生産職になりたいのでDEXに極振りしたいと思います。 作:紙吹雪
「何故【超加速】を・・・」」
「私のこと舐めてました?」
「そうではないから引いたのだがな・・・」
サリーとカスミ、二人の超加速が切れる。そこは大きな砂丘に囲まれた谷間だ。逃げ場もなく見通しも悪い。先に動いたのは・・・
「【一ノ太刀・陽炎】」
カスミだった。彼女の姿が揺らいで消える。
そして、次の瞬間にはサリーの目の前に現れていた。
横薙ぎに振るわれた刀がサリーの胴体を深く切り裂く。
「なにっ!?」
カスミが驚く。サリーだったものは目の前で空気に溶けるように消えてしまったのだ。
「皆、最初はそういう反応をするんですよ」
「くっ!?」
すれ違いざま、サリーはカスミを両手の短剣で斬りつける。カスミの身体からエフェクトが飛び散る。
位置を替えて2人が再び構えた、その時。
「う、うわぁ!?止まってーーーー!!?」
「あわわわわ・・・!?」
「め、メイプル!?とミルフィー!?」
◆◆◆◆◆◆
「あ、あの!メイプルさん!?これ止まれるんですか!?」
「えーっと!無理かも!?」
2人の後を追いかけようとしたのは良いものの、全く追いつけそうにない。どうしようかと悩んでいると、メイプルさんが「盾をソリみたいにして滑って行こう!」と提案したので私はその案に乗りました。メイプルさんに絲を巻き付けて、後ろから引っ張られながら移動していたのですが、止まらなくなってしまいました・・・
「う、うわぁ!?止まってーーーー!!?」
「あわわわわ・・・!?」
「め、メイプル!?とミルフィー!?」
大きく飛んだ後、私達は2人の間に派手に砂を巻き上げながら着陸しました。私はメイプルさんが下敷きになってくれたので無事でした。って違う!早く退かないと!?
「わわわ、ご、ごめんなさい!?」
「いいのいいの!・・・って、うぇ!?」
「!?メイプル!?」
「なにっ!?」
落下の衝撃がトリガーになったのでしょうか、流砂が発生してカスミさんも含む4人を沈めようとしてきます!
「そ、そうだ!絲を使えば!」
私は2人に・・・いや、カスミさんにも伸ばすべきか?いや、こうなった原因は私とメイプルさんだし押し付けるのもなんかなぁ・・・あ、絲切られてたんだった!?まずい!
「【絲生成】!せいっ!」
【絲生成】には約2秒ほどのラグがある。普段ならそこまででもないけど、咄嗟に使うとなるとかなり厳しい。結局、自分自身しか流砂から逃れられなかった。
「うう・・・2人ともごめんなさい・・・」
メールで2人に謝罪する。すると、「気にしてないよ」と返事が来た。あの人達は菩薩か何かですか?私だったらタバスコをぶっかけるくらいするかもしれないのに。
「・・・何しよう?」
取り敢えず、周囲の探索でもしておきますか。
◆◆◆◆◆◆
オアシスの湖の中に一枚。砂の中にニ枚。合計3枚のメダルを見つけた。砂の中にあったメダルを見つけたのは絲を駆使して力技で見つけたのだけれど、かなり疲れた。まさか、地下5メートルくらいのところに埋まってるんですもん。大変でしたよ、ええ。
日が落ちかけてきている。サリーからのメールによると、どうやら3人は隠しダンジョンにいるらしいが、まだ脱出して来ないみたいだ。やられてしまった訳ではないみたいだけど、少し不安だ。
「ふぅ・・・ん?」
今、気の所為かもしれないが何かが光ったような・・・?
