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─────むかしむかし、とてもとてもとおくの雪山から、傷だらけのゆきがみさまがやってきました。
むらの人々は、とてもびっくり。おおきくてまっしろなゆきがみさまが、傷だらけでやってきたからです。
むらの人々は、がんばってゆきがみさまを看病しました。ゆきがみさまは無事にげんきになり、おれいに「こどもたちとともに、この地をまもりましょう」といいました。
それから、そのむらはゆきがみさまとそのこどもたちとともに、たすけあってくらすことになりました――――
ウユリ村の童話『ゆきがみさま』(一部省略)
◇◇◇◇
物音に飛び出すと、運んでいたであろう壺を割ってオロオロしている少年がいた。別にモンスターとかじゃないのか、よかった。
「おーい、大丈夫か?」
「あ、ヴェルカにーちゃん!え、えっと、たたた助けて!」
「あ、おっま!」
少年は俺の後ろに隠れた。どーしたもんだと思って割れた壺を見てみれば、その中からハチミツがこぼれている。
あーなるほど、と理解する。すると案の定、怒った様子の竜人の青年がやってきた。
「どこ行った!……ってああ、ヴェルカ。その後ろに隠してる小僧をな」
「ネーギルガ、まずは状況を聞きたいんだが」
ネーギルガ・ジールメーツ。だいたい同い年の、竜人族の新人ハンター。俺の幼馴染だ。少々喧嘩っ早いが、悪い奴じゃない。
ちなみに、この村のギルド支部では仮登録までしかできないため、本登録のためにも四日後に共に街まで旅立つ予定だ。
「そこの小僧がな、俺のとっておきの甘味を盗んだんだ!」
「マ?」
「マ、だ。だから、引き渡せ」
少年を見れば、震えながら助けを求める目で見てきた。
しょーがない、庇うだけ庇うか。
「まあまあ、反省してるみたいだし、まずは落ち着け」
「落ち着いていられるか!とっておきが割れたんだぞ?!」
「ほら、新鮮なやつの方が美味いだろ?新しいのが取りに行ける機会になったじゃないか」
「それはそうだが、うむむ、美味いハチミツ……」
ネーギルガは考え込む様子を見せる。それから、かんがえついたのか。
「チッ……分かった。出発日に少しより道だ。……ただ、小僧。村長に叱ってもらうからな?それで許す」
「そ、村長?!」
「なんだ?氷牙竜のほうがいいか?」
「う……ごめんなさい……ありがとう……」
おずおずと少年は前に出て頭を下げる。
ネーギルガも落ち着いたのか、ため息をついて「とりあえず片付けろ」と言った。
そう言われて、少年はとてとてと道具を採りに家に向かって言った。
「つったく……で、改めてだが起きたのか」
「ん?まあな。すぐ治るから心配すんなよ」
「そこは心配してない。それで、やっぱりハンターにはならないのか?」
ネーギルガはよく、「ハンターにならないかと」聞いてくる。どこぞの上から3だか4番目の鬼か?!とかちょっと思ったこともあるが、心の底から色々考えてくれているので違う。
ならないと言い続けて早5年、初めはキレられたものの今では割とわかってくれているらしい。半分冗談のように言ってくる。
「言った通りだ。ギルドって縛りがあるとできないことも多いからさ」
「そうか……突然なりたくなったら言えよ。俺はいつでも歓迎するぞ」
「それはありがたいな」
そう会話しているうちに少年が戻ってきたので、共に割れた壺を片付け始めた。
▼▼▼
――――そして、四日後。
村の人々から大規模に送り出され、俺とネーギルガは村を出ようとしていた。
「じゃ、行くか」
「ハチミツのために寄り道するからな」
「はいはい」
そう話していこうとすると、村長が一歩前に来て言う。
「頑張ってくるのじゃぞ。ゆきがみさまへの挨拶も忘れずにの」
「わかってるよ、村長」
「ああ、ちゃんと挨拶はしていく」
「うむ。たまには帰ってくるのじゃぞ」
その言葉を聞いて、俺たちは出発する。
「ゆきがみさま」は、ウユリ村に伝わる守り神のことだ。
遥か昔に何かあったようで、ここら一体のポポと共に、代々外来の大型モンスター……例えば、"轟竜"ティガレックスとか、"獄狼竜"ジンオウガ亜種とかから守ってくれている。
そして、村の外に行くときと返ってくるときは、洞窟に入る前に「ゆきがみさま」に挨拶していくことが掟のようになっている。
一応、昔、育ての親に連れられて「ゆきがみさま」に会ったことがあるが、なかなかのド迫力だった。同時に、優しさも感じ取れた。
