まる。
「あのっ、これは半分くらい出来心だったんです...!」
最初に口を開いたのはさとりさん。
「こいしが怪我をしたって報告されて、それが結構な重傷だったって聞いて...」
「その、なんていうか、半分は報復みたいな感じで…」
「...もう半分は知らない力に対しての興味といいますか、好奇心といいますか...」
だんだん声が小さくなっていく。
それと反比例するように、整った顔がどんどんと恐怖で歪んでいく。
わたしの心は白旗を振る準備を始めてしまっている。
良心とか人としての尊厳とかがわたしに牙を向け始めている。
「えっ、あ、あの...」
そんな声にすら大げさに反応し、カタカタと震える(見た目が)年端もいかない少女を見ると、
自分が悪者になてしまったような感覚にさえなってしまう。
どうしようもなくなって、ルーミアちゃんにヘルプの合図を目で送る。
…呆れた顔で頭を叩かれた。わたしが何をしたって言うんだ。
叩かれた頭をさすりながら言葉を選んでいると、
「だ、だから…」
「拷問でも強姦でも、何でもしていいから...!」
「だから私を殺さないで...!」
「...その、し、死にたくないんです...」
いまにも消えてなくなりそうな少女の口からとんでもない言葉が紡がれた。
正直めっちゃ困惑してる。というか、社会的に自分が死んだ気がする。
後ろにいるルーミアちゃんはこぶしを握り、こちらを見据えて大きく振りかぶっている。コワイ。。。
「お、おねーちゃん…?」
その空気を壊したのは突然現れたツバ広帽子の少女の声だった。
「あなた、おねーちゃんに何したの⁉」
「内容によっては容赦しないよ...!」
鬼気迫る表情で投げかけられる言葉に気圧されてしまう。
「え、その、あの...」
「目が泳いでる!やましいことがあるの⁉」
「す、すみませんでしたぁぁぁあああっ!」
「ふーん、認めるんだ...」
ハメられた、誘導尋問ってこれの事なんですね…
「あ、こ、こいし...!」
「うるさい!おねーちゃんは黙ってて!!」
必死なさとりさんの静止も軽くあしらわれてしまう。
「おねーちゃんの敵はわたしの敵。」
「おねーちゃんの敵は地霊殿の敵。」
「おねーちゃんの敵は旧都の敵。」
「おねーちゃんの敵は...」
呪詛のように言葉を連ねながらこちらに一歩、また一歩と近づいてくる。
「えっと、これはその...」
「なに?」
こいしちゃんの声ってこんなに低かったっけ?
ともあれ、言葉を濁らせ、相手に隙を作ったところで、
土下座をし、カタカタと震えている少女。目以外が笑っている呪詛を吐く少女。呆れた顔をした少女。
そんな、情報量がオーバーフローしている部屋から逃げ出すしかなかった。