「なんだろ・・・!?」
ビュン!と音を立て、近くの地面に何かが刺さっていた。咄嗟に絲で移動していなければ、恐らくそれは私の頭に突き刺さっていただろう。それはすでにお日様が沈んでいるものの、はっきりと視認できる。何故ならそれ自体が光を放つ矢だったからだ。しかし、それはすぐに何事もなかったかのように消えてしまった。
「まさか、狙撃!?」
私は咄嗟に砂山の影に隠れようとするが、光の矢が正確に私の頭部を狙って飛んで来る!偏差射撃もできるのか!?それに、光の矢って確か・・・
「ぐ・・・」
こうなればひたすら動き続けるくらいしか方法はないだろう。
もう周囲はかなり暗いのに射撃の狙いは正確だ。
「どうする?このままだといつかきっと当たってしまう・・・」
実際、絲を使った変則的移動はかなり動きが読みにくく、速い筈だ。しかし、相手は既に対応し始めている。こうなれば・・・
「光の矢を受けるのを覚悟して突っ込む!」
何回も光の矢を見ているので、射手の大体の位置は分かる。その方向に向かって全力で移動する。矢の狙いは主に頭なので、絲を頭に巻いておく。こうすることで、メイプルさんの半分くらいのVITが見込める。
「【装着・鉄塔】!やぁー!」
瓦礫を出鱈目に振り回す。すると、人影が一瞬だけ見えた。多分、あいつが矢を撃っていた下手人だ。そいつは綺麗な着地を見せるとこちらに向き直った。
私より少し高い程度の身長で、髪は肩に掛かるくらいで綺麗な茶色をしている。女の子のようだ。そして、これらの特徴からして・・・
「前回七位の【極光の射手】ティアラさん、ですよね?」
「ええ、そうよ」
やっぱり・・・
「そういう貴方は二位の【首狩り姫】ミルフィーかしら?」
「・・・」
その名前はやめてほしい。なんというか、気恥ずかしい・・・というか、見た目の割に言動がかなり大人っぽい。多分、私より大分年上だ。
「大人っぽい・・・」
「!?」
思わず私がそう呟くと、ティアラさんの肩をビクンと跳ねた。
「・・・わ。私は、大人っぽいか?」
「?えっと、はい」
「!!?・・・そ、そんな褒めたって何も出ないからな!」
あれ、この人意外とチョロい?
しばらく不思議な沈黙が訪れたが、そこに3つの人影が現れた。
「おーい、ティアラ?何してん・・・なるほど」
「気づいたら姿が見えなかったが・・・そういうことか」
「おう、久しぶりだな・・・ミルフィーさんよぉ」
前回五位、一位、六位がいた。ドレッドさんだ・・・・・・
うん逃げよう。すまない2人とも・・・
「逃げる!!」
「逃がすと思うか!」
「わ、私は一度狙ったものは逃さない主義でな・・・!」
うわぁ!?追ってきた!?
「な、なんでそんなに追ってくるんですか!?」
「前のイベントの仕返しだ!」
「獲物を仕留め損なうなど、一生の恥だ!」
「こ、こっちに来ないでぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
この後の鬼ごっこは朝まで続いた。タスケテ・・・
◆◆◆◆◆◆
「ぜぇ、ぜぇ・・・・・・」
私は息を荒らしながら密林の中にあった洞窟で座っていた。な、なんとか逃げ切った・・・もうやだ疲れた。途中で炎帝の国の人達がいたから巻き込んで来た。多分、あれがなかったら逃げ切れなかった。ごめんなさい、そしてありがとう炎帝の国・・・
「サリーさんとメイプルさんの居場所は・・・うわぁ、遠い・・・」
3人はあの後無事に脱出できたらしい。それは良かったのだが、2人とはぐれてしまった。合流しようにも闇雲に逃げ回ったせいでかなり遠くて難しい。おのれドレッドさん・・・まぁ逃げ回ってる途中で三枚もメダルが取れたけどね。と言うのも、轢き逃げした相手がちょうどメダルを持っていたらしい。
「さてと、合流しに向かいますか・・・ん?」
疲れていて良く分からなかったが、洞窟の向こうで何か輝いているようだ。もしこれがあのティアラさんの矢だったらもうログアウトしよう。
「よし、行ってみますか・・・」
私はなんとか息を落ち着かせてから洞窟の奥に向かった。
評価、感想お待ちしております!
ぶっちゃけとっとと第二回イベント終わらせたい
【極光の射手】ティアラ
作者が「原作に弓使う人いないなぁ。せや、追加したろ!」みたいなノリで生み出されたオリキャラ。灼眼のシャナのあの人とは関係ない。光の矢を高速かつ正確に放つことを得意とする。
背の低さがメイプル以上のコンプレックスで、指摘されると烈火の如く怒り出す。実はフレデリカよりもよっぽど年上らしい。大人っぽいと言われると照れる見た目通りの面も持っている。胸はメイプルよりマシな程度。イメージCV茅野愛衣
フレデリカ「なんで私いなかったの?」
ティアラ「置いていかれたんでしょ(適当)」
7/6 ちょっと付け足しました。
7/19 誤字修正しました。指摘してくれた方ありがとうございます!