「ヴェルカ、この時期ならどのあたりが一番ハチミツが採れる?」
「今の時期なら……「ゆきがみさま」のとこの近くだな」
「じゃ、先に挨拶していくか」
雪山を登る。雪山だが、あまり険しくはない。もう片方の雪山はなかなか険しい。まあ、あっちはいまクシャルダオラが住み着いてるっぽいし、用はないし……。
ハチミツやら小型モンスターやらの出現に関してはネーギルガも詳しいはずなのだが、昔から、2人で行動するときは俺が情報でネーギルガが体力で、みたいな感じなのでその癖だ。
ポポの親子を横目に、登山道を行く。もふもふのポポの子供はやっぱりかわいい。ふわふわしている。
しばらく進むと、頂上……ではないが、開けた場所に出る。
そこには、「ゆきがみさま」とその子供、何匹かのポポがいた。
「おー。相変わらず「ゆきがみさま」は大きいよな」
「ネーギルガは何回か外出てるから多く会ってるのか」
「まあな。……ってことで、「ゆきがみさま」、俺達村の外でちょっと頑張ってくるわ」
「ゆきがみさま」は、『パオォォォォォン』と答える。なるほど、「いってらっしゃい」ということか。
「おおっ、音圧……」
「体が大きいし、「ゆきがみさま」の種族自体デカいからね」
「子供はポポみたいなのにな」
真っ白で大きく、像のような姿の「ゆきがみさま」――――"銀嶺"ガムートが、優しげな眼差しで見つめてくる。
この"銀嶺"は、どういうわけか代々この辺りを護っている。理由を直接聞こうと思ったことはあるが、ここまで来るのはなんとなく面倒なので聞いたことはない。
「……あ、そうだ、「ゆきがみさま」。この近くのハチミツ、採っていいです?」
そういや近くのハチミツを採るし、一応聞いといたほうがいいだろう。
すると「ゆきがみさま」は、静かに目を閉じ、その長い鼻で一点を指す。
そこを見れば、大きな蜂の巣がひとつ。なるほど。
「あれを持ってけってさ」
「本当か?!「ゆきがみさま」、感謝するぞ!」
嬉々とした様子で、ネーギルガはハチミツを採るべく蜂の巣に駆け寄る。
その間に、なんとなーく「ゆきがみさま」を観察してみる。
ガムートの老いた個体である"銀嶺"の特徴である、白銀の毛並みがきれいだ。あと、めちゃくちゃデカい。確か、たまーに村から見えるときもあったっけな。
傷はあるものの、それはいつぞや"轟竜"ティガレックスを撃退してくれた時のものだろう。
……基本的に、この辺りに住むモンスターは穏やかな個体が多い。
また、中・大型モンスターもガムート以外にはウルクススがいるくらいだ。
海に目を向ければ違うだろうが、どういうわけかギアノスやらブランゴやらとかも生息してないので、かなり平和だ。クシャルダオラが飛来して来てる?あれは例外だ。
あ、いや、確か洞窟にフルフルがいたっけ。たまにケルビ食ってるだけののんきな奴だ。別に害はない。
まあそういうわけで、稀に外からとんでもねーのが来る以外は平和な地域なのだ。おそらく「ゆきがみさま」こと"銀嶺"ガムートのおかげだろう。
何故ポポだけでなくウユリ村も守っているのかは分からないが、間違いなく特別穏やかな個体だろう。
「ヴェルカ、待たせたな」
「おっ。いいの採れたか?」
「最高だ。それじゃあ、「ゆきがみさま」、行ってくる!」
そう言い、「ゆきがみさま」が見送る中、俺達は洞窟へと向かう。
――――この辺りは「ゆきがみさま」のおかげで平和だが、一歩洞窟を抜ければ「ゆきがみさま」の威容は届かない。
魑魅魍魎跋扈する……とは言わないが、それでもやはり、様々なモンスターがいるため危険だ。
だが、きっとこの先危険なことはいくらでもあるだろう。気にするほどではない。
それよりも、この先に出会う人々や起こることに対してのワクワクが強い。
俺達はギルドのある街――――ユアンシキリへ向けて進みだした。
……あ、そういや報告の手紙も書くのを忘れないようにしないとな。
軽いキャラデータ
【ネーギルガ】
17歳、男
・ウユリ村出身、珍しい竜人族の新人ハンター。ヴェルカの幼馴染。
あまいものとガムートが好きで、特に甘いものはハチミツを好む。
ヴェルカ曰く、「短気だけどいいやつ」
軽い拠点データ
[ウユリ村]
・「ゆきがみさま」が護る地域にある村。山に囲まれた海岸の豪雪地帯に位置する。
ハンターズギルドの支部はあるが権限は弱く、仮登録までしかできない。
そのため、ちゃんと登録するなら最寄りのユアンシキリの街までいかなければならない。
村の旗は白いガムートのような形。