【完結】コケダマですが、なにか?   作:あまみずき

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本日二話投稿、まずは前話のエピローグからどうぞ。


あとがき

 あとがきです──読了お疲れ様でした。

 どうだったでしょうか? 

 

 これにて「コケダマですが、なにか?」完結です。

 

 原作が完結するより前に見てみたい結末を思いつき、約一年半も描き続けました。

 それに付き合ってくれた読者の皆さん、此処まで読んでくださり本当にありがとうございます。

 

 

 

 この結末は、書き始めた当初から考えていた展開でした。

 

 様々な人物たちに全ての支配者スキルを取得させて、揃わせるのも。

 コケちゃんが敵として立ちはだかり、全員で立ち向かうのも。

 それらの象徴が、自然災害であり公害であったり、星の悲鳴を代弁するものであったり。

 某シルヴァリオのように、詠唱させたり覚醒させるのも。(これが一番やりたかった)

 

 公開ラブレターと、プロポーズ返し、やっぱりど直球告白詠唱は、最高だなって。

 二人の神名と転生時の初期スキルが詠唱の中に含まれているのも、上手く噛み合うよう捩じ込むのになかなか頭を使いました。

 

 二人の答えが、恩返しと感謝という真理であることも。

 ラスボスがDであり、和解エンドも。

 

 考えていたことを全てやりきれた感覚は、最高の達成感です。

 

 しかし、それでも問題点は幾らか見つかったりもしましたが。

 やはり名前の呼び方など、シリアスな雰囲気中心ではそぐわない感じがしたり。

 人外転生モノの魅力を引き出しきれなかったり。(神化以降は人型メインでしたし)

 

 けっこう原作を改変し過ぎたのではないのかなと、思わなかったり。

 原作がどちらかと言えばコミカルでギャグ混じりなのに対し──

 こちらでは始めから本格的にシリアスやっていましたし、ラストは完全に厨二でしたし、作風が全然違うので。

 

 オリジナルでやれ? 今なら私もそう思います。

 終盤なんて、名前とキャラだけ借りた独自展開でしたし。

 けれど世界観が書きたいものと合致していたので『蜘蛛ですが、なにか』の原作を使わせていただきました。

 素晴らしい世界を考えてくれた原作者の馬場翁先生に、感謝を贈ります。

 そして、ここまで読んでくださった読者の方々にも、改めて深い感謝を。

 

 

 

 本作の主人公でありラスボス系ヒロインである、コケちゃん。

 人型時のキャラ外見設定は、原作キャラと誰とも被らず個性的な見た目を演出するためにはと、この容姿となりました。

 

 一番近いのが、フィリメス(先生)になります——

 金髪だけどストレートヘアのショート。金から翠に変わるウェーブの超ロングといった差異。

 白よりの活動的なレンジャー服に対し、黒よりのゆったりとした魔女服といった、対比の印象を受ける服装に設定されています。

 

 これは白との関係性にも当てはまるもので、白主体でフード付きの聖女っぽい服に対し、黒主体の魔女服と三角帽子と、此方も色合いや印象が真逆になるように服装を選びました。

 

 性格面については、元は優しい気質だけどそれゆえに狂気に堕ちた少女という感じです。

 深い愛情を抱くからこそ、それが壊れたり反転したりすると発狂するという。

 一歩間違えればヤンデレにも世界破滅系ラスボスにもなる、愛重たい族です。

 

 母子家庭と自身が生まれた経緯から彼女には男性嫌いになる要素を加えていたので、ポティマスや改心前ユーゴーなどに殺意湧いていたのはそのため。──そして百合百合するための布石。

 

 

 

 コケちゃんに絡む元ネタは、お察しの通りギリシア神話のコレー(ペルセポネ)です。

 一部原典から細かな差異や変更点はあるものの……

 冥王(D)によって冥界(異世界)に連れて行かれ、其処から神へと至り、そして誘拐劇を見ていた太陽神 (白織)の手によって助けられて、なんやかんやあって地上にコレー(翠星)として舞い戻るという感じです。

 

 ペルセポネの神話の中には──ハデス(D)、ヘカテー(冥土さん)、デメテル(苔森照)、ヘルメス(アリエル)、ヘリオス(白織)、等々。

 

 原作を読んでいて──あれ? これ色々とギリシア神話と親和性あるなと思いつき。

 より神話要素を引き込んできたのが、本作となりました。

 

 蜘蛛子には、変身物語の「ミネルヴァとアラクネー」それに太陽神としてヘリオス要素を詠唱に混ぜ込んで。

 女神ミネルヴァ(アテナ)に傲慢に挑発して腕を競い合うことになり、その末怒りを受けて蜘蛛に変えられてしまうというお話から。

 実際に蜘蛛と変えられそれでも尚と神(D)に抗うことを選択し、最終的に太陽となったという訳です。

 

 この構想自体は迷宮編の中間あたりには決めていて、そしてエンディング自体は執筆する前から決めていた内容でした。

 主人公が最後の敵となって、原作キャラ全員の見せ場を作る。

 そして最後は、原作主人公(白織)によって本作主人公(コケちゃん)は救われて、誰もが納得するトゥルーエンドへ。

 そして最後は──再誕した星で幸せな祝福を、です。

 

 

 

 この作品には、幾つかのテーマを織り混ぜて書き上げました。

 

 まずは星。

 人の罪業によって滅びを迎え、その清算を今も背負わされていることへの問い。

 そして人は、何が出来るのか、何を思えば良いのか。

 その問いかけ。

 

 そして恩返し。

 このような運命を歩むことになったけれど、それで出会えた繋がりと世界を知れたこと。

 絶望を押し付けられたことと、幸福を得られたこと、それを天秤にかけてどう答えるのか。

 その問いかけ。

 

 最後に。

 主人公たちを真っ向から否定するようですが裏テーマとして、神の否定もです。

 邪神の企みに抗って、人々を苦しめる神やシステムなど自分達には要らないと高らかに宣言するのが、人であるシュレインが到達した答えでした。

 

 それらまだまだ描写不足な感じか、あるいは混ぜすぎて要点がぼやけた感じもしますが、答えは一応示せたような気がするので充分満足。

 

 

 

 初めての長編完結、とても楽しかったです。

 そして深い勉強となりました。

 またいつか。

 夢みた世界が交わる先で会いましょう。

 

 

 *もしかしたら、アフターを執筆するかもしれません。

 幾つか書いてみたい話もあるので、纏まったら載せておきたいです。

 ……後日談や、日常とか、桃色空間とか、ねっちょりぬぷぬぷした末路(デキた)とか。

 地球でのお話とか、性格反転などネタ次空などなど。

 

 こんなのが見たい誰々の外伝が読みたいなど、希望が上手く合致すれば書くかもしれませんし。

 それらは活動報告にでも投書していただければ。

 

 

 改めてもう一度──此処まで読んでくださった方々に感謝を。

 まだ行っていない方は感想・評価を残していただけると嬉しいです。

 そして本当に良くて最高の作品だと思ってくれたのなら、推薦もぜひに。




fin.

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